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Absolute Body Control “Numbers” in “Tapes 1981-89” box set
ベルギーのシンセ・ウェーブの至宝Absolute Body Control (以下、ABCと表記)のカセット作品の再発ボックス・セットより、第二弾は2本目のカセット作品”Numbers”の再発LPで、オリジナルは1982年リリースです。この作品では、明瞭な曲名が付いておらず、全て通し番号になっています。また、本作品は、2013年に独レーベルSleepless Records Berlinで、デジタル配信での再発をされていますが、それ以外には今まで再発されておらず、今回の再発は大変貴重なものとなっています。しかも、今回は全てインスト曲と言う徹底振りです。ここら辺で、Veerle De SchepperやMark De Jongheが脱退したようで、メンバーはDirk IvensとEric Van Wonterghemとクレジットされています。内容は、先述のように、全てインスト曲です。それで、リズムマシンも確かにTR-606も使っていますが、曲によってはDR-55やCansioToneのプリセットの安っぽいリズムマシンを使ったり、逆に高級リズムマシンTR-808を使っていたり、或いはシーケンサーだけでリズムマシンを使わない曲があったりとヴァラエティに富んでいます。と同時にヴォーカルがない為か、曲も短くなっているように思います。実際はC面10曲B面6曲となっていますが、オリジナルのカセット作品が60分テープだったので、「曲が多い=曲が短い」と感じてしまうのでしょう。本作品はABCの中でも、最も抽象的な作品でると同時に最も実験的作品でもあると言えるでしょう。そんな挑戦的なABCの作品は、懐かしさと共にアイデアの豊富さに思わず感嘆してしまいます❗️なので、これもABCの語る上で重要作品ですね。必聴❗️ C1 “Numbers 01”〜C10 “Number 10” D1 “Numbers 11”〜D6 “Number 16” D4 “Number 14” https://youtu.be/3wgnzT7O_mE [BandcampのURLを貼っておきます] https://absolutebodycontrol.bandcamp.com/album/numbers-16 #AbsoluteBodyControl #Numbers #BodyRecords #VinylOnDemand #Reissue #Belgium #SynthWave #ElectronicPop #SecondAlbum #Synthesizers #Vocal #RhythmMachine #DirkIvens #EricVanWonterghem
Synth Wave Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Absolute Body Control “Untitled” in “Tapes 1981-89” box set
いよいよ、このブツを紹介する時が来ました❗️そうです、ベルギーのEBMの始祖にしてシンセ・ウェーブの先鋒Absolute Body Control (以下ABCと表記)の膨大なな作品をLP其々にコンパイルしたLP5枚組と7㌅シングル1枚から成るボックス・セットです。ただ、私がこれをどうやって入手したのかは良く覚えていないんです(老人性健忘症?)。それで、先ずは、ABCのバイオグラフィーを紹介します。ABCは1979年に、ベルギーにて、Dirk Ivens (Synth, Vo)にMark De Jonghe (Synth)とVeerle De Schepper (Back-Vo)が加わって結成されたエレクトロ・バンドで、シングル"Is There An Exit?"がちょっとしたカルト・ヒットになって、その界隈で有名になりました。その後、1981年に、De Jongheは脱退し、代わってEric Van Wonterghem (Synth)が加入しています。ABCはその後もライブ活動や1993年〜2005年の間に国際コンピ等へ参加したりして、じわじわと知名度を高めていきます。1984年から、Ivens自身のレーベルBody Recordsから着実にカセット作品をリリースしており、世界的なカセット・カルチャー・シーンでも活躍しています。今回のボックスセットもここら辺のカセット作品の再発ですね。恐らく、ここら辺の時期にDe Schepperは脱退しているようです。その一方で、IvensとVan WonterghemはThe KlinikとSonarと言う別ユニットでも並行して活動していきます。ABCは、2007年にアルバム“Wind[Re]Wind”をCDと(ピクチャー)LPでリリースし、2016年にも2枚組LP(これについてはDiscogsに記載はない)をリリースしています。更に、2010年には、アルバム”Shattered Illusion”を独Daft Recordsからリリースしています。2020年には、3枚組のABCへのトリビュート・アルバム”Absolute Body Control - 1980/2020”をスペインのOraculo Recordsがリリースしています。2021年には新録の10㌅Mini-LP”A New Dawn”をポーランドのMecanicaからリリースする一方で、未発表曲をコンパイルした4枚組LP又は2枚組CDでボックス・セット”Lost/Found”も同レーベルよりリリースしています。 ザッとABCの活動はこのような流れになります。それでは、LP1 “Untitled”を紹介します。これは、元々Body Recordsの第一作目としてセルフ・タイトルで、1981年にカセットでリリースされていました。なお、B5-B7の3曲は、1983年1月22日にMelseleのDjemでのライブ音源で、後に再発された時に追加された曲です。今回は、各曲の解説はしませんが、アナログ・シンセによるメロディ、シーケンサーでのベースライン、そして、恐らくRoland TR-606と思われるリズムマシン(曲によってはBOSS DR-55も使用)に、男(女)のヴォーカルと言う、正にシンセ・ウェーブの王道な音楽がたっぷりと収められています。またB3 “Games For Laugh”などのように、過剰なディレイを掛けたちょっと実験的な曲も含まれています。なので、1980年代初頭のシンセ・ウェーブに興味のある方は是非とも、この作品は体験して欲しいです❗️また、今では入手困難なアルバムをLPで再発してくれたVinyl On Demandに感謝です!因みに、A3 “Baby’s On Fire”は1979年のBrian Enoのソロ・シングルのカバーです。 A1 “Waving Hands” A2 “Touch Your Skin” A3 “Baby's On Fire” A4 “So Obvious” A5 “Total Control” B1 “A Broken Dream” B2 “Do You Feel It Inside?” B3 “Game For A Laugh” B4 “Shake” B5 “Intro” B6 “A Better Way” B7 “Turning Around” https://youtu.be/QtxSQCm8j84 [BandcampのURLも貼っておきます] https://absolutebodycontrol.bandcamp.com/album/untitled-1981 #AbsoluteBodyControl #Untitled #SelfTitle #BodyRecords #VinylOnDemand #Reissue #Belgium #SynthWave #ElectronicPop #FirstAlbum #Baby’sOnFire #Synthesizers #Vocal #RhythmMachine #DirkIvens #MarkDeJonghe #VeerleDeSchepper
Synth Wave Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Ex “Exhibition”
突然、思い出して、聴き直してみました。1980年にデビューした日本のニュー・ウェーブ・デュオEx (「エックス」と発音)のデビュー・アルバム”Exhibition”を今回は紹介します。1980年と言えば、あちらこちらでニュー・ウェーブでシャレ乙な音楽が日本でも流行っていた訳ですが、Exは梅林茂と羽山伸也の変則デュオと言う形態のバンドです。デビュー・アルバム”Exhibition”の後に、彼等は松田優作のバックバンドとしてもう1枚アルバムを出しているだけの短命なバンドでした。またデビュー・アルバムは加藤和彦がプロデュースしたことで、一部では話題になっていますね。少しだけ、Exのバイオグラフィーを書いておきます。Exは、梅林茂 (G, Vo)と羽山伸也 (Drs, Vo)のデュオで、1974年頃に博多で結成され、1977年にデモテープを作成し、翌年に内田裕也を経て、加藤和彦に耳に入り、加藤氏のプロデュースで、1980年に本作品であるデビュー・アルバムをリリースしています。その後、Eric Clanptonの来日ツアーのサポートなんかもやっています。その時は、奈良敏博 (Sheena& The Rokkets, Sun House)がベースで参加しています。後には、小滝満 (Cinema, Yapoos, Metrophallus)や矢口博康 (Real Fish, 東京中低域)が加入しますが、単独のセカンド・アルバムのリリースは無く、1984年に解散しています。また、活動中に出した2本溝の特殊限定12㌅シングル”Masked Ball”も当時としては画期的でした。解散後、梅林氏は、映画音楽の方で活躍し、「友よ、静かに瞑れ」のサントラや薬師丸ひろ子とのコラボ作「紳士同盟」或いは「陰陽師」等の映画音楽を手掛けており、日本や中国の映画音楽で40作以上の作品を手掛けており、多数の受賞もしています。一方、羽山氏は1987年までは音楽活動をやっていたようです。また、2000年には、Exのデモ・トラックや未発表曲やライブ・トラックなんかをコンパイルした「幻の」セカンド・アルバム”Ex 2”がCDで、Polystarよりリリースされています。Exの流れはこんな感じです。 それで、本作品でもある唯一のアルバム”Exhibition”を紹介します。この作品の録音では、梅林茂 (Vo, G, B, Kbd), 羽山伸也 (Vo, Drs, Perc, G)で、曲によっては小原礼 (B)も客演しています。先述のように、加藤和彦がプロデュースしています。彼等の持ち味は、やはりビート・ミュージックだと言うことだと思いますし、ギターのリフなんかは結構ロックンロールっぽかったりしますし、または和製パワー・ポップと言っても良いかと。歌詞は日本語と英語を使っていますが、それは好み次第ですね。個人的には、日本語の歌詞の方が好きなのですが、まあ内容にも寄りますよね? また、シンセ等のキーボードやシーケンサーも多用されていますが、これはこの時代の流れなのでしょう。元々、YMOやスネークマン・ショーとも関係があったようですから。曲調はカッコ良い疾走感のある曲から甘いバラード調の曲までありますね。また、音楽とは直接関係があるかどうか分かりませんが、2人ともくしゃくしゃの白いワイシャツに細いネクタイと言う出立ちだったので、当時のニュー・ウェーブなファッションと言う感じでしたね。そんな最先端に行こうとしたExですが、偶に聴くのにはいいんじゃないかと思います❗️ハマる人はハマりますよ❗️ A1 “Classical Modern Dance” A2 “Masked Ball” A3 “Platinum Night” A4 “Rose Garden” A5 “Going Back To Japan” B1 “Street” B2 “Dusky Town” B3 “Understand” B4 “Oh My Love” B5 “Tether” A2 “Masked Ball” https://youtu.be/Sa6U6zSGp7s?si=Sa39bBY7tX36h32Y A3 “Platinum Night” https://youtu.be/uX2RP5Mfgv0?si=ZZeMZp1wAuy5xp8F [オマケ: CD“Ex2”に収録の”Glass Horse”] https://youtu.be/hKhT2iJ9HaQ?si=eZKAFaQi3viBVAAn #Ex #Exhibition #CamelliaRecords #NewWave #PowerPop #FirstAlbum #Japanese #Duo #梅林茂(ShigeruUmebayashi) #羽山伸也(ShinyaHayama) #小原礼(ReiOhara) #加藤和彦(KazuhikoKato) #Producer
New Wave / Power Pop Camellia Records 不明Dr K2
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Claudio Rocchetti “Goldberg Variations”
なんで、これ、買ったんだろう?謎物件です。どうも、伊出身の現代音楽家Claudio Rocchettiの作品らしいです。しかも、ヨハン・セバスチャン・バッハの「ゴールドベルク変奏曲」で、曲数が両面共16曲ずつと言う狂ったような短い曲がたんまり詰め込まれています。先ず、その前に、作者のClaudio Rocchettiについて調べました。Rocchettiは、欧州の前衛音楽界で最も活動的な音楽家の一人で、近年はソロ・プロジェクトから離れて、TricoliとPiliaと共に3/4HadBeenEliminatedやヴィジュアル・アーティストRiccardo BenassiとのデュオOlyvettyをやっており、 また、同時に、彼等2人とノイズ・ファンク・デュオであるG.I.JoeとStefano Piliaと共にZaineカルテットもやっています。それだけではなく、Jooklo Duo共にHypnoflash名義で演奏したり、コントラ・バス奏者Klaus Janekとのとデュオの他にも、 Mattin, Bowindo, Fabio Orsi, MB(❗️)ともコラボを行なっています。しかも、Rocchettiの作品は、PCによるライブでの変調操作音やターンテーブルのフィードバック或いは予め録音された音源や物音を、彼の手元で即座に繋ぎ合わせてのライブ・コンクレートから成ります。Rocchettiは多くのレーベルから作品をリリースしていますが、同時に、彼は、Kam Hassahと共に、Musica Modernaなるレーベルも運営し、 フィールド録音や音響詩或いはサウンドアートの作品を主にリリースしています。また、彼の作品は、より深い部分での作業をする為、分厚いサウンドへの飛び込んでいくようなもので、通常、彼はタンテやカセット、サンプラー、ラジオ、マイクロフォン、更には非楽器や伝統的な楽器等を使って、複雑な手技、物体、衝撃として「音」を操作して、全く新しい構造を構築しているとのこと。現在、Rocchettiは独Berlinに居を構えていますが、伊Bolognaとの間を頻繁に行き来しているそうです。 それで、本作品についてですが、先述のように、これは、ヨハン・セバスチャン・バッハの「ゴールドベルク変奏曲」に準えており、A1 “Aria”で始まり、A2 “Variation 1 (第1変奏)”からB31 “Variation 30 (第30変奏)”への続き、最後はB32 “Aria Da Capo”で終わります。原曲は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」と題された作品で、バッハらしいカノンとギミックが散りばめられています。それに負けず劣らず、Rocchettiは、それぞれの変奏をグラインド・コアのようにぶつ切りにして、1分も無い曲にし、そこに、速度の変化やテープの捻れ、逆回転の挿入などのテープ操作、ラジオの音、会話やフィールドバック音、ディレイやイコライジング或いははリング・モデュレーションなどの過剰エフェクトなどを加え、まるで全体が一つの曲であるかのように変調・配置しています。確かに各曲にはピアノらしい音が聞こえてきますが、全くピアノなどの楽器音ではない音から成る曲も含まれています。多分、これを、『普通の』バッハの「ゴールドベルク変奏曲」として購入したクラシック・リスナーさんは怒り心頭になってしまうのでは?と心配してしまう程、いじくり回しています。兎に角、個々の「変奏」曲をじっくり聴くのも良いですが、流れるままにボーっと全体を聴いてみるのもお勧めします❗️最終的には、中々、面白い作品でしたね。こう言う狂ったことをする現代音楽家は今後も要注目ですね! A3 “Variation 2” https://youtu.be/nhEc88CuHBc?si=xg9qBq0Y81X6eRHi [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nRR47sxoE3D_neBTQksUFzGpuMsXrUZO8&si=z_8gaSX03zHT9zRg #ClaudioRocchetti #GoldbergVariations #Kohlhaas #ModernClassic #JohannSebastianBach #Avant-Garde #SoundCraft #TapeManipulation #SoloAlbum #Berlin
Modern classic / Avant-Garde / Tape Music Kohlhaas 不明Dr K2
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V.A. “Rough Trade Shops: Post Punk 01” ist
Rough Tradeと聞いて、ナツいと思う方は多分45歳代より上かと思います(苦笑)。そんな熱い1980年前後に思いを馳せたような、懐かしい音源をジャンル別に紹介していくのが、Mute Recordsの”Rough Trade Shops”シリーズです。その中で、この”Post Punk 01”は、元々、2枚組CDとしてリリースされていますが、本アルバムはその2枚組CDのサンプラー的立ち位置にある訳です。なので、収録されているのは厳選された4組で、Gang Of Four, The Futureheads, World Domination Enterprises (以下WDEと表記), Bush Tetrasです。Gang Of FourやBush Tetrasは既に紹介していますので、The FutureheadsとWDEについて少し紹介しておきます。 それで、The Futureheadsですが、2000年に英国Sunderlandで結成されたポスト・パンク・バンドで、メンバーは、Ross Millard (Vo, G), David "Jaff" Craig (Vo, B), Barry Hyde (Vo, G), Dave Hyde (Drs)で後者の2人は兄弟です。彼等は、2002年にEP”Nul Book Standard”を、2003年にEP”1-2-3-Nul!”をその後にファースト・シングル"First Day"をリリースしています。そして、2004年9月にセルフ・タイトルのファースト・アルバムを679 Recordingsからリリースしていますが、その内、5曲をGang Of FourのAndy Gillがプロデュースしています。彼等は順調に活動していましたが、2013年に活動中止。その後、2019年に再結成して、現在も活動しています。 次に、WDEですが、1980年代後期に、ロンドンのLadbrokeで結成されたノイズ・ロック・トリオで、メンバーはDigger Metters (Drs), Keith Dobson (G), Steve Jameson (B ?)ですが、Donsonは、元々、Kif Kif Le Batteurと言う偽名を名乗って、スペース・サイケ・バンドHere & Nowでドラマーとして活動をしていましたし、Jamesonも、1976年には、Charmdale Recordsで音楽ビジネスに関わっており、後にRough Tradeの店員になり、更にはAlternative TVやThe Fallのライブ要員にもなっていましたが、2019初頭に他界しています。 それでは各曲の紹介をしていきたいと思います。 A1 Gang Of Four “I Found That Essence Rare”は、彼等のファースト・アルバム”Entertainment!”のB1にも収録されている名曲で、Andy Gillのギターのカッティングがシャープかつソリッドで、ダンサブルな曲です。因みにメンバーは、Jon King (Vo), Andy Gill (G), Dave Allen (B), Hugo Burnham (Drs)で、ファンクとパンクとダブが融合した音楽をやっていました。 A2 The Futureheads “Robot”は、彼等のセルフ・タイトルのファースト・アルバム及び彼等のファーストEPにも収録されている曲で、ドラムに焦点を当てているところは今風ですが、コーラスワークがイカした曲です。Kraftwerkの”Robots”とは全然違いますね。 B1 Bush Tetras “Too Many Creeps”は、彼等のファースト・シングルの曲で、元The Contortionsのスライド・ギターだったPat Placeを中心に出来たバンドで、この中では唯一の米国のバンドです。ファンキーて歪なダンス・ミュージックで、この曲も代表曲です。メンバーは、Cynthia Sley (Vo), Pat Place (G), Laura Kennedy (B), Dee Pop (Drs)です。 B2 World Domination Enterprises “Asbestos Lead Asbestos”は、地を這うようなベースと重いドラムに、かなりフリーキーなギターが暴れると言うドゥームな曲で、この中ではやや異質です。ヴォーカルも韻を踏んでいるようで、グーです。 まあ、CD2枚分の中から、たった4曲を選ぶと言うのは無理クリだとは思いますが、中々の選曲だったのではないでしょうか?まあ、CDを聴いた方が良いと言えば良いのですが、、、。入門編としては、この作品も良いと思われますので、未体験の方は是非、体験してみて下さい❗️ A1 Gang Of Four “I Found That Essence Rare” https://youtu.be/vTcVkpa2Z0c A2 The Futureheads “Robot” https://youtu.be/OV70MTvvXc4 B1 Bush Tetras “Too Many Creeps” https://youtu.be/PERvoP9YuM4?si=AuD0Ef6V-UoVxz9u B2 World Domination Enterprises “Asbestos Lead Asbestos” https://youtu.be/OlhiSIArIkU?si=1zt4m_UQZoyZIvQJ #VariousArtists #RoughTradeShops:PostPunk01 #MuteRecords #PostPunk #GangOfFour #TheFutureheads #BushTetras #WorldDominationEnterprises
Post Punk Mute Records 2000円Dr K2
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Bellows “Strand”
今回、紹介するのは、伊の電子音響作家 Giuseppe IelasiとNicola RattiのデュオBellowsの2017年リリースの作品”Strand”です。といきなり言われても困ると思いますので、先ずはBellowsについて紹介します。その正体はGiuseppe IelasiとNicola Rattiのデュオで、Ielasiは、ミラノ在住のギタリスト/作曲家で、1998年にFringes Recordingsと言うレーベルを立ち上げ、後には、BowindoやSenufo Editionsレーベル以外にもFrancesco Tenagliaと共にSchoolmapレーベルを運営しています。Rattiもミラノ在住の伊人ギタリスト/エレクトロニクス奏者です。両者は2007年にコラボ作”Bellows”を出しており、恐らくそこから、グループを取ったものと思われます。Rattiは1992年からギタリストとなり、マス・ジャズ・コア・トリオPin Pin Sugarに参加して、2003年にアルバム”Latex Duellos”を出しています。余りまとまった情報が無いのですが、このような伊実験音楽界の2人のギタリストが結成したのが、Bellowsと言うことになります。 それで、本作品”Strand”ですが、最初のコラボ作品を含めて、5枚目のアルバムになります。そしてその内容なのですが、曲名は全て無く、またクレジットで誰が何を担当しているのか?と言う情報もありません。唯一の情報は、このアルバムは、2016年2月にミラノのStandardsスタジオで、先述の2人によって録音されたと言うことだけです。それで内容なのですが、両面とも4曲ずつで、その殆どが、音の点描のように静かでスカスカな音から成っています。しかも、微妙にミニマル。モデュラー・シンセやテープ、エフェクター、サンプラーで作った音だとは思いますし、どうも4日間で即興的に録音したようですので、2人のスキルとセンスの高さが良く分かります。そんなスカスカの音の中にも、「ビート感」があって、聴けば聴く程、新たな発見があります‼️多分、最低2〜3回聴かないと、その良さがよく分からないタイプの音楽ですね。解説には「アコースマティックなサウンドとフラクタルなビートの間に生まれた複雑な音のパレット」と書いてありますので、強ち間違いではないと思います。それから、Amsterdam在住のアーティストLouis Reithが、ジャケ写などを行なっているのですが、収録されたBellowsの音楽を聴いていると、Reithのモノクロの写真との相性も良いと確信します。また、ある種のアンビエンスも含まれていますので、その手のリスナーさんにもお勧めします。そんな多角的に楽しめるアルバムですので、是非とも購入して楽しんで下さい❗️ A4 “Untitled part 4” https://youtu.be/3OwlJznEimI?si=Cs0v4ulf2b6trvUb [BandcampのURLを貼っておきます] https://shelterpress.bandcamp.com/album/strand #Bellows #Strand #ShelterPress #Italy #Experimental #Conceptual #点描 #Guitar #ModularSynthesizers #Tapes #Effectors #物音 #Glitch #GiuseppeIelasi #NicolaRatti #LouisReith
Modern classic / Experimental Shelter Press 不明Dr K2
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Wild Man Fisher & Smegma “Sing Popular Songs”
おっと、これはとんでもないブツですね。Smegmaについては今までも紹介してきていますので、補足する程度にしますが、Wild Man Fisherこと本名Lawrence Wayne Fischerについて少し詳しく紹介したいと思います。Fisher(Fischerとの表記もある)は、1944年11月生まれのアカペラをやる米国のストリート・パフォーマーで、ホームレスでしたが、西ハリウッドやサンセット・ストリップでよくやっていたそうです。後に「アウトサイダー・アートのゴッドファーザー」とも呼ばれるようにもなりました。彼は、10代の頃に統合失調症と双極性障害と診断されており、家族にも暴力を振るったりした為、精神病院にかかったり、入院したりしていました。退院後、R&BシンガーのSolomon Burkeが、彼にWild Manとニックネームを付けて、ツアーに連れて行ったりしています。それで、1967年から、Fisher は服薬を続けながら、ハリウッドでストリート・パフォーマーをして、小銭を稼いでいました。それを、偶々Frank Zappaが見つけ出し、1968年に、Zappaのプロデュースで、2枚組アルバム”An Evening with Wild Man Fisher”をレーベルBizarre Recordsからリリースしています。しかしながら、彼は、Zappaの娘Moonを突然ガラス瓶で殴ったことから、Zappaとは絶縁しています。その後、1974年に、Fisherは、Smegmaのゲスト・ヴォーカリストとして、本作品でもあるアルバム”Sing Popular Songs”に招かれて、参加しています。1975年には、Fisherの新曲を収録したシングル”Go To Rhino Records"をリリースしています。この2年後、Fisherは初ソロアルバム”Wildmania”をリリースし、1980年代になると、Barnes & Barnesコメディアンのコンビと一緒に2枚のアルバム”Pronounced Normal” (1981)と”Nothing Scary” (1984)をリリースしています。また、1986年には、Barnes & Barnesが書いた曲”It’s A Hard Business”を歌手/女優のRosemary Clooneyとデュエットしています。しかしながら、Fisherはその時点でもまだホームレスだったり、モーテル暮らしだったりしています。1998年には、Captain BeefheartのバンドのドラマーRobert Williamsと共に、アルバム”Date with the Devils Daughter”を作製、また、1999年には、Rhino Recordsから、100曲入りで20頁のブックレット付き2枚組CD “The Fischer King”を出しており、後者は数週間でソールドアウトしています。2000年代初頭になると、Fisherは、自身のドキュメンタリー”Derailroaded: Inside the Mind of Wild Man Fischer”の撮影を開始し、2005年3月にSouth by Southwestで初上映しています。DevoのMark Mothersbaughは、「Fischerこそが純粋なロックンロール・アイコンだ!」と表明しています。また、2004年には、Dennis EichhornのアメコミThe Legend of Wild Man Fischerの題材にもなっています。2003年に、Fisherは6ヶ月間に及ぶ強迫神経症で、誰か親しい人に殺されるとの妄想に取り憑かれ、一度はストリートに戻ってきたものの、結局、Van Nuys開放型精神病棟を受診し、最後は、2011年6月16日に、Fisherは、66歳と言う若さで、心不全の為、Ronald Reagan UCLA Medical Centerにて亡くなっています。 ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、Wild Man Fisherの生涯は上述の通りです。それで本作品”Sing Popular Songs”ですが、脱力系のSmegmaの演奏をバックに、嗄れたダミ声で歌いまくるFisherが、もうグダグダで最高です。参加メンバーは、Fisher以外に、The Ace Of Space, Amazon Bambi, Bev, Cheez-It-Ritz, Chucko Fats, Danton Dodge, Dennis Duck, Dr. Id, Dr. Odd, Electric Bill, Jason, Ju Suk Reet Meate, Dana, Reed Burns, The Reverend Toadeaterと言うLAFMS周辺総動員と言う感じで、豪華です。大部分の録音は1974年-1975年にSmegmaの本拠地Pasadenaで行われていますが、B3 “Breakfast With Bananas”はTemple CityのPumkin Worksでライブ録音で、B4 “Auto Suk #2”はSan Diegoで1973年にリリースされた”Smegma Xmas Video”からの抜粋で、B6 “Fill The Boot”とB7 “The Party's Over”はCoronadoのJerry Lewis Fight M.S. Local Telethon 74でのライブ録音です。収録曲はA面5曲/B面7曲ですが、A面などは、A2のメドレーを除くと、1分未満の曲が殆どで、ここら辺にもSmegmaらしさを感じますね。確かに、B面に収録されている曲は、聴いたことのある曲もありますが、多分、米国のローカルな歌なんか なんだろうなと想像しますし、またB4 “Auto Suk #2”なんかはムーディーに歌っている曲もあります。しかしながら、お互いが共にグダグダなので、とても「親しみ易い」歌に聴こえませんね。しかし、まあ、FisherとSmegmaとは相性バッチシなので、ほぼほぼ予想通りだとは思いますが、この味わいは他では出せないだろうなあと感心してしまいます。そんな2者の相乗効果を堪能してみては如何ですか❓緩くなりますよー❗️ A1 “Stigmatize Your Mind” A2 “Midnight Train/Rock-n-Roll Star/Say It” A3 “Jimmy Durante” A4 “Dandylion Flower” A5 “Please Like Us” B1 “Potato War” B2 “Stino” B3 “Breakfast With Bananas” B4 “Auto Suk #2” B5 “When The Saints Go Marching In” B6 “Fill The Boot” B7 “The Party's Over” https://youtu.be/53ZJOqScdcA?si=igGMX09a-7GTpbpP #WildManFischer #Smegma #SingPopularSongs #BirdmanRecords #StreetPerformer #Avant-Garde #アカペラ #SlowLifeAvant-Garde #Schizophrenia #LAFMS #RhinoRecords #FrankZappa #LawrenceWayneFischer
Vocalization / Experimental / Avant-Garde Birdman Records 不明Dr K2
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Portray Heads “s/t”
Portray Headsと聞いて、ピーンと来るリスナーさんはよっぽどのマニアか?四国出身者/在住の方かもしれませんね。今回は、そんなマニアックな日本のニュー・ウェーブ/シンセ・ウェーブ黎明期に四国に咲いた徒花Portray Headsのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。先ず、バイオグラフィーを簡単にご紹介しておきます。このバンドは、1984年に四国愛媛県松山市で、冨田徹(Toru Tomita)の呼びかけで、土井幹治(Mikiharu Doi)と徳永あゆみ (Ayumi Tokunaga)によって結成されています。彼等は直ぐに十数曲を作り、その中から2曲を選んで、7㌅ソノシート・シングル”Elaborate Dummy”をカゲロウ・レコードより1985年5月にリリースしています。しかしながら、リリース直後に、徳永が脱退し、バンドは新ヴォーカルを探します。このアルバムには入っていませんが、朝倉満代(Mitsuyo Asakura)もヴォーカルで在籍していたようです。その結果、越智由美(Yumi Ochi)が新ヴォーカリストとして加わります。彼女のヴォーカルは力強く深かったので、バンドにはよくマッチしていました。それで、トリオは、19864月に”Oratorio”を録音、今度は自身のレーベルLabel Land 4thから、1986年12月に、カセット・フォーマットと7㌅シングル・フォーマットと言う2種類でリリースしています。しかしながら、彼等が活動していた松山市は保守的であったので、このような新しいタイプの音楽に理解がなく、殆どライブをやるチャンスはなく、その為、バンド内でもトラブルの原因になっていました。そんなこともあって、バンドは直ぐに解散してしまいます。その後のメンバーの活動は不明ですが、こうして長い年月を経て、セルフ・コンピ・アルバムが米国のレーベルからリリースされたのは、何かの縁と言うか報われたのではないでしょうか?一応、紹介の前に、メンバーと担当楽器を列挙したおきます。冨田徹 (Electronics, Synth, B, Perc), 土井幹治 (Electronics, Synth, Kbd, Tapes), 徳永あゆみ(Vo [A1, A2, B1, B2, B3, C1, C2, C3], Perc, Sax), 越智由美 (Vo [A3, A4, A5, D1, D2, D3])に加えて、オキウラ・タツユキ (Drs, Drumurator)です。録音は1984年〜1986年の間に、松山市のStudio LEADで、TEAC 8-Track Open Reel Recorderを使って行われています。楽器は、Roland, Korg, Casioのシンセを使っており、Roland MSQ-100でシーケンスを組んでいました。A4ではRoland S-50 Samplerも用いられています。それでは内容を紹介していきます。 生ドラムも使っていると思うのですが、全部打ち込みなんだろうか?結構、急襲系の切羽詰まったような曲が多いですが、まあ王道のシンセウェーブだと思います。また徳永さんの越智さんのヴォーカル・スタイルは似てはいるのですが、越智さんの方がより伸び伸びと力強く歌っている印象ですね。A3やA4なんかは多分ドラムマシンとシーケンスするベースラインがはっきり分かります。しかしながら、全体を覆っていらのは、陽キャではなく、ダークな雰囲気ですね。そう言う意味では、シンセ・ウェーブと言うより、今で言うダーク・ウェーブに近いですね。それと、シーケンス以外の上物のシンセは恐らく手弾きでしょう。この頃になると、デジタル・シンセが出回ってきた時代でしょうか?そんな音が聴こえますね。そこら辺の使い方がやや中途半端なようにも感じますが。そうは言っても、曲の完成度は高く、1980年代中期に咲いた徒花の如く、素晴らしいダーク・ウェーブなので、ゴスやダーク・ウェーブに興味のある方は是非とも聴いてみて下さい‼️あと、B1のような少しアラビックなメロディの曲も捨てがたいですね。それと、LP2でのデモ・ヴァージョンとの比較も興味深いです。 LP1 A1 “Elaborate Dummy” A2 “Watch Your Scope!” A3 “夢を夢に” A4 “浮かぶ · 迷う · 漂う” A5 “Industrial Eye” B1 “舞い上がれ” B2 “操り人形” B3 “Generation Storm” LP2 C1 “Industrial Eye (Demo)” C2 “Burning Light” C3 “浮遊体” D1 “夢を夢に (Demo)” D2 “舞い上がれ ’86” D3 “浮かぶ · 迷う · 漂う (Demo)” “Industrial Eye” (single version) https://youtu.be/QKBY9aRnPpY?si=H1JfgRvxAO89uHWx [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kd0NgX5elsAkSCcKlS6B5XcyvaGQJhCvc&si=bbkqNPnUz_2CqalO #PortrayHeads #SelfTitle #MinimalWave #BitterLakeRecordings #Mid-1980 #MatuyamaCity #SynthWave #Minimal #Synthesizers #FemaleVocal #ToruTomita #MikiharuDoi #AyumiTokunaga #YumiOchi #ElaborateDummy
Synth Wave / New Wave Minimal Wave / Bitter Lake Recordings 不明Dr K2
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The Fall “Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”
またまた出ました、The Fallの5枚目のアルバム”Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”を紹介します。落書きのようなジャケですが、如何にもThe Fallらしいと言えばらしいですよね。The Fallのバイオグラフィーについては、ここら辺までは書いてあると思いますので、以前の紹介をご参照下さい。この作品も何度も再発されているようですが、私の購入したSuperior Viaductの版が、一番新しい再発盤ということになります。初期のThe Fallはライブ録音をそのままレコードにすると言う荒技に繰り出していましたので、ご多分に漏れず、本作品もライブ録音或いはスタジオでのカセット録音で、音質もブートレッグ並にペナペナですが、そんなことすらも、The Fallらしいです。しっかりと初期の名曲A2 ”Rowche Rumble”も収められています。なお、この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo), Craig Scanlon (G), Marc Riley (G), Mike Leigh (Drs), Steve Hanley (B)と言う初期最強の布陣です。The Fallの一つの特徴として、A2 “Rowche Rumble”やA3 “Muzorewi's Daughter”のように、テンポ・チェンジが目立つ曲が多いとも言えるでしょう。なので、それで良くメンバーが合わせて演奏しているなぁと感心してしまいます。また、B1 “Spectre Vs. RectorでのマシンガンのようなSmithのヴォーカルも堪能できますし、B4 “New Puritan”の下手くそなギターとSmithの音程の無いヴォーカルの掛け合い(?)も聴けますよ(DD. Recordsの月本正くんようです)❗️まだ、この頃はガチャガチャした曲が多くて、B5 “No Xmas For J. Quay”やA5 “Choc-Stock”にその萌芽を嗅ぎ取ることが出来ますが、中期のようなタイトな「反復」は余り聴くことができません。それでも、The Fallにしか出来ない超B級のポスト・パンクを聴くことが出来ます。折角、再発されたのですから、この機会にThe Fallのイカした「駄目さ加減」を堪能してみては如何しようか‼️ハマるかもよー! A1 “Intro / Fiery Jack” A2 “Rowche Rumble” A3 “Muzorewi's Daughter” A4 “In My Area” A5 “Choc-Stock” B1 “Spectre Vs. Rector” B2 “Cary Grant's Wedding” B3 “That Man” B4 “New Puritan” B5 “No Xmas For J. Quay” B5 “No Xmas For John Quay” https://youtu.be/cRpbj-MPjSU?si=HGYHGPy7IG14WdmR [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kdXvuOkI-Unc9mEG53p98p-yxhjmLSj0w&si=9RVBusNyVI1nmkx9 #TheFall #Totale’sTurns(It’sNowOrNever) #SuperiorViaduct #RoughTrade #Reissue #PostPunk #LiveRecordings #Lo-Fi #CraigScanlon #MarcRiley #MarkE.Smith #MikeLeigh #SteveHanley #TempoChange
Post Punk Superior Viaduct (Rough Trade) 2800円Dr K2
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Contagious Orgasm “Seeking Sensation Scale Music”
今回は、名古屋を拠点に活動し、今や、数千人規模のフェスにも招聘される程、欧州、特に独逸では有名な実力派ノイズ・ユニットContagious Orgasm (以下COと表記)の単独作”Seeking Sensation Scale Music”を紹介します。現在は、首謀者の橋本浩 (Sampler, Electronics)とMarvelこと新井正光 (Perc)のデュオでライブを行うことが多いようですが、少し前にはスギウラ・シンゴ (Sampler)も加わっていました。バイオグラフィーは以前に紹介してありますので、そちらをご参照下さい。それで、本作品のタイトルなんですが、これは橋本氏が運営する自身のレーベルSSSMに引っ掛けてつけたのではないかと思われます。COの音楽は、アンビエント〜インダストリアル〜テクノイズ〜ニューウェーブまでと時代により、また作品により振り幅が広いのですが、本作品は恐らく橋本氏の単独作だと思います。1990年代のいわゆるジャパノイズと言うと、大音量のハーシュ・ノイズと言うイメージがあると思いますが、名古屋と言う土地柄なのか?橋本氏の個人的な指向なのか?COは、そのジャパノイズの潮流とは一線を画して、ひたすら、サンプリングによる音の切り貼り(コラージュ)をやってきたように思います。そのことが、現在のよりリズミックになったCOの(欧州での)評価に繋がっているのだと思います。その結果、工場内或いは現場の音像の中にいる錯覚に陥るようです。かつて、橋本氏と話していた時に、「モジュラーシンセで面白い音が出来たら、それをサンプリングすれば、バッチリや!」と言っていたことから、COは単に即興的ではなく、楽曲としてノイズ・ミュージックをやっているのだなあと感心したことがあります。本作品ではまだ、パーカッションなどは使われておらず、ループ音などが通奏低音として使われている曲もあり、音(ノイズ)は適切に配置されて、最大の効力を発揮しています。それは単に即興的に組み立てるのではなく、橋本氏の頭の中で既にある程度、組み立てられているものを具現化したもが、本作品の真髄ではないかとさえ思えてきます。そんなジャパノイズの異端であるCOの一大絵巻のような本作品は、COファンは勿論、ノイズ・ミュージックの違う一面を垣間見たいリスナーさんにも是非体験してもらいたいです‼️あと既に気付いている方もいらっしゃるとは思いますが、本作品のタイトルも曲名も、そのイニシャルは、全て、橋本氏自身のレーベル名SSSMとなっています!これも彼独特のユーモアかもしれませんね。因みに、レーベルPraxis Dr. Bearmannは、1990年代の独逸で、Martin Bauer らによって運営されていた良質ノイズ専門レーベルで、お世話になった方も多いのでは? A1 “SS Slave Market” A2 “Suicide Stiffening Shaft Machine” A3 “Scandalous Stagnate Sweet Madonna” B1 “Spread Spectrum System Message” B2 “Slit Slit Slit Museum” B3 “Stainless Steel Sucking Mouth” A1 “SS Slave Market” https://youtu.be/BG5kzjuiwF0?feature=shared #ContagiousOrgasm #SeekingSensationScaleMusic #PraxisDr.Bearmann #JapaneseIndustrial #Industrial #Experimental #Noise #Sampler #Electronics #HiroshiHashimoto
Experimental / Noise / Industrial Praxis Dr. Bearmann 不明Dr K2
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Swans “Time Is Money (Bastard)”
探しているのはSwansの”Cop”なんですが、これも見つかったので、今回はSwansの12㌅EP “Time Is Money (Bastard)”を紹介します。Swansのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらを参照して下さい。このEPは4枚目に当たるのですが、既にJarboeも関わっています。この時のメンバーは、Michael Gira (Vo, Words), Harry Crosby (B), Ronaldo Gonzalez (Drs), Norman Westberg (G), Jarboe (Scream)です。なお、ジャケのデザインはGiraがやっています。ここら辺の大胆さはいかにも初期Swansですね。このEPはA面2曲で33 1/3回転で、B面1曲45回転と言う変則的な構成となっています(まあB面はミックス違いですが)。それでは各曲を紹介していきます。 A1 “Time Is Money (Bastard)”は、初期の頃に比べてややテンポほ早めですが、デカいドラムの音(特にキック)とGiraの突き放すようなヴォーカルが凄いです。このテンポでこの迫力は、高速で移動する戦車に蹂躙されたかのような気分になります。 A2 “Sealed In Skin”は、ダウンテンポの曲で、やはりヘビーなドラムとピアノの連打に、押し殺した呪詛のようなGiraのヴォーカルが聞こえてきて、しつこく繰り返すヘビネスが堪らないです。 B “Time Is Money (Bastard) (Mix)”もA1と同様に凄まじいヘビネスを体現したミックス違いですが、特にリズムに合わせた、むさ苦しいコーラスとGiraの独特のヴォーカルにヤラれてしまいます。ひょっとして、リズムマシンも生ドラムと一緒に使っているのかな?キック音の連打が異様に正確でヘビーだから、そう思ってしまいます。時々聴こえるWestbergのギターの刻みも効果的です。 Swansは、いつでも音楽の限界を突き抜けてくれる、そんなバンドです。近年のワンコードでのしつこい反復から成る音楽性も大好きなのですが、この時期の超ヘビーな音楽は初めて聴いた時、驚かされましたね。そんなSwansを体験してみて下さい‼️ 因みに、レーベルK.422は英国Some Bizarreのサブレーベルで、SwansとWisenloodそしてCoilの作品の流通に特化しています。 [full EP] https://youtu.be/cWgniHJ_bnM #Swans #TimeIsMoney(Bastard) #K.422 #SomeBizarre #USUnderground #HeavyRock #Experimental #Sludge #Kick #変則EP #MichaelGira #HarryCrosby #RonaldoGonzalez #NormanWestberg #Jarboe
Heavy Rock / No Wave K.422 不明Dr K2
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Purrkur Pillnikk “EhgjI En:”
これはもう完全に謎物件!先ず、文字が筆記体でまともに読めないので、グループ名すらよく分からないし、いつ買ったのかも覚えていませんでした。まともなフォントで書かれていたレーベル名でやっと見つけました。アイスランドのパンク/ニュー・ウェーブ・バンドで、バンド名はPurrkur Pillnikk (「プルクーム・ピルニック」と読むのか?)で、そのファースト・アルバム“EhgjI En: (Ekki ennとも表記)”と突き止めました。それで、先ずはPurrkur Pillnikk (意味は「眠むそうなチェスプレイヤー」らしいです)は、1981年から18ヶ月の1982年の期間、ちょうど、アイスランドでのパンク・ムーブメントの最後の世代に当たる期間に活動していたバンドで、その間に2枚のLPと1枚のライブ・アルバムそして2枚のEPを出しています。メンバーは、Ásgeir R. Bragason (Drs), Bragi Ólafsson (B), Einar Örn Benediktsson (Vo, Trumpet), Friðrik Erlingsson (G)の4人で、後者3人は、Reykjavíkで、友人達とSmekkleysa (Bad Taste)と言う自主制作レーベルを始め、1986年には、Sugarcubesのメンバーにもなっています。言わずもがな、Sugercubesは、Björk Guðmundsdóttir (Vo, Kbd), Einar Örn Benediktsson (Vo, Trumpet), Þór Eldon (G), Bragi Ólafsson (B), Margrét "Magga" Örnólfsdóttir (Kbd), Sigtryggur Baldursson (Drs)から成り、後にBjörkの世界的デビューの足掛かりになったバンドです。と言うように、アイスランドでは最重要なバンドと言う訳です(この位しか分からんかった。すまん)。 と言う訳で、Purrkur Pillnikkのファースト・アルバム”EhgjI En:”の内容について紹介していきましょう。なお、録音はLondonのSouthern Studioで行われています。アイスランド語の歌詞は良く分からないですが、小気味良い短い曲が速射砲のように収録されています。時にフリーキーなギターなんかも聴くことができるし、諸パンクと言う訳ではなく、どちらかと言うとポスト・パンクに近いようにも思えますし、ノー・ウェーブの影響もあるように思えます。ただ、演奏自体はそれ程上手くはないですし、演奏も荒削りです。また、使用言語がアイスランド語の為なのか、ヴォーカルが独特で、それはそれで面白いです。まあとにかく聴いてみて下さい❗️ 在り来たりなパンクやポスト・パンクに飽きた方にはお勧めしますよ❗️Let’s Punk! クレジットされている曲名(綴りはアイスランド語: 英訳付き) A1 “Svebnphørgør (Twixt)” A2 “Nu: (Now)” A3 “EhgjI En: (Not Yet)” A4 “GrIm:d (Rage)” A5 “Gløg:agjai:Ir (Peeper)” A6 “FløqhəhbIđ (The Flight)” A7 “Fa:derland (Vaterland)” B1 “Nabn (Holy Terror)” B2 “Khva:đ Gje:d Je:q Gjerd (What Can I Do)” B3 “U:dIlə:gađør (Outlocked)” B4 “Øndanthehgniŋg (Exceptional Product)” B5 “Vəndør Sdraugør (Anonymous)” B6 “Au:n Nabns (Prime Target)” B7 “Əv:hraiđsdla (Bad Boy)” B8 “En: Uŋgør E:n (Still Young But)” B9 “Drøi:mør (Dream)” B10 “Rə:dIđ (Knockout)” A5 “Gløg:agjai:Ir/Gluggagægir(Peeper)” [live track] https://youtu.be/CdtDiggfdwo?si=ckS8Lzkn09OBkD8t [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_muLCPD2W_INuLldUdrwCIXLH8WvrDwedo&si=W0joFvwCCP-8jsNG #PurrkurPillnikk #EhgjIEn #Gramm #Punk #PostPunk #Iceland #Sugercubes #ÁsgeirRBragason #BragiÓlafsson #EinarÖrnBenediktsson #FriðrikErlingsson
Post Punk / Punk Gramm 不明Dr K2
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V. A. “Prophecy+Progress: UK Electronics 1978-1990”
これは完全に謎物件でした。買ってから聴いたのかどうかも良く覚えていませんでしたが、発掘しました。副題にもあるように、1978年〜1990年の期間の英国を代表する(広い意味での)電子音楽作品を集めたコンピ・アルバムです。多分、Clock DVAやAttrition, Colin Potter, Konstruktivists等のその手の筋では有名どころが入っていたので購入したと思うのですが、やはり個人的目玉はVice Versaじゃないかな? レーベルのPeripheral Minimalについては、私はよく知らなかったのですが、2013年に英国BristolでJason B.Bernardによって運営されている電子音楽(インダストリアル〜シンセ・ポップやポスト・パンクまで)を扱うレーベルです。今回のキュレーションもBernardがやっているようです。と言う訳で、各参加者/グループと曲を紹介していきます。 A1 Clock DVA “Lomticks Of Time”(1978年)は、Vinyl On Demand (以下VODと表記)から出た"Horology 1: 1978-1980”ボックスセットの中のLP”Lomticks Of Time”から取られています。この時のメンバーは、Adi NewtonとStephen James Turnerです。余りはっきりしたリズムは無く、シンセの通奏低音に、ディレイの掛かったギター(?)の爪弾く音や男性のナレーションが組み合わさった、かなり実験的な曲です。 A2 Vice Versa “Idol”(1970年)もVODから出たLP “Vice Versa”から取られており、メンバーはMark WhiteとStephen Singletonのデュオで、1977年結成のSheffieldのバンドです。結成時には、他にIan GarthとDavid Sydenhamもいましたが、前者2人はABCに加入し、商業的成功も得ています。曲は、The Futureや初期のHuman Leagueを想起するエレ・ポップです。ホワイト・ノイズによるスネアがカッコ良い。 A3 Colin Potter “Number Five”(1979年)は、1970年代後半から活動している実験音楽家/サウンドエンジニアで、ICRレーベルと共に活動し、Nurse With WoundやCurrent 93等とのコラボでも有名です。意外にも、リズミックなシーケンスとメロディアスなシンセからなるエレ・ポップな曲で、Muteから出してそうな音楽です。 A4 Konstruktivists “Vision Speed”(1981年)はは録音時、T.G./CoilのPeter “Sleezy” Christophersonのハーモナイザーを使用。これは、1982年からGlenn Michael Wallis始めたインダストリアル・ユニットで、相方にMark Crumbyもおり、Whitehouseの初期メンバーでもあったとのこと。一転、機械の中にいるかのようなシンセによるインダストリアルな曲で、後半はリズムマシンDR-55も使っています。 A5 Naked Lunch “Rabies”(1981年)は、1979年に、Gary NumanやKraftwerkの影響下で、Paul N. Davies (G, Korg Synth), Mick Clarke (Moog Synth), Tony Mayo (Vo), Clifford Chapman (Roland Synth), Mark Irving (Drs)によって結成されており、Stevoがプロモートしていました。これまた、初期Human Leagueっぽいシーケンサーを上手く使ったエレ・ポップですね。 A6 Five Times Of Dust “Automation”(1981年)はCardiffとBristolで録音されています。メンバーは、Mark Phillips (Organ, Synth, Speak & Spell, Compute-a-tune, Drs Machine, Bells, Metals, G, Bassline, Clock, Toy Piano)とRobert Lawrence (Bassline, G, Fx, Metals, PC, Drs Machine, Toy Piano, Melodica, Synth, Vo, Xylophone)のデュオです。捻くれまくった実験的エレ・ポップ曲で、似ているものはありません。 B1 Schleimer K “Women”(1981年)のメンバーは、Billy Duncan (Sax), Dominique Brethes (Kbd, Drs Machine), Michael Wolfen (Vo), Mark Benjamin (B, G)の4人組です。太いシーケンスと初期Kraftwerkっぽいリズムにシンプルなメロディが重なる曲です。SaxやG/Bは使われていないインスト曲です。 B2 V-Sor, X “Conversation With”(1982年)はCheshireのAlsager大学で録音されており、その時のメンバーは、Alastair Boyle (Drs), Jacqueline Hemmings (Kbd), Alex Newton (Trumpet, Vo), Morgan Bryan (Vo, G)で、1979年末〜1989年まで活動していました。ミニマルなシーケンスとドラムマシンにキャンディーのようなシンセのメロディと男性Voから成るキャッチーなエレ・ポップです。 B3 Attrition “Beast Of Burden”(1984年)は、元々はThird Mind Recordsから出た”The Attrition Of Reason"から抜粋されています。この時のメンバーはMartin Bowes (Vo, Electronics)とAshley Niblock (Vo)とで、Gordon Maxwell (Sax)が客演しています。なお、Attritionは1980年にBowesとJulia NiblockによってCoventryで結成され、現在は、Bowes, Ashley Niblock, Alan Rider, Julia Niblock Wallerがメンバーです。これは!メチャクチャカッコ良いシーケンスに度肝を抜かれるAttrition節のエレ・ポップで、男女混成Voの切羽詰まった感じもグーです。 B4 Peter Hope & David Harrow “Too Hot”(1986年)は、Hackneyからシングル"Sufferhead EP”が出た後に録音されています。メンバーは、Hope (Vo)とHarrow (Synth, Kbd)のデュオです。この曲はLinnドラムマシンを使っているのか?そんな強烈にファンキーなリズムと絡むVoもマッチョです。 B5 John Costello “Total Shutdown”(1986年)は、自主制作カセット"Cantos"から取られています。彼は1980年代中期にカセット2本を出した後、15年後の1996年に、Martin Bowesとのコラボ・ユニットENGRAM名義で”What Am I?”をリリースしており、その後は作品を出しています。割とダークな雰囲気の曲で、エレ・ポップ界のBauhausみたいです、Voはサンプリングなのかな? B6 T.A.G.C. “Further And Evident Meanings” (1986年)はSweatboxからリリースされたEP"ShT"から取られており、その時のメンバーは、Clock DVAのAdi Newton, Robert Baker, Darrell D. D'Silva, Mark Holmes, Barry R.D.L. Harden, David A. Heppenstallです。このグループの正体は、1978年にAdi NewtonとSteven James Turnerによって結成されたThe Anti Group Communications (T.A.G.C.) に始まっており、多次元的な表現方法の開発と発信を目指しており、しばしば音/映像/ビデオ/パフォーマンスを含んだ劇場的演出を試みています。強烈にファンキーで複雑なマシンリズムと途中でのクールオフが面白い実験色濃い曲で、テープ音がコラージュされています。 B7 John Avery “12AM And Looking Down”(1990年のライブトラック)は、元々は1992年にForced Entertainment Theaterの"12am: Awake and Looking Down"の7分ヴァージョンでした。Averyは元々、劇場のパフォーマー/作曲家/サウンド・デザイナーであり、1980年代〜1990年代にSheffieldのバンドHulaのメンバーであり、劇団Forced Entertainmentとのコラボを熱心にやってきました。マリンバのようなリズミックなシーケンスが絡み合うミニマルな曲で、音自体シンプルながらも、アレンジは秀逸です。 とまあ、グループ/アーティストそれぞれな訳ですが、英国縛りと言うのが面白く、また全然知らないアーティストなんかも参加していて、凄く楽しめました。皆さんも、電子音楽に興味が有れば、是非とも聴いてみて下さい‼️ A2 Vice Versa “Idol (demo version)” https://youtu.be/GpxBsjwbsnQ [BandcampのURLを貼っておきます] https://peripheralminimal.bandcamp.com/album/prophecy-progress-uk-electronics-1978-1990 #VariousArtist #Prophecy+Progress #UKElectronics1978-1990 #PeripheralMinimal #Compilation #ClockDVA #ViceVersa #ColinPotter #Konstruktivists #NakedLunch #FiveTimesOfDust #SchleimerK #V-Sor,X #Attrition #PeterHope+DavidHarrow #JohnCostello #T.A.G.C. #JohnAver
Industrial / Electronic / Cold Wave Peripheral Minimal 不明Dr K2
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Eiko Ishibashi & Jim O’Rourke “Lifetime Of A Flower”
今回は、泣く子も笑うEiko Ishibashiこと石橋英子さんと世界を股にかけて日本在住のJim O’Rourkeさんのコラボ・アルバム”Lifetime Of A Flower”を紹介します。もう皆さんはこの2人のバイオグラフィーはある程度知っていると思いますが、恒例に従い、簡単に紹介しておきます。石橋さんは、千葉県茂原市出身の音楽家/作曲家で、2000年〜2010年の間、吉田肇率いるバンド、PanicsmileにDrsで参加していますが、Drs以外にも、Piano, Flute, Vibraphone等の楽器も演奏するマルチ奏者でもあります。一方で、灰野敬二、突然段ボール、山本精一、吉田達也、坂本慎太郎、七尾旅人、町田康、秋田昌美 (Merzbow)、Jim O’Rourke、山本達久、前野健太、豊田道倫、星野源等といったミュージシャンと共演し、セッションもこなしています。映画のサントラ・ドラマの音楽も担当し、2021年には映画”Drive My Car”の音楽も担当。この作品は、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品され、脚本賞、国際映画批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞、AFCAE賞を受賞しており、2022年に石橋さんもサントラ賞を受賞しています。話しが少し前後しますが、石橋さんは、2006年にアルバム”Works For Everything”でソロ・デビューを果たしており、米国レーベルDrag Cityから2013年に、ソロアルバム”Imitation of life”リリースしています。石橋さんは、ちゃんとした曲も出来るのですが、日本のノイズ・ミュージシャンMerzbowこと秋田昌美さんや変拍子ドラマー吉田達也さん或いはK2ことわたくしともコラボをやっており、その音楽的許容量は途轍もなく大きいです。また、Jim O’Rourkeと山本達久とのトリオカフカ鼾やコサカイ・フミオと私とは、スーパー・ノーウェーブ・バンドRNAもやっています。一方、Jimさんは、米国Chicago出身で、現在、日本に住んでいるマルチ奏者/作曲家/プロデューサーで、ジャンルレスに活動したおり、ポスト・ロック、アンビエント、ノイズ、テープ音楽などもこなし、更にはシカゴ音響派と関わり、即興シーンにいた後に、2000年にNYCに移り、そこで数多くの即興音楽グループなどとコラボを行っている一方で、1999年〜2005年には、ノイズ・ロック・グループSonic Youthのメンバーとしても活躍しています。またソロとしては、1997年作”Bad Timing”〜2015年作”Simple Songs”をDrag Cityレーベルから、より伝統的な曲から成る一連の作品のリリースで有名です。2人とも活動の幅が半端ないので、ここら辺で止めておきます。 それで、本作品“Lifetime Of A Flower”ですが、このアルバムは、石橋さんとJimさんがキュレートした20世紀・21世紀芸術祭での独Dortmund展覧会の作品”Flowers”の為に作製された音楽です。この作品では、パラメーターはセットしてありますが、その先のプロセスは制御されていないので、その後どんどん変わってしまう訳です。日本家屋の庭に種を蒔いて、展覧会期間中にその植物が育っていく様子を撮影したのだそうです(間違っていたらごめんなさい!)。本作品は両面とも1曲ずつ(と言うか、多分便宜上2つに分けた?)です。なお、本作品は、2022年4月30日〜9月25日の間に録音されています。それで内容なのですが、先ず感じたのは、全ての音(楽器か非楽器かに関わらず)がフラットに配置され、鳴っていると言うことです。フィールド録音の音も物音もフルートもシンセも全く区別無く、同一空間に配置され、等価の音として用いられているように聴こえます。また、それは決して無機質な感じは無く、有るべくして有る所に配置され、曲自体が一つの生命体のようにも聴取できます。そこら辺がセンスと言うかある種の能力なのだと確信しました。元々がそう言う植物の成長に合わせた音を使ったサウンド・インスタレーションだったのですから。決して、万人受けする音楽ではないですが、この2人にはこう言う面もあるのだと知っておいて良いでしょう‼️なのでマストです❗️ [Live at CAP10100 (Torino) in 21/04/2023] https://youtu.be/SWDL5rs7XLw?si=q4dQao_7EVs8Jv4w [BandcampのURLを貼っておきます] https://eikoishibashijimorourke.bandcamp.com/album/lifetime-of-a-flower #EikoIshibashi #JimO’Rourke #LifetimeInAFlower #Week-EndRecords #Soundtrack #Ambient #Abstract #SoundInstallation #石橋英子
Abstract / Experimental / Soundtrack Week-End Records 2850円Dr K2
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Hastings Of Malawi “Visceral Underskinnings”
この前、ご紹介したHastings Of Malawi (以下HOMと表記)ですが、HOMのアルバムを持っていたことを持っていたことを思い出して、発掘しました。本作品”Visceral Underskinnings”は、彼等のセカンド・アルバムに当たります。Nurse With Wound (以下NWWと表記)のオリジナル・メンバーで1990年代初頭まで在籍していたHeman Pathakと、NWWの1stアルバムにも参加しているDavid HodesとJohn Grieve(によって結成された英国ダダイスト・グループが、このHOMです。彼等のファースト・アルバムでは、1981年のある夜、スタジオで、ドラム、クラリネット、シンセ、ピアノだけでは無く、スタジオに置いてあった古いレコード、料理本、電話帳や電話と言った非楽器も用いて録音をしたとか。彼等のバイオグラフィーは前回、ご紹介しましたので、そちらをご参照下さい。 それで、HOMのセカンド・アルバム”Visceral Underskinnings”ですが、両面とも1曲ずつで、また曲名も記載がありません(ただし、Metalator 1 / Slowly Eric (ゆっくりとエリック) / Idealised Freedom Lament // Metalator 2 / Concrete Voluteとの記載が裏ジャケにある)。と言う徹底振りで、ファースト・アルバムを1981年にリリースしてから、何と35年振りに、本作品でもあるセカンド・アルバムが出されたと言いますから、そのマイペース振り(?)は凄いですね。彼等にとって、本作品は、40分に渡る光源の無い映画(つまり映像の無い映画)であり、電話や電子機器の発達した現代社会における人間の状態を反映させたものであるとのことです。何とそこには、米国初代大統領のGeorge Washington Johnsonの声やMalawiの初代大統領Dr Hastings Bandaの声も使われているらしいです。それらは、コンピュータ音楽とか声の合成とか冷戦時代の各局の放送とか米軍の武器の音とかを録音して、彫刻のようにHOMが30年以上かけて作り上げた作品な訳です。HOMは、サウンド・アートと音楽の交わるグレーな立ち位置に留まっていますが、HOMはその一方に属することを嫌い、またどちらにも良い顔をする訳でもないです。この立ち位置にある作品は、決して聴き易い作品ではなく、聴く者がその意味を解読しようが、解読しまいが関係がないとのことです。と言う訳で、内容の詳細も先述した通り、A面は、物音系の音とか金属製の音の連なりから始まり、古いレコード音へと急変し、電話のコネクターのクリック音や再びの古レコード音、更に、ドローン様の持続音へ。そして、電話交換手の声やプッシュ式電話の音が続き、やがて逆回転や正体不明な物音へと変容し、またまた古いレコード音へ。更に、重い重力音が唸り出し、どんどんと電磁気音へ、更に音響詩の男性の声とテープ操作とオルガン。更に土着民族の踊りや女性ナレーションになり、A面は終わります。B面も、金属製の音や唄いで始まるも、モーター音のような持続音へ。そして、キーボードの即興のような音に急変し、また日本語のナレーションと動物の鳴き声へ、更に、金属製の音へと移ろい、低速回転の男性の声に変容していきます。何かを燃やす音から散歩する音、更に人の声等がブレンドされ、再び、金属箱の音や水音に代わり、段々とテープ操作された人の声とストリングスへと移行、グチャグチャになった所で、罵倒する声や囁き、それに正体不明の物音に変わり、やがて囁くような微音へと落ち着いて終わります。今回、敢えて、内容を具体化して書いていますが、こんなことは無視して、音の万華鏡/紙芝居のようなHOMの音楽を堪能して下さい‼️NWWとの比較も面白いかも? 感じるのはあくまで貴方自身です❗️ Side A https://youtu.be/yz2aSXo1fzI?si=_B6x9muUK3MXvtsE Side B https://youtu.be/36R3X72i26k?si=P9sfCX6l-hiOytE6 #HastingsOfMalawi #VisceralUnderskinnings #SubRosa #PapalProducts #Experimental #MusiqueConcrete #Collage #BritishDadaistGroup #Dada #HemanPathak #DavidHodes #JohnGrieve #NurseWithWound #Telephone #OldRecords
Experimental / Musique Concrete Sub Rosa / Papal Products 不明Dr K2
