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Merzbow “抜刀隊 with Memorial Gadgets”
またまた、届きました!Merzbowの初期の大傑作との評価も名高い”抜刀隊 with Memorial Gadgets”のリイシュー3枚組で、フェルトによる特殊包装ブツです。元々は、1986年にRRRecordsが、初めてリリースした2枚組LPと言うことで、内容も、1990年代に爆発的に流行った轟音ハーシュ・ノイズの帝王と言う感じではないです。また、本作品は、1993年, 1994年, 2004年, 2005年には、”Batztoutai with Material Gadgets”として2枚組CDとしてRRRecordsから何度もリイシューされ、更に、2013年には秋田氏自身もセルフ・リイシューしています。そして、内容も初版とは若干変わっており、本作品には、2000年に豪Extreme Recordsからリリースされた50枚組CDセット”Merzbox”収録のCD “Mortegage / Batztoutai Extra”ヴァージョンの“Anus Anvil Anxiety”が収録されていたり、2018年に日本のSlowdown RecordsからリリースされたCD から“Batztoutai Mix”と“Jinrinkinmouzui (Wild Animals And Polyhedral Garden -Another Mix)”が本作品に収録されていたり、また、”Moby Dick”は2018年にリマスタリングされていますが、それ以外は、何と!2024年に秋田氏自身が再度リマスタリングしているとのことです。なので、各曲の長さも、以前の再発盤やオリジナルとも若干異なっています。また、B1では、LuluことCharles Edouard Gabriel LerouxがBlue Courts Orchestraを参照して曲に関わっているとのことです。 先ず、LP1のA面は、サイレンのような緊急音に物音系ノイズが絡むA1で始まり、高周波ノイズに、細切れにされた物音やTV音或いはチャルメラのような既製の楽器演奏等、様々な音がそのまま或いは加工・変調されて絡みついて、配置・コラージュされているA2, そして、曲の境目が非常に分かり辛いのですが、重いメタル・ジャンクの打撃音を中心に、既製の音楽や声或いは物音等、様々な音(=ノイズ)がカットインされるA3は、その切り返しが鋭く、同時期のNurse With WoundやP16.D4とも共通項があるように思えます。 B面では、軍楽ラッパ音から始まり、軍楽隊のマーチや軽快な大衆音楽を変調させたり、そこに様々な物音や変調音等が付け足されたかと思うと、やがてテープの早回し音のような音が頭の中を駆け巡る展開となり、ディレイの掛かった既製の音楽の断片等と渾然一体となるタイトル曲B1が素晴らしく、これまた曲の境目が非常に分かり難いのですが、土俗的打楽器のリズムとシャープなノイズの組合せから成る小曲B2, そして、金属質なループの小曲B3で終わります。 LP2は、様々な既製音楽の断片やヴォイス・パフォーマンス或いは物音を緻密かつ直感的に組合せたコラージュが冴えるC1で始まりますが、その密度が凄まじく、何度聴いても新たな発見があります。まるで、現代音楽を更に「現代音楽」させたように感じます。そして、突然の声明の断片から、更に混沌とした音響場へとリスナーを導入し、ディレイの掛かった物音や声明が現代音楽風の音群と見事に融合しています。これまた境目が非常に分かり難いのですが、テープの再生速度を弄ったループと変調した高周波ノイズの組合せが面白いC2となり、その不安定性が何とも不気味に頭の中に残ります。 D面は、打楽器のループ音と物音系ノイズ音の絡みが何となく「和」のインダストリアルを感じさせますが、やがてまた異なるループ音へとスライドしていき、その連鎖は止まりません。そのナチュラルさには舌を巻きますし、またループ音自体の音色の豊かさにもセンスの良さを感じます。 LP3は、声のロング・ループに金属質な高周波ノイズの組合せから始まり、段々と更なる混沌へと突き進んでいくE1から成り、更に色々な物音ノイズや既製音楽(多分、レコード?)の断片がコラージュされていますが、その重ね合わせ方が実に秀逸で、今だに、その手法の鋭さに驚きを感じます。 F1は、ディレイの掛かったプリペアード・ピアノらし音から、子供の声や様々な音(プリペアード・ピアノや早回しの音楽、正体不明の物音群)の緻密かつ鋭角的なコラージュに、タイトル曲でも聴かれたラッパのループや回転速度を弄りまくった軍楽隊のマーチの音等が多層的にコラージュされており、B1とはまた違った趣きになっています。また、50年代のジャズや80年代の歌謡曲等もコラージュされており、全く時代背景の違う音楽を違和感無く同居させています。これらが単なるミックス違いとは思えない程、加工されています。 流石に、一度に通して聴くと、最後はちょっと集中力が削がれますが、とにかく、音そのものにフォーカスしたと言う意味でのノイズ作品であり、タイトル曲等にはそれなりのモチーフはあるものの、本作品は、音の洪水に飲み込まれる程の熱量を含んでいます。先述のようにNurse With WoundやP16.D4との同時代性もあるとは思いますが、それよりも先ず、音の密度と速度が高く、本作品ではそれが際立っていますね。ファースト・アルバム”Material Action 2”では、まだロック的な要素も感じられたのですが、本作品では、完全に実験音楽に振り切っており、また、低俗と高尚と言った二項対立が完全に無意味化して、全く同一線上で扱われているのも凄いです!! リイシューの度に、構成やミックスなど、形を変えているのも、ポイント高いですね。そこら辺にも秋田氏の職人気質と拘りを感じます。未聴の方は是非とも体験すべきノイズ作品だと断言します!必聴!! ◼️LP1 A1 “Uluk Constitution” (2:50) A2 “This Dying Toad Become Forthwith Like Coal For Colour Black” (6:12) A3 “One Eyed Metal” (7:48) B1 “BatzTouTai - The Nightingale's Song” (14:54) B2 “Intermission” (1:28) B3 “Junk Dahkini” (1:25) ◼️LP2 C1 “Anus Anvil Anxiety” (14:36) C2 “Moby Dick” (6:38) D1 “Jinrinkinmouzui (Wild Animals And Polyhedral Garden -Another Mix)” (16:07) ◼️LP3 E1 “Gothol Exodomy” (25:21) F1 “BatzTouTai (1711 Mix)” (23:03) [original full album] https://youtu.be/ZpP1aK6K6BA?si=sdexpdpT57elwvMF [BandcampのURLを貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/batztoutai-with-memorial-gadgets #Merzbow #抜刀隊withMemorialGadgets #BatztoutaiwithMemorialGadgets #KontaktAudio #2025年 #Reissue #Remastering #3LPs #FeltPackaging #LimitedEditions #399部#RRRecords #1984年 #2LPs #EarlyExperimental #Noise #Collage #Experimental #Loops #軍楽隊#BatztoutaiWithMaterialGadgets #RemixAlbum #MasamiAkita #Lulu #CharlesEdouardGabrielLeroux #BlueCourtsOrchestra
Noise / Collage / Experimental Kontakt Audio (RRRecords) 不明Dr K2
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Solmania “Re-Rurr”
関西のノイズ勢を語る時に、必ず名前の挙がるユニットの一つとして、Solmaniaがあると思います。元々は、グラフィック・デザイナーでもある大野雅彦氏のソロユニットとして、1984年から活動を開始しており、その頃から、自身の自主制作レーベルFatagaga Tapes(或いはWorks Fatagaga或いはFatagaga)を運営しつつ、モンスターのような改造ギターや多量のエフェクター類を駆使した独自のギターノイズをライブや録音物で展開してきました。1994年から、Outoのギタリスト菅原克己氏が加入し、デュオでの名義となっており、当初は、菅原氏は普通のギターを弾いていましたが、その内、2人共、改造ギターによる演奏形態に変化しています。大野氏は、Alchemy RecordsのCD等ジャケのデザインも殆ど全て手掛けているようです。また、近年では、大野氏のソロとして、DestromoやSolmania slur或いはDestroy Ohno Monsters等の名義でも活動しており、カセットのテープを使ったノイズ演奏等、以前とはまたちょっと違った活動もしているようです(私は、関西在住ではないので、リアルタイムには、彼の活動は良く分からないところもあるので、間違っていたら、ごめんなさい)。そんなベテラン・ノイズ・ミュージシャンでもある大野氏のソロ時代のSolmaniaのカセット作品が突如、伊の浦島からレコードとして再発されました!! これには正直、驚きました!「そう来たか!」と(しかしながら、その前に、既に、2022年にも、Solmaniaのカセット作品”Erosion”が、浦島からLPリイシューされているんですよね)。それが、今回、ご紹介する”Re-Rurr”です。オリジナルは1985年にリリースされていますが、ジャケ等は新たに作られています。本作品では、大野氏は、G, Tapes, Radio, Metal, Turntable, Voiceを演奏し、各面1曲ずつを収録しています。 内容は正しく「ノイズ」です!しかしながら、ギターのフィードバックや演奏だけではなく、テープ操作やラジオ音等も多層的に重ねられており、カラフルなノイズ作品に仕上がっています。A面は、地鳴りのようなギター・ノイズから始まり、存分にギター演奏が聴取できる曲になっていますが、B面は、更に音源自体が不明瞭化し、最早、ギターとは思えない音になっています(ひょっとすると、使っていない?)。また、ひょっとすると、ラジオやヴォイスなんかはギターのピックアップから取り込んだりしているのかも知れませんね。時々、微かに聴こえてくる人の声や既製の音楽等がまた良い感じに変化を与えてくれますし、また、シンセを使っていないのに、電子音のように聴こえるマジックがあるようにも思えますが、この頃には、既に改造ギターを使っていたのでしようか?! かなりエフェクターを駆使していると思えますが、それが、Solmaniaの魅力の一つでもあると思います!ただ、イタズラにギターを掻きむしっている訳ではなく、特に、A面では、大野氏のギター・テクニックが遺憾無く発揮されていますし、その細かい音の構築性には魅せられてしまいます。 また、音の質感が、如何にも1980年代っぽくて、個人的には、そう言った面でも、楽しめましたので、ギターの超えた「ギター音」を体験するにはもってこいの作品だと思います! A “Re-Rurr I” (16:22) B “Re-Rurr II” (16:17) [original cassette] https://youtu.be/Rkrj9JkAlp0?si=NLPqZY--09RdDDYc [BandcampのURLを貼っておきます] https://urashima.bandcamp.com/album/re-rurr #Solmania #Re-Rurr #Urashima #2024年 #Reissue #LimitedEditions #199部 #WorksFatagaga #FaragagaTapes #1985年 #CassetteWork #Noise #Experimental #Guitar #Tapes #Radio #Metal #Turntable #Voice #MasahikoOhno #大野雅彦
Noise / Experimental Urashima (Fatagaga Tapes) ¥4920Dr K2
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Dissecting Table “Ultra Point Of Intersection Exist”
現在、広島在住で、自身のレーベルUPD Organizationより、少数限定ながら、多数のCDR作品をリリースし続けている辻一郎氏のソロ・ユニットがDissecting Tableです。その歴史は1980年代まで遡り、元々は、ハードコア・パンク・バンド愚鈍の初代Voとして、One!名義で東京で活動していました。その後、1986年に、Dissecting Table名義で、インダストリアル・ノイズを作り始めます。その後、1998年に広島に戻りますが、Dissecting Table名義でのインダストリアル・ノイズ・ミュージック活動は続け、自身のレーベルUPD Organizationを通して、海外への作品の配給や海外レーベルからの作品のリリースを行っています。初期の作品では、シンセとシーケンサーとサンプラーを用いていましたが、2012年以降、彼は、PCを介してPIC (マイクロコントローラー)から出力されるPWMシグナルをコントロールすると言う独自の自作シンセ・システムを開発し、それを用いたバイノーラル以上の音響システムによる録音作品を作り出しています。そして、先述のように、多数のCDR作品をリリースしており、現在では、370作品以上にもなります。このシステム自体については、、私もよく理解はしていないのですが、正に「狂ったコンピュータの中にリスナーが閉じ込められた」ようなエレクトロ・コアな純電子音楽です。特に、ヘッドフォンでの視聴をお勧めします。また、彼は、Maurizio BianchiやErrare Humanum Est等の海外アーティストとのコラボ作や単独作品も自身のレーベルからリリースしており、その活動は更に加速しています。 そんなDissecting Tableは、辻一郎氏(Synthesizer, Micro Composer, Metal Perc, Tape, Vo)そのものであり、作詞・作曲は勿論、録音、ミックス、アートワークも全て1人でやっています。本作品は、Dissecting Tableとしての正真正銘のファースト・アルバムであり、それを今回、オーストリアのKontakt Audioが、ArtefAKTs From The Early Experimental Noise Music Sceneの第5弾として、リマスターして再発した訳です。また、内容も素晴らしいもので、私が1990年代に持っていたDissecting Tableのイメージの原型が詰まっています。 先ずは、リズムマシンとメタパーにシンセノイズと怒号のようなVoが乗る曲構成も良く練られたA1で始まり、ノリの良いシーケンス・ビートにメタパーとハードコアで鍛えたVoが乗るA2, 変拍子の打ち込みビートとメタパーの連打、そして怒り爆発の如きVoとシンセ・ノイズから成りますが、テンポや拍子も変えたりと曲展開も凝っているA3, 更にメタリックな感触の顕著なノイズ成分とマシンビートに荒れ狂うVoとメタパーから成るA4ですが、途中、讃美歌らしき音が入り込むのがキモですね。 続いて、B面は、大胆なマシンリズムとホワイトノイズに、連打されるメタパーが非常にカッコ良いB1で始まりますが、怒りの呪詛の様に繰り返されるVoにも痺れます。神経症的ドローン音に民族音楽の反復から始まり、やがて、メタパー部族の祭典の如き、混沌としたサウンドになるB2でも、やはり存在感のあるVoが際立ちます。土俗的マシンリズムとメタパーの連打に、非常にカッコ良いシーケンスが絡み、ハードコアなVoとドリルのようなノイズが乗るB3ですが、曲構成も打ち込みとは思えない程、凝っています。 いやー、マジで痺れますね!! 当時(1980年代後半)の作品とは思えない程の構成力と迫力を今だに持ち合わせているのが、信じられない位です。良い作品と言うのは、時間を越えて、感じルことが出来ると言う典型だと思います!! 私自身はハードコアとかには詳しくはないのですが、愚鈍時代に既に、あのヴォーカル・スタイルは完成していたのだとか。ただ、そのヴォーカル・スタイルだけではなく、本作品の曲の構成力が凄まじいことは特筆すべきだと思います!そんなDissecting Tableのファースト・アルバムは、インダストリアル・ファンには必聴の1枚となるでしょう!! A1 “Answer” (5:45) A2 “Illusion” (4:42) A3 “Dissect” (5:04) A4 “Clear Up All” (6:10) B1 “Psychic Noise” (5:38) B2 “Today Is Holiday” (7:40) B3 “Control Matter” (7:49) [original full album] https://youtu.be/quIoXSQ8Tcw?si=K6e_k2NIfveg5aMm [BandcampのURLも貼っておきます。こちらは今回の内容です] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/ultra-point-of-intersection-exist #DissectingTable #UltraPointOfIntersectionExist #KontaktAudio #Reissue #Remastering #2025年 #UPDOrganization #1987年 #Industrial #Ritual #RhythmicNoise #HardCore #SoloUnit #MetalPercussion #Sequencer #Vocal #Synthesizers #Tapes #FirstAlbum #IchroTsuji #辻一郎
Industrial / Rhythmic Noise Kontakt Audio (UPD Organization) 不明Dr K2
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Zatopek “s/t”
Zatopek Soccerではなく、今回は、Zatopekのアルバムをご紹介します。所謂、パンク・ジャズと言われる結構、リズミックな音楽を1980年〜1983年の間やっていたベルリンのバンドで、James Chance等のNY No Waveに影響を受けていると言われています。勿論、バンド名は、「機関車」の異名を取っていたチェコのマラソン選手Emil Zátopekから取っています。それで、Zatopekのバイオグラフィーを先ず、書いておきます。1979年秋に、Matthias Heisig (Vo; マチアス・ハイジク), Jürgen Mann (G; ユルゲン・マン), Gerd Möller (Sax, Organ; ゲルト・メーラー), Reimund Schlie (Drs; ライムント・シュリー), Peter Schütz (B; ペーター・シュツ)のメンバーが集まって、アーバンシュトラーセ64番地にあるKreuzberg商業地区の練習用地下室で、Zatopekの前身バンドは始まっています。その後、Zetopekと名乗り、1980年12月6日にアーバンシュトラーセの練習場で、他のバンドに混じって、最初のライブを行っています。この時には、Uwe Arens (B;ウーヴェ・アーレンズ)とBarbara Klöwer (Vo; バーバラ・クラヴァー; 1983年以降は、Charla Drops[シャルラ・ドロップス]と名乗って、道化師や歌手として活動しています)も加わっています。その後、Jürgen MannとUwe Arensが中心となってバンド活動しますが、彼等は米国NYCのノーウェーブ・シーンに影響を受けて、G, オルガン, 安物の電子楽器を使って、色々試していたようですが、この時には、米国NY州WoodstockのCreative Music Studioから帰国してきたPeter Friedrich Stephan (ペーター・フリードリッヒ・シュテファン)とBorries von dem Bussche (ボリーズ・フォン・デム・ブッシェ)の体験が大きかったようです。彼等2人は、NYジャズの大物から直接教わり、また実際にJames ChanceやLounge Lizards或いはJames Blood Ulmerのライブを体験してきていたからです。そして、この時には、他に、MDKのメンバーでもあるStephan Schwietzke (シュテファン・シュヴィツケ)、画家のMatthias Düwel (マチアス・デュヴェル), 彼のガールフレンドのDorothee Gercke (ドロゼー・ゲルケ)、そしてJon Stöckemann (ヨン・シュテッケマン)も参加していました。1年間のリハをやって、バンドはこのラインナップで、1982年5月19日、モニカ・デーリングの満席のベルリン・ミュージックホールで演奏を披露しています。その後、彼らはベルリンのSender Freiesで生放送される2つのDefunktコンサートのオープニングアクトとして出演しており、3回目の出演後、プロデューサーのEkki Schädel(エッキ・シェデル)を介して、Polydorと契約します。それで、作成されたのが、本アルバムと2枚のシングルです。ZDF-Aspekte 誌では、音楽評論家Volker Panzer (フォルカー・パンツァー)が彼等の特集を組んだり、雑誌TIP (1982年18号) の表紙を飾ったり、1982 年 12 月 5 日のZündfunk (ツントファンク)では、Family 5とのコンサートがバイエルン局で生放送されたり、1983 年春には独国内ツアーも敢行しています。その後、米国人ヴォーカリストShelley Hirschとの作品が制作されましたが、結局リリースされず、バンドは1983年に解散しています。ただ、その後も、Sven Regener (スフェン・レゲナー)は、バンドNeue Liebe、そしてElement of Crimeを結成して活動しています。Peter Stephanは、Mythen In TütenのRüdiger KloseとEmilio Winschettiと共にバンドMintを結成し、後には、元FehlfarbenのUwe Bauerも参加しており、また、彼は、ベルリン芸術大学で、Hans Roerichtと共にNeues Deutsches Designにも参加しています。Dorothee Gerckeは、ボイストレーニングの指導を継続しており、Matthias Düwel は、米国でフリーランスアーティストになっています。Jon Stöckemannは、ミュージシャンとして活動し、特に、Caspar BrötzmannのグループMassakerに参加したり、後にはテクノDJをやったりしています。Stephan Schwietzkeはマネージャーとなり、Uwe Arensは写真家になり、Borries von der Buscheは、最初はSpacecowboysで演奏していましたが、 現在は、Barry Black and the White TemptationsやToo far goneでも演奏しているとのことです。 以上が、Zetopekのバイオグラフィーとメンバーのその後ですが、アルバムは本作品だけとなっています。メンバーは、先述のように、Dorothee Gercke (Vo), Peter Stephan (Sax, Kbd), Stephan Schwietzke (Tenor Sax), Sven Regener (Flugelhorn), Matthias Düwel (Alto Sax), Jürgen Mann (G), Uwe Arens (B), Jon Stöckemann (Drs), Borries von der Busche (Perc)で、Ekki Schädelがプロデュースしています。それで、本作品ですが、まぁ、聴いて貰えれば分かりますが、メンバー各人のテクも相当上手く、また適度にノーウェーヴなソロや旋律も入れており、正に、パンク・ジャズ/ファンクな内容になっています。 先ず、A面は、初っ端から飛ばしまくるリズムが弾け、DorotheeのヒステリックなVoも炸裂するA1で始まり、ファンク色が強く、各パートソロもあり、The Contortion風オルガンが隠し味のA2は正にパンク・ジャズです。更に、疾走するジャジーなBとDrsがカッコ良く、それに乗るサックス群も負けずにカッコ良いA3, これまたカッコ良いGのリフで始まり、Dビートと不協和音のKbdやサーフなGがイカすA4, サックス群のイントロからファンク色の強い野太いリズムが跳ねるA5に雪崩れ込みますが、唐突に終わります。 B面は、スパイ映画のような怪しげな旋律に強靭なリズムと不協和音なピアノソロ等が絡むB1で始まり、ドンドコしたDrsにファンキーなB、それに弾けるサックス群やドスの効いたVoがイカしたB2, 不協和音を上手く使いながらも、ラテン系ファンクなリズムに身体が思わず動き出しそうになるB3, 割と正当な跳ねるファンク・リズムに、仰々しくも演劇的(戸川純っぽい?Nina Hagenっぽい?)Voとコーラスワークが印象的なB4, いきなりVoから始まり、Dビートに乗せて中々軽快なサックス群やシンセソロやバンジョーソロも聴取出来るB5で本作品を締めています。 No New Yorkのような暴力的とも言える程ではないですが、そこここにThe ContortionsやLydia Lunchっぽい所を感じることが出来ます。しかしながら、楽曲そのものが良く出来ており、正に合奏と即興が見事に調和して、結構、ソフィストケートされたご機嫌な音楽になっています。しかも、BPMは早目なので、爽快感もあります。いやはや、こんなバンドがNeue Deutsche Welleの中で活動していたとは!もっと早く聴くべきでしたね。しかも、アルバムは本作品だけとは勿体無い!!もっと活躍して欲しかったバンドの一つです!ファンクっぽい音楽とかNo New York好きなリスナーさんには大々推薦です!! A1 “Italo” (3:17) A2 “Maxl On Bahamas” (4:27) A3 “Strangers In The Night” (3:41) Lyrics: Charles Singleton & E. Snyder Music: Bert Kaempfert A4 “Ach Wie Gut (Dass Ich Nicht Beichten Geh')” (2:33) A5 “Dispo Funk” (4:26) B1 “Mord + Totschlag” (2:46) B2 “Blinde Tollwut” (3:24) B3 “Buschmann” (3:51) B4 “James” (5:34) B5 “Abschiedskuss” (2:07) B1 “Mord + Totschlag” (2:46) https://youtu.be/DdxhPZt5P88?si=8SlAwMV-EskrLBwF [full album + more] https://youtube.com/playlist?list=PLAwRVf3_TD6OWDdyQhcTsV3oxxax1w90j&si=l4gcpFlbOqgpqHXj #Zetopek #self-titled #Polydor #FirstAndLastAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PunkJazz #NoWave #Funk #Latin #Avant-Funk #JamesChance #LoungeLizards #JamesBloodUlmer #Sax #DorotheeGercke #PeterStephan #StephanSchwietzke #SvenRegener #MatthiasDüwel #JürgenMann #UweArens #JonStöckemann #BorriesvonderBusche #Producer #EkkiSchädel
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Punk Jazz POLYDOR €5.74Dr K2
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Einstürzende Neubauten “Alles In Allem”
やっぱり買ってしまいます!Einstrüzende Neubauten (以下、Neubautenと表記)。もう何枚目のアルバムかは分かりませんが、2020年リリースのスタジオ録音です(彼等は意外とライブUSB等の音源を沢山出しています)。本作品は、前回、紹介したアルバム”Alles Wieder Offen”よりも後の作品になりますが、丁度、コロナ禍の時に作成されていたことになります。この時期もメンバーは、Blixa Bargeld (Vo), Alaxander Hacke (B), Jochen Arbeit (G), N.U. Unruh (Metal Perc, Perc), Rudi Moser (Bass-Dr, Perc)の5人ですが、曲によって、楽器を持ち替えたりするのは、彼等の特徴で、それによって、曲の音楽性に幅が広がっているのだと思います。また、メンバー以外にもアコースティック楽器奏者をゲストに招いている点もポイントが高いです。また、このアルバムでは、自作楽器(写メにも写っています)も使用されているのも特徴ではないでしょうか。ただ、本作品は、初期の過激な音作りから、一転して、全体的に抑制されたビート感とスローなリズムで成り立っており、そこが、古くからのリスナーさんにとっては好き嫌いが別れるかもしれませんが、聴く程に、味のある作品になっていると思いました。 本アルバムは、如何にもNeubautenらしい、シンプルながらも、起伏に富んだ曲構成と後半の管楽器の有効な使用から成るA1で始まり、木琴によるワルツのリズムと優しいベースラインをバックに歌うBlixaとAlexanderのVoが心に沁みるA2, 雄大なストリングス(オルガン?)とゆったりしたリズムに様々な音(物音ノイズ)が絡むA3, ミュージック・コンクレート風イントロに続き、呟くようなBlixaのVo及びオルガン・ベースの持続音とノイズ音から成るシアトリカルで静的なA4, 袋を叩く音とガムラン様の音から成るリズムに、雄大な弦楽奏と噛み締めるようなVoが良くマッチしたA5で、A面は終わります。 そうして、B面は、低音の弦楽奏とゆったりしたリズムが心地良いB1で始まりますが、ちゃんと盛り上がる所で盛り上がります。そして、電子パルスのイントロから、オルガンの荘厳な雰囲気をバックに、伸び伸びと歌うBlixaが印象的なタイトル曲のB2, シンプルなリズムとプリペアード・ピアノらしき音をバックに呪文の様なVoが乗るB3, 次の曲も独特のベースラインを中心に優しいメタパーのリズムと”Wedding(ヴェディンク)”を繰り返すVoが頭に残るB4, 最後の曲に相応しい多幸感に包まれたB5で、本作品を締めています。 先述のように、決して派手な音楽ではないですし、寧ろ、シンプルなベースラインなのですが、音の作り込み方が凄まじく、聴けば聴く程に、発見のある作品だと思います。それと、彼等独特の音色があり、それが、Neubautenの最大の魅力になっているようにも思えます。まぁ、確かにBlixaのカリスマ性はあるのですが、寧ろUnruhやAlexanderの感性、RudiやJochenの職人気質が上手く融合されていると感じます。なので、本アルバムは、多分、何度も聴き直したい作品になると思いますね!! ★A1 “Ten Grand Goldie” (5:19) Blixa Bargeld (Vo, Sampler, Harmonist, Processed Piano), Rudi Moser (Bass-Drum, Plastic Pipes, Metal Sheet), N.U. Unruh (Hammond Organ), Alaxander Hacke (Curved Amplified Metal Spring, B), Jochen Arbeit (Metal Sheet, Electronic Toys, Vibrators, G), Julian Gretschel (Trombone), Millicent Bargeld (Trombone), Robert Gutowski (Trombone), Rambald Bellmann (Tuba), Supporters Of Neubauten.org / Phase IV (Additional Voice Samples) ★A2 “Am Landwehrkanal” (3:00) Blixa Bargeld (Vo), Alexander Hacke (Vo, B), N.U. Unruh (Claves), Jochen Arbeit (Claves, Processed Melodica), Rudi Moser (Blue Bin, Wooden Laths); Thanks To R.P.S. Lanrue ★A3 “Möbliertes Lied” (4:28) Blixa Bargeld (Vo, Farfisa Organ, Rhythm-Box), Rudi Moser (Bass-Drum, Metal Sheet, Processed Hanging Spring, String Machine, Hi Hat), Jochen Arbeit (G), Alexander Hacke (Ring Modulator-G, B), N.U. Unruh (Wah-Wha Spring, "Air Cake", Metal Perc) ★A4 “Zivilisatorisches Missgeschick” (3:58) Blixa Bargeld (Vo, Hammond Organ, Hammond Bass Pedals, Variaspeed Recordings), Jochen Arbeit (Processed-G), Rudi Moser (Microphone Perc, Metal Sheet, Metal Rods), N.U. Unruh (Electric Drill, Large Metal Sheet), Alexander Hacke (Processed Metal Sheet, Backwards-G) ★A5 “Taschen” (4:38) Blixa Bargeld (Vo, Building Site Samples), Alexander Hacke (B, Solo Bag), Rudi Moser (Metal Perc, Halfspeed Sample), Jochen Arbeit (Bags), N.U. Unruh (Bags), Jan Tilman Schade (Cello), Fabian Struwe (Viola), Alexandra Paladi (Vln), Luisa Seco (Vln) ★B1 “Seven Screws” (3:53) Blixa Bargeld (Vo), Rudi Moser (Big Drum, Bass-Drum, Metal Sheet, Hanging Spring), N.U. Unruh (Metal Sheet, Brushes), Jan Tilman Schade (Cello), Fabian Struwe (Viola), Alexandra Paladi (Vln), Luisa Seco (Vln), Corinna Naaßner (Harp) ★B2 “Alles In Allem” (4:15) Blixa Bargeld (Vo, Harmonium, Vibraphone), Jochen Arbeit (G, Melodica, Processing), Rudi Moser (Electronics, Brushed Metal Sheet, Bass-Drum), Alexander Hacke (Processed Loops, B, A-G), N.U. Unruh (Metal Perc) ★B3 “Grazer Damm” (6:25) Blixa Bargeld (Vo, "Cat-Of-Seven-Yogurt-Lid-Tails"), Alexander Hacke (B, Fabric), N.U. Unruh (Floor Tom, Glockenspiel), Rudi Moser (Processed Shopping Cart), Jochen Arbeit (Prepared Piano) ★B4 “Wedding” (4:24) Blixa Bargeld (Vo, Big Drum, Bells, Sampler), Rudi Moser (Bass-Drum, Metal Sheet, Brushes, Loops, Aleatoric Wedding Recording Expedition), Alexander Hacke (B, A-G), N.U. Unruh (Processed Iron Plate, Aleatoric Wedding Recording Expedition), Jochen Arbeit (Processed Fender Rhodes Piano) ★B5 “Tempelhof” (3:22) Blixa Bargeld (Vo, Processed Slide-G, Processed Piano), Alexander Hacke (B), N.U. Unruh (Bells), Rudi Moser (Bells), Jan Tilman Schade (Cello), Corinna Naaßner (Harp) A2 “Am Landwehrkanal” (3:00) https://youtu.be/DTw97EC4pEg?si=RMtijiQl-HGd8uVb [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_koEg5cBebfmpqXibgBvWk4g2BvPzBr4oc&si=1YEwoLHH7FXjAEKB #EinstürzendeNeubauten #AllesInAllem #Potomak #StudioAlbum #2020年 #Industrial #Intelligence #MetalPercussions #Guitar #Bass #Bass-Drum #Big-Drum #Vocals #Sampler #Piano #Organ #管楽器 #Strings #自作楽器 #BlixaBargeld #N.U.Unruh #AlexanderHacke #JochenArbeit #RudiMoser #Guests #JulianGretschel #MillicentBargeld #RobertGutowski #RambaldBellmann #JanTilmanSchade #FabianStruwe #AlexandraPaladi #LuisaSeco #CorinnaNaaßner #SupportersOfNeubauten.org/PhaseIV #R.P.S.Lanrue
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Potomak ¥4730Dr K2
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Einstürzende Neubauten “Alles Wieder Offen”
Einstürzende Naubautenは、いつでも、私を魅了してくれる。と言う訳で、何枚目のアルバムかは分かりませんが、このアルバム“Alles Wieder Offen (アーレス・ヴィーダー・オッフェン;「全てが再びオープンに」の意)“も、所謂、ネット上での会員制クラウドファンディングのようなシステムで、活動資金を集めて作成されたアルバムの一つであります。実に彼等らしい活動の仕方だと思いますし、インディー・ビジネスの一つのあり方を示したとも言えます。それで、この時期のメンバーは、Blixa Bargeld (Vo), Alexander Hacke (B), Jochen Arbeit (G), N.U. Unruh (Amplified Metal Bass Spring), Rudi Moser(Drs, Perc)の5人で、ゲストに、Jan Schade (Cello [B1, C1-D1], Stefano Macor (Viola [B1, C1-D1]), Anton Teslia (Vln [B1, C1-D1]), Claudia Gubisch (Vln [B1, C1-D1])やAsh Wednesday (Sampler, 16世紀Church Organ [A1], Shenngy (Back-Vo [A3], Ari Benjamin Meyers (Piano[B1])も参加しています。ただし、メンバーはそれぞれ、曲によって色んな楽器・非楽器を取っ代え引っ代えするので、各曲毎に担当楽器/非楽器をまとめてみました。歌詞は全曲、独逸語ですが、英訳が付いておます。ここら辺にも、彼等の拘りを感じますね。 それで内容ですが、LP1は、ゆったりした曲調と伸びやかなバックの音が特徴で、Blixaが語るように歌う名曲A1で始まり、反復するコーラスと強靭なビートとBlixaのVoが絶妙なA2, 優しく連打されるプラスチックパイプとスプリングに、意外な程、牧歌的な印象のA3,、そうしてB面は、ピアノの不協和音を中心に徐々に盛り上がってくるB1, メタパーのスネアもカッコ良いノリの良く、細かい音の細工も楽しめるB2, 多彩なPercを使いつつ歌い上げるタイトル曲B3で終えます。 そうして、LP2のC面は、Blixaの語りのようなVoの静かな雰囲気から、シンプルなBのリフの反復ながらも多彩な音、特にストリングスの不協和音で盛り上がるC1, 如何にも「機械」のようなリズムに柔らかいストリングスが絡み、味のあるBと静かに歌うVoに思わず引き込まれるC2、そして、ゴソゴソしたイントロから静かに始まり、意外にも希望を与えてくれるような曲調のD1は次第に力強くなっていきます。マンドリンの反復アルペジオに呟くようなVoから歌い上げたり、引き攣ったりするVoとそれらを盛り上げる演奏が秀逸なD2で、LP2も締めています。 とにかく、唯一孤高の音楽であることは間違い無いでしょう!! インダストリアルだとか初期の破壊的でアナーキーなステージングとかからは、既に脱却していて、彼等にしか出来ない音楽をずっとやり続けてきた一つの結果なのだと思います。私には、独語歌詞の意味は充分に分かりませんが、Blixaのカリスマ性と作詞能力の秀逸さだけではなく、N.U. UnruhやAlexander Hackeらの長年の音作りの仕方や独自の作曲方法、Jochen ArbeitやRudi Moserの新しい発想と演奏の導入等による更なる革新性も、彼等の最大の魅力なのではないでしょうか!!また、今回は、Jan Schadeを中心としたストリングスを導入した点もポイントが高いです。 そんなことを確信したアルバムでした。なので、やっぱり、私は、彼等がどこまで行くかを見届ける為に、Naubautenは追っかけるつもりです!皆さんにも是非とも聴いて欲しい、異形の/最新形のロックです! ◼️LP1 ★A1 “Nagorny Karabach” (4:25) Blixa Bargeld (Vo, Hammond Organ, E-Piano, Vibraphone) Jochen Arbeit (G & E-bow, Melodica) Alexander Hacke (B) Rudi Moser (Bass-Drs, Metal Perc, Jet Turbine, Blue Bin) N.U.Unruh (Amplified Metal Bass Spring) Ash Wednesday (Sampler, 16世紀Church Organ) ★A2 “Weil Weil Weil” (4:57) Blixa Bargeld (Vo, Vo-Loops, Choir) Alexander Hacke (B, Choir, Electronics, Banjo) N.U. Unruh (Choir, Amplified Metal Bass Spring, Iron Plate) Jochen Arbeit (G, Choir, Xylophone) Rudi Moser (Bass-Drs, Big-Drs, Metal Perc, E-Perc, Choir, Yang Qing) ★A3 “Ich Hatte Ein Wort” (4:19) Blixa Bargeld (Vo, Hammond Organ, A-Piano) Jochen Arbeit (G & E-bow, Hammond Organ) Alexander Hacke (G, B) Rudi Moser (Amplified Metal Bass Spring) N.U. Unruh (Plastic Pipes) Shenngy (Back-Vo) ★B1 “Die Wellen” (3:47) Blixa Bargeld (Vo) Alexander Hacke (B, Drs), N.U. Unruh (Drs) Jochen Arbeit (G, Drs) Rudi Moser (Big-Drs, Large Processed Metal Sheet) Ari Benjamin Meyers (Piano) ★B2 “Let's Do It A Da Da” (5:52) Blixa Bargeld (Vo, Sampler, Electric Drill Record Player) N.U. Unruh (E-Piano, Metal Bars, Electric Blower, Signal Horns, Vo-Recitation) Jochen Arbeit (G, Pedal Steel-G, Household Appliances) Alexander Hacke (B) Rudi Moser (Bass-Drs, Metal Perc, E-Perc) ★B3 “Alles Wieder Offen” (4:14) Blixa Bargeld (Vo, Hammond Organ Bass Pedals, Sampler) N.U. Unruh (Blue Bin, Draggled Metal Bars) Jochen Arbeit (G, Metal Bars, Back-Vo) Alexander Hacke (B, Metal Perc, Electronics) Rudi Moser (Bass-Drs, Big-Drs, Metal Perc, E-Perc, Vibraphone) ◼️LP2 ★C1 “Unvollständigkeit” (9:01) Blixa Bargeld (Vo, Jamman) Rudi Moser (Bass-Drs, Big-Drs, Metal Perc, E-Perc, Back-Vo, Glasses) N.U. Unruh (Back-Vo, Plastic Pipe, Aluminium Sticks) Alexander Hacke (B, Back-Vo) Jochen Arbeit (G, Back-Vo) ★C2 “Susej” (4:47) Blixa Bargeld (Vo, Choir, G, Clavichord, Electronics) Alexander Hacke (B, Back-Vo, Electronics) N.U. Unruh (Blue Bin, Metal Bowl) Rudi Moser (Big-Drs, Metal Perc, Plastic Pipe, Glasses, Spring Bass-Drs, Electronics) Jochen Arbeit (G) ★D1 “Von Wegen” (5:36) Blixa Bargeld (Vo, Chaos Pad, Jamman) Rudi Moser (Big-Drs, Metal Perc, E-Perc, Metal Tank Bass Drs) Alexander Hacke (B, Mandolin) N.U. Unruh (Drilled Metal Perc) Jochen Arbeit (G) ★D2 “Ich Warte” (6:07) Blixa Bargeld (Vo, Hammond Organ, E-G) Alexander Hacke (B, A-Guitar [Vihuela], Hammond Organ Bass Pedals) Jochen Arbeit (G, E-G Treatments) N.U. Unruh (Amplified Metal Bass Spring, Metal Perc, Iron Plate) Rudi Moser (Bass-Drs, Big-Drs, Metal Perc) B2 “Let's Do It A Da Da” (5:52) https://youtu.be/3HU5kbq-1zg?si=bIBXMOscSoSEfZel [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nW4XmWjo6omQlue1AaxYYOll_cwGpnxzE&si=5Fd0hSiKgdAtvnX4 #EinstürzendeNeubauten #AllesWiederOffen #Potomak #Cloud-fundingSystem #Industrial #Intelligence #MetalPercussions #BassSprings #PlasticPipes #Glasses #Guitar #Bass #Organ #Piano #Electronics #Sampler #Loops #Strings #BlixaBargeld #N.U.Unruh #AlexanderHacke #JochenArbeit #RudiMoser #Guests #JanSchade #StefanoMacor #AntonTeslia #ClaudiaGubisch #AshWednesday #Shenngy #AriBenjaminMeyers
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Potomak ¥5060Dr K2
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Der Moderne Man “Jugend Forscht - Singles, EPs, Demos 1980-1983”
もう何度もご紹介してきたNDWの代表的なバンドDer Moderne Man (デァ・モダーネ・マン)のお宝音源を含むアルバム”Jugend Forscht (ユーゲント・ファルシュト;「青少年の研究」の意)”が、独Tapete Recordsから2枚組でリリースされました。副題通り、彼等が1980年〜1983年にリリースしたシングル/EPやデモ音源を一気に纏めた内容となっています。ゲートフォールドの内側に、Der Moderne Manの足跡とメンバー構成の遍歴が書いてあります。それによると、彼等の出身地ハノーファーはScopions, JaneやEloy等も出てきたことで、ロックの街と言うイメージでしたが、大人達はそんなロックを馬鹿にしていました。そんな中で、Ziggy XYことMichael Jarick (G;ミヒャエル・ヤーリック)とKay May (Vo; カイ・マイ)は、1978年夏に、Thomas Brandt (B; トーマス・ブラント)と色々なドラマーと一緒に、The Worstと言うバンド名でライブ活動を半年程やっています。その最後のライブで、Ziggy XYは、E.K.T.ことEckart Kurtz(エッカート・クルツ)と意気投合して、Jubileeと言うバンド名で短期間活動しますが、直ぐに、Der Moderne Manと改名します。その理由は、M(英国のRobin Scottのこと)のファースト・シングル”Modern Man”に由来するらしいです。また、39 Clocksにも参加していたClaudiことClaudius Hempelmann (Drs; クラウディウス・ヘンペルマン)も正式に加入して、1979年末に、ライブ・デビューしています。その時は、Ziggy XYがパンクの怒りに取り憑かれたような激しいステージだったそうです。2回ライブをやった後、バンドはスタジオ入りし、録音に取り掛かります。そこでは、ライブで一回も演奏していない新曲“30 Grad - / 30 Grad +”やスタジオで即席でベースラインを考えた曲“Unmodern”, The Worstの曲”Now I Wanna Be Dead”を“Gib Mir Den Tod”にしたり、以前は”Badman”と呼ばれていた曲名を“Das Disco-Lied”に変えたりしています。こうして、1980年に自主レーベルHeile Welt RecordからデビューEPをリリースします。このEP“Umsturz Im Kinderzimmer (ウムシュトゥルツ・イム・キンダーツィマー;「子供部屋での転倒」の意)“はリリースした途端に、ハノーファーの外にも噂が広まり、そこで、No Fun Recordsのサポートで、ファースト・アルバムを作製することになります。それで、ベースとして、Tiny Trash Und Die Neue WeltをやっていたMattusことMartin Simons (B; マルチン・ジモンズ)が加入します。その1日後に、第二回No Fun Festivalに参加して、録音は一旦中断しますが、直ぐにスタジオ作業を再開しています。そうして、1980年に、No Fun Recordsから、ファースト・アルバム“80 Tage Auf See (アヒツィック・ターゲ・アウフ・ゼー;「海上80日間」の意)“がリリースされます。その後、Ziggy XYはシンセが余りに小音でミックスされており、言いなりに作られたこともあって、自身のバンドKosomonautentraumの方に注力し始めます。その時には、最初、ドラムにE.K.T.を起用しています。1980年末には、他のパンクバンドPhospherに在籍していたJens GことJens Gallmeyer (B; イェンス・ガルメイヤー)が加入します。それで、1981年2月に、Mattus (Vo, Synth), E.K.T. (G, Vo), Jens G. (B, Vo), Claudi (Drs, Vo)のラインナップで、6曲録音し、その中から、セカンド・シングル”Das Sandman”/“Baggersee”をNo Fun Recordsからリリースします。この時にTonCoop Demosが録音されていますが、その中でも、”Lout”やマル秘のゲイ讃歌“Blaue Matrosen”はリリースしたかった曲ですし、また”Unmodern”も全く別の曲にアレンジされていました。このデモ音源の出来は良かったのですが、Claudiに代わって、Fe WolterことFelix Wolter (Drs; フェリックス・ヴォルター)が加入し、よりプロらしいサウンドになります。その年の6月に、Hans-A-Plast, Rotzkotz, ブレーメンのA5, 39 Clocks及びBärchen Und Die Milchbubisと、Jubel 81と題したツアーを敢行していますが、Der Moderne Manだけが、ミニアルバム”Verstimmt (フェルシュティンムト;「調子が狂う」の意)”として、この時のライブ音源をリリースしています。また、この時のライブでは、後にメンバーになるTonio ScorpoことThomas Schnura (Sax, Synth; トーマス・シュヌラ)が参加しています。1982年には、メンバーのJens G.が運営していたSpargel Schallplatten (シュパーゲル・シャールプラッテン)からリリースされたサード・シングル“Welt (ヴェルト;「世界」の意)“が、同様のラインナップで作成されています。その後、11月から、バンドは”Für eine Handvoll Reis(フュール・アイネ・ハンドフォル・ライズ;「一掴みの米」の意)“の仮題でセカンド・アルバムの制作に取り掛かりますが、Jens G.の本業の関係や音源が作れなかったりで、1982年初頭に、バンドは、Klaus SchulzeのIC Studioに場を移し、その過程で、過去の曲の再録音を試みています。そうして、完成したのが、サード・アルバム”Unmodern”で、1982年にNo Fun Recordsよりリリースされています。このタイトルは、確かにプロっぽい出来ではあるのですが、何か古臭い音楽だったことから付けられました。その為、当時の英米のバンドの音楽性とは全く異なる音楽をやっていたことになります。そして、1982年春には、このアルバムのプロモーションも兼ねて、大々的な国内ツアーやテレビ出演をこなしますが、この時期に、ベースが、初期パンク/ニューウェーブ・バンドRotzkotzに参加していたAxel Wicke(アクセル・ヴィッケ)に代わります。これで、レーベルも成功を確信しますが、一方で、パンクを拒絶するレコード業界の動きもあり、バンドは、4枚目のミニアルバム”Neues Aus Hong Kong; ノイエス・アウス・ホンク・コンク「香港からのニュース」の意)”を1983年にNo Fun Recordsから出しています。バンドは、上手く音楽の潮流に乗り、1983年春にツアーを敢行していますが、多過ぎるNDWバンドで市場が飽和してしまい、結局、1984年初頭にバンドは解散しています。解散前に、1981年春のライブ音源と1983年のスイスのラジオでのライブ音源を収録したカセット作品を出しています。 以上が、Der Moderne Manのバイオグラフィーとなります。それで、先ずは、LP1から紹介さていきたいと思います。A面は、デビューEP“Umsturz Im Kinderzimmer“、Ziggy XY(Vo, Kazoo), E.K.T. (G), Thomas Brandt (B), Claudi (Drs)がメンバーですが、曲順はオリジナルとは異なっています。割とプリミティブなロックと言う印象ですが、直立するリズムから雪崩れ込むノリが良いA1, 出来立てですが、ミディアムテンポの良曲A2, 反復するゴリゴリのBと間奏のカズーが特徴の初期の名曲A3, Dビートと掻き鳴らすGで走り回るA4が収録されています。B面2曲は、セカンド・シングル”Baggersee / Das Sandman”で、Mattus (Vo, Synth), E.K.T. (G, Vo), Jens G. (B, Vo), Claudius Hempelmann (Drs, Vo)がメンバーですが、レゲエのリズムとパンキッシュなノリを上手く組合せたB1とディレイを掛けて細かく刻むGとドローン的Bが面白く、間奏で初めてシンセを挿入しているB2が収録されています。B面の残り4曲は、TonCoop Demosと題されたデモ音源で、同じメンバーですが、細かいハイハットとシンセのリフが心に残る名曲B3, ノリの良いリズム隊に心地良いシンセをフィーチャーしたB4, 連打されるピアノを使った意欲作にしてダイナミックなB5, 一転、レゲエ的リズムでテンポダウンしたB6が収録されています。特にB6は、間奏にシンセも使い、テンポもゆったりしており、A4とはまるで別曲のようです。 LP2には、サード・シングル“Welt“から収められており、この時期は、Mattus (Vo, Synth), E.K.T. (G, Synth, Back-Vo), Jens G. (B), Fe WolterことFelix Wolter (Drs)がメンバーで、ゲストとして、Tonio ScorpoことThomas Schnura (Sax, Synth)が参加しています。先ずは、B2のリミックスですが、ドローン的Bがより強調され、シンセもふんだんに使われたC1, ドタドタしたDrsに絶妙なGのリフと間奏のPercが秀逸なC2, Saxを大々的にフィーチャーしたノリの良い名曲にして代表曲のC3, ガキガキのファンキーなBがカッコ良く、間奏のシンセや反復するGも絶品なC4が収録されています。次に、ミニアルバム”Neues Aus Hong Kong”では、Mattus (Vo), E.K.T. (G, Vo), Axel Wicke (B), Fé Wolter (Drs), Tonio Scorpo (Sax)がメンバーで、ゲストとしてHolger Thenert (Trombone), Thomas Constien (Trumpet)が参加していますが、曲順は替わっています。ホーン類とスラップ奏法も混えたBのファンクなリズムから成る後期の名曲C5, そうして、D面では、C5のアンサーソングでもあり、更にファンク色及びラップ色の強調された豪華で多彩なD1で始まり、ノリの良いビートに、秀逸なシンセやGのリフが乗る、これまたインストの名曲のD2, 再び、ビッグバンド的でファンク色が濃い演奏に乗る呟きVoが特徴のD3, 再びノリの良い直角的ビートに爽やかなVoが乗るD4, 怪しげなGのフレーズとBラインが特徴で、叩きつけるスネアが凄まじい後期の名曲D5で本作品を締めています。 本作品を通して聴くと、Der Moderne Manの足跡が大体、分かると思います。初期のパンキッシュなロックから、シンセを使ったポストパンクな時期、そして、後期のファンク路線ですが、それはVoがZiggy XYからMattusに代わったことも反映しているようです。なので、もし、Der Moderne Manの足跡を体験したいのであれば、本作品はうってつけだと思います!!是非とも、NDWの中核にも位置していたDer Moderne Manの音楽の全貌を聴いてみて下さい!Tapete Recordsさん、有難う! LP1 ◼️Umsturz Im Kinderzimmer EP A1 “Das Disco-Lied” (3:51) A2 “30 Grad - / 30 Grad +” (3:36) A3 “Gib Mir Den Tod” (4:09) A4 “Unmodern” (1:48) ◼️Baggersee / Sandman Single B1 “Baggersee” (2:56) B2 “Der Sandman” (3:07) ◼️TonCoop Demos B3 “Blaue Matrosen” (3:09) B4 “Laut” (3:34) B5 “Fernsehzeit” (3:02) B6 “Unmodern” (3:55) LP2 ◼️Welt Single C1 “Der Sandman (Spenge Version / Tance Mix)” (2:29) C2 “Nicht Warten (Spenge Version)” (3:44) C3 “Bis Ans Ende Der Welt (Spenge Version)” (2:56) C4 “Tanz Dich Frei (Spenge Version)” (4:24) ◼️Neues Aus Hong Kong EP C5 “Für Frau Krause” (4:18) D1 “Für Frau Krause (Including The Return Of Frau Krause)” (7:49) D2 “Neues Aus Hong Kong” (2:17) D3 “R.A.G.” (4:14) D4 “Kinderfest” (2:10) D5 “Kein Film” (3:55) C3 “Bis Ans Ende Der Welt (Spenge Version)” (2:56) https://youtu.be/NAYLA5PScZU?si=PInA2KmnNhuGbGfM [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n1FUmsD_6smEnc6yZb6ScOodv7UZa6jmM&si=Zg_JLCSLBvT-sVHK [BandcampのURLも貼っておきます] https://dermoderneman.bandcamp.com/album/jugend-forscht-singles-eps-demos-1980-1983 #DerModerneMan #JugendForscht #SinglesEPsDemos1980-1983 #TapeteRecords #SelfCompilation #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #1980-1983年 #Singles #EPs #Demos #UmsturzImKinderzimmer #Baggersee/Sandman #TonCoopDemos #Welt #NeuesAusHongKong #Hanover #PrimitiveRock #PostPunk #Funk #ZiggyXY #MichaelJarick #E.K.T. #EckartKurtz #ThomasBrandt #Claudi #ClaudiusHempelmann #Mattus #MartinSimons #JensG. #JensGallmeyer #FeWolter #FelixWolter #TonioScorpo #ThomasSchnura #AxelWicke #Guests #HolgerThenert #ThomasConstien
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Tapete Records ¥5060Dr K2
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Katia “Alles Nur Staub”
これも何の予備知識も無しに、ちょっと視聴して購入しました。KatiaことKatia Kinska (本名Katia Kuczynska)の唯一のソロアルバムになります。彼女は、他にはこのアルバムからのシングルカットが1枚あるだけです。そして、Katiaはソロ活動の前に、ベルリンで、Extraと言うバンドをやっており、メンバーは、Katiaの本名Katja Kuczinska (Vo), Wolfgang Eichholz (B), Thomas Mittendorf (G), Rainer Bloß (Kbd), Lello (Drs)で、割と早い時期から独逸語で歌っており、1980年のデビューシングル”Du bist so eitel”は、ちょっとしたヒットになり、今でもサンプラーとかに収録されています。その後、唯一のアルバム”Leg An”をリリース後、Wolfgang Eichholz (B), Thomas Mittendorf (G)が脱退し、代わりに、Rainer LüdersとHarry Findeisenが加入し、ドライブ感のある音楽をやっていたにも関わらず、1982年にバンドは解散します。どうも、Extraと言うバンドは、NDWの流れに乗り損ねて、音楽ライターからは古いタイプのハードロックとの評価だったようです。この時のメンバーのRainer Bloß (Kbd)は、東独出身で、Rainer Bloß ComboやWirと言ったバンドで、若い頃から音楽活動をやっており、1970年代末に西独に移って、Extraに加入したそうです。その後、Klaus SchulzeやAlphavilleとコラボ等をして成功していますが、2015年12月10日に他界しています。一方、Wolfgang Eichholz (B)は、NDWバンドSensible Jugendで活動し、同バントでは、Thomas Mittendorf (G)も演奏・作曲で参加しています。そして、フロント・ウーマンのKatja Kinskaは、Katiaと名義を改めて、ソロ活動し、Nenaに在籍していたJörn-Uwe Fahrenkrog-Petersen (ヨルン・ウーヴェ・ファーレンクロク・ピーターゼン)とJürgen Dehmel (ユルゲン・デーメル)らと共に、本作品でもあるアルバム”Alles nur Staub (アレス・ヌール・スタウブ;「全ては塵に帰す」の意)”を作製、ちょっとしたヒット曲”Messertraum (メッサートラウム)”も収録されています。以上が、Katiaとその周辺のバンドのバイオグラフィーです。いかんせん、単発小ヒットしかなかったので、これ位しか分かりませんでした(すまん!)。そして、Katia名義でほソロアルバムですが、参加メンバーは、Katia Kinska (Vo; カティア・キンスカ)以外に、Lutz Helmdag (G; ルッツ・ヘルムダーク), Jörn-Uwe Fahrenkrog-Petersen (Synth, Piano), Jürgen Dehmel (B), Michel Rollin (Drs; ミヒェル・ロリン)となっています。アルバム全体の印象は、シンセをふんだんに使ったポップロック〜ドラマチックな展開のプログレ的ポップと言った所でしょうか? 以前のバンドExtraとはかなり印象が違いますね。 先ずは、豪華なシンセを使ったシングルカットされた曲で、サビがグッとくるメロディアスなA1で始まり、スローで不穏な雰囲気ながら、Katiaが切々と歌うバラードのA2は途中で拍子が変わります。不穏なイントロから雪崩れ込む強靭なビートに、ややハスキーなKatiaのVoが乗り、効果的なエレピとSE的シンセが面白いA3, 微音のリズムマシンに朗々と歌い、語るKatiaですが、やがてDrsとシンセが入るとイキイキと歌い出すA4, 細かく刻むGとBに強靭なDrsを中心に、ノーリバーブで語る生々しいVoが印象的なA5。 そうしてB面に移ると、エレ・ポップ的演奏から次第に盛り上がるシアトリカルなB1では、KatiaのVoは勿論、間奏のピアノも印象的です。派手なポリシンセと細かく刻むG、そして存在感のあるBを中心に結構、多彩な構成のB2, アンビエントなシンセのイントロから元気一杯のビートに掠れたKatiaのVoが乗り、本作では珍しく存在感を前面に出したGが特徴的なB3, リリカルな生ピに合わせて、切々と歌うKatiaのVoが光るB4で、本作品を締めています。 割と良く出来たアルバムだと思いますが、A4やB4なんかはフェードアウトしないで、もう少しじっくりと聴きたかったですね。そんな意味では少し食べ足りない感じも残るかもしれませんね。せっかく良い曲が収録されているので、もう少し収録時間を長くして欲しかったです。まぁ、でも足りない位の方が丁度良いと言う所もありますので、本作品で、Katiaの魅力を存分に体感してみましょう! ガツガツのハードロックから転身したKatiaのソロアルバムで、休日のお昼を過ごすのも粋なものですよ! A1 “Messertraum” (3:44) A2 “Weisser Dschungel” (5:37) A3 “Monsterbaby” (3:27) A4 “Graue Kinder” (3:34) A5 “Ich” (4:40) B1 “Alles Nur Staub” (5:55) B2 “Meer” (3:35) B3 “Schatten In Dir” (5:34) B4 “Augen” (3:34) A1 “Messertraum” (3:44) https://youtu.be/I1pcwhDOrLs?si=h9wjXcL8R9XItpPj [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL1u7-AU5aOfrixElKTayC7rbK9ppAKRLH&si=kTvpdGzKPam9f71M #Katia #AllesNurStaub #Metronome #FirstAndLastAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #FemaleVocal #ProgrePop #PopRock #Ballad #Extra #HardRockBand #Messertraum #Katia #KatiaKuczynska #KatiaKinska #LutzHelmdag #Jörn-UweFahrenkrog-Petersen #JürgenDehmel #MichelRollin
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Rock Metronome €15.99Dr K2
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A. K. Klosowski “Plays The Kassetteninstrument”
A. K. Klosowski、本名Arnd Kai Klosowskiのソロ作品としては、2003年のCDR “Echoplex”に続いて2作目となるのが、本作品”Plays The Kassetteninstrument“となります。と言ってもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、以前に紹介した、1985年リリースのPyrolatorことKurt Dahlkeとのコラボ作”Home-Taping Is Killing Music”の方が有名かもしれませんね。カセットウォークマンを多量に繋げた超アナログなサンプラー紛いの楽器を使い、異形のエレ・ポップを奏でていた彼のソロは、正に、その超アナログなサンプラー(の原型; ここではサンプリングと呼称しておきます)だけで作り上げたアルバムです。また、ここに収録されている曲は、1982年〜1984年に録音されたもので、先のコラボ・アルバムより前に録音されたものです。彼のバイオグラフィーは、以前に書きましたので、ここでは省略させて頂きますが、とにかく、個性的で、面白い音楽が詰まっています。 そして、内容ですが、先ずA面は、ダビーなDR-55のリズムに合わせて、Lo-Fiな歌声や断片的な楽曲演奏のサンプリングが乗るA1, 複雑なイントロから、またまたDR-55のリズムと電子音のサンプリングが組み合わさったA2, 何らかのリズムパタンと引き攣ったギターらしき音とナレーションのサンプリングが乗るA3, 再び忙しないDR-55ののシンプルなリズムに声を中心に組合さるA4では、ダンサブルですらあります。ゆったりしたクラシック音楽と声のサンプリングの反復から成るA5, 教会の鐘からDR-55のリズムに合わせたサンプリングがマッチしているA6, ひたすら機械のように反復するバックトの音にオペラのサンプリングが乗るA7でA面を締めています。 B面は、アフリカン・ドラムやアフリカン・ミュージックのサンプリングから成るB1から始まり、DR-55のリズムに軽快な声や物音や既製音楽のサンプリングを乗せたB2, サンプリングによるゆったりした似非オペラなB3, 具体音の断片の反復による小曲B4, DR-55のリズムに様々な声のサンプリングを組合せた音の万華鏡のようなB5, 既製音楽の断片の反復にサンプリングされた声やクラシックの演奏を乗せているB6で締めています。 どの曲も一聴して、Klosowskiの音楽だと分かる独自の音楽を展開しています。当たり前ですが、使っている「楽器」があの超アナログな自作カセット・サンプラー(の原型)なので、そもそもの出発点からして、既製の音楽とは異なる訳です。Lo-Fi極まりない音質で、しかもガタガタと全然スムーズな感じはないのですが、故に、音の選び方や配置或いは構成も絶妙で、かつユーモアも忘れていない点もポイントが高いです!なので、このソロ作品では余計にKlosowskyの個性が際立っています!彼の真髄、ここにあり!と言う感じすらしますので、Pyrolatorとの共作”Home-Taping Is Killing Music”で、興味を持った方は、是非ともこちらも聴いてみて下さい!!面白いですよー! こんな素晴らしい作品を出してくれて、有難う!Gagarin Records!!!! A1 “Gelb Trompete” (3:09) A2 “Grün Streicher” (2:11) A3 “R H” (2:13) A4 “Newsticker” (3:00) A5 “Loop #1” (1:32) A6 “Deutscher Zoo” (1:08) A7 “Rot Glocken” (3:03) B1 “Wake Up, Wake Up” (3:20) B2 “Long Toe” (2:55) B3 “Lamento” (4:35) B4 “Loop #3” (0:28) B5 “Disco” (2:38) B6 “XXX” (3:17) A1 “Gelb Trompete” https://youtu.be/x6lig0EFETw?si=VPYn38EFj9qvUSFH A2 “Grün Streicher” https://youtu.be/pTwmIPIlWVI?si=R7RzAlahYT0U0tNH A4 “Newsticker” https://youtu.be/yagmS11Rh24?si=E_NUVfuPpvSSsrut B5 “Disco” https://youtu.be/QWWXHbywDmw?si=g5JbBNb4LoLuafFT [BandcampのURLを貼っておきます] https://gagarinrecords.bandcamp.com/album/a-k-klosowski-plays-the-kassetteninstrument #A.K.Klosowski #PlaysTheKassetteninstrument #GagarinRecords #SecondSoloAlbum #AnalogSampler #CassetteWalkman #自作楽器 #ExperimentalPop #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #1982年-1984年#ArndKaiKlosowski
Experimental Pop / Neue Deutsche Welle / German New Wave Gagarin Records €16.99Dr K2
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MC² “s/t”
このバンドも全然、予備知識が無く、ちょっとだけ視聴して購入しました。まぁ、アインシュタインの相対性理論で有名なE=MC²から取ったバンド名なのは分かるんですが、ちょっと調べた感じでは、メンバーは、Michael J. Clohc (Vo, Synth; ミヒァエル・J・クローク), Günter Huppert (Synth, Effects; ギュンター・フーペルト), Günter Skimann (G, Back-Vo, Effects; ギュンター・スキマン), Alfred Erhart (B, Back-Vo; アルフレット・エルハルト), Mario Bulas (Drs, Perc; マリオ・ブラス)の5人組らしく、本作品に関しては、Günter HuppertとLåci Viraghが録音とミックスを担当し、Låci Viraghなる人物がプロデュースしています。しかも、このバンドは本作品しか単独作品は出していませんし、また”MC²”でググっても、Giorgio Moroderのアルバムばかりヒットして、全然、正体は分かりませんでした。ただ、リリース元のレーベルは割とジャズやファンク系の作品を出しているレーベルで、何故、MC²がアルバムをリリースすることになったのかもちょっと謎です!と言う訳で、全く謎の一発屋ですが、全体的な印象は、割とシンセが抑制的なニューウェーヴ風のアルバムですね。とにかく聴いてみました。 シンプルな曲構成ですが、Voの入れ方で変化を出している重めのビート曲A1, フラットで無感情なVoとサビでのフランジャーを掛けたGがChromeっぽいニューウェーブなA2, 軽妙なリズムとコーラスワークが心地良いA3, シンセやシーケンサーを大々的に使用し、ドカドカしたDrsとマントラ的Voが異彩を放っているタイトル曲A4, 軽快なノリのビートにSE的シンセと元気一杯のVoが心地良いA5。 そうして、B面では、ややスローで怪し気な雰囲気の演奏にコーラスワークとラップ調のVoが頭に残るB1で始まり、抑制的なVoと途中でのテンポチェンジが特徴的なB2, シーケンスとノリの良いビートにSE的シンセやコーラスVoが乗るB3, またまたノリの良いビートにコーラスワークと濁声なVoで押し切るB4, バタバタしたDrsに抑制的VoとSE的シンセが効果的なB5でアルバムを締めています。 余り派手さは無いものの、シンプルな曲構成なのに、しっかりニューウェーヴしていますね。このような出来であるならば、もう少し話題になっても良さそうなものですが、一聴した印象がやや地味であったのが、災いしたのか、惜しいです! ただ、Gのリフや使い方に特徴があり、そこら辺を中心に聴き込んでいくと、このバンドの面白さに気付くと思います。時期的に、NDWの流行にも斜陽が見え掛けてきた頃ですから、その意味で埋もれてしまったのではないか?と想像しますが、、。それにしては勿体ないアルバムなので、見つけたら、聴いてみて下さい!「華」は余り無いですが、ニューウェーヴ好きのリスナーさんにはハマると思いますよ! 因みに、裏ジャケには4人しかアー写がないのですが、何故でしようか? A1 “Stadt Aus Stahl” (3:43) A2 “Gen - X” (3:27) A3 “Keimfrei” (2:00) A4 “E = MC²” (4:51) A5 “Kleine Königinnen” (3:10) B1 “007” (5:09) B2 “Erde” (4:06) B3 “Ufos” (3:28) B4 “Schutzlos” (3:10) B5 “Du Willst Nur Mich” (3:27) https://youtu.be/UeEaKEw5tzQ?si=ogGZoL9FaeN4nT7Y #MC² #self-titled #GulpRecords #FirstAndLastAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #PostPunk #正体不明 #Synthesizers #MichaelJ.Clohc #GünterHuppert #GünterSkimann #AlfredErhart #MarioBulas #Producer #LåciViragh
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Gulp Records €21.99Dr K2
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Freiwillige Selbstkontrolle “Magic Moments”
以前にも、紹介したFreiwillige Selbstkontrolle (フライヴィリーゲ・ゼルブシュトコントローレ)の1982年にリリースされた12インチEPが、A-Musikから再発されていましたので、早速、購入しました。Freiwillige Selbstkontrolleのバイオグラフィーは前回も書いてありますので、そちらをご参考にしてい下さい。メンバーは、Justin Hoffmann (Piano, G, Xylophone, Vo), Michaela Melián (B, Melodica, Vo), Thomas Meinecke (Concertina, G, Vo, Perc), Wilfried Petzi (Trombone, G, Vo, Perc)で、今回のリイシューに当たってのプロデュースはFrank DommertとWolfgang Brauneisが行なっています。バンドにとっては3枚目のEP/シングルになります。それで、内容なのですが、これまた、独逸にしか生まれ得ないヘンテコな曲が収録されています。DR-55の速いリズムとゴリゴリのBに乗って、青春パンク(?)を歌い上げているA1, ラップなのかスポークン・ワードなのか良く分からない奇妙奇天烈だけれど青春しているA2、そして、タガが外れたようなヘンテコ・ジャズ風の演奏にズッコケること間違い無しのB1, DR-55のリズムに乗って、それっぽくロックしている脱力感満載のB2という風に、彼等にしか出来ない音楽ですね。結構、トランペットとかオルガンのフレーズが更なる脱力感を助長しているようで、この作品のキモであると思います。しかしながら、このバンドは、The Mekonsのようで、それを越えていると思うのは、私だけでしようか?侮が難し、F.S.K.!!! NDWの面白さを知りたければ、これを是非とも聴いて下さい! A1 “Wir Steigen Ein” (3:57) A2 “Trink Wie Ein Tier” (2:52) B1 “Herzschuß-Melodie” (6:18) B2 “Viel Zu Viel” (3:47) A1 “Wir Steigen Ein” (3:57) https://youtu.be/cpWOUjr1FpA?si=ni08dF6EwCSAGdtA A2 “Trink Wie Ein Tier” (2:52) https://youtu.be/25EToHz_ZQU?si=07nr8l8a_Ib-isqe B1 “Herzschuß-Melodie” (6:18) https://youtu.be/0jy59rFeii8?si=FoF8gOtBERH7vRjA B2 “Viel Zu Viel” (3:47) https://youtu.be/p-BXlaBRdZQ?si=mp_Yv6Y4h_YYb4bw #FreiwilligeSelbstkontrolle #MagicMoments #A-Musik #Reissue #2022年 #ZickZack #1982年 #ThirdEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Folklore #FakeJazz #Punk #ドイツ的ユーモア#JustinHoffmann #MichaelaMelián #ThomasMeinecke #WilfriedPetzi #ReissueProducer #FrankDommert #WolfgangBrauneis #ReissueProducers #FrankDommert #WolfgangBrauneis
Neue Deutsche Welle (German New Wave) A-Musik (ZickZack) €18.90Dr K2
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Vono “Modern Leben”
以前にも紹介した独の兄弟デュオVono (フォノ)のセカンド・アルバム”Modern Leben (モデルン・レーベン)”が何と!40年を経て、Bureau Bより再発されましたので、早速、購入しました。このVonoは、ファースト・アルバムもそうなんですが、独プログレの名門レーベルSky Recordsからリリースされています。今回は、ファーストとは違い、ロック色の強いエレ・ポップな内容となっています。彼等のバイオグラフィーについては、以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。それで、繰り返しにはなりますが、メンバーは、VOことVolker Schultze (Synth, G, Vo; フォルカー・シュルツェ)とNOことNorbert Schultze (B, DMX-Drs, Programming, Vo; ノルベルト・シュルツェ)で、作詞・作曲は、A1がRalph Benatzky以外は、Volker & Norbert Schultze兄弟が全て行っています。なお、プロデュースは、前回と同じくStephan Kaske (シュテファン・カシュケ;実は彼がSky Recordsとの仲を取り持ったのです)が行っています。ファースト・アルバムはClusterにも通じるような実験的な面もあり、まだプログレっぽさを感じる所もありましたが、本作品では完全にそこから脱却して、ニューウェーブと言うかロック色の強い内容となっています。その理由の一つとして、名機DMX-Drum Machineによるビート感の強化があると思います。また、GやB等が多用されていることもあると思います。後、インサートのライブ写真には、DMX-Drsを演奏している第三のメンバーが写っていますが、これが多分、Kaskeではないかと想像します。哀愁漂うGとVoがポストパンクなA1, 直線的シーケンスとコーラスワークがカッコ良いタイトル曲A2, 重めのマシンビートに細かく刻んだGのリフが良く合っているA3, シンセのリフも良いです。ノリの良いビートとシーケンス及び絶妙なシンセに気合いのVoがイカしているA4, これまたシーケンスとVoのメロディラインがめちゃくちゃカッコ良いA5, ニューロマ的シンセが効いているA6、そうしてB面も、DAFを意識したような直線的シーケンスと絶妙なシンセとVoがカッコ良いB1, 豪華なポリシンセをふんだんに使ったシアトリカルなB2, スローなエレクトロ・バラードのバックに気合いのVoが乗るB3, キッチュなエレ・ポップ風ですが、サビのVoが怒号なB4, 跳ねるリズムが楽しいB5, 掻き鳴らすGで始まるポストパンクなB6ですが、ベースラインはシーケンスです。最後のB7もGとシーケンス・ビートがマッチしたポストパンクな曲です。ギターの多用は勿論なのですが、Voが完全にプログレのそれではなく、ポストパンクっぽい歌い方をしていますね。しかも、シーケンサーの使い方とか間奏のシンセの入れ方が秀逸で、やっぱりVonoはこう言う音楽をやりたかったのかなぁと納得させられます。なので、今回のエレ・ポップとポスト・パンクの融合したような音楽は、個人的にはかなり刺さりました!そこら辺に興味のある方は是非、聴いてみて下さい!!痺れますよー! A1 “Ich Steh Im Regen” (3:10) A2 “Modern Leben” (3:58) A3 “Und Niemand Weiss” (3:15) A4 “Automaten” (2:59) A5 “Bin Ein Jeder Hat Ihn Gern Boy” (2:23) A6 “Nachtwanderer” (2:43) B1 “Du Siehst So Gut Aus” (2:59) B2 “Wenn Du Mich Küsst” (3:19) B3 “Hurra!” (2:05) B4 “Geniess Den Morgen” (2:31) B5 “Fred Der Ritter” (1:53) B6 “Weil Nicht Sein Kann” (3:31) B7 “Moench In Kina” (2:11) A1 “Ich Steh Im Regen” (3:10) https://youtu.be/_obu7T_6fUU?si=Cs9wOkuX-0z7VGiy A2 “Modern Leben” (3:58) https://youtu.be/pd56j0nvP8U?si=vuR09I9-KcJUFzi1 A3 “Und Niemand Weiss” (3:15) https://youtu.be/h39rZIYRdWo?si=tho7k3iKiMTp-kpf A4 “Automaten” (2:59) https://youtu.be/OAdhV-sWUwQ?si=tUoNlcFs_4hIcGJo A5 “Bin Ein Jeder Hat Ihn Gern Boy” (2:23) https://youtu.be/vX418kgfJPU?si=RRB_y_YvrG-33lir A6 “Nachtwanderer” (2:43) https://youtu.be/XB05tj7RoZI?si=2hp1fQXP2u1_de-I B1 “Du Siehst So Gut Aus” (2:59) https://youtu.be/MV6JXD2RCko?si=AT6CrWB9eXCb7bNZ B2 “Wenn Du Mich Küsst” (3:19) https://youtu.be/hPfytm429n4?si=wP8QeygLuHMQUvRu B3 “Hurra!” (2:05) https://youtu.be/4xxQ2jnxq5U?si=RXjdQ_8Kep6zTn7Q B4 “Geniess Den Morgen” (2:31) https://youtu.be/6K66XPTPDKE?si=440psPdJ0ezqwsts B5 “Fred Der Ritter” (1:53) https://youtu.be/CbhMoijPE8Q?si=h5D04AEZ8-Lm0il0 B6 “Weil Nicht Sein Kann” (3:31) https://youtu.be/O463DCb61dY?si=taDHuyBmyYXCSGpt B7 “Moench In Kina” (2:11) https://youtu.be/T31KzSQXNIE?si=1a7YCccFkrcLxQ6U #Vono #ModernLeben #BureauB #Reissue #Remastering #2024年 #SkyRecords #1983年 #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #SynthPop #Rock #PostPunk #Guitar #Bass #Synthesizers #DMX-DrumMachine #Programming #VolkerSchultze #NorbertSchultze #Producer #StephanKaske
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop Bureau B (Sky Records) ¥5000Dr K2
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Merzbow “Tsubute Mosaic”
偶に、無償に聴きたくなるのが、Merzbowですね。多分、それ程、大きな変化は無いだろうとは思いますが、それでも、やっぱり聴きたくなりますね。そんなノイズ中毒者が私です。最早、何枚目か?なんてことはどうでも良くなる位のハイペースで、良質なノイズ・ミュージックを作り続ける秋田昌美氏の体力・気迫にはただただ圧倒されるだけです。と言う訳で、今回は、2024年にスペインのレーベルからリリースされた”Tsubute Misaic”をご紹介します。もうバイオグラフィーについては書き切れませんので、ここでは省略させて頂きます。 それで、内容ですが、意外かも知れませんが、ド直球なハーシュ・ノイズではないです。極初期の物音系の要素とファズ等によるハーシュな要素、アナログ・シンセの電子音、コラージュ的手法、ループ音やシーケンス音、ドローン音等が絶妙に組み合わさり、Merzbow独自の音世界を構築しています。時に聴こえる金属音やフィードバック音がハーシュ期のそれを想起させますが、それ程、音圧が高い訳ではなく、寧ろ、心地良い位です。多分、様々な演奏や録音音をPCで編集したりしているのかも知れませんが、タイトル通り、「モザイク」な音の乱舞となっています。後、いつも感じるのですが、彼のミックスの時の不自然/独特の音量の大小差があって、逆にそれがMerzbowのミックスダウンの魅力でもあると思います。ザックリとした印象で語ると、A面(Part 1)はやや電子音多目で、ややラウドで、荒れ狂う電磁暴風雨のような印象で、僅かにシーケンスも聴こえてきますが、B面(Part 2)は、物音系の音が多目で、コラージュ的要素が強く、雷鳴或いは雷神の怒りから怒神の声のようにも感じ、何か屏風絵を観ているかのようです。そんな最新型ノイズ・ミュージックをいつも提示してくれるMerzbowの革新性はやはり凄いなぁと感服してしましまいます!! A “Tsubute Mosaic Part 1” (19’07”) B “Tsubute Mosaic Part 2” (19’42”) A “Tsubute Mosaic Part 1” (19’07”) https://youtu.be/MnJL_b9exms?si=kvgXjvGuVpVj12xu B “Tsubute Mosaic Part 2” (19’42”) https://youtu.be/2u1y8ri4inQ?si=DUp5Gcza6Po-OtKa #Merzbow #TsubuteMosaic #ModernObscureMusic #NoiseMusic #Collage #Drone #Harsh #Abstract #Electro #Feedback #MetalJunk #Loop #Japanoise #MasamiAkita
Noise Modern Obscure Music ¥3650Dr K2
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Aviador Dro “Selector De Frecuencias”
Aviador Dro (アヴィアドール・ドロ)、知ってる人は、相当なEsplendor Geométrico通の方ですね。そうなんです!EGのメンバーが在籍していたスペインのニューウェーブ・バンドが、このAviador Droなんです! それでは、簡単に、Aviador Droのバイオグラフィーを書いておきます。1976年に、Servando Carballarを中心とした高校の同級生達のグループが、フランコ独裁政権が崩壊したスペインのマドリードで、MantuanoのAteneo Libertario(リバタリアン・アテナエウム; 曽てのファランヘ党の本部)を占拠して、雑誌 "Expresión (エクスプラシオン)等のダダイズムに触発されたファンジンを執筆・出版し始めており、彼等自身、科学、テクノロジー、未来主義、映画、ボードゲーム、そして、Cabaret Voltaire, Throbbing Gristle, Devo, Kraftwerk, Sex Pistols等のバンドの音楽が好みであったと言うことです。彼等は、自分たちの考えを伝えるためのより良い手段としてバンドで活動することが良いとなり、Servando CarballarとAndrés Garcíaは、パンクバンドAlex y Los Drugos(アレックス・イ・ロス・ドルゴス)を結成し、占拠していたAteneo Libertarioでリハや活動していました。その内、ServandoがThe Human Leagueや Ultravox, Kraftwerk, Cabaret Voltaire, The Human League, The Residents, Throbbing Gristle, Tubeway Army, Devoを聴くようになり、その影響で、電子オルガンを購入し、Arturo Lanz (Vo)とHoloplástico (ホロプラスティコ)を結成します。それで、雑誌にクラウトロック好きのメンバー募集を出した所、Juan Carlos Sastre (G)とGabriel Riaza (B, Vo)が加入します。その後、Andrés Noarbe (Drum Machine), Manuel Guío (Vo, Kbd, Vocoder), Alberto Flórez (Vo, E-Perc)が参加して、1979 年に、El Aviador Dro y Sus Obreros Especializados(エル・アヴィアドール・ドロ・イ・スス・オブレロス・エスペシャリザドス)となります。1979年7月1日、ラジオ3でスペイン国立ラジオの最初の放送が始まったのと同時に、Xabier Moreno(シャビエル・モレノ)はチャパなどのインディー・レーベルからリリースされるスペインのグループの珍しいアルバムのサポートを始めており、Aviador Droのリハーサルを観た後、Xanierは、彼らをスペイン国営ラジオのスタジオでのレコーディングセッションに招待し、10月初旬に、”Rosemary”, “Obsesión” “La Chica De Plexiglás”, Nuclear Sí ”を含む6曲が録音されています。このデモ音源は、グループの最初のインタビューとともに、Xabier Moreno の番組で放送されたらしいです。そのサウンドはスペインのグループとしてはまったく異例で、オルガン、シンセサイザー、ドラムマシン、ギター、ベースなどの楽器をベースにしたエレ・ポップで、歌詞は物議を醸すような内容でした。彼等はスペインのシンセ ポップと言うかテクノ・ポップの先駆者でありました。1979 年後半には、インタビューで自分たちの音楽を説明するために、テクノ・ポップを使っていますが、これは阿木譲氏とどちらが早いのでしようか? 1980年6月、Aviador Droはマドリード州議会主催のマドリード州ロック・コンテストに参加し、第3位になり、それが縁で、Movieplayレーベルと契約を結び、Jesús Gómezがプロデュースした3枚のシングルを録音していますが、その時に、Arturoらがバンドのサウンドに異議を唱え、ArturoとGabriel Riaza及びJuan Carlos Sastreが脱退して、よりインダストリアルな音を志向したEsplendor Geométricoを結成しています。レーベルは、Aviador Droのファースト・シングル“La Chica De Plexiglas“ / “Láser”を、セカンド・シングル”La Visión” / “HAL 9000”をリリースします。そうして、Alejandro Sacristánと María Jesús Rodríguezが’aesthetic aggression(パフォーマンスのステージング) ‘でグループに参加し、Fox CycloideことAndrés GarcíaがVo、XことJosé Antonio Gómezがギターで参加します。Andrés Noarbeが学業を続ける為に脱退し、Derflex Tipo IarrことAlberto Flórez Estradaがドラムマシンで参加します。その後、1981年に彼らはレコード会社を通じて再びデモ音源を配布しましたが、再び拒否されています。その頃、Servando Carballarは、無名の顔ぶれを揃えたLos Iniciados (ロス・イニシアドス)と呼ばれる音楽と演劇のプロジェクトを立ち上げています。1981 年 3 月 9 日に、第 1 回テクノ・シンポジウムがマドリードの Marquee 会場で開催されましたが、その目的は、テクノ ポップとして知られるエレ・ポップを、ニュー ウェーブを理解する別の方法として正当化することを目的としていました。このフェスには、Aviador Dro に加えて、El Humano Mecano、Oviformia Sci、Los Iniciados、La Terapia Humanaも参加していますが、Aviador Droのパフォーマンス中、治安部隊が会場に突入し、奇妙な服装をしている或いは同性愛者に見えるという口実で逮捕し、連行しています。バンドは幾度もメンバー・チェンジを経てきましたが、オリジナル メンバーとして残っているのはリーダーの Biovac-N ことServando Carballarだけです。1980 年から 1985 年の間、彼等はアクティブに活動していました。 1981年夏に、バンドはMovieplayとの契約を解除し、新しいレーベルを探しましたが、興味を持ってくれるレーベルがなかった為、彼らは Doublewtronics Studios で LP を録音する為の資金を自費で調達することを決定し、その費用を全員で月々の分割払いで支払っています。そんなこともあって、1982年1月にスペイン初の独立系音楽会社DRO (Discos Radiactivos Organizados)を設立するきっかけとなり、その最初の作品がシングル”Nuclear Sí (「核, イエス」の意)でした。初回印刷部数は 1500 部で、表紙はコピーされ、さまざまな色の組み合わせで手彩色され、同年その後、黄色の厚紙にコピーした表紙が付いた第2版500部が発行され、第3版では表紙が印象的なオレンジ色で印刷されています。結局、最初のシングル”Aviadro Dro”が5,000枚以上売れたことで、彼らは自分たちのアルバムを自主制作するだけでなく、Alphaville、Nacha Pop、Siniestro Total、Parálisis Permanente、Glutamato Ye-Yéなど、彼らと似た状況にある他のグループの作品もリリースすることも決意し、このことで、スペインのインディー・レーベルが出現し始めたそうです。Aviador Droの最初のラインナップ は、Servando Carballar (Kbd), Arturo Lanz (Vo), Gabriel Riaza (B), Juan Carlos Sastre (G)で、先述のように、この内3人が後にEGとなります。そして、それから40年間の活動の間に18人ものメンバーが関わってきており、2012 年以降のラインナップは、Biovac NことServando Carballar (Vo, Chorus, Organ, Synth, Programming), ArcoIrisことMarta Cervera (情報美学*, Kbd), ATATことIsmael Contreras (Kbd, G), CTA 102ことAlejandro Sacristán (情報美学, Chorus), Genocider/Genocyber F15ことMario Gil (Kbd)となっており、現在も活動中です(*この「情報美学」については、何を演奏しているかは不明)。ザックリととAviador Droのバイオグラフィーを書くとこんな感じです。 それで、本作品は、4枚目のシングルで、メンバーのクレジットは、明示されていませんが、第2期のFox CicloideことAndrés García (Vo), Biovac NことServando Carballar (G)とXことJosé Antonio Gómez Sáenz (G), Placa TumblerことManuel Guío (情報美学), Derflex Tipo IARRことAlberto Flórez Estrada (情報美学), CTA 102ことAlejandro Sacristán (情報美学), Metalina 2ことMª Jesús Rodríguez (情報美学, 情報, Dera), CyberjetことMiguel Ángel Gómez Sáenz (ライブ・サウンド)か、或いは第2メンバーにArcoírisことMarta Cervera (情報美学, Kbd)加わった第3期メンバーかも知れません。それとは別に、本マキシ・シングルには、スペイン初の電子ドラム奏者でもあるJavier De Juan (Perc)もゲスト参加しています。A面は通常ヴァージョンで、B面はインスト・ヴァージョンとなっています。内容的に、ディスコティックなリズムマシンとシーケンスを中心にシンセ・ウェーブ風のシンセがキラキラと挿入され、スペイン語で歌われるA1ですが、結構、アレンジ自体は凝っていますし、曲構成も凝っています。B面は先述のようにA面のインスト・ヴァージョンですが、Voのメロディラインをシンセで謎っているだけで、特にアレンジを替えている訳でもないようです。全てが電子音なので、逆に曲の構造が良く分かりますね。ある意味、Y.M.O.的なアレンジのようにも感じましたが、どうでしょう? 日本でAviador Droの音源は入手困難なので、そう言う意味では、初期の彼等の音源が聴けただけでも嬉しいです!! 1980年代前半のシンセ・ウェーブ好きなリスナーさんにはお勧めしますよ! A “Selector De Frecuencias” (6:10) B “Selector De Frecuencias (Instrumental)” (6:10) A “Selector De Frecuencias” (6:10) https://youtu.be/DiAdXOBbHtE?si=I-ey61HYZQbHhsJQ B “Selector De Frecuencias (Instrumental)” (6:10) https://youtu.be/c2GHwvCm4ao?si=G4LTYkO6wlIQVHnA #AviadorDro #SelectorDeFrecuencias #DRO #12inchMaxiSingle #4ThSingle #Spain #NewWave #TechnoPop #Synthesizers #Keyboards #DrumMachine has #FoxCicloide #AndrésGarcía #BiovacN #ServandoCarballar #X #JoséAntonioGómezSáenz #PlacaTumbler #ManuelGuío #DerflexTipoIARR #AlbertoFlórezEstrada #CTA102 #AlejandroSacristán #Metalina2 #MªJesúsRodríguez #Cyberjet #MiguelÁngelGómezSáenz #Arcoíris #MartaCervera #Guest #JavierDeJuan
NEW WAVE / Synth Wave DRO ¥6900Dr K2
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Anne Gillis “Aha”
Anne Gillis (アンヌ・ジリ)、本名はManon Anne Gillis。仏きっての家庭音ノイズ・ミュージシャンで、1980年代から活動しています。本作品は、彼女のセカンド・アルバムで、オリジナルでは全曲 “Untitled”でしたが、再発盤では全曲にタイトルが付けられています。また、この再発盤は、ベルギーの実験音楽家Timo Van LuijkのレーベルLa Scie Doréeからリリースされており、通常盤は450枚限定で、サイン入り写真付きの特別盤は50枚限定で再発されているそうです。そして、本作品も彼女が、全ての楽器(Vo, Back-Vo, Synth, Perc)の演奏、作曲、録音、ミックス及びプロデュースを行なっています。再発に当たっての紹介文を載せておきます。「Anne Gillisは、40年以上にわたり、一切の妥協をすることなく、独自の世界を慎重に展開してきました。彼女は、官能と本能、機械的と有機的、黒と白など、対照的な力を発掘しながら、決然とした制約の中で遊び心を持って動きます。彼女は、自画像の写真、手書きのテキスト、演劇のパフォーマンスなどを使用して、ビジュアルでこの個人的な表現を広げています。彼女の音楽は、テープレコーダーを作曲ツールとして使用し、主に拡張された声とさまざまな(楽器の)サウンドで構成される録音ソースを操作し、電子機器と処理を加えたミュージック・コンクレートであると考えられます。Anne Gillisは、写真と音楽の両方で完全にアナログで作業しています。」とのことです。 それで、内容なのですが、先ず、通奏低音に様々なVoや具体音や打楽器等が絡み付くA1, 時計の音をバックにシンセの音が舞うA2, 動物の鳴き声のような音(多分、彼女の声の変調)を組合せたA3, 水流音に細切れのパルス状の具体音や演奏が乗るA4, スパイシーなシンセの反復と重積から成るA5, のっそりした具体音のループに啜り泣く声が被さり、一瞬の狂気を感じるA6、そうして、コロコロした音にシンセが乗り、ダブ的処理も加わったB1, 軋むような音に水音やアブストラクトな音が重積して、不思議なアンビエンスを呈するB2, 電磁パルスのような音が強烈なミニマル曲B3, 彼女の呟きから始まり、小鳥の囀りのような電子音や変調音が自由に飛び交うB4, シュワシュワした電子音をバックに、太古の打楽器のリズムを中心とした似非トライバルなB5で、アルバムを締めています。 総じて、強烈なノイズ・ミュージックではないのですが、かと言って、アンビエントかと言うと、そうでもなく、ではミュージック・コンクレートかと言うとそれでもなく、「Anne Gillisの世界観」を表した音楽としか言いようの無い、個性的な音楽です。全てD.I.Y.で作られているにも関わらず、細かい音の配置や挿入等に気を配っており、それが繊細かつ強靭な音に結実しています。多分、聴き易い音楽だとは思いますが、その聴き易さの中に、細やかな仕掛けがあって、スルメのように聴けば聴く程、味が出るタイプのノイズ・ミュージックだと思います!そんな彼女独特の音世界を是非とも体験してみて下さい!! A1 “Usinage en Chambre des Machines” (3:41) A2 “Nagsunie” (2:07) A3 “Appel Translucide” (1:54) A4 “Brouette Fantôme” (2:44) A5 “Stéça” (2:33) A6 “Ondulatoires” (3:51) B1 “Aaisth” (3:33) B2 “Verre mûri” (4:39) B3 “Uythe” (2:06) B4 “Zilovéa” (4:16) B5 “Inversion” (3:34) [original] https://youtu.be/jwsx6ezOcM0?si=8PxcSd4WbFUbXjhG #AnneGillis #Aha #LaScieDorée #Reissue #2024年 #LimitedEditions #500枚 #DMA2 #1984年 #FrenchComposer #Performer #SecondAlbum #Experimental #Abstract #MusiqueConcrete #Electronic #Voice #BackingVocal #Synthesizers #Percussions #Compose #Recording #Mix #Self-Produce
Experimental, Musique Concrete La Scie Dorée (DMA2) ¥3850Dr K2
