アレキサンドライト(ロシア産)0.212ct

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発見は1830年、ロシア帝国はウラル地方、スヴェルドロフスク州エカテリンブルクから北東約90km、トコワヤ川流域のエメラルド鉱山にて。

その石は昼はグリーンですが、夜はレッドに変色し、時のロシア帝国皇太子アレキサンダーⅡ世の名からアレキサンドライトと命名されます。

その後、スリランカ、インド、ブラジル、マダガスカル、タンザニア、ジンバブエなどでも産出し、世界五大宝石のひとつに数えられるようになりましたが、宝石になるレベルの原石の産出は極めて少ないレアストーンのひとつです。

ロシア産アレキサンドライトは緑から赤へのカラーチェンジが抜群で、発見から200年経とうとしている今でも世界最高の評価を受けます。しかし、20世紀初めには産出が途絶えたため、これに比肩するアレキサンドライトが出回るのは、1987年、ブラジルのミナスジェライス州アントーニオ・ジアス、ヘマチタでの発見を待たねばなりませんでした。

しかし、ヘマチタのアレキサンドライトも、採掘期間が3〜4ヶ月で産出が止まっているようで、宝石市場でみるものは"幻のヘマチタ産"とまでいわれます。

ヘマチタ産でなくても、ブラジル産のアレキサンドライトは平均してクオリティが高いものが多く、最高品質のものはブルーイッシュグリーンからパープルにはっきり変色します。

なお、ヘマチタ産のアレキサンドライトは、難しいですが探してみれば見つけることは可能です。国内の比較的大きなミネラルショーでも価格に糸目をつけなければ取り扱うセラーを見つけることはさほど難しくはありません。また、ネットショップなどでも"alexandrite hematita"と検索すれば、何点かヒットします。そして、かなりの品質のものでもそれほど大きくなければ、高額ではありますがまだ現実的に購入可能な価格です。

ロシア産は全くありません。

宝石のバイヤーが、一生に一度見ることが叶うかどうか、というレベルの希少性です。試しにネットで"alexandrite russian"と検索してみても、ロシア産と確信を持てるアレキサンドライトはありません。ebayでヒットするものも、産地同定がされた鑑別書がついたものがないため、本物のロシア産アレキサンドライトか疑わしいものばかりです。

私も海外のコレクターにも話を聞きつつ、注意深く探していたのですが、持っているコレクターはおらず、この石を入手するまでの3年3ヶ月の収集歴で、直接見かけたのは1度のみでした。

もしあったとしても、同サイズ同品質のヘマチタ産より価格は10倍程度となります。

また、聞くところによればロシア産はインクルージョンが多い裸石ばかりだそうです。たしかにebayなどの海外オークションで、"ロシア産"と書いてあるアレキサンドライトはインクルージョンが多いものばかりですが、確かなことは分かりません(それらの石には産地同定鑑別がございませんでした。)。

アレキサンドライトの産地同定は、国内では唯一日独宝石研究所が可能です。既に解散した全国宝石学協会は可能だったかもしれませんが、ジェムリサーチジャパン、中央宝石研究所も無理だと思います。ただ、海外ではGRS、ギュベリンはもちろん可能です。2019年からはGIAでも可能になりました。

しかし、産地を鑑別書に記載することで、ものによっては色石の価値をかなり引き上げることになるため、日独宝石研究所は、「バターリャ産パライバトルマリン(バターリャ産とは記載不可ですがパレーリャス産との区別はつきます。)」、「ジャンムー・カシミール産サファイア」、「ロシア産アレキサンドライト」については審査が特に厳しい印象です。

その日独宝石研究所の審査をクリアしたということは、日独宝石研究所のサンプルストーンの成分と一致した、ということなので、当該石はまごうことなきロシアンアレキサンドライトの最高品質です。

ブルーグリーンからパープリッシュレッドへの抜群のカラーチェンジにロシア産の中でも滅多に見られないルーペクリーン。日独宝石研究所の鑑別書には液体インクルージョンのみの記載。

今回はあえて英字鑑別をとりました。価値が世界で広く認められる石です。折角だし、という感じで取りました。

価値あるロシア産アレキサンドライト。色石の中で、入手難易度はジャンムー・カシミール産サファイア、パライバトルマリンエイトリータに並ぶか、それ以上。色石の頂点に立つ石のひとつであることは間違いありません。

鉱物名:クリソベリル
宝石名:アレキサンドライト
組成:BeAl2O4
重量:0.212ct
産地:Krupskoye deposit (Lyublinskoye; Tokovoi priisk), Izumrudnye Kopi area, Malyshevo, Sverdlovsk Oblast, Russia
鑑別:日独宝石研究所

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  • 不純物の少なさや抜群の変色性にも驚きましたが、こちらはカットの形状が整っていることもかなりの加点であると感じました💯
    これまでロシア産のルースを目にすることはあっても、その悉くのシンメトリー性が悪く興覚めするものばかりでした。
    質の悪い原石から、辛うじて透明度の高い部位を僅かばかり切り出しているのかと思うほどカラット数も小さく、ファセット面の大きさも不揃いという石が殆どでしたね・・・

    それに引き換えこちらのアレキは理想的なラウンドであるように感じられ、見ていてとても気持ちが良いです💎✨
    やはりルースであれば最後の仕上がりも肝心ですね👍

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      shm

      2019/10/27 - 編集済み

      コメントいただきありがとうございます😊大変恐縮です💦

      事前に調べていたのはロシア産アレキサンドライトの裸石の特徴が、まさしく仰られている通りでして、インクルージョンが多く、カットが整っていないものが多い、だけど変色性は抜群、というものでした。

      ただ、これを入手したショップで、他に手が出せそうなロシア産と思われる石が2ピースあり、そのいずれもかなりの品質でしたが、僅かにインクルージョンが確認できました。一番綺麗でカットが整っていたのがこの石で、ロシア産でこのクオリティはない、とショップのオーナーさんにも言われたのが決め手になりました😊

      しかし、ロシア産をお見かけされたことがあるのですか😳流石ですね...💧

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  • Gx6fcyly

    ofugutan

    2022/6/12 - 編集済み

    これは非常に素晴らしいコレクションですね!クオリティはもちろんですが、アクセサリーに加工しやすいサイズなのも魅力です。良い石はアクセサリーにして、手元で眺めていたい人も多いですからね。

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      shm

      2022/6/12

      コメントありがとうございます🙇‍♂️ロシアンアレキはまず滅多に見ることがなく、だいたいあっても内包物が多いので、クリアーな意志は珍しいと思います。サイズ感も狙っていました。

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