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ツバキ
カンボジア 1993年 学名:Camellia hybrid ツバキ科ツバキ属に属する園芸品種。 常緑性でありながら光沢のある厚みのある葉を持ち、花は冬から春にかけて咲く。Camellia hybrid ではこの性質に加え、開花期の調整や花色・花形の改良が行われており、例えばサザンカの早咲き性とツバキの大輪性を組み合わせた「カンツバキ群」などがその典型である。葉は長楕円形で、縁に浅い鋸歯を持ち、濃緑色で艶があり、厚みと光沢が特徴的である。多くの品種は樹高が1〜4m程度に育ち、自然樹形ではやや円筒状または卵形の樹冠を形成する。 花は単弁・半八重・八重・千重と多様な咲き方を持ち、色も赤、白、桃色、絞り(縞模様)、さらには黄色味を帯びた品種など、非常に多彩である。花の直径は5〜15㎝に達するものもあり、観賞価値が極めて高い。開花期は品種により異なるが、11月頃から早春(3〜4月)まで続くものが多く、冬季に花を楽しめる貴重な花木とされている。 原種のツバキ属は東アジアに広く分布しており、日本、中国、台湾、朝鮮半島が主な自生地である。Camellia hybrid に関しては園芸的に世界中で栽培されており、特にアメリカ南部、ヨーロッパの地中海沿岸地域、オーストラリアなど温暖な地域で盛んに育てられている。生育環境としては、半日陰から日向、風通しの良い場所を好み、酸性から中性の土壌でよく育つ。耐寒性は親品種に由来して異なり、C. japonica 寄りの品種はやや寒さに強く、C. sasanqua 寄りの品種は比較的乾燥にも耐える。 樹木としては長命で、数十年から100年以上にわたり花を咲かせることができる。適切な剪定をすればコンパクトな姿を保ちつつ毎年花をつけ、庭木としても非常に扱いやすい。耐陰性があり、建物の北側や林縁などでも育てることができるため、日本庭園や茶庭でも重宝されてきた。 人との関わりは深く、古くから茶道・華道における冬の花材として用いられ、さらに宗教的・文化的意味合いを持つ花木でもある。江戸時代以降は園芸文化の中核として多くの園芸品種が育成され、現在では数千を超える cultivars(園芸品種)が存在するといわれている。また、花が落ちる様子から武士の忌み花とされた歴史もあるが、現代ではその凛とした美しさが多くの人々に親しまれている。
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キダチチョウセンアサガオ
カンボジア 1993年 学名:Datura suaveolens ナス科キダチチョウセンアサガオ属の多年草。 ブラジル南東部を中心とした南アメリカの熱帯域が原産であり、自然下では標高1000m前後の温暖湿潤な気候の山地に自生していた。今日では観賞用として世界中に広まり、特に温暖な地域では半常緑または落葉性の低木として庭園や公園に植えられている。 草姿は低木または小高木で、成長すると2〜5mに達する。幹は木質化し、分枝して横に広がる樹形をとる。葉は大きく卵形から楕円形で、長さ20〜30㎝に達し、縁に波状の鋸歯をもつことがある。葉面はややざらついており、裏側には細かな毛がある。 最大の特徴は、花の大きさと芳香にある。花は夏から秋にかけて開花し、長さ25〜30㎝にもなる大きな漏斗状で、先端がやや波打つ形状をしており、下垂して咲く姿が「天使のラッパ」と呼ばれる所以である。花色は白、クリーム色、淡黄、桃色、橙など多様で、特に夕方から夜間にかけて芳香が強まり、甘く濃厚な香りを放つ。これは夜行性の昆虫による受粉を意図したものであるとされる。 多年草でありながら木本性をもつため、寿命は長く、適切な管理下では数十年にわたって育つことも可能である。熱帯から亜熱帯地域では露地でも越冬するが、日本の関東以北では冬季に地上部が枯死し、温室または鉢植えでの越冬管理が必要となる。日照を好み、水分も必要とするが、過湿や根腐れには弱いため、排水の良い土壌が求められる。 注意すべき点として、植物全体に強いアルカロイド系の有毒成分(スコポラミン、アトロピン、ヒヨスチアミンなど)を含むことが挙げられる。特に種子や花、葉には高濃度の毒があり、誤食による中毒や幻覚、場合によっては死に至るケースも報告されている。したがって、子どもやペットのいる環境での栽培には注意が必要である。
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カノコユリ
カンボジア 1993年
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サンシキヒルガオ
カンボジア 1993年
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アマリリス
カンボジア 1993年 学名:Hippeastrum hybrid ヒガンバナ科ヒッペアストルム属に属する球根性多年草。アマリリス属の植物とは別種。 原種は、中南米の熱帯から亜熱帯地域、特にブラジルやペルー、ボリビアなどを中心に分布しており、19世紀以降、これらの原種間で交配が繰り返され、多数の園芸品種が作出されてきた。現在では花色、花形、大きさ、開花時期などが多彩に改良されており、世界中で鑑賞用植物として高く評価されている。 最大の特徴は、球根から伸びる太く直立した花茎の先に、直径15〜20㎝にも及ぶ大輪の花を数輪(一般に2〜4輪)咲かせることである。花は漏斗状で、6枚の花被片が左右対称に広がり、色は赤、白、ピンク、オレンジ、黄、緑がかったもの、さらには複色やストライプ模様まで多様である。花にはほのかな香りがあるものもあるが、多くは無香性である。 葉は球根の基部から帯状に伸び、長さ30〜60cm、幅は3〜5cm程度で、濃緑色で艶がある。多くの品種では花茎の出現前または同時期に葉が展開する。球根の大きさは直径7〜10㎝程度で、厚くしっかりとした鱗片が特徴である。 園芸上では、秋〜冬に植えつけ、室内の温暖な場所で育てれば春には開花することが多いが、夏に開花する品種や、開花後に葉を育てて球根を肥大させ、翌年に再度咲かせる宿根的扱いも可能である。多年草であり、球根が健全に管理されていれば数年以上にわたって開花し続ける。特に休眠期には球根を乾燥気味に保ち、適切なタイミングで再び水と温度を与えることで、開花をコントロールすることができる。 球根には弱い毒性があり、リコリンなどのアルカロイドを含むため、誤食すると中毒症状を引き起こすことがある。
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フキ
カンボジア 1998年 学名:Petasites japonicus キク科フキ属に属する多年草。 日本を中心に、朝鮮半島や中国の一部にも分布する。地下に横に伸びる太い根茎をもち、早春になるとまず花茎を地表に現す。花茎は高さ10〜20㎝程度で、葉が展開する前に現れ、先端に白~淡緑色またはやや紫を帯びた多数の小さな頭状花を密に付ける。花は雌雄異株で、雄株と雌株で花の形態が異なる。雄花は花粉を出すが早くにしおれ、雌花はのちに綿毛状の種子(冠毛)を形成する。 葉は花が終わった後に地中から展開し、葉柄が長く伸びるのが特徴で、全体の高さは50~100㎝に達する。葉身は円形に近い腎形で、直径30㎝を超えるものもあり、大きな傘のように広がる。葉の表面は緑色でややざらつきがあり、裏面には綿毛が密生している。 自生地としては、日本全国の山野の湿地や沢沿い、日当たりのよい草原などに広く分布し、水辺に近い湿潤な場所を好む。水分を多く含んだ腐植質に富む土壌が適しており、春の雪解けとともに芽を出し、夏には大きく成長して葉を茂らせる。多年草であり、一度定着すれば多年にわたって生育し、根茎を通じて群落を形成する性質が強い。 人間との関わりは非常に古く、縄文時代の遺跡からもフキの存在が確認されており、古来より日本人の食文化の一部となってきた。特に「フキノトウ(蕗の薹)」と呼ばれる若い花茎は、早春の代表的な山菜として知られ、天ぷらや和え物、味噌和え(フキ味噌)などに用いられる。また、展開した若葉と葉柄は、下処理(茹でて皮をむく)を施して煮物や炒め物にする。品種としては葉柄の太さと柔らかさを改良した栽培種「愛知早生」「水フキ」などが存在し、市場にも流通している。
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オオヤマレンゲ
カンボジア 1998年 学名:Magnolia sieboldii モクレン科モクレン属に属する落葉広葉樹。 日本、中国、朝鮮半島に分布し、とくに日本では本州中部以西、四国、九州の山地に自生している。 成長するとおおよそ3〜10mほどの高さに達し、円形または広卵形の樹形をつくる。樹皮は灰褐色で滑らか、枝は細く繊細な印象を与える。葉は互生し、長さ10〜20㎝の倒卵形で、先端は丸みを帯び、基部にかけてやや細くなる。表面は光沢のある緑色で、裏面はやや白味を帯びた柔らかな質感がある。 最大の特徴はその花にあり、5月から7月にかけて、枝先に直径7〜10㎝の大きく丸い白い花を咲かせる。花は下向きまたは横向きに咲き、肉厚の白い花弁(6〜9枚)に、中心部には赤紫色をした多数の雄しべが密集する。花には強い芳香があり、特に朝方や湿った日などに香りが立ちやすい。花は一日限りではなく、数日間咲き続ける。開花後には長さ2〜5cmほどの果実を形成する。 冷涼で湿潤な気候を好み、標高の高い山地の林内や林縁、渓流沿いなどに多く見られる。日照をある程度必要としつつも、直射日光が強すぎると葉焼けするため、半日陰のような環境が適している。土壌は腐植質に富んだ湿り気のある酸性土壌を好み、水はけと保水性を兼ね備えた土で育つと特に美しい姿を見せる。寿命は長く、100年以上生きる個体もあるとされる。
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マツムシソウ
カンボジア 1998年 学名:Scabiosa japonica マツムシソウ科マツムシソウ属に属する多年草または一年草。 日本の固有種。主に本州の中部地方以西、四国、九州にかけて分布しており、山野の草地や河川敷、道路脇など、比較的日当たりのよい場所に生育している。 この植物は草丈30〜80㎝程度に成長し、茎は直立またはやや分枝しながら上に伸びる。茎や葉には細かな毛が生えていてややざらついた感触がある。葉は対生し、基部の葉は羽状に深く切れ込み、上部の葉はより小さく単葉に近い形をとることが多い。全体として軽やかな印象の草姿を持つ。 花は夏から秋にかけて咲き、直径3〜5cmほどの頭状花序を形成する。花の色は紫、青紫、赤紫などの涼しげな色合いが多く、まれに白花も見られる。頭花の中央には筒状花が密集し、その周囲を大きな装飾花が取り囲む構造をしており、全体として丸くふわりとした印象を与える。開花時期はおおむね7月から10月にかけてで、花期が比較的長いため園芸植物としても重宝される。 生態的には、多年草型のものと一年草型のものが知られており、自然環境や気候によってその生育周期が変化することもある。比較的乾いた草地や開けた山の斜面などを好み、風通しと排水の良い環境でよく育つ。また、種子から容易に発芽することもあり、自生地では他の草と混じって自然な群落を形成することが多い。 人との関わりとしては、園芸植物としての利用が盛んで、特に「スカビオサ」の名で海外由来の近縁種とともに流通している。マツムシソウにも多くの園芸品種があり、草丈や花色、分枝性に変化を加えた改良種が栽培されている。切り花や鉢植え、庭植え用として人気が高く、ナチュラルな雰囲気の庭づくりやフラワーアレンジメントにも適している。
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エゾリンドウ
カンボジア 1998年 学名:Gentiana triflora リンドウ科リンドウ属の多年草。 原産地は東アジアであり、日本(北海道から本州北部)、朝鮮半島、中国北東部および極東ロシア(シベリア南部など)に分布している。日本では特に東北地方や北海道に自生しており、亜高山帯から山地草原、湿地帯にかけて生育する。湿潤で冷涼な気候を好み、日当たりがよく、適度に湿った草地や河岸、林縁などに多く見られる。 草丈はおおむね40〜100㎝程度で、まっすぐに伸びる茎は丈夫で、分枝せずに単独で立ち上がるものが多い。葉は対生し、細長い楕円形から披針形で、先端がやや尖っており、葉の縁には目立った鋸歯はない。葉の長さは10〜15㎝ほどで、表面はやや光沢があり、深緑色をしている。 開花期は9月から10月頃で、秋を代表する花の一つとして知られる。花は茎の上部の葉腋から咲き、1〜3輪ずつまとまってつく。花冠は長さ5〜6cmの筒状で先端が5裂し、星形に開く。花色は青紫色が基本だが、色の濃淡や花冠の形状には地域変異があり、青紫から青、紫がかったピンクなども見られる。日本の園芸種としては濃い青紫色が特に好まれており、品種改良も進められている。 多年草であり、寿命は長く、環境が適していれば10年以上にわたって生育する。地下に短い根茎をもち、そこから毎年新芽を伸ばす。繁殖は主に種子によって行われるが、根茎を分けての栄養繁殖も可能である。 人との関わりとしては、観賞用としての価値が非常に高く、特に切り花として日本国内で広く流通している。リンドウ属の中でも特に本種やその近縁種は、日本の仏花や生け花において重宝されてきた。また、園芸品種としては花色や草丈、開花時期などを改良した品種が多数育成されており、「新青竜」「北の花火」などのブランド名で市場に出回っている。 薬用としての利用もあり、リンドウ属の多くは苦味成分(ゲンチオピクリンなど)を含み、健胃薬の原料とされる。本種もその例外ではなく、かつては民間療法で用いられたこともある。ただし、現在では薬用利用よりも観賞・園芸用途が主流である。
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カタクリ
カンボジア 1998年
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ドロニクム・パルダリアンチェス
カンボジア 1998年 学名:Doronicum pardalianches キク科ドロニクム属に属する多年草。 ヨーロッパの温帯地域、特に中央および東ヨーロッパの山岳地帯に自生している。標高400〜2000mの森林や草地、湿った斜面など、湿潤で冷涼な環境を好む。日本では自生していないが、園芸植物として栽培されることがある。 草丈は30〜90㎝に達し、地下に短い根茎を持ち、そこから複数の茎を立ち上げる。葉は根元に集まり、心形で縁に浅い鋸歯があり、茎の上部に向かって葉は小さくなり、茎を抱くように付く。春から初夏にかけて、明るい黄色の花を咲かせる。花はキクに似た頭状花序で、直径は約5cm、中心部に黄色の筒状花が密集し、その周囲を舌状花が取り囲む。花は茎の先端に単独で咲き、切り花としても利用される。 多年草であり、適切な環境下では数年間にわたり生育する。夏の高温多湿には弱く、夏季には地上部が枯れて休眠状態に入ることがあるが、秋には再び芽吹く。日当たりの良い場所から半日陰まで適応し、湿り気のある肥沃な土壌を好む。乾燥には弱いため、特に開花期には適度な水分を保つことが重要。 園芸植物として、春の花壇や林床の彩りとして人気がある。「リトル・レオ(Little Leo)」や「ミス・メイソン(Miss Mason)」などの園芸品種も存在し、コンパクトな草姿や大きな花を特徴としている。また、切り花としても利用され、明るい黄色の花はフラワーアレンジメントにも適している。
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マトゥカナ・ムルティカラー
アフガニスタン 1999年 学名:Matucana multicolor サボテン科マトゥカナ属に属するサボテン。 ペルー南部のアンデス山脈、特にナスカからプキオにかけての地域に自生している。標高約4,100mの高地に生育し、岩場や砂質の土壌に適応している。 この種は、球状から短い円柱状の形態を持ち、直径は8〜10㎝、高さは最大30㎝に達します。表面には約23の稜があり、若い個体では白色または灰白色の毛状の刺が密生している。刺の色は個体差があり、琥珀色、黒褐色、黒紫色、ほぼ白色など多様で、名前の由来にもなっている。 花は春から夏にかけて咲き、鮮やかなピンクや紫色の漏斗状の花を頂部に咲かせる。花の長さは約7cm、直径は2.5〜3.5㎝で、花弁は先端が尖り、内側は明るいカルミン色、外側は紫がかった赤色をしている。花は数日間咲き、その後、直径約1cmの小さな球形の果実を形成する。 栽培においては、日当たりの良い場所を好み、6〜8時間の直射日光が推奨される。土壌は水はけの良い砂質または岩質のものが適しており、pHは6.0〜7.0の範囲が望ましいとされている。水やりは控えめにし、土壌が完全に乾いてから行うのが基本。過湿は根腐れの原因となるため注意が必要。また、冬季には休眠期に入るため、水やりを控え、気温が10〜15℃の範囲で管理することが推奨される。 繁殖は主に種子によって行われるが、茎の挿し木による繁殖も可能。種子は発芽に2〜3週間を要し、発芽後は個別の鉢に移植して育てる。成長は比較的遅く、成熟するまでに1〜2年を要するが、適切な管理を行えば数年にわたり美しい花を楽しむことができる。
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ナガバミズアオイ
アフガニスタン 1997年 学名:Pontederia cordata ミズアオイ科ポンテデリア属に属する多年生の水生植物。 原産地は北アメリカ東部から中部にかけての地域で、特に池や湖沼、湿地、浅瀬、水路の縁などの淡水域に広く分布している。アメリカ合衆国ではミシシッピ川流域や五大湖周辺に多く見られ、カナダ南部やメキシコ北部にも分布を広げている。また、観賞植物や湿地の浄化植物として導入された例もあり、帰化している地域も存在する。 本種はロゼット状に根出葉を出し、葉は厚みのある心形で、先端は尖り、長さは20〜30㎝程度になる。葉の質感はやや艶があり、葉柄が長く水面から高く伸び上がる。根茎を持ち、地下で広がりながら群落を形成する性質を持つ。草丈はおおむね60㎝から1m程度まで育ち、成長は比較的旺盛である。 夏から初秋にかけて、茎の先に穂状花序を形成し、鮮やかな青紫色の小花を多数つける。花は直径約1センチほどで、6枚の花被片を持ち、上部の中央に黄色い斑点があるのが特徴的である。花序全体では30㎝ほどに達することもあり、水辺に群れて咲く様子は観賞性が高い。花は主に虫媒花で、特にミツバチや蝶が花粉媒介を担っている。水生植物でありながら、しっかりと水底に根を張るため、浮葉植物とは異なり、やや陸上植物に近い安定性をもつ。 この植物は多年草であり、適した環境では年を越して長期間生育可能である。耐寒性もあり、アメリカ北部では冬季に地上部が枯死しても春には再び芽吹く。また、生態系浄化に貢献する植物としての面も注目されており、窒素やリンといった富栄養化の原因となる物質を吸収し、湿地やビオトープ、水質改善の場面で利用されることが多い。
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ミスミソウ
ソビエト連邦 1983年
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オエノセラ・アフィニス
アフガニスタン 1985年 学名:Oenothera affinis キンポウゲ目アカバナ科マツヨイグサ属に属する一年草。 アルゼンチン、ブラジル、チリ、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイなどの南アメリカ諸国に広く分布しており、標高0〜4000mの範囲で見られる。また、オーストラリア、キプロス、ハワイ、ポルトガル、スペインなどにも帰化しており、特に撹乱された土地や道路沿いなどで自然化している。 草丈は最大で約150㎝に達し、直立した茎は単一または分枝し、密に毛が生えている。葉は狭い披針形で、長さ5〜15㎝、幅5〜10㎜程度で、縁にはまばらに鋸歯がある。花は茎の上部の葉腋に咲き、花弁は鮮やかな黄色で、長さは20〜40㎜。花は夕方に開花し、時間の経過とともに赤みを帯びることがある。果実は円筒形で、長さ2〜4cm、幅3〜4㎜で、表面には毛が生えている。 この植物は、春から秋にかけて開花し、特に春から夏にかけて多くの花を咲かせる。生育環境としては、日当たりの良い場所を好み、乾燥した土壌や撹乱された土地でもよく育つ。また、繁殖力が強く、帰化先でも急速に広がることがある。 鉱山活動によって汚染された土壌でのバイオレメディエーション(生物学的環境修復)において、銅などの重金属を蓄積する能力があることが報告されており、環境浄化植物としての可能性が示唆されている。
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