Medlicottia orbignyana

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Species :Medlicottia orbignyana
Age   :前期ペルム紀アーティンスキアン
location:カザフスタン/ウラル南部Aktjubinskaya Oblat

プロレカナイト目の仲間だが縫合線が複雑なメドリコティア科の仲間。
複雑と言っても幾重にも枝葉がわかれたアンモナイトタイプではなく波が密に細かく刻まれている。

アンモノイド黎明期のバクトリテス目は例外だが、このメドリコティアの様にアゴニアタイト目~セラタイト目まで各目で、アンモナイト目の仲間以外にもある程度縫合線が複雑化したグループ(※1)はいる。

ただし複雑な縫合線を有しているグループはいずれも傍流。
次世代の目を生み出すグループは概ね単純であり、アゴニアタイト目~アンモナイト目初期グループまでの直系の中で、縫合線の複雑化を一番推し進めたのは、意外にも一番地味なプロレカナイト目である。

しかし、このメドリコティア科の仲間は傍流であり、残念ながらこの細かな縫合線を引き継いだ次世代を生み出す事なく絶滅する。
別途コレクションアイテムとして掲載しているダラエリテス属(※2)が次世代のセラタイト目の仲間を生み出す事になる。

※画像5=引用"Classification of the Late Paleozoic Family Medlicottiidae Karpinsky (Ammonoidea)"
※1=ゴニアタイト目で縫合線を複雑化した例:https://muuseo.com/Nautil_Works/items/47?theme_id=49407
※2=https://muuseo.com/Nautil_Works/items/22?theme_id=49409

Cyclolobus oldhami
Species :Cyclolobus oldhami Age   :後期ペルム紀チャンシンジアン location:マダガスカル/アンビロブ 引用図(4枚目):“東北大学総合学術博物館” アンモナイトと勘違いする程、複雑な縫合線を持つゴニアタイト。 バクトリテス目以外のアンモノイドは、どの目も本流とは別系統で縫合線を複雑化させたグループがいるけどコイツはやり過ぎ。 下手なアンモナイト目よりも複雑な縫合線を有しており、前期三畳紀にセラタイト目から分化したフィロセラス亜目ウスリテス科のアンモナイトがアンモナイト目の起源なので、時代も先取りしている。 オマケにアンモナイトの始祖タイプであるウスリテス科はこんなに複雑な縫合線を有していなかった。 いうなればオーバーテクノロジー。 しかし本属を頂点に逆行。 退行的進化により縫合線を少し単純化させる。 ビギナーの人からは、縫合線が複雑だからアンモナイトだからアンモナイトでしょ? って声が聞こえて来そう。 正規の博物館ですら、アンモノイドに関する知識を ゴニアタイト型 セラタイト型 アンモナイト型 とかで雑に広めてる悪影響。 正直、この分け方が自体が化石とも言える古臭い因習。 しかしゴニアタイトと他のアンモノイドには明確な違いがある。 セプタルネックという連室細管を構成する器官がゴニアタイトだけ隔壁の前側に付いており、他のは後側に付いてるらしい。 昔の資料ではゴニアタイトは傍流とされ、アゴニアタイト目から直でプロレカナイト目に至る系統樹が見られる。 恐らくこの器官のせい。 比較的新しい海外の系統樹でも色々見かけるから、この辺は色んな説が入り乱れて近年でも定まってないのかな。 個人的にも目レベルでみて、進化の間に挟まる種だけ別の特徴を持ってるのはかなり違和感を覚える。 各種アンモノイドの世代交代サイクルがざっくり5年だとして、数百万から数千万もの世代交代で変化を重ねて産まれる目レベルの形態差。 爺ちゃんがハゲで オヤジがフサフサ白髪で 自分がハゲ とかの親子三代の覚醒遺伝とはわけが違う。 脱線したので話を標本に戻す。 レア度で言えば、収集復帰前は方々探し回ったけど入手できなかった。 復帰後はコンスタントに流通に乗ってる様子。 現状たまたま流通の波が来てるだけという可能性もある。 一過性のもので、1年後には流通が途絶えて入手困難……。 なんて事例もざらにある界隈なので、欲しい方は今のうちに入手する事をオススメします。
https://muuseo.com/Nautil_Works/items/47
Daraelites elegans
Species :Daraelites elegans Age   :前期ペルム紀アーティンスキアン location:カザフスタン/ウラル南部Aktjubinskaya Oblat アンモノイドいちの地味メン。 ゴニアタイト目から分化したプロレカナイト目の仲間。 地味だけどアンモノイドの子孫繁栄の繋ぎ役となる重要なグループ。 プロレカナイト目は単純な縫合線を持つ初期ゴニア型から生まれた。 更に進化を重ねて、縫合線を徐々に複雑化させて沢山の山と谷を形成する、このダラエリテス属が生まれた。 そして縫合線の谷に切れ目が入った種、つまりセラタイト型縫合線を持った種を生み出す。 ※縫合線≒外套膜の形状痕跡。つまり外套膜の凸部に複数の突起が形成された種がセラタイト目と言う事。 ダラエリテス属が、セラタイト目の始祖ゼノディスカス科の種を生み出す。 ビギナーが見れば、なんの変哲もない小さく地味で目立たない標本。 だけど、前提知識を持って観察するれば見方が変わりアジのある標本に見えてくる。
https://muuseo.com/Nautil_Works/items/22

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