横山光輝 短編集 【影の世界】他6作品収録

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昭和35〜37年頃に少年サンデーに掲載された、1話読切りの横山光輝の短編7作品を収録。

①【過去をのぞいた男】

ギャングの村雨は、警官に追われ、呼び声のする家に逃げ込んだ。 そこには白髪に白いヒゲの老人の科学者が住んでおり、村雨の事を見通す位に何でも知っていた。  不気味に感じた村雨が問いただすと、なんとその老人はタイムマシンの開発に成功したので、村雨の起こした事件の事なら何でも知っているというのだが・・・

②【午後3時の対決】

とある田舎で、生徒数人を乗せた車が忽然と姿を消した。  毎日決められたように正確にA・B地点を通るのに、A地点を通過した車がB地点に来ない。 わき道も無ければ崖から落ちた形跡もない。
 
運転していた青年は金を欲しがっていたので誘拐目的ではないか?と疑われたが、運転手の弟が、手品が趣味の兄の言葉をヒントに推理し、やがて意外な形で一件落着する。

③【影の世界】

少年探偵の草原がマスコミに囲まれた。 というのも、東京都内で強盗2人を追跡していた彼が、1時間30分後にアフリカで保護され帰国したからである。  草原は暗い面持ちで「あなた達に信じろとは言えませんが、何が起こったか事の顛末をお話しします・・・」と話だした。 その内容を聞いた記者たちは言葉が出ず、草原は肩を落しながら歩き去っていく・・・。

④【黒い沼地】

アメリカ開拓時代。 とある牧場に有名な拳銃使いのガンマンが破格の値段で「牧場を売ってくれ」と訪ねてくる。 が、牧場主は丁寧に断った。  すると西側だけでもいいから譲ってくれと。 

そこは農作物は育たず、牛がそこの水を飲んで次々と死ぬようないわく付きの土地なのに。  そして数日後の夜に牧場が襲われ、すったもんだで犯人は捕まるが、それはあのガンマンだった。 その裏には黒幕が居て、やがて何故あんな不毛の土地を手に入れ様としたかの謎が判明。

⑤【時間警備隊】

時間航行(ワープ)を使い、過去や未来に行って不正を働く者が後を絶たない。 そこで≪時間警備隊≫なる組織が作られ、本部は2億年前の原始林にあり、古今東西の時代の優秀な者がそこに集められ、徹底した研修を受けた者だけが隊員になり、それぞれの時代に戻る。 本部では、古代ギリシャの人と日本の侍が会話したりする風景(笑)  

そんな時に江戸時代に『殺傷石』という、近付くと生物が死ぬという岩の事件を知った隊員が、江戸時代のその村に調査に向かう・・・

⑥【13番惑星】

13番惑星にロケットが着陸。 実は過去にも何度も調査船を送り込んだのだが音信不通になるので、解明すべく色んな分野の専門家チームが今回来た、という訳である。 

着陸して一同が驚いたのは、十字架が一面に立てられ、傍らには争った形跡のある隊員の白骨死体が何体か。 そしてその向こうの崖を上るとその先には広大なお花畑というアンバランスな風景が。

今回は慎重にも慎重な調査を開始した隊員たちだが、1人死に、また1人死に・・・残る2人のうちの隊員1人(植物学者)がもう1人の隊員(仮にハヤブサゴローとする)に調査結果を話し始めたが、結局どちらも死んでしまう。 しかしハヤブサゴローが死ぬ間際に本部に事の真相を記録に残す。 地球はこの13番惑星への渡航を禁止した・・・

⑦【タイムマシン】

ある科学者がタイムマシンの開発に成功。 助手と共に大喜び。  助手はかねてからの計画を実行するべく、タイムマシンの人体実験に志願して4日後にタイムワープし、銀行強盗で大金を強奪し現代に戻ってきたのだが、科学者には少し時間のズレがあるみたいなので発表は延期しましょうと提案する。 

大金を手に入れた助手は、4日後の犯行時間に大勢の人の前で騒げばアリバイが成立すると、わざわざ喫茶店に行くのだが・・・

🌻いずれも昭和35〜37年発表で古さは否めない。  映画【ターミネーター】や【バック・トゥー・ザ・フューチャー】とかでタイムマシン・ネタには慣れているつもりだったが、やはりややこしい(笑)   

⑥の【13番惑星】はメトロン星人(ウルトラセブン)・『謎の発狂石』(謎の円盤UFO)好きな僕にはとても良かった。

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