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Asmus Tietchens “Der Fünfte Himmel”
またまたAsmus Tietchens先生のアルバムですが、今回は、初期の作品からの曲をコンパイルしたセルフ・コンピレーション・アルバム”Der Fünfte Himmel”を紹介します。この頃のTietchens先生の作品(4枚あるのですが)は、「ヨーロッパ4部作」と言われており、これには、アルバム”Biotop”, ”Spät-Europa”, “In Die Nach”及び”Litia”が含まれでおり、いずれも2色のモダーンなデザインで統一されています。それでこれらの4部作に1996年作の10㌅EP”Rattenheu” (このEPはアルバム”Litia”のCD再発の際のボーナストラックです)も加えてのトータル5枚の作品から選曲されたのが、本作品となります。どの曲も捻りの効いたシンセ・ポップな内容で、如何にも宅録っぽい音触りですが、5枚のアルバムからチョイスされていにも関わらず、統一感のある構成になっているのは流石ですね。ただし、B面は、やや実験色が強く、この後のTütchensの方向性も示唆しています。Discogsのジャンルにも書いてありますが、「シンセ・ポップ」で「実験的」となっており、正しくその通りですね。また、前回、”Biotop”でも書きましたが、参加者は全て、Asmus Tietchensのアナグラムによる「メンバー」で、全部彼1人でやっています。またプロデュースにはRokko Ekbekとありますが、それは、この頃、Tietchens先生とつるんでいたオランダ人音楽家Okko Bekker氏のことで、後に、連名でもアルバムを作製しています。クラウトロックと言うと何やら怪しげで難解な先入観を持つかもしれませんが、全然、そんなことは無く、この時期のTietchens先生の作品を知るにはもってこいの作品なので、未聴の方はこのアルバムを是非とも聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/dZKQH3bg_tw #AsmusTietchens #DerFünfteHimmel #BureauB #SelfCompilation #Krautrock #SynthPop #Experimental #ヨーロッパ4部作 #Biotop #Spät-Europa #InDieNach #Litia #Rattenheu #OkkoBekker
Krautrock, Electronic Pop Bureau B 2580円Dr K2
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Asmus Tietchens “Biotop”
やっと手に入れました。独逸電子音楽界の重鎮Asmus Tietchensのサード・アルバム”Biotop”です。Tietchens先生のバイオグラフィーは、以前にArchive Boxのところで書いてありますので、そちらを参照して下さい。本作品では、勿論、Tietchens先生が全曲作曲し、自らもElectronicsを演奏していますが、他にも参加メンバーがおり、Stu 'Snatch' Seemi (Drum Programming), Mischa Suttense (Harmonizer, Flanger), Achim Stutessen (Ring Modulator), Hans Tim Cessteu (Synth), Sam 'The Cute' Sins (Synth, Effects), Tussi Schemante (Synth, Voice)と成っています (本当にこのメンツが存在するのかは、ちょっと嘘くさいんだよねー)。そして、内容なんですが、初めて聴いた時は、「宅録テクノ・ポップやん❗️」と思ってしまいました。例えば、日本のDD. Recordsの鎌田忠さんとかの作品と近いものを感じました。1981年にリリースされていることを考えると、ほぼほぼ同時期ですね。いや〜参った!参った!こう言うシンクロニシティってあったのですね。イメージとして、Tietchens先生、もっと堅苦しいと言うか仰々しい電子音楽を演る人かと思ってましたが、ここでは、変なメロディのインスト「テクノ・ポップ」ですね。ただB面にくると、何だかポップなのか?アンビエントなのか?よくわからない曲に移行していきます。そんな意味も含めて、Asmus Tietchens先生の嗅覚の良さとセンスの良さ及びそれらのコンセプトを具現化するテクを感じますね。なので、もしシンセ・ウェーブとかに興味を持っている方なら、絶対ともこのアルバムを聴いてみて下さい❗️きっと発見がありますよ。 https://youtu.be/pbhaf7_MdUQ #AsmusTietchens #Biotop #SkyRecords #BureauB #Reissue #Remastering #Krautrock #Electronic #Pop #TechnoPop #Ambient
Krautrock, Electronic Pop Bureau B (Sky Records) 2580円Dr K2
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19 “Sound Track”
日本が世界に誇る実験バンド19 (Juke)の4枚目アルバムにして最終作(実はその後1987年にもCDが1枚出ている) “Sound Track”の登場です。これも湯浅学氏の円盤からの再発盤となります。もうバイオグラフィーとして書くこともありませんのでーー大竹伸朗氏のその後の活躍は各自調べてくださいーーここでは省略させて頂きます。サードアルバム”Pieces”での音楽性の大きな転換の後にリリースされた本作品は、2枚目までのロックのフォーマットと反復/ズレ/ループ音からなる作業的フォーマットが結果的に両方とも上手く取り入れられた方法で作られているようです。そう言う意味では、19のメンバー達としては一つの「完成形=行き着いた先」だったのかも知れません(勿論、これが大竹氏の想定していた完成形とは言いませんが)。このレコードを大竹氏は「風景をテーマにしたポップス」と評しています、正直、私にはこの言説に諸手を挙げての大賛成とは言えませんでしたが、楽器や非楽器を使い、それを「曲」に落とし込んだのが、ポピュラリティーだったのかも知れません。曲も前作とは異なり、3分程度のものが殆どで、ちゃんとタイトルも付いている点も、一種の「ポップス」なのかも知れませんが、これは必然であったと想像します。音的には、割とハッキリとした反復ビートを刻むドラムとそれと関係する/無関係な反復をする楽器/非楽器音の演奏からなっており、個人的にはDomeの一連の作品を思い浮かべました。しかし、Domeがインダストリアルなマテリアリズム志向でしたが、本作品は確かにマテリアリズムも感じるのですが、「音楽」のフォーマットに戻った部分もあるように思えます。それが「風景をテーマにしたポップな」かどうかは良く分かりませんが、、、。。音としてはかなり制御された印象をうけますので、19 (Juke)初心者の方でも聴き易い作品かも知れませんね。この機会に是非とも購入して聴いてみて下さい❗️ B面 https://youtu.be/a9Bcz2h68Pw #19 #Juke #SoundTrack #Enban #Reissue #SpecialPackage #Experimental #Music #Noise #Pops #ShinroOhtake #TakijiNomoto #ToshiakiTohyana #YokoOhta #FinalAlbum #Repetition #Drums #Guitar #Bass #Violin #Tapes
Experimental Music, Noise Enban (self release) 5000円Dr K2
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19 “Pieces”
とうとう入手しました。40年振りの19 (Juke)のサード・アルバム”Pieces”です。再発にあたり、特殊包装され、しかも大竹伸朗氏によると思われる特大ポスター付きです❗️このアルバムが出た当時は、ある音楽誌の評で「ビートもなく、つまらん」みたいなことが書かれていて、その為か、当時は購入するのを躊躇った経緯があり、今回の再発は嬉しい限りです。大竹氏と円盤の湯浅学氏のライナーノーツがあるので、この作品の背景などを理解する上で大変有り難いです。バイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは省略させてもらいますが、少しだけ加えておきます。大竹氏曰く、セカンド・アルバムまでは「ロック」のフォーマットでやってきて、それなりに成果もありましたが、ここにきて、バンドとしての担当も固定してきていたので、新たな展開の必要性と危機感をメンバーも感じていたようです。それで、今回(サード・アルバム)は、非楽器を用いた演奏とその繰り返し(反復)と言う方法論に至ったとのことです。それで、私が、当時の音楽評か何かで読んだ記憶では、非楽器による音を録音したカセットテープを切り刻んで、それを繋ぎ合わせて作ったループ音を元にしたと言うことでした。それが正しい認識だったかどうかは定かではないですが、今回のサード・アルバムでは、今までと大きく異なり、曲も全部で3曲のみA面2曲, B面1曲)となっています。そして、特にB面に顕著なのですが、ループする音が段々とその共鳴音に埋没していき、遂には不明瞭な音の風景となってしまう展開です。A面もA1はまだドラムの音も明確であり、恐らくはプリペアード・ギターなどの楽器の合奏から成りますし、A2では、ズレていく複数のドラム演奏とループ音らしき音から構成されています。ここに来て、19 (Juke)は、「ロック」のフォーマットから大きく外れて、音を組み立てると言う「作業的」フォーマットに進んだものと考えます。そんな大胆な変化と危険性を孕んだ本作品は19 (Juke)のターニングポイントだったのでしょう。この点については、大竹氏がロンドンで体験したDomeとのコラボ・パフォーマンスと関係しているのかも知れません。そんな19 (Juke)の意欲作を是非とも体験してみてください❗️これが最後のチャンスかも知れませんよ! A面 https://youtu.be/viUgklgpIbA #19 #Juke #Pieces #Enban #Reissue #ShinroOhtake #TakijiNomoto #ToshiakiTohyama #YokoOhta #Experimental #Noise #Repetition #ズレ #PreparedInstruments #Drums #Guitar Bass #Violin
Experimental Music, Noise Enban (self release) 4200円Dr K2
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Fehlfarben ”Tag Und Nacht / Dollars Und Deutschmarks“
独逸音楽界(NDW)のスーパーグルーブにして現役バンドFehlfarben (「フェールファルベン」と発音)の7枚目のシングル “Tag Und Nacht / Dollars Und Deutschmarks (Speed Dance Mix)を紹介します。この12㌅マキシ・シングルはサード・アルバム”Glut Und Asche”からのシングルカットになっています。Fehlfarbenについては前回書きましたので、バイオグラフィーは省略させて頂きますが、この元になったアルバムの参加メンバーは、Rüdiger Sterz (B), Uwe Bauer (Drs, Back-Vo), Thomas Schwebel (Vo, G, Synth, Back-Vo), Uwe Jahnke (G, Back-Vo), Achim Fink (Horn), Rainer Winterschladen (Horn), Wolfgang Schubert (Horn), Lionel Dussauchoy (Perc, Back-Vo), Mattias Keul (Piano, Clavinet), Friederike Zumach (Strings), Stefan Kriegeskorte (Strings), Ulrich Alshuth (Strings), Ulrike Kleine (Strings), Harald Lepschies (Synth), Jochen Schmidt (Vibraphones)から成ります。それで内容ですが、A面B面共に、タイトなリズムに煌びやかなホーン・セクションを大々的にフィーチャーしたダンサブルな曲で、特にB面はかなりファンク調のベースが強調されたミックスになっており、思わず踊りたくなるチューンにリミックスされています。また、SchmidtのVibraphonesも良い雰囲気になってますね。これの元のアルバム”Glut Und Asche”の前のセカンド・アルバム”33 Tage In Ketten”は以前にも紹介しましたが、それと比べると段違いにメジャー寄りと言うか、格段に洗練されたスマートな内容になっています。Fehlfarbenは、このアルバムをリリース後、一度バンドは解散していますが、1990年代には、2枚のリミックス・アルバムをリリースしています。因みに、オリジナルをリリースしているWelt-Rekordは初代VoのPeter Heinが1980年代に運営していた自主レーベルで、後にEMIに吸収されています。1980年代のFehlfaubenの音楽の一端を知るには良いブツなので、見つけたら、購入するのは良いかも⁉️ A面 “Tag Und Nacht” https://youtu.be/Bby0nivalJ8 #Fehlfarben #TagUndNacht #DollarsUndDeutschmarks #Welt-Rekord #EMIElectrola #1983 #SingleCut #GlutUndAsche #DanceMusic #Funk #Horns #NeueDeutscheWelle
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Welt-Rekord (EMI Electrola) 1500円Dr K2
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Neu ! “Neu! ‘75”
お久しぶりです!独逸の偉大な発明ハンマービートを携えてのNeu !のサード・アルバム”Neu !’75”の登場です。ファースト・アルバムまでのバイオグラフィーについては、前回書きましたので、参照してください。サード・アルバムではKlaus Dinger (Drs, G, Vo)とMichael Rother (G, Kbd, Vo)のデュオなんですが、彼等に加えて、Klausの弟Thomas Dinger (Drs)とHans Lampe (Drs)もB面で客演しています。ただ、この時期、DingerとRotherの方向性が異なってきており、特にガレージバンドが出自のRotherはもっとライブがやりたかったみたいです。それで、アンビエント志向のRotherとドライブするハンマービート(Motorik)志向のDingerのそれぞれのソロアルバム的な曲をこの一つのアルバムに無理矢理詰め込んでいます。これは、特にB面で顕著で、B1 “Hero”やB3 “After Eight”では、その後のDingerの志向(実際、Thomas兄弟とLampeによるバンドLa Düsseldorfへと続く)を反映する単コードによるギターとハンマービートが強烈で、特にB1はこの時期の英国のパンクスにも影響を与えたと言われています。一方で、その間の曲やA面ではどちらかと言うとビートレス或いは通常のスロービートによるゆったりとした曲から成り、当時、Clusterの2人とコラボし始めていたRotherの雰囲気を感じることができます。しかしながら、この異なる方向性の個性を詰め込んだ為、Neu!としては、1975年に解散してしまい、少なかったファンもバラバラになってしまいます。本作品の内容は前述の如くなので、これ以上は書きませんが、ある意味、クラウトロックの分岐点になったアルバムと言えるでしょう。そんな訳ですので、クラウトロックを語るなら、一度は聴いておいた方が良いかも⁉️ https://youtu.be/GT0f1Tw3YXM #Neu! #Neu!’75 #Brain #GrönlandRecords #Krautrock #ThirdAlbum #HammerBeat #Ambient #KlausDinger #MichaelRother #ThomasDinger #HansLampe
Krautrock / Experimental Grönland Records (Brain) 不明Dr K2
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Geisterfahrer “„Aus Den Verschollenen Masterbändern Vol.1 1979 - 1983”
このブツは「クラウトロック大全」の著者である小柳カヲル氏が運営するSuezan Studiosの配給で入手したGeisterfahrer (「ガイスラーファラー」と発音。高速道路を逆走する幽霊ドライバーの意味)の初期音源のセルフ・コンピレーション・アルバムです。それで、Geisterfahrerなんですが、1979年にHamburgで結成されたNDWバンドです。この時の参加者は、Erdem Güngörecek (?), Hans Keller (G), Jürgen Weiß (Drs), Matthias Schuster (Synth, Vo, G), Michael Ruff (Vo, G)の5人から成ります。彼等が最初に出したカセット作品には、NDWを牽引している音職人Holger Hillerも客演していますし、後期にはAndy Gilbinoも加入していたようです。そんな重要バンドの一つなのですが、本作品は嬉しいことに、初期音源をコンパイルした貴重な内容になっています。また、このバンドは、NDWの最重要レーベルZick Zackの1番初めのシングルの座を射止めています。まあ、今回の曲はほぼ全て、 Schusterが運営していたGeisterfahrer Studioで録音された音源です(因みに、このスタジオにはKorgやArp、Rolandのシンセやシーケンサーがあったとのこと)。内容は多分、スタジオでのリハを録音したものではないかと思われる程、曲がりなりにも良い音質とは言えませんが、その分、生々しさも体験できます。構成ではドラムマシンと生ドラムが半々くらいで、曲によっては両方とも。そんなにもシンセは使われていません。これはちょっと意外でしたね。英国や米国におけるポストパンク的な存在であったようですが、やはり独逸と言うことで独自の解釈や変遷があったのでは?と思います。短い曲は如何にも独逸的。しかも、プリミティブと言う仕様。これは好きなリスナーには堪らないでしよう。入手は困難かも知れませんが、気になる方は是非とも❗️Vol.1と言うことは続編がらあるのかな? A2 “Alles Dreht Sich” https://youtu.be/AIIvDWZYKOM B1 “Geisterfahrer II” https://youtu.be/Uo2dk-tvd18 B8 “Weisse Seele (Vocoder Version)” https://youtu.be/RIJACDsRmD0 #Geisterfahrer #AusDenVerschollenenMasterbändernVol.11979-1983 #HolyHourRecords #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ZickZack #Hamburg #1979-1983 #ErdemGüngörecek #HansKeller #JürgenWeiß #MatthiasSchuster #MichaelRuff
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Holy Hour Records 3290円Dr K2
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Art Zoyd “Les Espaces Inquiets”
発掘しました。仏のアヴァン・チャンバー・ミュージック集団Art Zoyd (仏語なので「アール・ゾイ」と発音)の6枚目のアルバム”Les Espaces Inquiets”をご紹介します。彼等のバイオグラフィーは以前に紹介していますが、取り敢えず、今回のメンバーだけでも記載しておきます。Patricia Dallio (E-Piano, Piano), Gérard Hourbette (Viola, Vln, Synth, Perc), Didier Pietton (Alto-/Tenor-Sax, Perc), Jean-Pierre Soarez (Trumpet, Hügelhorn, Perc), Thierry Zaboitzeff (B, Cello, G, Vo, Tapes, Synth)の5人で、録音とミックスダウンはスイスKirchbergのSunrise Studiosで行われています。それで、本作品なんですが、ちょっと変則になっています。と言うのも、A面3曲目の”Images D'Une Ville-Poussière”が3部構成となっているのですが、第一部と第二部はA面(A3”Errance”とA4” Cortège Des Officiels”)に、そして第三部はB1 (“ Au Delà Des Vallées”)として収録されています。各曲を紹介していきます。A1 “Légendes: La Forêt Qui Avance”は水の音や囁き声も使った本作品のイントロのような曲です。A2 ”Cérémonie”はA面の中でも中心になる、伸びやかな曲ですが、同時にピリピリした緊張感の漂う9分程の大曲です。意外にもバックの進行はミニマルなんですが、しかしそこはただでは済まさない突然の転調や構成、フリーな演奏が待ち構えています。前述のA3 “Errance”はリリカルな生ピアノが沁みる、ゆったりとした曲で、A4 “Cortège Des Officiels”はオーケストラルなシンセと後半の生ピアノが壮大な音風景を描き出す、これまた緊張感のある曲になっています。B1 “Au Delà Des Vallées”は繊細なピアノの旋律から成る組曲”Images D'Une Ville-Poussière”の最終章です。B2 “Migrations”は本作品の中でも13分もある複雑な構成から成る大曲で、各パートの転調や構成を含めて、全員が全ての楽器を用いているかのようです。特に後半では珍しくドラム(? ドラムマシン)も使っています。B3 “Légendes: Le Bruit Du Fer”は、前曲の凄まじいまでの緊張感をチル・アウトするかのような単純なバスドラにチェロやトランペットなどが絡む小曲となって、本作品はフェイド・アウトしていきます。とまあ、こんな構成なんですが、如何にもと言うか、矢張りと言うか、レコメン系プログレに仕上がっていますね。各曲を楽しむことも、アルバム全体を楽しむことも、出来ますので、この手のチャンバー・ミュージックに興味のある方は、こちらも是非、聴いてみてください! A2 “Cérémonie” https://youtu.be/PbciB9UaFmI [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLz4yhtUtNduVbO86zoGszj5jnfADUmLHo #ArtZoyd #LesEspacesInquiets #CryonicInc. #ProgressiveRock #Avant-Garde #ChamberMusic #RecommendedRecords #PatriciaDallio #GérardHourbette #DidierPietton #Jean-PierreSoarez #ThierryZaboitzeff
Progressive / Chamber Rock Cryonic Inc. 不明Dr K2
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SuKoRa “OEO”
1990年代中盤であろうか、CDが音楽媒体として世界的に普及していた時代に、所謂「無音系」と呼ばれる流れが生まれてきました。まあ、全くの無音では無いのですが、本当に微音のノイズ(グリッチ音や可聴範囲外の音など)が微かに聞こえると言うCD作品がバンバン出てきました。特に、Bernhard Günterが立ち上げた独逸のレーベルTrente Oiseauxが一時期、世界を席巻しています。何故かと言うと、そのの理由として、CDは完全デジタルな媒体なので、完璧な無音を作ることが理論上可能である点がその背景にあると言うこと、それともう一つは当時のノイズ・シーンにおいては、所謂「ジャパノイズ」と呼ばれる大音量のノイズ・ミュージックが台頭していたことに対する反発もあったかと思います。そんな状況の中で、日本にも「無音系」或いは「微音系」と呼ばれるアーティストがいました。それが、キタジマ・タカヨシ氏のソロユニットSuKoRaなんです。当時、ライブなんかにもよく誘っていたりしていましたので、彼のライブも何回も観ていますが、観客の見守る静寂の中、コンタクトマイクとセロハンで「カサッ」とか「チリッ」と言う極小のノイズを時に発すると言うストイックなスタイルに魅せられていましたね。彼は、カセット作品も自主リリースをしていましたが、そんな彼のファースト・アルバム”OEO”が、米国レーベルIgnivomousから出たとの噂を聞いて、早速、購入しました。しかも、LP(ヴァイナル)と言うフォーマットです❗️これにはちょっと驚きました。簡素なDIY的装丁で、謎めいた曲が4曲収められていますが、曲の切れ目は不明瞭です。この場合、確かに微音ではありますが、レコード針とレコード盤の間に生じるヒス音がどうしてもバックに入り込んでしまいます。そうすると、この作品はレコード針と盤との摩擦音を聴いているのか?それとも録音された人為的微音を聴くべきなのか?がよく分からなくなってきます。キタジマ君に、その感想を伝えたら、「いや〜なんか煮詰まっちゃって!」と恥ずかしそうに答えてくれました。個人的には、その言葉の意味が当時はよく分からなかったのですが、今回、聴き直してみて、何となくその意味が分かったように思えます。その後、私が東京を去ったので、疎遠になってしまいましたが、2011年まではリリースが続いていたみたいです。彼の「微音系ノイズ」は、それが完全な無音環境では無い(デジタルな空間ではない)と言う意味で、当時の他国の「無音系」ノイズとは一線を画すようにも思えます。もし、もう一度会うことができたならば、その真意を聞いてみたいですね。因みに国内では、同年に佐々木敦氏のレーベルMemeからもCD作品”Tower”をリリースしています(私は未聴)ので、そこら辺との相違についても聴いてみたいです。なので、もし、SuKoRaの作品を聴くことがあれば、そんな聴取環境のことも頭の片隅に置いて聴いてみて下さい❗️ A面 “YOY”~”OOE” https://youtu.be/Uj59qgiYFlc #SuKoRa #OEO #Ignivomous #TakayoshiKitajima #FirstAlbum #Experimental #無音系ノイズ #微音系ノイズ #Noise #SoloUnit #ConceptualMusic #SoundArt
Experimental Ignivomous 不明Dr K2
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Strange Men In Sheds With Spanners “s/t”
Strange Men In Sheds With Spannersと聴いても、皆さん知らないですよね?じゃあ、英国のパンクバンドBuzzcocksは知ってますか?じゃあ、そのVo/GのPete Shellyは知ってますよね? そのPete Shellyが当時、実験音楽にも興味を持っていたことも知ってますよね? と言う訳で、今回、紹介するのは、Peter McNeish ことPete Shellyが、Bob Warlock, Francis Cookson, Wayne Wormと一緒になって、1980年〜1984年に録音されていた音源です。その中で、リリースされなかったものを集めた未発表曲集が、この度、米国Drag Cityから今回、リリースされました。それが、本作品となります。Pete Shellyは当時から独逸のクラウトロックからの影響を公言しており、彼自身の実験音楽レーベルGroovy Recordsからもソロアルバム”Sky Yen” (1974年作、1980年リリース)で強烈な電子実験音楽を披露したり、ソロで”Homosapien” (1981年)と言うエレ・ポップなアルバムも出しています。なので、割と、彼は電子音楽にフィットしていたと思われます。それで本作品ですが、上記のメンバーで、シンセ或いは自作オシレーターなどを駆使して、更にベースやドラム、ドラムマシン或いはギターも交えた、実験色の強いインスト主体のエレ・ポップ風音楽を披露しています。曲名自体は数字だけで、かつ、アルバム・タイトルもバンド名(これ自体もShellyがガムラン・オーケストラの公演を聴いた時の感想に由来するらしい)のセルフタイトルですし。まあ一種の発掘音源なので、そう言う扱いになっているのかもしれませんね。曲調はミニマル・ウェーブ的(曲によってはニュー・ウェーブ的なのもあります)で、その意味でも同時代性を感じさせられます。まあしかし、これをやっているのが、バリバリのパンクバンドのVo/Gと言うのも特異なことですが、Public Image LimitedのJohn Lydonがクラウトロックのファンであったことからも、英国には、そう言う地盤が元々あったのかも知れませんね。と言う訳で、漸く日の目を見たバンクな電子音楽に興味のある方は是非とも聴いてみて下さい❗️面白いですよー。 “4” https://youtu.be/ehG5Gx1fo3Y [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mZNfQ6j80rQdn3H0HL24uXQoVKY1grIMo #StrangeMenInShedsWithSpanners #DragCity #PreviouslyUnreleased #GroovyRecords #PeteShelly #Electronic #ExperimentalPop #1980-1984 #BobWarlock #FrancisCookson #WayneWorm #Synthesizers #NewWave
Experimental Pop / Electronic Drag City (Groovy Records) 3597円Dr K2
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GUM “20 Years In Blue Movies And Yet To Fake An Orgasm”
GUMって知ってますか? 私も殆ど知らずに購入したGUMのセカンド・アルバムです。GUMは豪州のバンドで、メンバーはAndrew CurtisとPhilip Samartzisのデュオです。GUMは1989年に結成されていますが、バイオグラフィーは調べましたが、あんまり情報はありませんでした。本作品は彼等のセカンド&ファイナル・アルバムになりますが、1986年〜1990.年までこのデュオで活動しています。その間に1枚の7㌅や2枚の12㌅、そして後の2004年には米国の23Fiveより2枚組CD(多分アーカイブ的なもの)をリリースしてます。解散後、Samartzisは、ソロで、サウンド・アーティストとして活発に活動しており、多数のコラボなどの作品をリリースしているようです。 それで本作品なのですが、何と❗️Throbbing Gristleの名曲”Blood On The Floor”のカバーが収められており、そこにはKraangことJohn Murphyが客演しています。それでA面1曲45回転、B面1曲33回転と言う変則アルバムで、そのA面がTGの”Blood On The Floor”なのですが、これははっきり言ってカッコいいです。生ドラムとファズかけたギター(?ベース)、それにMurphyのよるヴォーカル。最初はガチャガチャしたタンテのノイズから始まり、やがてドラムが入ってきて、曲になっていきますが、リズムがあるだけでも聴き易いですし、またTGのロックのメタファーを受け継いでいるとも言えます。あと、最後にちょっとしたギミックがありますが、これは今は秘密にしておきます。それでB面 “Melted Limp Fallout”ですが、こちらはビートレスなコラージュ曲ですが、かなり雑なコラージュ、と言うか音の繋げ方をしています。正直、こちらも45回転にして収録時間を締めた方が良かったかも。多分、タンテやテープ音、オルガン、ヴァイオリンなどを使っていると思われますが、一曲としてはちょっと散漫な印象を持ってしまいました。そんなGUMですが、A面の”Blood On The Floor”だけでも聴く価値はあると思いますので、見かけた方は聴いてみてください! A “Blood On The Floor” https://youtu.be/UcbEN9BwDQA #GUM #20YearsInBlueMoviesAndYetToFakeAnOrgasm #SelfRelease #Australia #Industrial #Collage #ThrobbingGristle #BloodOnTheFloor #AndrewCurtis #PhilipSamartzis #JohnMurphy
Noise / Industrial G.U.M.(Self Release) 不明Dr K2
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Mixed Band Philanthropist ”The Impossible Humane”
もう古典と言っても良いかと思われる、TNB (The New Blockaders)のRichard Rupenusが率いたノイズ・ユニットMixed Band Philanthropist (以下MBPと表記)の再発ファースト・アルバムを紹介します。元々は独逸屈指の実験音楽/ノイズ・レーベルSelektionからリリースされた作品で、その後、Siren Records(日)よりCDで、更にHypnagogia (英)よりカセットで再発されていますが、ヴァイナルとしては初の再発ですね。この時点のMBPのメンバーは、上記のRichard Rupenusの他に、Douglas LucasとK. Jamesonの3人からなります。その後は、後者2人は抜けて、Allan ZaneとStan Reedが加入していますが、MBP自体、単発のユニットであったみたいで、単独作品は本作品とHypnagogiaからリリースされたシングルのみです。と言う訳で、オリジナルほ高価で取引されていますので、この再発はリスナーには大変嬉しいですね。MBPのコンセプトは、世界中のノイズ・グループやミュージシャンからの音源を集めて、それらを高速ジューサー・ミキサーで撹拌して、別の曲として成立させると言うもので、参加者は、A.O.T., Andrew Chalk, Architects Office, Asmus Tietchens, Bird Cage Walk, Controlled Bleeding, Dada Duo, Dan Froberg, Giancarlo Toniutti, H.N.A.S., Lorelei N. Schmidt, Manon, Merzbow, Mieses Gegonge, Mystery Hearsay, Nihilist Assault Group, Nurse With Wound, Orchestra Of The Obvious, Organum, P16.D4, Penis Art, Peter Catham, Swimming Behavior Of The Human Infant, Smegma, Sperm Culture, The Haters, New Blockaders, The Noise Perverts, Tom Recchion, Verdenskang, Vittore Baroni, Vortex Campaign, Etant Donnesとその手の実験音楽/ノイズ・グループ/ミュージシャンがほぼ網羅されていると言っても過言ではないでしょうか。また、今回の再発盤では、A1としてシングル曲”The Man Who Mistook A Real Woman For His Muse And Acted Accordingly”が、B5として”Bad Alchemy No5”コンピ収録曲で、シングルとしても再発されていた曲が含まれており、お得感があります。内容は前述しましたように、とにかく音楽/非音楽関わらず、高速で攪拌されて、繋ぎ合わされた音の連なりが物凄いスピードで展開されています。しかも、それらの再生速度も高速だったりして、曲の切れ目もよく分からないくらいです。もう難解を通り越して、ユーモラスですら感じる出来栄えで、思わず口をあんぐり開けている前に聴き終わる程のスピード感ですね。元々、Selektionからリリースされたことを考えて、P16.D4の”Distruct”と同様のコンセプトで作られたのだはないかとも思われますが、何せ、スピード感が違うので、もう何と言うかナンセンスの極み(ここら辺はRupenusの狙ったところでしようね)です。そんな内容ですが、本作品の高速コラージュは一聴に値すると思われますので、是非、この機会に体験してみて下さい❗️ https://youtu.be/C_x735iflf0 #MixedBandPhilanthropist #TheImpossibleHumane #Staubgold #Selektion #Reissue #RichardRupenus #DouglasLucas #K.Jameson #Collage #Experimental #CollaborationThroughTheMail #1987 #高速コラージュ #TheManWhoMistookARealWomanForHisMuseAndActedAccordingly
Noise / Experimental Staubgold (Selektion) MDr K2
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Lasse Marhaug “Context (Part 1~7)”
付き合いは長いのですが、中々、アナログを入手出来ず、ここまできてしまいました。ノルウェーの実験音楽/ノイズ・ミュージックの重鎮Lasse Marhaugの登場です。彼は1990年から活動を開始し、最初はノイズ・ミュージックのフィールドで活動していましたが、その後、即興音楽、ジャズ、ロック、エクストリーム・メタルなどのフィールドでも活躍しています。多分、皆さんにはJohn HegreとのデュオJazkamer (2004年以前はJazzkammer)が良く知られているかもしれませんね。Marhaugは元々、映像、劇場音楽、ダンス、サウンド・インスタレーションなどでも活動をしていました。来日もしています。彼は積極的にツアーを行い、各地のアーティストと知り合うことで、様々なミュージシャンとコラボなどをしており、一方で、Pica DiscやTWR Tapes或いはSmalltown Supersoundなどのレーベルを複数運営し、また他方でほPersonal Bestと言うファンジン(と言っても、かなり質の高い雑誌ですね)も出版しています。八面六臂の精力的にやっており、未だに現役バリバリのミュージシャンで、そんな彼の演奏はエレクトロニクス、ラップトップ、テープ、ヴォイスからなり、それ故に所謂ラップトップの高速コラージュからドローンまで幅広い音楽性を持っています。また、彼の本職はデザイナーでもあり、そのスタイリッシュなCDジャケなどのデザインはシャープな佇まいをみせています。そんなMarhaugの新作が、本作品である ”Context”です。曲名は全て”Context Part 1”と言うように数字で表され、”Part 1”から”Part 7”までが収録されています(その昔、友人のノイズ・ミュージシャンの1人は曲はできるが、それにタイトルを付けるのが一番難しいと言っていました)。多分、ラップトップを使っていると思われますが、カットアップ・コラージュみたいな使い方はしておらず、割と淡々とした電子音楽/ノイズになっています。曲によってその印象は異なり、割とアンビエントな曲からやや騒がし気な曲まで含まれています。ただ、それでもデジタル独特のややヒンヤリとした音質の音/ノイズ要素がここかしこに感じられます。なので、全体の雰囲気は電子工作音楽のような印象を受けることができますね。そんなに激しくは無く、またハーシュ・ノイズでもないので、デジタル・ネイティブの方はきっと取っ付き易いかもしれませんね。それと.、どうも低音に重きを置いた音作り或いはマスタリングをしているようで、ここら辺も現行のクラブ・カルチャーとリンクするかもしれません。また、幾らデジタルだからと言っても、作られた結果は表情豊かで、有機的ですらあります。正にマジカル‼️とにかく、電子音楽に興味のある方は一度、聴いた方が良いかもしれません。是非是非‼️ B1 “Context Part 4” https://youtu.be/MjO7c8e17bE [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_njN0l8-ghYBr1j6ebdrN-0lMPhWx5FuLQ #LasseMarhaug #Context #SmalltownSupersound #ExperimentalNoise #Experimental #Electronics #LapTop #Digital #Ambient #電子音楽 #SoundDesign
Noise / Experimental Smalltown Supersound 2995円Dr K2
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Moebius “Solo Works Compiled By Asmus Tietchens (Kollektion 07)”
続いて、MoebiusことDieter Moebiusのソロアルバムの曲を、独逸電子音楽の重鎮Asmus Tietchensが選曲したセルフ・コンピレーション・アルバムをご紹介します。Moebiusのバイオグラフィーは前回、書きましたので、そちらをご参照にしてください。また選曲を行ったAsmus Tietchensのバイオグラフィーも以前にボックスセットのところで書きましたので、そちらをご参考にして下さい(因みに、TietchensはBureau Bの再発シリーズのライナーノーツを毎回書いています。独逸語と英語なので助かります)。 それで、内容なんですが、今までリリースしたMoebiusのソロアルバム7作から1〜2曲づつセレクトされており、全9曲で、年代的には1983年〜2017年までをカバーしています。概ね年代順に配置されており、A面は “Tonspuren” (1983年), “Blue Moon” (1986年), “Nurton” (2006年)及び“Blotch” (1999年)から成り、B面は“Kram” (2009年), “Ding”(2011年),及び“Musik Für Metropolis” (2017年)から選曲されています。それで、珠玉の9曲がバランス良く配置されており、ここら辺にTietchensのセンスを感じますねぇ。基本的には、インストのエレクトロ・ポップな曲なのですが、時代と共に段々とヴォイス(あくまでもヴォイスであり、歌ではないです)を入れたり、リズムボックスが進化したり、シンセでリズムを作ったりと手技や機材或いは作曲方法も変わっていきますが、独特のちょっとだけ捻ったMoebius節のポップネスが堪能できます。各曲の説明は省きますが、もし、ちょっと変わって、ミニマルっぽいエレクトロ・ポップが好きであれば、全然素直に聴けると思いますよ。まあ、B面最後に”Das Ende”を持ってくる辺りも粋ですね。なので、手軽にMorbiusの音楽を知りたいのであれば、このアルバムは最適ではないでしょうか❗️ A2 “Hofnungsschimmer” from album “Blue Moon” https://youtu.be/WZmDBYkbMWA [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mLxG1lVwmkyzydGTX2KUXoXbzY4z_E-xA #Morbius #SoloWorksCompiledByAsmusTietchens(Kollektion07) #BureauB #SelfCompilation #DieterMoebius #AsmusTietchens #KrautRock #ElectronicPop #Tonspuren #BlueMoon #Nurton #Blotch #Kram #Ding #MusikFürMetropolis
Krautrock, Electronic Bureau B 2955円Dr K2
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Moebius “Tonspuren”
MoebiusことDieter Moebiusの単名ソロとしてはファーストに当たるのが、この”Tonspuren”です。ご存知のように、Moebiusは、Cluster、更にはHarmoniaのメンバーでもあり、クラウトロックの一つの代名詞でもあります。ちょっとだけバイオグラフィーを書いておきます。彼はBerlin’s Akademie Grafikの学生でもあり、バイトでレストランのコックもしてました。その時に、Conrad Schnitzlerと会ってます。その頃、SchnitzlerはHans-Joachim RoedeliusとZodiak Free Arts Labをやっていました。それで、この3人は1969年にKlusterを結成。しかし、Schnitzlerが脱退して、残ったデュオでClusterを名乗り、活動を続け、”Zuckerzeit”や”Sowiesoso”などのアルバムをリリースしています。またMoebiusはClusterやコラボのジャケのグラフィック・デザインもやってます。その後、Neu!のMichael RotherとのトリオでHarmoniaを結成し、よりアンビエントな方向へ。その過程で、Brian Enoとのコラボも行うようになります。1970年代には、Moebiusはソロアルバムの作製やConny PlankとGuruGuruのMani Neumeierとのトリオみたいにサイド・プロジェクトも開始します(因みにこのトリオでの作品”Zero Set”は名盤です!)。1980年にConny Plankとの共同名でアルバム”Rastakraut Pasta”を、翌年にも2人の名前でアルバム”Material”をリリースしており、同年にはGerd Beerbohmとのコラボ・アルバム”Strange Music”もリリースしています。その後も、比較的コンスタントにソロアルバムをリリースしています。そして、2007年には、Rotherと共にRother & Moebiusとしてツアーを敢行、またHarminiaの再結成も同年11月に行い、そのコンサートをベルリンのHaus der Kulturen der Weltで行っています。しかしながら、Moebiusは2015年7月20日に癌で他界してしまいました。 それで本作品の内容についてですが、意外にもポップなインスト曲が10曲。そしてそのメロディには少しばかりの諧謔性がほんのりと香り、何だかNDW(Neue Deutsche Welle)の、特にDer Planのような音楽性も少し感じられます。まあ、バックは古めかしいリズムボックスにシーケンサーから成り、それに割とミニマルなメロディ、しかもなんか懐かしいような、くすぐったいような、、、そんなメロディが重なったりして、何とも「宅録チック」な音楽になっています(個人的には、日本のDD.Recordsから出した私の本名名義の”Re-Musik”を思い浮かべましたね)。そこら辺も同時進行していたNDW的な感じを受けますね。なので、クラウトロックとは言え、NDW、特にDer Plan辺りが好きな方も楽しめると思います。なので、皆さんも是非聴いてみてね❗️ A5 “Etwas” https://youtu.be/K_WBOOCWIBo [full album] https://youtu.be/t1oxjfI_HzQ #Moebius #Tonspuren #SkyRecords #BureauB #Reissue #Krautrock #DieterMoebius #ElectronicPop #Cluster #SoloAlbum #Minimal #NeueDeutscheWelle
Krautrock, Electronic Pop Bureau B (Sky Records) 2955円Dr K2
