Anarcestes cf.latissimus

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pecies :Anarcestes cf.latissimus
Age   :前期デボン紀エムシアン
location:モロッコ/Bou Tcharafine

アゴニアタイト目のアンモノイドなのだが、昔は目名にアナルセステス目という名称が用いられていたらしく、日本語の資料では未だにアゴニアタイト目ではなくアナルセステス目と表記されているものもある様子。

日本は北海道をはじめとした白亜紀末期の頭足類化石の名産地だが、ジュラ紀以前の海生化石を含む地層が貧乏しいため、アンモノイドの研究はほぼされていないのだろう。

そしてこの標本だが、中心に丸いプロトコンクという部位が観察できる。
プロトコンクとは軟体動物が初期発生の段階で身に付けている殻で、オウムガイが皿状なのに対してアンモナイトが球状といのがノーチラス亜綱とアンモナイト亜綱を隔てる形態的な差異らしい。
因みにノーチロイドであるオルソセラス目の仲間から、球状のプロトコンクを持つバクトリテス目が産まれたのがアンモノイドの始まりで、その後アゴニアタイト目を生み出したという流れ。

頭足類化石にはまり始めた頃にその情報を知って、プロトコンクが観察できる標本を探しこの標本を手に入れた。
標本自体は非常に小さいが、プロトコンクが観察しやすく大変素晴らしい標本。

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