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English Hits of '65 / Billy Strange
ハリウッドから、ブリティッシュ・インヴェイジョンに対する解答がぁ…!!なわけないのであって、商魂たくましく、イギリス旋風に便乗しているわけですね。でも、良い曲が揃っているので、今聴いていても十分に楽しく、ギターインストですが、シンプルなアレンジながら、キーボードの使い方なども美しく、さりげなく12絃アコギを絡ませたりと、イージー・リスニングとしてグレードの高い仕上がりとなっています。でも、おそらく1日くらいでパパッと作ったんだろうなあ。 参考までに、それぞれのオリジナル(というかヒットさせた)元アーティストを紹介しておくと(わからないのもあるんですが、誰か補足してください)、1曲目、3曲目、11曲目の3曲が当時人気絶大だった、ハーマンズ・ハーミッツ。2曲目がペチュラ・クラーク(この人はアメリカ人ですが、作者がトニー・ハッチ)。4曲目が、汗の固まりトム・ジョーンズ。私この曲大好きです。問題はその次で、「Come Stay With Me」がわからない。ジャッキ・デシャノンの曲なので彼女なのか?しかし、アメリカ人だぞ。マリアンヌ・フェイスフルに曲を提供していたと言うことなので、その可能性が高いですが、実はこの曲知らなかったので、正直にわからないといった方が良いですね(-_-メ) 6曲目と9曲目は言わなくてもわかると思うので、7曲目はフレディとドリーマーズ。続いて8曲目はウエイン・フォンタナとマインドベンダーズ。10曲目がキンクス。ラストがこれもご承知ストーンズとなっています。この曲のギターの音、いいですね。 Side A 01 Mrs. Brown You've Got A Lovely Daughter 02 I Know A Place 3 Can't You Hear My Heartbeat? 04 It's Not Unusual 05 Come Stay With Me 06 Ticket To Ride Side B 01 I'm Telling You Now 02 The Game Of Love 03 Eight Days A Week 04 Tired Of Waiting 05 Silhouettes 06 The Last Time 1965 / GNP Crescendo (GNP 2009)
Billy Strange Instrumental GNP Crescendo 1965年addmoremusic
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All-Time Guitar Hits / The Exotic Guitars
今回は王道に戻って、ギター・インスト定番曲にチャレンジであります。A面トップのメンフィスにストリングスがかぶさるところは、さすがと思わせますが、あとは「らしさ」のない、きわめて端正な演奏が続きます。アパッチのギターはきれいだし、4曲目「Wildwood Flower」をなんで、わざわざD♭などという弾きにくい調子でやっているのかなあと思ったら、途中で半音あげて、D、さらにGへ移調するという、さりげない凝り方をしていたりして、なかなか楽しめるのではありますが、もうちょっとムード・ミュージック寄りの方がEG’sの売りじゃないのかなどと、贅沢なことを考えています。 しかし、B面へ移って、特に2曲目「Classical Gas」から「Sleep Walk」あたりのギターの音の美しさ、特に「Exotic Guitar Boogie」でのリフの見事さには脱帽。ラストのジェームズ・ボンドのテーマは、オリジナルのビリー親分の演奏では、ラストでハルと絡むおもしろい部分最後の楽しみなのですが、ここではもちろんそんなものはありません。しかし、さすが、エース級ギタリスト、アル・ケイシーと思わせる丁寧で美しい演奏だと思います。EG’sの全作品の中でこのアルバムがギターの演奏として(アレンジとか、バッキングとかを抜いてと言う意味です)は、一番良い出来ではないだろうか、と思います。 なんにしても、有名曲ばかりなので、あのバンドの演奏、この人のプレイなどと、手持ちのインストアルバムと比べてみると、楽しさ倍増すること請け合い。 Side A 01 Memphis 02 Maria Elena 03 Apache 04 Wildwood Flower 05 Rebel Rouser 06 The Enchanted Sea Side B 01 Raunchy 02 Classical Gas 03 Exotic Guitar Boogie 04 Sleep Walk 05 Walk-Don't Run 06 The James Bond Theme 1971 / Ranwood Records (R 8090)
Al Casey Easy Listening Ranwood Records 1971年addmoremusic
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I Can't Stop Loving You / The Exotic Guitars
EG’sのアルバムで最初に手に入れた盤です。はじめて目にしたグループ名でしたが、裏面を観ると、ギターがアル・ケイシー、アレンジャーがビル・ジャスティスだったので迷いなく購入しました。聴いてみると、セミアコと思われるギターに深めのエコーをかけたサウンドが印象的で、”My Sweet Load”をさほど多くない楽器でオリジナルに遜色なくカバーをしていたり、何よりもドラムが明らかにハル・ブレイン、ベースがキャロル・ケイだと聞き取れて、「大成功!」と歓声を上げた記憶があります。 取り上げている曲は世に親しまれたヒット曲ばかりで、「話題作」と呼ぶにはほど遠いアルバムですが、中身のある良いサウンドに仕上がっています。こういうものが埋もれてしまっていることに「もったいなさ」を感じる私です。 Side A 01 I Can’t Stop Loving you 02 El Condor Pasa 03 Candida 04 September Song 05 My Sweet Load Side B 01 Who’s Sorry Now 02 Till Love Touches Your Life 03 Theme From “Love Story” 04 Honey 05 Hava Nagila 1970 / Ranwood Records (R 8085)
Al Casey Easy Listening Ranwood Records 1970年addmoremusic
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The James Bond Theme / Billy Strange
発売された順番から言うと、最初紹介した「Goldfinger」の方が後なのですが、自分が手に入れた順に番号を振ったりしているので、前後しています。といっても、モノラルしか持っていなくて、いくら探してもステレオ盤が見つからなくて(バカ高いものならあったのですが)、あきらめていたのですが、2005年の6月頃に安価でステレオ盤を入手しました。盤もジャケットも届いてビックリの状態の良さ。ちなみに、11ドルでした。(ついでに言うと、「Mr. Guitar」のステレオ盤もこの時入手。値段は1ドル高い12ドルでした)。 タイトル曲は、ビリー親分の名義でのヒット曲なので有名ですね。さらに、その他の収録曲も、すでにいろいろなコンピに入っています。ハル・ブレインのスイングするドラムに乗って、ある時は華麗に、ある時はアグレッシブに演奏されるギターは、まさに「大人のインスト」。今風のタームを使うなら「ラウンジ感」を持った演奏といえるでしょう。でも、決してイージー・リスニングやムード音楽になっていないのが格好良いところ。A面ラストの「C'mon And Swim」が好例です。さらに、「Walk, Don't Run, '64」(やたらコンマがありますが、LPのクレジットに従いました)です。申し分ないスピード感。タイトなリズム。素晴らしい演奏です。でも、ちょっとホーンがうるさい。ま、それはおいといて、「イパネマの娘」へのチェンジ・オブ・ペースも良いですなあ。 こういうのを聴いていると、エレキ・インストの世界から抜け出せません。 Side A 01 The James Bond Theme 02 Nobody I Know 03 In The Mood 04 Memphis 05 Wishin' & Hopin' 06 C'mon And Swim Side B 01 Walk, Don't Run, '64 2 The Girl From Ipanema 03 Hard Day's Night 04 Bernie's Tune 05 007 Theme 06 House Of The Rising Sun 1964 / GNP Crescendo (GNP 2004)
Billy Strange Instrumental GNP Crescendo 1964年addmoremusic
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Mr. Guitar . Billy Strange
64年発売のこのアルバムは、現在私が所有しているビリー親分のアルバムの中でも、多様なギター・スタイルを知るのに、もっとも手頃な1枚だと思います。ビリー親分は、自分名義以外の演奏では、かなりアグレッシブというか、攻撃的な演奏を展開します。グレン・キャンベルとスタイル的にはかなり似ていて、キャロル・ケイさんでさえ「時々、どちらが弾いているのかわからなくなる」と、おっしゃています。しかし、ソロアルバムになると、急に大人のスタイルになって、おとなしめの、渋い演奏が多くなり、私はちょっと物足りなく感じるときもあります。しかし、このアルバムは演奏のバランスがほどよく配合されいます。 1曲目「マリア・エレナ」ではガット・ギターとエレキの組み合わせでイージー・リスニング的(最近のタームでは「ラウンジ」ですか?)演奏で幕を開け、お次は、シャドウズをテンポ良くした感じの「Deep Purple」で渋く、大人のエレキを聴かせてくれます。「なんだ、ロックじゃないじゃないじゃない…」いや、大阪弁で行こう。「ロックちゃうやんけ!」と思っていると、3曲目、自らのペンになる「Where Baby's Gone」では、派手なエレキ・インストを聴かせてくれるB面では、得意のアコースティック12絃の演奏が出たり。また、どことなくトワンギーな演奏があったりと、ビリーさんの繊細さと、豪快さを同時に味わうことが出来ます。 ジャケ裏ではビリー親分自ら、12曲の解説を行っておられます。それによると、このアルバムには、ハル・ブレイン、ビル・ピットマン、トミー・テデスコ(なんと「ワシントン広場」ではベースを弾いているそうな!)、バド・コールマン、ジミー・ボンド、レオン・ラッセルなどが参加しているとのことです。 どうでもよいことですが、私、このアルバムは10曲しかない廉価盤、モノラル、ステレオの3種類で持っています。べつに収集したわけではなく、この順で目指すステレオにたどり着いたというだけです。 Side A 01 Saturday Night 02 Maria Elena 03 The Great Escape 04 Dominique 05 Deep Purple 06 Where Baby's Gone Side B 01 Charade 02 Five Hundred Miles 03 Washington Square 04 There I've Said It Again 05 Kansas City 06 The Third Man Theme 1964 / GNP Crescendo (GNP 97)
Instrumental GNP Crescendo 1964年addmoremusic
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Exotic Country Music / The Exotic Guitars
1970年に出された6枚目のアルバムはいつもの3本のギター・ジャケットではなく、ブレーメンの音楽隊みたいなイラストをあしらっております。EG'sがカントリーをやるとどうなるかという1枚。実は手に入れる前、一番期待していたのがこれ。何となくミスマッチそうでいて、納得できそうで、おもしろいコンセプトだと思いません?果たしてその出来上がりは… と、気を持たせるほどのことはないのですが、確かにEG’sがカントリーをやっております。A面はノスタルジックなコーラスつきで(私、こういうコーラスを聴くと、故レイ・チャールズを思い出してしまいます)、結構オーソドックスにやっています。テネシー・ワルツはいつ聴いても泣けるなあ。ま、そんなことはどうでも良いのですが、これがB面にはいると、けっこうおもしろい仕掛けというか、アレンジがほどこされています。 しかし、奇をてらっているのではなく、EG'sのコンセプトを踏襲して、かなり心安らぐ1枚となっていることは確か。ギターの音もそうですが、キャロルさんのベースが良いです。中でも気に入ったのが、B面トップの「San Antonio Rose」の4ビート風なベースラインや、同じくB面3曲目「Down Yonder」のモータウンでやっていたようなベース。彼女のプレイが好きな人間にはたまりませんわ(^。^)しかし、この「Down Yonder」でのエレキ・シタールはアル・ケイシーなのでしょうか。サイド・ギターか何かで呼ばれていたマイク・デイシーが弾いているような気もします。アルバム中のベストと私が勝手に決めたのは、ラスト「Red River Valley」。「この谷間を去りゆくー」と、おなじみのイントロではじめておいて、ボサノバですわ。誰が弾いているのかエレピの音もおしゃれ。そして、キャロル・ベース!この至福であります。 Side A 01 Funny(How Time Slips Away) 02 Orange Blossom Special 03 Tennessee Waltz 04 Wheels 05 He'll Have To Go Side B 01 San Antonio Rose 02 Ramblin' Rose 03 Down Yonder 04 Peace In The Valley 05 Red River Valley 1970 / Ranwood Records (R 8080)
Easy Listening Ranwood Records 1970年代addmoremusic
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In The Mexican Bag / Billy Strange with The Mexican Brass
ジャケットで、モズライト持って髭を生やした怪しいメキシコ人がビリー・ストレンジ親分であります。1966年発表のこのアルバムは、エレキインストと言うよりも、ビリー・ストレンジがティファナ・ブラスのリーダーだったらどうなるか?どんな感じか?という狙いの1枚。1曲目はナンシー・シナトラの「憎い貴方」ですが、この頃、親分はナンシー・シナトラのアレンジャー&コンダクターとして彼女を支えていたのです。と言う関係から、裏ジャケには、ナンシーが写真付きで登場。「I OWE HIM A LOT! AND I LOVE HIM A LOT!」と大文字のメッセージと共に、演者紹介をしています。 私のお薦めはA面の2、4と言う所。特にミッシェルのトレモロ・エフェクトのかかったギターの音はしみじみと、エレキはいいなあと感じさせてくれます。2曲目ではビリー親分の哀愁ギターとそれに絡むキャロルさんのフェンダー・ベースが印象的。ビリー親分のギターの音色は、「Gold Finger」などで聴ける、クリアなトーンです。さりげない和音弾きもポイント高し。 しかし、A面ラストの「Tijuana Taxi」なんか、ティファナ・ブラスとどこが違うのか???いや、実際、ここから先はクエスチョン・マークが一杯並びそうな曲が続きます。いずれもビリー親分のギターが登場してやっと違いが少しわかるという曲が並んでいるのです。ここで思ってしまうのは、ベンチャーズとティファナ・ブラスは同じ構造だったのじゃないかと言うことです。などと、思いながら聴くと、B面トップの「いそしぎ」のイントロは強烈なパロディになっている気がします。(考え過ぎかな?) いずれにせよ、演奏は「本物」です。このアルバムはかつてCD化もされているので、探せばまだ見つかるかもです。 Side A 01 These Boots Are Made For Walking 02 Crying Time 03 Flowers On The Hill 04 Michelle 05 Caliente 06 Tijuana Taxi Side B 01 The Shadow Of Your Smile 02 Guillermo's Guitar 03 Adios 04 Spanish Eyes 05 A Touch Of Tabasco 06 Hava Tequila 1966 / GNP Crescendo (GNP 2022)
Instrumental GNP Crescendoaddmoremusic
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Gold Finger / Billy Strange
まずは、ビリー親分のヒット曲「Goldfinger」です。1965年のアルバム。タイトル曲の他にも、TVや映画のテーマが多く収録されています。そのうちのいくつかは様々なコンピレーションの中でCD化されていますが、このアルバム自体はまだCD化されていません。 今聴いてみるとなんだか「懐メロ」感覚がいっぱい漂う雰囲気ですが、まあ、大人のエレキ・インストなのだからだ、と言うことにしておきましょう。ビリー親分のギターはおとなしく、美しい音色を聴かせてくれていますが、「I Feel Fine」で「ジャジャジャ」と切れ込み鋭い部分などは、いかにも親分らしく、聴いていてニヤリとしてしまいます。ニヤリと言えば、ハル・ブレインのドラムも、いかにもと言うところがあります。1曲目の最後の部分での二人の掛け合い(コール&レスポンス)や、B面トップの「Peter Gunn」のイントロのドラミングなどは派手ではないもののハル印がきっちりと刻印されています。 複数のギターが演奏されている曲もありますが、どのギターも親分の演奏に聞こえます。サイド・ギターを頼まずに、オーバー・ダブをしたのでしょうか?だとすればこの時代ちょっと珍しいことのような気もします。 Side A 01 Goldfinger 02 More 03 Paladin(Have Gun Will Travel) 04 Goin' Out Of My Head 05 I Feel Fine 06 Theme For Pussy Galore Side B 01 Peter Gunn 02 Dear Heart 03 Theme From Munsters 04 The Jerk 05 Come See About Me 06 Man With The Golden Arm 1965 / GNP Crescendo (GNP 2006)
Instrumental GNP Crescendoaddmoremusic
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Holy Holy / The Exotic Guitars
前作があまりに古くさい「ムード音楽」っぽくて、取り上げている曲は粋な物の、やや不満だったのですが。このアルバムでは再びギーター・インストによるイージー・リスニングに戻っております。だからといって音楽性がどうのとか言うことはないのです。ただ、聴いていると心地よく、眠気を誘ってくれる音楽です。車の運転には向きません。そういうある意味、王道の音楽です。 Side A 01 Holly Holy 02 Unchained Melody 03 Song From Moulin Rouge 04 High Noon (Do Not Forsake Me) 05 Harbor Lights Side B 01 Somewhere My Love 02 Blue Tango 03 Smoke Gets In Your Eyes 04 Grazing In The Grass 05 To Each His Own 1970 / Ranwood Records (R 8073)
Easy Listening Ranwood Recordsaddmoremusic
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Desire / The 50 Guitars
1961年に始まった50ギターズもついに最終となりました。バンド名を微妙に変え、レコード会社も変わりつつも、20年以上もの間に合計31枚のアルバムを発表しました。この事実を考えると人気(需要)があったんだと言うことがわかるかと思います。 また、その内容も、くさしたりしたことも度々ありましたが(w)、「ひどい」と思うような盤は1枚もありません。姿形は違っていようともイージー・リスニングとして一定以上の内容を常に保っていました。最終のこのアルバムも、ギターインストとして、あるいはギターがメインのムード音楽として大変心地よいアルバムとなっています。 たいした資料もなく、手探りで収集していたので、ひょっとしたら漏れがあるかもしれません。「あんた、このアルバム忘れているよ」というのがありましたらぜひお教えください。 それでは、とりあえず、1Fフロアはこれにて完成といたします。 Side A 01 After The Love Has Gone 02 I Just Fall In Love Again 03 You Don't Bring Me Flowers 04 Desire 05 Love The World Away Side B 01 Snowbird 02 Don't Cry Out Loud 03 What A Fool Believes 04 Don't Throw It All Away (Our Love) 05 Do That To Me One More Time 1982 / CBS Records (Q 16246)
Easy Listening CBS Recordsaddmoremusic
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Sippin' 'N Chippin' / The T-Bones
前アルバム”No Matter What Shape(Your Stomach In)”からカットした”Sippin' 'N Chippin’”がヒットしたため、これをタイトルにしたアルバムが出されました。ちなみに、”No Matter…”は胃薬のCMソングでしたが、こちらはナビスコのビスケットのCM出流れたソングです。 アレンジャーがニック・デカロにかわり、前作以上にマリンバやパーカッションそして女声コーラスをインストサウンドに適用して、きらびやか、かつゴージャスなサウンドを作っています。メキシカンなキラキラした部分と、しっとりと柔らかい大人のサウンドが絶妙に配置されていて、私にとって聞き飽きることのない、大好きなアルバムです。このアルバムからは”Tippy Toeing”(邦題:「心は青空」)がシングルカットされ、ヒットしました。 また、「ビートでOK」のヒットで、ツアー組んで儲けるという必要が出てきたため、ツアー用のバンドを編成する必要が出てきました。それが「ベンチャーズの弟分」とキャッチフレーズが着いた裏ジャケの4人です。日本にもやってきましたが、「ド下手だった!」と演奏を聴きに行った私の友人が今も顔をしかめて語っています。ただ、このうち3人は後にHamilton, Joe Frank & Reynoldsと言う名前で”Don't Pull Your Love”(邦題:恋のかけひき)という大ヒットを飛ばしたことはよく知られている通りです。 そんなことはおいといて、このアルバムは60年代インスト・アルバムの傑作と言って良いと思います。見かけられたらぜひ手に入れてください。 蛇足ですが、"Sippin' 'N Chippin'"(邦題「真赤な太陽」)にはシングル・バージョンがあり、アルバム・バージョンとはテンポなどが大幅に変えられています。中古レコ屋でシングル見つけたら手に入れても損はないですよ。 Side A 01 Walkin' My Cat Named Dog 02 Tippy Toeing 03 Time Won't Let Me 04 (I Can't Get No) Satisfaction 05 Forty Five (Colt 45 Theme) 06 Sippin' 'N Chippin' B Side 01 The Phoenix Love Theme 02 What Now My Love(Et Maintenant) 03 Sure Gonna Miss Her 04 Cinnamint Shuffle(Mexican Shuffle) 05 Pretty Face 06 Spanish Flea 1966 / Liberty Records (LST-7446)
Instrumental Rock Liberty Recordsaddmoremusic
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No Matter What Shape (Your Stomach's In) / The T-Bones
このアルバムからプロデューサーがデイブ・ペルからジョー・サラシーノに変わります。デビューの時のホット・ロッド・インストの姿はどこへやら。しかし、ここから世間に知られているT・ボーンズの姿となります。おそらく、アルカセッツラーのCMが売れると判断したジョーが適当なバンドをでっち上げるためにT・ボーンズというあまり売れなかったバンド名の権利を買い取ったのだろうと思います。アレンジャーは今までと変わらずペリー・ボトキン・ジュニア。基本メンバーは前作と同じ、リード・ギターにトミー・テデスコ(”Don’t Thjink Twice”の12弦などはグレン・キャンベルの可能性大)、ベースにキャロル・ケイ。ドラムはハル・ブレイン。しかし、サウンドは様変わりします。女声コーラスやキーボードを配置しキラキラした明るいサウンドです。アルバムにはテレビCM出流れた曲が多く集められています。そしてこの中からジョー・サラシーノの予想したとおり、全米3位に輝いた”No Matter What Shape (Your Stomach's In)”(邦題:ビートでOK)が生まれます。これは先ほど書いたアルカセッツラー社の胃薬のCMソングです。ジャケットに様々な「おなか」の写真が使われていますが、”Stomach” は「胃」そして「おなか」と言う意味ですね。 B面からはもう一曲のヒット曲が生まれます。”Sippin' 'N Chippin”(邦題:真赤な太陽)。全米では62位止まりでしたが、日本ではこちらの方がヒットしました(美空ひばりに同じタイトルの曲がありますが、別の曲)。「よし、じゃあ、このヒットでもう一儲けしよう!」と言うことで次のアルバムが生まれます。 ごちゃごちゃと書きましたが、このアルバムはインストアルバムとしてはとても洗練されたものなので、見つけたら入手されることをおすすめします。私はモノラル、ステレオ、CDと持ってます(バカか>オレ)。 Side A 01 No Matter What Shape (Your Stomach's In) 02 Chiquita Banana 03 Fever 04 What's In The Bag, Goose 05 Moment Of Softness 06 Let's Hang On Side B 01 Sippin' 'N Chippin' 02 Don't Think Twice, It's Alright 03 Hole In The Wall 04 My Headache's Gone 05 Pizza Parlor 06 Lies 1966 / Liberty Records ( LST-7439 )
Instrumental Rock Liberty Recordsaddmoremusic
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The Return of The 50 Guitars
50ギターズの流浪の旅が始まりました。United Artistsで最後のアルバムを出したのが73年。その後、多分スナッフ・ギャレットが権利を売っぱらったんでしょう。50ギターズはMusicorというレーベルに「移籍」します。トミー・テデスコはギターと監修者として関わり続けています。ジャケットは「国境の南」路線ですが、取り上げている曲は「ロマンス」路線。 予算が減って(私の勝手な想像)、楽器の数が減ったけれど、逆にすっきりとまとまったイージー・リスニングになっています。まだまだ一花咲かせるぜ!と言ったところでしょうか。 Side A 01 I Write The Song 02 Killing Me Softly 03 Love Will Keep Us Forever 04 Tangerine 05 Expression 06 Feelings Side B 07 Mandy 08 Ereste 09 Please Come To Boston 10 There's A Kind Of Hush 11 Desiree's Dream 12 The Way We Were 1976 / Musicor Records (MUS-2500)
Easy Listening Musicor Recordsaddmoremusic
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Your're A Lady / The 50 Guitars of Tommy Garrett
1枚目のアルバムが出たのが1961年。そこから干支が一回りしました。なんてこと言ってもアメリカ人には関係がないかもしれませんが、これがトミー(スナッフ)・ギャレットにとって最後の50ギターズとなりました。相変わらずの美人ジャケットですが、裏ジャケに映るギャレット氏は少し悲しそう。アルバムの内容は50ギターズとしてはロマンス路線を踏襲しております。 #トミー・テデスコ は相変わらずの華麗な指裁きを聞かせてくれていますが、出来としては普通のイージー・リスニングの域を出ていません。 最初に書きましたが、これがThe 50 Guitars of Tommy Garrett の最後のアルバム。しかし、50ギターズはこれで終わりではないのです。 Side A 01 Alone Again (Naturally) 02 More(Theme From "Mondo Cane”) 03 Song Sung Blue 04 A Very Precious Love 05 Something 06 You're A Lady Side B 01 I Can See Clearly Now 02 Girl Talk 03 Misty Interlude 04 A Taste Of Honey 05 Lovers 06 For The Good Times 1973 / United Artists Records (UA-LA039-F)
Easy Listening United Artists Recordsaddmoremusic
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Everyone's Gone To The Moon (And Other Trips) / The T-Bones
宇宙船ジェミニのイラストのかっよいいアルバム。しかし、 A面から針を下ろすと、驚きますよ!T-ボーンズの「黒くぬれ」はどんな味付けか?!なんて期待しちゃいけません。単にトーン・コントロールというか、ギター・コントロールが出来ないままにモズライトを弾いてしまった、下手なギタリストと、フィルになると走ってしまう、メル・テイラーみたいなドラマーと、ノリのかけらもないベーシストが、下手なボーカルに合わせて演奏してるだけです。うわー、ものすごくこき下ろしてしまった(・o・)。でも、曲が進むと、もっとその印象が強くなります。3曲目からはバッキングはまともになります(まあ、ということは、いつものセッション・ピープルが登場したということです)しかし、ボーカルは相変わらず。こんな「ホールド・オン」なら、俺の方がうまいんじゃないか、と言うのが言いすぎだとしても、少なくとも日本のGSにはもっとうまい人がいましたよ!これが「恋のかけひき」を歌った人たちか?4曲目も情けないが、5曲目のソフト・ロックみたいな「Fare Thee Well」聴いてミソ。コーラスが音程もタイミングも合ってない。きっと、これでプロデューサーのジョー氏もさじを投げたのでしょう。これがT-ボーンズの最後の1枚となりました。 話変わって、B面です。これがタイトルになっている方ですね。一応の宇宙をテーマにしたコンセプト・アルバム仕立てとなっております。そして、こっちは安心して聴いていられます。さりげなくはいるダブル・ギターや、ベンチャーズの「モア」にくりそつの、「How High The Moon」など、聴き所は結構あります。しかし、前作(と言っても同じ66年)「Sippin' 'N Chippin'」の持つきらびやかさと色気は見る影もなく、ニック・デ・カロよ、根性入れろ、と、言いたくなります。 が、うがった見方だと言われるかもしれませんが、こういう風に考えるとこのアルバムをちゃんと位置づけることができます。T・ボーンズは人気があったんです。大ヒットとはいえなくても、トップ100に入る曲を三曲も連発しているのです。ツアーリング・メンバーも確保したところだし、今のうちにアルバムを出して、さらにツアーを組めば儲かるはずだ。よし、メンバーに演奏させてやれ。いや、やっぱり下手だから歌だけにしておけ。とりあえず6曲埋まったか。なら残りはベンチャーズの名前でアルバムに入れるはずだった曲を突っ込んでB面を仕上げよう‥。こんな経緯で出来たアルバムだったと私は考えています。B面の6曲はそのままベンチャーズに入れても全く違和感なくおさまりますし、ベンチャーズの未発表曲だとしてCDのボーナス・トラックにおさめられた「ジェミニ」という曲はこのアルバムB面に酷似しています。 Side A 01 Paint It Black 02 Kicks 03 Hold On (I'm Comin') 04 Oh How Happy 05 Fare Thee Well 06 La Do Da Da Side B 01 Let's Go Get Stoned 02 Balboa Blue 03 Everyone's Gone To The Moon 04 Shangri-La 05 Fly Me To The Moon 06 How High The Moon Liberty Records (LSP-7471)
Instrumental Rock Liberty Recordsaddmoremusic
