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BREZHNEV'S WAR
『BREZHNEV'S WAR』は異世界史ウォーゲームであり、ソビエト連邦の指導部がヨーロッパ戦後体制の転覆を図ってサイゴン陥落から1980年の終わりまでのどこかで(アフガニスタン侵攻の代わりに)始める軍事作戦の最初の30日間における戦略的パラメータの研究を意図したものです。 2010年代後半からウォーゲーム業界では(特にアメリカで)「NATO対WP」テーマがブームになっていて、本作もそうした中の一品です。しかしこのCompass Games社は他にも『Doomsday Project』シリーズを発売している上に、VGの『NATO』とGDWの『The Third World War』も再販しており、一社で出し過ぎでは?という気もします。 基本ルールは簡単と言えるレベルで、空軍力や電子戦もポイント制のシンプルなものです。純粋に陸上戦力での決着を目指すゲームです。化学兵器や核兵器、避難民のルールもありません。 ユニット規模も師団規模と大きめなので、コマ数も少なくてプレイしやすいはずですが、何せフルマップ3枚という巨大な面積がプレイの障害になっています。 #第三次世界大戦 #西ドイツ戦線 ターンスケール: 1ターン=3日 マップスケール: 1ヘクス=6.66マイル(10.8㎞) ユニットスケール: 1コマ=師団 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/111 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/118
作戦級 東西熱戦 Ty Bomba 2人Sin Oga
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KOMET! コメート!
『コメート!』は第二次世界大戦後半の空中戦を再現する入門用ウォーゲームです。一人がドイツ軍、もう一人がアメリカ軍を受け持って対戦します。 フォリオになったルールリーフレット、A3判のマップシート1枚、コマ49個だけの非常にコンパクトでシンプルな空戦ゲームです。基本的には両軍とも戦闘機を4機ずつ持っての制空戦闘を行うことになります。アメリカ軍がB-17を登場させる護衛機対迎撃機のゲームも可能です。毎ターンプレイヤーは交互に速度マーカー1枚を引いて、その数字+機体の性能分の速度で1機だけを移動させます。空戦機動マーカーによって思わぬ機動や割り込み移動が行われることもあります。何ターンも動かない機体があるとか、概念的空戦ゲームとしてもやや違和感のある事態が生じ得ます。選択ルールでは1ターンに2機ずつ動かすとか、移動済みの機体は他の機体が移動済みになるまで動けないという提案もなされています。 登場機種はアメリカ軍がP47D、P51D、P38L、B17F、ドイツ軍がMe109G、FW190D、Me163、Me262です。速度と機動性、火力と耐弾性で必要最低限の性能差が付けられています。 #Me163 #空戦ゲーム ターンスケール: アブストラクト マップスケール: 1ヘクス=不明、高度レベル=なし ユニットスケール: 1コマ=1機
はるみやひろ コンバット級 航空戦WWⅡ 中黒靖Sin Oga
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F-16 ファイティング・ファルコン【新装丁版】
『F-16 ファイティング・ファルコン』は主に70~80年代に活躍したジェット機を使った空戦シミュレーションゲームです。ファントムとMiGが死闘を繰り広げたベトナム戦争、トムキャットが1発のフェニックスミサイルで3機のMiG-23を撃墜したと言われるイラン・イラク戦争、そしてシーハリアーが華麗な初陣を飾ったフォークランド紛争など、ジェット戦闘機同士の死闘が盤上で再現されます。 移動や攻撃はその機の高度レベルの低い順に行う方式なので、3~4機を無理なく操作できます。ジェット機の航空戦では最高レベルのプレイアビリティを誇ります。 登場機種は20機種、シナリオは史実物を中心に12本が収録されています。 このゲームは元々エポック社の『シミュレーション入門2』内の1作として発売されたもので、国際通信社が2013年にCTCSシリーズの#01として若干の修正を加えて再発売していました。本作はコンポーネントを一新して、登場機種やシナリオを追加した【新装丁版】です。「コマンドマガジン誌」165号から新シナリオが連載記事となっていて、173号と177号では新しい機種のデータカードが追加されています。 #ジェット航空戦 #F-16FightingFalcon ターンスケール: 1ターン=約10秒 マップスケール: 1ヘクス=約450m、1高度レベル=200m ユニットスケール: 1コマ=1機 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/88
コンバット級 コマンドマガジン別冊 航空戦ジェットエイジ 大平英樹Sin Oga
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アステロイド ASTEROID
『アステロイド』は地球との衝突軌道に乗った小惑星爆破に向かった少数の勇敢な人々の戦いを描いたゲームです。その人々の個性や遠隔制御されている小惑星採掘基地97Bの防御装置に関することなどがルール化されています。 これは国際通信社が発売した箱入りゲームです。元々はアメリカのGDW社が1980年に発売したゲームで、ホビージャパン社が和訳付きで輸入販売していました。その後ホビージャパン社が1985年に、国際通信社が「RPGamer誌」1号の付録ゲームとして2003年に日本語ライセンス版を販売していて、これが4度目の日本国内登場でした。コマとマップのサイズが大きくなってマップの厚みも増しています。また「RPGamer誌」に掲載された紹介記事とマンガも収録されています。 1960年代から70年代のB級SF小説や映画(「エイリアン」とか「アルマゲドン」とか)を彷彿させるゲームです。基本ルールは非常に簡単ですが各キャラクターの個性や採掘基地内の装置に関する特殊ルールが山盛りあります。戦術級ゲームというよりTRPGに近く、人類側を複数のプレイヤーで分担してのプレイも推奨されています。またコンピュータ側はゲームマスター的寛大なプレイが必要です(抹殺狙いもそれはそれでいいですが)。 B級SFなので、教授の娘(ヒロイン)が敵側にさらわれたりする展開もお約束です(『Attack of the Mutants』と同様ですね)。 #セミRPG #B級SF ターンスケール: 不明 マップスケール: 不明(1スクエア=2メートルほど?) ユニットスケール: 1コマ=1人、1体 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/141
戦術級 小惑星採掘基地内での活劇 Frank Chadwick & Mark Miller 2人以上Sin Oga
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関ヶ原 Sekigahara 1600
これは国際通信社が発売した「コマンドマガジン誌」159号の付録ゲームです。本誌中に各種併せて関連記事が22ページほどあります。 本作はフランスのHEXASIM社が2016年に発売した箱入りの3in1ゲーム『Tenkatoitsu』から「Sekigahara 1600」の日本語ライセンス版です。マップは日本語化されたくらいでほぼ変更ありませんが、コマのグラフィックはあっさりし過ぎくらいシンプルに改められ、またマーカーやチット類もユニットコマと同じ大きさになっています。 「関ヶ原」には基本ルールに日和見と裏切りのルールが追加されます。これは東軍と西軍がそれぞれ自陣営に引き込みたい日和見大名のチットをカップに入れ、そこから引いたチットの分だけ日和見大名の動向が左右して、東西どちらかに振り切ったらその陣営で参戦するというものです。ターンが進むと引くチット数が増え、戦況に応じてカップに入れる東西のチット数が上下します。関ヶ原の戦いでの裏切りルールは各デザイナーの悩みどころ(腕の見せ所)で、このゲームでは単調になり過ぎず複雑にもなり過ぎない絶妙な所に落ち着いているのではないでしょうか。 元々のHEXASIM版にもプレイテストや校正で何人か日本人が参加しており、日本語監修については海外他社の追随を許しません。それでも複雑なシステム故か、妙な日本語が残っているのも事実で、この日本語版でもそうした妙な日本語をどう日本語に訳すかの苦労が窺えます(妙なままの所もあります)。 元ゲーム『Tenkatoitsu』からは「長久手」が144号、「山崎」が149号で「コマンドマガジン誌」の付録ゲームになっています。 #関ヶ原の戦い #小早川秀秋 ターンスケール: 1ターン=30分 マップスケール: 1ヘクス=250メートル ユニットスケール: 1戦力ポイント=300人 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/269
合戦級 コマンドマガジン誌付録 日本戦国時代の合戦 Francois Vander MeulenSin Oga
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Tenkatoitsu -Sengoku Jidai- 天下統一 ・戦国時代・
本作はフランスのHEXASIM社が発売した、日本戦国時代の合戦を扱うゲームです。フランス製なので本来のルールブックはフランス語なのですが、本品は輸出用(?)の英語版です。 1582年の山崎、1584年の長久手、1600年の関ヶ原の3つの合戦を共通のルールで再現する3in1ゲームです。長久手は特に追加ルールのない基本的なゲームで、山崎には勝竜寺城の攻城戦ルールなどが、関ヶ原には日和見と裏切りのルールなどが追加されます。 同社の同じ「Sengoku Jidai」シリーズ『Kawanakajima 1561』(2009年発売)のルールシステムを、若干ブラッシュアップして使用しています。チットで引かれたクラン(氏族・郎党)が活性化するという、このスケールのゲームではよくあるシステムですが、そこへ更にクラン毎のオーダー(モード・命令)と移動タイプ、ジンケイ(秘策・計略)による戦術の適用などの要素が加わります(しかも、1ユニット中の戦力が精鋭兵と雑兵の2種類に分かれているという凝りようです)。はっきり言って凝り過ぎで、他の人にちゃんと説明できる自信がありません。ルールブックは例示が多いのでだいぶ分かりやすいですが、それでも用語で混乱が起きかねません。 このゲームは3つの戦いがそれぞれ「コマンドマガジン誌」の付録ゲームとして日本語版が出版されています。「長久手」が144号、「山崎」が149号、「関ヶ原」が159号の付録になっています。 #関ヶ原の戦い #山崎の戦い ターンスケール: 1ターン=30分~1時間 マップスケール: 1ヘクス=200メートル(山崎)、220メートル(長久手)、250メートル(関ヶ原) ユニットスケール: 1戦力ポイント=70~120人(山崎、長久手)、300人(関ヶ原)
Michael Monfront / 歌川国芳(原画) 合戦級 Sengoku Jidai series 日本戦国時代の合戦Sin Oga
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巨神ゴーグ
このゲームは、簡単に「巨神ゴーグ」の世界を楽しむことを目的に、今までのゲームとは少し違った角度からアプローチして作られたゲームです。 本作はテレビアニメ「巨神ゴーグ」から主人公・田神悠と青い巨人ゴーグのオウストラル島における冒険と、ガイル軍の軍事行動を扱ったゲームです。キャラクターや軍隊、マップ地形はすべてカードで表されていて、プレイヤーの行動もカードで行う、カードだけでできたゲームです(サイコロも1個入っています)。しかし、地形カードはマップの空間と時間を表したもの、キャラクターや軍隊のカードはコマの代わりで地形上に置かれて移動するものなので、純粋なカードゲームとは言えません。プレイの度にマップが変わる「ローグライク」なウォーゲームです。 悠とゴーグ側の目的は行動カードを引き切る前にマップを進んでマノンに会う事、ガイル側の目的はその阻止です。ガイル軍ではゴーグを破壊することはできず足止めするのが精一杯ですが、それでも一手でも二手でも進撃を遅らせるために涙ぐましい努力をすることになります(アニメの通りです)。 面白いゲームなのですが欠点が2つ。地形カードは最終的に20枚以上縦に並んで1メートルを超えるほどの場所を取ります。後方の地形はほぼ使わないので畳んでもいいのですが、そこにガイル軍が取り残されがちで畳めなくなるのが困りものです。 もう1点はカードが全種類同じ規格なので、地形の上に部隊を置きにくい事。今なら間違いなく別サイズになるのでしょうが。 カードは、地形カード100枚、行動カード138枚、キャラクターカード20枚、ガイル部隊カード40枚(陸軍20枚、空軍15枚、海軍5枚)です。 #ジャイアント・ゴーグ #ゴーグ ターンスケール: アブストラクト マップスケール: アブストラクト(マップタイル・カード制) ユニットスケール: カード1枚=個人1人または軍隊1部隊
安彦良和 戦術級 SF series 巨神ゴーグSin Oga
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Byston Well バイストン・ウェル
このゲームは、テレビアニメ番組「聖戦士ダンバイン」で行われた戦争のうち、バイストンウェル世界におけるドレイク軍のギブン領侵攻からナの国侵攻までをシミュレートしたものです。 ツクダホビーが発売した「聖戦士ダンバイン」ゲームの第3作です。バイストンウェル世界での「ドレイク戦争」を通して扱う大スケールのゲームです。オーラシップ、オーラバトラー隊、騎兵(歩兵)を駆使して敵国の占領を目指します。騎兵はこのゲームでは弱いですが、占領に必要なので重要です。 オーラバトラー隊は10機単位で、そこまでの量産に至らなかったダンバイン、ビルバイン、ズワァースなどは登場しません。ただし、地上人などの主要キャラクターはそうした特別機を操っているものとしてユニット化され、一騎当千の活躍をします(戦死する可能性もあります)。 多少雑な印象もありますが、アニメ番組のストーリーを通して再現するという点ではよく考えられていて、ゲームとしても面白いものでした。若干バランスは悪かったですが。 ラウの国のオーラシップ「グリムリー」ユニットのイラストがオーラバトラー「レプラカーン」になってしまっているのはご愛嬌です。 #聖戦士ダンバイン #バイストンウェル ターンスケール: 1ターン=不明(2週間前後?) マップスケール: 1ヘクス=不明 ユニットスケール: 1コマ=オーラシップ2隻、オーラバトラー10機、騎兵部隊
高荷義之 戦略級 SF series 聖戦士ダンバインSin Oga
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ウィングキャリバー
このゲームは「聖戦士ダンバイン」におけるオーラバトラー・ウィングキャリバーなどの戦いを再現したものです。前作『オーラバトラー』には登場しなかったウィングキャリバーなどを加え、ユニットの種類と数も増えました。 ツクダホビーが発売した「聖戦士ダンバイン」ゲームの第2作です。前作『オーラバトラー』の拡張版ですが単独でプレイ可能です。『オーラバトラー』のルールを踏襲したフルプロット方式の空中戦ゲームですがウィングキャリバーの飛行は若干航空機よりで、選択ルールでは高度ルールが加わり、プレイ感覚が航空戦ゲームに近くなります。その他若干のルール変更・追加が行われています。 機体は物語後半までのオーラバトラー・オーラボム・ウィングキャリバー・オーラファイター合計20機種が登場します。地上界編についてはルール化されていません。 マップはハードボード3枚1組でヘクスは大きめです。地形が美しく描かれています(佐竹政夫画)が、やはりゲーム上の意味はありません。 #聖戦士ダンバイン #オーラバトラー ターンスケール: 不明 マップスケール: 不明 ユニットスケール: 1コマ=1機(パイロット有)
高荷義之 コンバット級 SF series 聖戦士ダンバインSin Oga
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オーラバトラー
このゲームは「聖戦士ダンバイン」におけるオーラバトラー同士の戦いを再現したものです。オーラバトラーの剣による戦い、射撃、格闘まで再現され、ゲームはスリルに満ちた展開を見せてくれます。 ツクダホビーが発売した「聖戦士ダンバイン」ゲームの第1作です。バイストンウェル世界におけるオーラバトラー同士の空中戦を扱うフルプロット方式のゲームですが、オーラバトラーの飛行は航空力学とか関係ないし、このゲームには高度もないので、プレイ感覚は『Airforce』とかの航空戦ゲームよりも『Gladiator 剣闘士の戦い』に近いです。プロット式ゲームとしては簡単ですがそれでも1人で3機以上扱うのは厳しいです。 機体の性能はパイロットのオーラ力に左右され、そのオーラ力もターン毎に上下する(可能性がある)という点も「ダンバイン」の雰囲気をよく表していました。 登場する機体は物語序盤のオーラバトラー8機種だけですが、必要十分という感じです。 マップはハードボード3枚1組でヘクスは大きめです。美しく描かれていますが地形は関係ありません。 高荷義之のボックスアートが物語世界をよく表していて、ロゴとともにお気に入りです。 #聖戦士ダンバイン #オーラバトラー ターンスケール: 不明 マップスケール: 不明 ユニットスケール: 1コマ=1機(パイロット有)
高荷義之 コンバット級 SF series 聖戦士ダンバインSin Oga
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the AMAZING SPIDER-MAN スパイダーマン
マンハッタンの街を駆け巡り、悪と対決するスーパーヒーロー・スパイダーマン。そしてその正体は、ごく平凡な青年、ピーター・パーカー……。 このゲームは、マーベル・コミックスの生んだスーパーヒーロー「スパイダーマン」を扱った誰にでも簡単に楽しめる2人用のボードゲームです。 本品はアメリカ人デザイナー、リプセット・エドワードの手によるツクダホビーのオリジナルゲームです。アメリカでは出版されていないはずです。 プレイヤーはスパイダーマンか悪漢1人を担当します。相手をノックアウトするか、スパイダーマンなら悪漢を捕縛する、悪漢なら襲撃目標を奪取してマンハッタンから脱出することを目指します。ヘクスで描かれたマンハッタンの地図上で活動しますが、プレイはカードプレイが中心になります。カードは54枚入っています。 カードの効果がカード自体に書かれておらず、いちいちルールブックを参照しなければならないのは、最悪でしょう。マップを使わずにカードプレイのみのゲームにして、カードの内容をもっと練ってくれればもう少し遊べるようになったかもしれませんが、現状は残念なものでしかありません。 マップはTRPGのプレイ用マップとして使い道はあります。 1984年は「スパイダーマン」の映画もテレビ番組も(再放送を除けば)なかった年なので、なぜこれが製作・出版されることになったのかは本当に謎です。アメリカでのTVアニメが81~82年に二度目の製作がされているのでその日本語放送の企画があったのかもしれません。(東映版スパイダーマンは78~79年、アメリカのTVドラマが77~78年、その特番の日本放送は86年でした。) #スパイダーマン #マーベル ターンスケール: アブストラクト マップスケール: アブストラクト(ヘクス制) ユニットスケール: 1コマ=1人、警察・ギャングは1チーム
横手克昌 アドベンチャー級 FUN series スパイダーマンと悪漢の対決Sin Oga
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スペースフォールド SPACE FOLD
フォールドシステムの暴走で、はるか冥王星軌道まで飛ばされてしまったマクロス。行く手を阻むゼントラーディ軍の度重なる攻撃を振り切って地球へ戻ることができるであろうか? このゲームでは、プレイヤーはゼントラーディ軍とマクロスに分かれ、その所有する戦力をうまく運用し、この航海を再現します。 この『スペースフォールド』は、「マクロス」のストーリー全体を追ったスケールの大きなゲームです。マクロス側は限られた生産力の中でマクロス本体の修理やバルキリーなど艦載機の生産を行い、またカルチャーの育成を行います。カルチャーはゼントラーディ軍の出撃数に影響するため、ある意味兵器の生産よりも重要です。また両軍とも艦載機の行動時間に制限があるので、出撃時の第一波・第二波の配分が大きな意味を持ちます。エリア制の簡単なルールでプレイ時間も比較的短めですが、考える要素が多くて楽しいゲームです。 またバルキリー隊のパイロットとなって、マクロスの艦内生活(や女の子とのデート)を再現する『マクロスライフ』というTRPG風のゲームも付属しています。「マクロス」の本放送は見ていなかったので登場する女の子がさっぱり分かりません... #超時空要塞マクロス #VF-1バルキリー ターンスケール: 1戦略ターン=2週間、戦闘ターン=約30秒 マップスケール: エリア制 ユニットスケール: 1コマ=1中隊(10機)
美樹本晴彦/河森正治 戦役級 SF series 「超時空要塞マクロス」における宇宙空間戦Sin Oga
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アリオン
このゲームは、映画「アリオン」をもとにして、シミュレーションゲームの手法でゲーム化したものです。一部には、単行本にしか含まれていないキャラクターやモンスターも登場します。プレイヤーはキャラクターと軍隊をもって天上の神の座を目指します。君の行く手に栄光あれ! これは映画「アリオン」の公開に合わせて、ツクダホビーから発売されたゲームです。多人数プレイでストーリー全体の再現を行うゲームになっています。一応1人から10人までの各人数でプレイ可能となっていますが、あくまでも5人プレイが基本で、親ゼウス側と反ゼウス側での2人用対戦プレイと、アリオンの足跡を辿る1人用が補助的、それ以外の人数でのプレイはおまけ的扱いです。 コマ数は少なく、各種合わせて200枚近くになるカードを使います。カードプレイの妙を競うものではなく、データカード的な使い方が多いです。ランダムに引くものなのでカードである必然性はあります。5人プレイでの勝利条件がカードによって決まり、他人には分からない、しかもイベントによって途中で変わることもあるという点が一つの肝でした。 キャラクターメインでも軍隊中心のゴリ押しプレイでもどちらも可能な面白いゲームでした。ただやはりキャラクターゲームの宿命か、練り込みの足りない雑さも感じられたものです。リメイクしてもらいたいものですが無理でしょうね。 #アリオン #ギリシア神話 ターンスケール: 不明 マップスケール: エリア制 ユニットスケール: 1コマ=キャラクター1人、軍隊1部隊(規模は不明)
安彦良和 マルチP戦略級 SF series 「アリオン」の世界Sin Oga
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失われた鍵 MIDGARD
これはツクダホビーが1983年に発売した国産初のファンタジーシミュレーションボードゲームです。メルヘンを除いたファンタジーでは、おそらく絵双六を含めたボードゲームにしても日本初です。まだファミコンの「ドラゴンクエスト」も発売される前、ファンタジーのアイコンが「コナン」か「白雪姫」だった時代のものです。 非常にチャレンジングなゲームで、ストーリーが「探索編」「侵略編」「終末編」の三部構成になっていて、それぞれ異なるシステムのゲームを、前の部の結果を反映させた上で行う形になります。とはいえ第二部と第三部はおまけ的な感覚で、第一部「探索編」がメインのゲームでした。そして、プレイヤー2人がそれぞれ自分の世界の探索者役と相手側世界のゲームマスター役を行うという異色作でもありました。 シミュレーションゲームの業界にはそれ以前も輸入品でならファンタジーゲームはありましたが、SPIの『Barbarian Kings』やAHの『Wizard's Quest』といった領地を奪い合うものが中心で、ファンタジーらしい冒険と探索をメインにしたものが少なかったこともあって、新鮮な衝撃を受けよくプレイしていました。 ただ準備を含めたプレイ時間が長くなるのが欠点で、『Magic Realm』や『Mystic Wood』に手を出した後はプレイの機会が減りました。 「探索編」の短縮シナリオが収録されている他、世界を片方だけにしてプレイヤーが探索者とゲームマスターとに専念するプレイ方法も可能です。 #セミRPG #ミッドガルド
アドベンチャー級 SF series ファンタジー 村樫裕康/猪塚修Sin Oga
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ローズ トゥ ロード the Roads to the Lord
本作はツクダホビーから発売された純国産の商業ファンタジーTRPGの第一号です。『Traveller』の日本語ライセンス版とほぼ同期、『D&D』すらまだ日本語版の発売される前でした。それまでの国産TRPGはバンダイのDOシリーズなど単発のキャラクターものが多かったため、大いに期待されセールスも好調だったと記憶しています。 外箱の中にはルールブックとシナリオブック、ワールドガイドの3冊、フルカラーの世界地図、戦闘用のヘクスボード、チャートサマリーシート、ラミネート加工された魔法カード、戦闘用のコマシート、小さめのホワイトメタル製フィギュア4体とダイスが入っています。 ルールブックはB5版で実質12ページで、それまでに発売されたバンダイやツクダホビーのTRPGと比べても薄く、内容も薄いものでした。これはデザイナーズノート内で語られる「RPGに必要なのは最小限の規定で、あとはGMの常識と判断で展開するのが、RPGの本質」との考えによるもののようです。 ワールドガイドは実質14ページ。物語の舞台となるユルセルーム世界の歴史や地理、遭遇する生物などが紹介されています。 シナリオブックは実質16ページで、練習用のパラグラフゲームブック風極短編1本と、その続きとなる短編シナリオ1本が収録されています。 魔法カードは99枚入っていて、かなり特殊といっていい魔法ルールに欠かせないものです。特殊すぎて機能しているとは言い難いものでしたが。 最大の魅力は加藤直之の箱絵と、B1判サイズの世界地図で、大いに妄想が捗るものでした。 その後、サプリメントとしてワールドガイドが2セット発売されて、ツクダホビーからの展開は終わりました。出版社とルールシステムを変えて『ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード』や『(新)ローズ・トゥ・ロード』といったシリーズが展開されており、ユルセルーム世界は今でも人々を魅了しています。 #ユルセルーム世界 #RtoL
加藤直之 ロールプレイングゲーム SF series ファンタジーSin Oga