Lituites cf.Toernquisti

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Species :Lituites cf.Toernquisti
Age   :オルドビス紀
location:スウェーデン/エーランド島

新しくコレクション入りしたゼンマイ。
ではなくリツイテス目のノーチロイド。

この標本も例にもれずLituites lituusとして販売されていたが、幼年殻に相当する巻殻の部分が非常に小さく外径20㎜程度しかない。
私が所有している他のリツイテス属標本と比較しても半分程度しかない。

巻殻がみるからに小さいので、購入前にWebの販売写真を見てすぐにあたりをつけて事前にざっくりっと同定したうえで購入した。

リツイテス目を数値ベースで細かに分類した論文を参考に
20㎜前後の巻きの小さなリツイテス属はL.ToernquistiもしくはL.baculusのみ。

L.Toernquistiは資料内での計測標本で巻殻の直径が最大モノは20㎜。
L.baculusは産出が少ないのか、計測数が1例のみで、資料上の標本モデルでは巻き殻の直径20.8㎜。

両者の違いは、巻き部分の拡大率とバックコイル部分(巻き部分の背面のこと?)の装飾の違いらしい。

L.Toernquistiが1.5倍の急速拡大とのことなので、細かい計測はしていないものの、拡大率が高いのでこの標本は、両者の二択であればL.Toernquistiと判断して概ね間違いなさそう……な気がしなくもなくもない。という素人判断で採決。

リツイテス属以外で巻きの小さな属は、ホルミセラス属やアンシストロセラス属がいる。
しかし初期に分化しているグループで双方とも太肋なしの細肋のみの殻を有しおり、竿殻は曲がらず真っ直ぐに伸びて、ホルミセラス属は太目の竿を形成しアンシストロセラス属は極太に極大成長する。
素人でもひとめで判別がつくほど特異な形態をしているため、これらの属ではないと言える。

個人的に同属別種を何体も集めたのはリツイテス属くらいだろうか。

リツイテス目の仲間対して強い興味を抱いているというのもあるが、リツイテス目の分類を細かにまとめてくれた論文があるおかげで同定作業がはかどり収集欲が湧く。
やはり研究者は偉大だ。

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