Parawocklumeria paradoxa

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Species :Parawocklumeria paradoxa
Age   :後期デボン紀ファメニアン
location:ドイツ/メンデン

非常にレアな三つコブ系クリメニアの中では割とたまに……それなりに稀に流通してるパラウォックルメリア属の物凄いちっさいヤツ。

この標本は5㎜くらいだが、20㎜くらいある海外コレクターの写真を見たことがるのでもっと成長するはず。
しかし、市場ではそのくらい大きな標本は見た事が無い。
20㎜前後のサイズであれば、間違いなくレア度★4以上に跳ね上がる。

因みにP.patensとして売られていたが全然違う。

ドイツのデボン紀標本全般的に言える事だが、しっかり外殻が保存されている代りに縫合線を観察するのは困難。
仮に縫合線が露出していたとして、今回の標本は小さすぎて観察困難なので、縫合線での同定は不可能。
ヘソやコブの形状でしか属種の判別ができないのだが、どの資料を見てもこの標本はP.paradoxaだと言っている様に見える。

成長に伴い巻きが変化するのかもしれないが、成長の途中で丸巻きに変化するWoklumeria(※1)やSoliclymeniaの様に成長に伴って変化するといった情報が見当たらない。

P.patensについてはゴニアタイト図鑑というWebサイトが非常に綺麗な標本として掲示されているが、それと見比べても似ても似つかない。

※画像2枚目:引用"fossilium catalogus animalia Pars 138"
※画像3枚目:引用"Impact of environmental perturbations on heterochronic development in Palaeozoic ammonoids"
※1=https://muuseo.com/Nautil_Works/items/46?theme_id=45504

Wocklumeria denckmanni
Species :Wocklumeria denckmanni Age   :後期デボン紀ファメニアン location:ドイツ/メンデン デボン紀末にピンポイントで爆発的繁栄をしたアンモノイドの異端児クリメニア目の仲間。 (多分、目全体がファメニアンに発生してファメニアンに絶滅) クリメニア目の仲間は連室細管が巻きの内側(背側)を通る、有殻頭足類の中でも珍しいグループ。 そんな奇妙なクリメニアの中でも、三つコブ巻きの奇妙な形態が多いウォックルメリア科の仲間。 更にウォックルメリア属は幼年期は三つコブに巻き、その後成長して丸巻きで覆われた成体になる奇妙に奇妙を重ねた属。 この標本は、ボロボロな裏面が幸いして断面が露わとなり、丸巻きの成年殻に覆われた三つコブ巻きの幼年殻が観察できる。 本来、状態の悪い標本は忌避するところだけど、成長による変化が観察できる素晴らしい標本に仕上がっている。 5枚目の写真は図鑑の標本と比較。 Fossilium catalogus animalia Part138 というデボン紀のアンモノイドを系統毎に収録し、形態情報まで記載した専門書に近い図鑑。 デボン紀のアゴニアタイト、ゴニアタイト、クリメニアの同定する際は必読の書と言える逸品。
https://muuseo.com/Nautil_Works/items/46

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