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Vincent d’Indy のピアノ自作自演盤
フランスの作曲ヴァンサン・ダンディ(1851-1931)のピアノ自作自演SOレコード。この10インチ盤の他に12インチ盤も仏HMVに残している。ダンディのピアノ曲は今日ではあまり取り上げられないが、「旅の絵画」などとても美しい曲集だと思う。作曲家自身のピアノ演奏を低く見る人もいるが、技術よりも作品解釈を聴くことが重要である。しかし、ダンディに於いてはピアニストとしての腕前だけでも充分に愉しめる。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Fr. HMV 1920年代夏目 久生
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Muri Silba (Muriel Silberfeld) : Chopin / Nocturne No.5 in F#, Op.15-2
ワルシャワ生まれでレシェティツキ門下のMuri Silba (Muriel Silberfeld) (1893-1965)の唯一の貴重なレコード。 プライヴェート・プレスであるVictor Special Recordのホワイトレーベル盤。 研究家が所蔵しているレシェティツキ本人の日記には彼女のレッスン記録も残されており、才能を高く評価されたピアニストでもあった。 美しく均整のとれた繊細な演奏が魅力的だ。 Sakuraphon CD "Leschetizky Vo.6"に収録される予定である。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
SPレコード Victor 1928年夏目 久生
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Erwin Nyregyházi : Macpherson / Deserted Garden
今や伝説のピアニストとなった19世紀的なピアノの巨人・ニアレジハージのSPレコード。 若き日に公式レコードのないニアレジハージとしては、まさに幻の78rpmレコード。 復刻や動画でも同じ音源を聴くことはできるが、音質クオリティが段違いに良くニアレジハージの爆演を聴いて取れる。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード RCA Victor 1936年夏目 久生
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Mark Hambourg : Liszt / Waldesrsuschen
ピアノ演奏における即興性というのは、自然の中にある揺らぎに似ている。全てが唯一無二でありながら、完璧に調和している。芸術作品が自然からの霊感を受けた映しである様に、演奏もまた自然から学んでいるものは一流である。リスト「森の囁き」も、ハンブルグの演奏もやはり一流だ。 このハンブルグの「森の囁き」のレコードは、1932年の2度目の録音。1度目は1927年に録音が行われている。これに限らずハンブルグは何度も同じ作品を録り直しているので、聴き比べの愉しみが多い。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード HMV 1932年夏目 久生
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Ignaz Friedman : Chopin / Valse No.9 in A-flat, Op.69-1
レシェティツキ門下の中でも伝説的なショパン弾きとして今でも絶大な人気を持つイグナッツ・フリードマンの新発掘レコード。 今までフリードマンによる「告別のワルツ」のレコードは未発売テイクしかないと思われてきたが、恐らくスペイン・リーガルだけで発売された別テイク録音。フリードマンのショパンは唯一無二、絶品。 この原盤からトランスファーした音源は、Sakuraphon復刻CD💿 “Pupils of Leschetizky Vol.3”(現在でも入手可能)に世界初収録した。数年前、フリードマンの研究者で伝記の著者、そしてArbiterレーベルの主催者としても高名なAllan Evans氏がこの発見をとても喜んでくれたのは、彼が逝去した今となっては大切な思い出となっている。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
SPレコード Spanish Regal 1930年代夏目 久生
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Auguste de Radwan : Chopin / Ronance ~Concerto No.1 in E minor, Ip.11
レシェティツキの門下となりパリで活躍したポーランド貴族のショパン弾き、オーギュスト・ド・ラドワン(1867-1957)。ド・ラドワンは、神童としてコンサートデビューを果たし、幼少期に開催したある慈善演奏会の聴衆の中には何とショパンの婚約者だったマリア・ヴォジンスカがいた。コンサート終了後、ラドワン少年の元に1人の老貴婦人が近寄って来て、「あのワルツは、ショパンが私に贈ってくれたものなのよ。」と伝えられたそうだ。 1933年頃、仏ウルトラフォンに録音されたこの一連のセッションは、ラドワン愛用のエラールが使用されており、古き良きポーランドのショパン演奏を偲ぶことが出来る貴重な資料となっている。 このレコードは、Sakuraphonレーベルの”Pupils of Leschetizky Vol.1”に世界初収録した。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
SPレコード France Ultraphone 1930年代夏目 久生
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Bernhard Stavenhagen : Chopin-Liszt / Chant Polonaise
リストのお気に入りであったシュターベンハーゲンは、師の死の床に立ち会った1人。このレコードはピアノロールを録音してSP盤でリリースしたものだが、幸いなことにピアニストの即興性が良く捉えられている。 因みにシュターベンハーゲンは1903年にたった1枚だけパテのエッチング盤にショパン「夜想曲第8番」の演奏を録音しているが、現存は確認されていない。しかし、この幻のレコードこそがピアノレコードコレクションの頂点である事は間違いない。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
SPレコード DECCA 1930年代夏目 久生
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Cherniavsky Trio : Paderewski / Minuet in G, Op.14
チェルニアフスキー3兄弟によるトリオ。ピアノのヤン・チェルニアフスキーは、レシェティツキ門下。そのレシェティツキの代表的な弟子であるパデレフスキ作品を取り上げている所が面白い。 彼らのレコードは他にも沢山良いものがあるので機会があれば是非聴いてみてほしい。 因みにヤンのピアノ独奏盤は、コロムビアに1面のみ、あとはパテの縦振動に数枚残されている。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Columbia 1920年代夏目 久生
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Manuel Infante : Daquin & Mendelssohn
スペインの作曲家マニュエル・インファンテがピアニストとして残した貴重なレコード。このOpéra盤の他に、パテ縦振動録音のエッチング盤に1枚残されていることが確認されている。音質からすると、このOpéra盤はパテ盤からのダビングではないかという疑問が付き纏う。 何故なら同じくパテ縦振動盤からダビングされたRudolph GanzやEthel LeginskaなどのPathé Actuelle(Needle cut)盤の音質とかなり類似しているからだ。 コレクター向けの骨董品だが、こういうレコードこそ愉しみもひとしおである。こっそりと愛でたい。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Opéra 1910年代夏目 久生
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Katherin Ruth Heyman : Scriabin / Prelude & Etude
アメリカでスクリャービン協会を立ち上げ、著作をものしたパイオニアできる存在の女流ピアニスト。この他に、ソナタを数曲録音している。スクリャービの音楽が受容される過程で、どの様な解釈で演奏が行われて来たのかを知ることのできる興味深い音源資料でもある。 現代ではピアニストがスクリャービン作品をレパートリーとして採り入れるとしても、既に豊富なお手本があるのでさほど苦労はしないかも知れない。しかし、あまりスクリャービンのレコードすら無かった当時だからこそ、ピアニスト独自の解釈で演奏出来るチャンスがあったという事ができる。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Friends of Recorded Music 1930年代夏目 久生
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Leon Kartun : Raff / Fileuse
フレンチピアニズムの典型的なピアニストであるLeon Kartunの仏オデオン盤。ガヴォーピアノ🎹の艶があって軽やかで暖かみのある美しい音色を、Kartunの清々しい演奏で愉しめる。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Odeon (Fr.) 1930年代夏目 久生
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Adolph Baller : ムソルグスキー「展覧会の絵」(全曲7面)
ベートーヴェンのソナタ演奏や伴奏者として知られるアドルフ・バラーが来日時に日本Victorに録音してSPレコード。何故、異国の地に来て、この「展覧会の絵」を選曲したのか、興味が湧いてしまう。4枚組7面録音で完結しており、最終面は自作曲というのも素敵だ。 この他にバラーのSPレコードには、10インチ4枚組のピアノ・アンコール集がある。即売会でそのレコードを見つけ購入しようと持っていたら「そのレコード買うんですか?」と声を掛けてくれたのが、ピアニストの松浦豊明氏でした。それから、ある方を通して交流させていただいた事はとても良い思い出だ。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード 日本ビクター 1940年代~1950年代夏目 久生
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Eduard Risler : Saint-Saëns / Valse nonchalante, Op.110
フランスの誇る伝説的なピアニスト、エドゥアルド・リスレル(1873-1929)が1917年仏パテ社に残した数少ないレコード。中でもこのレコードは、同時代にまだ活躍していたサン=サーンスの名曲を取り上げており、有名な自作自演のレコードよりも細やかな表情が素晴らしい決定盤だ。 因みに当時のパテは縦振動録音方式を採用しており、再生するには特別なセッティングが必要となる。また音質は通常の横振動録音よりも貧弱な場合が多い。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Pathé vertical 1917年夏目 久生
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Beéla Bartók : Liszt / Sursum Corda
ハンガリーの代表的作曲家ベラ・バルトークによるリスト作品のピアノ演奏レコード。バルトークもピアノの腕前が確かだった作曲家の1人。それはプライヴェート録音されたショパン「夜想曲」を聴いてもハッキリとわかる。この他、自作以外の曲を演奏したものではスカルラッティがある。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Patria Ultravix 1930年代~1940年代夏目 久生
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Vladimir Cernikoff : ショパン「前奏曲 Op.45」世界初録音
ロシア生まれのピアノ、ウラディミール・チェルニコフによるショパン「前奏曲嬰ハ短調 Op.45」の世界初録音レコード(1913年)。早めのテンポだが、無闇な幻想とナルシスティックな演奏にハマり込んでいないサッパリとした名演だ。 しかし後年チェルニコフはブランズウィックからピアノ独奏盤を2枚4面発売するが、ショパンのレコードは首を傾げたくなる様なエキセントリックな演奏。演奏家のムラ気とエンジニアの録音の失敗は何か関係が有るのだろうかと邪推したくなる。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
COLUMBIA(UK) 1913年夏目 久生
