- Kinky Musik Museum
- 3F Underground music: USA
- The Gun Club “The Birth The Death The Ghost”
The Gun Club “The Birth The Death The Ghost”
今回は、The Crampsと共に、米国の異端ロカビリー・シーンを底上げしてきたThe Gun Clubを紹介しましょう。今回は彼等のサード・アルバム”The Birth The Death The Ghost”を取り上げます。この作品は、当時、友人のK合君からテープを聴かせてもらって、気に入ったので、すぐに購入しました。それで、先ずは彼等のバイオグラフィーをちょっと。The Gun Clubは、米国LAで、1979-1996年まで活動していたバンドで、BlondieファンクラブLA支部長のJeffrey Lee Pierce (Vo, G)と、彼の親友でThe RamonesファンクラブのチーフでもあったBrian Tristan (後のKid Congo Powers: G)によって結成されています。そして、彼等は、1979年に、LA Timesの音楽評論家のDon Snowden (B)及びBrad Dunning (Drs)で、The Creeping Ritualを結成しますが、PierceのルームメイトのKeith Morris(Circle Jerks)の提案で、1980年4月にThe Gun Clubと改名します。彼等の音楽はロックでもアートでもブルースでもパンクでも無いようなものであったとのこと。1980年6月にSnowdenとDunningが脱退し、元The BagsのRob Ritter (B)とTerry Graham (Drs)が加入しますが、1980年秋に、ベースはAnna Statmanに交代します。一方、Kid Congo PowersがThe Crampsに加入する為に、1980年11月に脱退し、代わりに元Der StabのWard Dotson (Lead-G, Slide-G)が加入してきます。彼等は、1981年には、Ruby Recordsと契約し、同年8月31日に、デビューアルバム”Fire of Love”をリリース、その音楽はどれにも似ておらず、歌詞もVoodooや1950年代のECコミック及びブルースなどを思わせるようなものでした。更に、1982年4月には、彼等はBlondieのChris SteinのレーベルAnimal Records(Chrysalis Recordsの傘下)と契約を結び、バンドは一時的にNYCに移り、セカンドアルバム”Miami”を録音しています。しかしながら、同年6月には、Ritterが、45 Graveに加入する為、脱退しています。その代わりに、元Legal WeaponのPatricia Morrison (B)が加入し、同年8月の西海岸ツアーの後に、Annie Ungar (G)が加入し、1982年9月にセカンドアルバム”Miami”もリリースされ、高評価を得ます。しかし、度重なる口論の為、同年12月にPierceは、GrahamとDotsonを解雇します。それで1983年1月には、彼等の代わりに、Jim Duckworth (G)とDee Pop (Drs: 元Bush Tetras)が参加します。しかし、このラインナップは短く、1983年4月にリリースされた”The Death Party”EPだけです。その8ヶ月後にPopに代わって、Grahamが戻ってきます。しかしながら、1983年10月に豪州ツアーに行く直前になって、DuckworthとGrahamは飛行機に乗りたくないと言う理由で、不参加。代わりに、現地でBilly Pommer Jr. (Drs)とSpencer P. Jones (G)がヘルプで参加し、ツアーを完遂します。ツアー後、再びPowersもギターで戻ってきて、Grahamもドラマーとして継続しています。この頃には、Pierceもギターを弾くことも多くなり、問題作のサードアルバム”The Las Vegas Story”を、1984年6月にリリースします。このアルバムでは、パンクっぽい曲ではなく、所謂オルタナ系の曲調に変わっており、その為か、 Siouxsie and the Bansheesのサポートなども行なっています。それで、バンドは欧州ツアーをやらます。しかしGrahamがパリでのライブ後、逃亡すると言うアクシデントもありましたが、結局、1985年1月に、The Gun Clubは解散となり、PierceはガールフレンドRomi MoriとLondonに残り、ソロ活動を続けます。そして、1986年10月に、PierceはThe Gun Clubを、Powers (G), Mori (B), Sanderson (Drs)で再始動します。その後も、メンバーチェンジを繰り返しで、活動を続けますが、1996年3月に、Pierceは父親の家で倒れているのを発見され、搬送されますが、3月31日に、脳出血で死亡が確認され、The Gun Clubも終ってしまいます。
それで、本作品”The Birth The Death The Ghost”なのですが、これは、彼等の最初のライブアルバムで、1980年に行われたLAの4カ所のヴェニューでのライブ演奏をコンパイルしたものです。この時のメンバーは、Pierce (Vo, G), Powers (G), Graham (Drs), Ritter (B)で、最強の布陣です。曲も初期のものなので、ロカビリー色と言うかパンク色と言うかカントリー&ウエスタン色と言うか、如何にも米国的なナイスなチューンを活き活きと演奏しています。音質自体はそんなに良くはないですが、返って、そのロウな音質がピッタリくる、そんな演奏です。初っ端のA1 “Bo Diddley's A Gunslinger”の単コードで推し進める曲には、当時は大変驚きました。またA2 “Railroad Bill”, A4 “Preachin’ Blues”, B4 “Going Down The Red River”のようなロカビリー調(?)の曲は如何にもThe Gun Clubと言う趣きがあります。またB5 “Willie Brown”のようなカントリー調の曲も、彼等の立ち位置が分かる曲だと思います。A5 “Goodbye Johnny”なんかのスローで泥臭い曲やB3 “Not That Much”のような疾走感のあるパンキッシュな曲やB6 “Field Hotter”のアカペラも興味深いですね。そして、彼等の代表曲で、非常にカッコいい曲B7 “Sex Beat”で、アルバムで締めています。個人的には、最も「米国っぽい」バンドで、それで、尚且つカッコいいバンドだと思いますので、是非とも聴いて欲しいです❗️
https://youtu.be/TcvnUAbWxfg
#TheGunClub #TheBirthTheDeathTheGhost #ABCRecords #LiveAlbum #LA #Punk #Rockabilly #Country&Western #JeffreyLeePierce #KidCongoPowers #TerryGraham #BobRitter #AmericanBand
