- Nautil_Works Museum
- 10F アンモナイト目
- Tissotia obesa
Tissotia obesa
Species :Tissotia obesa
Age :後期白亜紀コニアシアン
location:ペルー/バグアグランデ
まるでセラタイトの様な縫合線を持つアンモナイト。
三畳紀に栄えたセラタイトとは系統的に大きな隔たりがある本属は、アンモナイト亜綱の中でも複雑なアンモナイト型縫合線を獲得した先祖から後退的進化を繰り返して単純化の道を歩んだグループの仲間。
進化のベクトルを180°転換し縫合線の単純化の道を進んだグループが辿り着いた進化のひとつの解答。
複雑な縫合線は外殻を堅固に支え、内部保水率を上げて安定性を向上させたと言われている。
そんな一見メリットだらけの特徴が退行する環境とはどのようなモノだったのか。
縫合線=螺管の外殻際に出る隔壁外側が模様化したモノ。
複雑な縫合線は波打った複雑な隔壁の現れ。
螺管や隔壁等を含めた殻は、軟体部の外套膜から炭酸カルシウムを分泌して生成される。
隔壁は外套膜を写した型だとも言われている。
そのため、縫合線が複雑≒枝葉の様な突起が付いた外套膜を有していると言う事になる。
そうした特性を紐解いていくと、素人ながらに単純な縫合線のメリットも思い浮かぶ。
縫合線が単純という事はつまり
外套膜が単純な作りで軟体部が丈夫になって利を得た。
隔壁の表面積の総量が減少≒質量が低下して軽量化が繁栄に繋がった。
隔壁の表面積の総量が減少≒殻生成時のカロリー削減が生存能力の上昇に繋がった。
etc...
とにかくなにがしかのニッチを確立する優位性があったため退行的進化に至ったものと思われる。
素人が考えても仮説どころか想像ですらない妄想だが、進化って不思議で奥が深くて面白いよね。
