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John Duncan + Stefano Pilia “Try Again”
このブツも当時、John Duncanの名前を見かけて購入したアイテムだと思いますが、すっかりどんな音楽だったのか?を忘れてしまったので、今回、再度、聴き直しました。John Duncanについては、既に何回かご紹介したいますので、彼の最近の活動と、今回の相方である伊ミュージシャンStefano Piliaについて、ご紹介したいと思います。Duncanは元々は米国カンサス州Wichita生まれの米国人ですが、1970年代から、LAでLAFMSと関わったり、西海岸で、パフォーマンスやコンセプチュアル・アート・シーンで活動を開始しています。しばしば、彼のパフォーマンスは、権力や権威或いは支配に対するものが多く、例えば、有名なのは「死姦パフォーマンス」で物議を醸し出しています。その後、日本に活動の拠点を移し、海賊ラジオやAQMレーベルを運営、その頃は、短波ラジオの音とビデオとを組み合わせたパフォーマンスをやっています。次に、彼は蘭Amsterdamへ、更に伊Udine、現在は伊Bolognaに居を構えて活動しています。近年では、歌詞を作り、歌を歌うと言った、これまでのコンセプチュアルな活動/作品の真反対の作風になっています。一方、今回のコラボ相手Stefano Piliaですが、彼は、1978年生まれの生粋の伊人で、1995年からBolognaに住んでおり、最初は、パンクやロック・シーンで、ギターやウッドベースを担当していました。即興と電子音響作曲との融合したような音楽をやっていた3/4HadBeenEliminatedを結成し、ソロでも活動していましたが、2008年からはMassimo Volumeと、2010年からはZaireと、その他にもDavid GrubbsとAndrea Belfiから成るBGPトリオやMike WattとA. Belfiとから成るil Sogno del Marinaioともコラボで実験ロック的な活動をやってきており、2012年からは、Rokia Traorèでもギターを弾いています。近年では、ギターやループ、フィールド録音或いは他のアコースティックな音源を使った緻密なドローン作品を作るようになっており、サントラの作製や、演劇や映画、朗読、ダンス或いはヴィデオ・アートのアーティスト達ともコラボをやっており、CDなども沢山出しています。また、David TibetやZ’ev, Rhys Chatamなどなど多くのミュージシャンともコラボをしています。直近ではサウンド・インスタレーションを演っているようですが、Wire誌などでは好評を得ています。 今回は、そんな2人のコラボ・アルバム”Try Again”をご紹介したいと思います。先ず、クレジットを見ると、John Duncan (Lyric, Vo, Mix)とStefano Pilia (Synth, Processed Recording, Mix)となっていることから、やはり、「歌物」と言うことが容易に想像できますね。それでは、各曲を紹介していきます。 A1 “Try Again”から始まる本作品は、多分、バックの茫漠たる霞みのような音像はPiliaによるモノと思いますが、そこに乗っかるハスキーな声で呟くように歌うのはDuncanでしょう。またヴォーカルを重ねて録音したり、念仏のように”Try Again”をひたすら繰り返すのも、何らかの効果を狙っているのでしょう。しかしながら、バックの音には、明確なメロディな無いのですが、何とも言えない哀愁(?)を感じますね。そして、唐突に簡素な打撃音のみで終わります。 A2 “The Reprisal”では、不明瞭なPC音やキックやパルス音と逆回転ヴォイス、更にはオルガンなどが絡み合って、活き活きした曲となっています。また、Duncanのヴォーカルも重ねて多重録音されており、これが摩訶不思議な効果を醸し出しています。 B1 “The Sellout”は、テープの低速回転と逆回転とから始まり、どんどん空間が捻れていきます。そして、ハスキーなヴォーカルが今度はメロディアスに歌い上げています。 B2 “Obsolete + Comeback”は、シンセ音の多重録音で始まり、その途中途中にエフェクト処理されたヴォーカルが挿入されてきますが、段々とスペーシーになったと思ったら、またもや朗読のようなヴォーカルとバックの煙のような音塊がくんず外れず絡み合っていきます。 B3 “Fare Forward”も、A1のようにまたまた茫漠たるバックの音とそれに寄り添うようなコーラス、そうして、語りのように一つ一つの単語をハッキリと発音するヴォーカルが入ってきます。もうここまで来ると泣けてきますね。本当に悲しい曲です。最後はコーラスでしんみりと終わります。 ここに来て、何故、John Duncanが歌物を始めたのかは、寡聞にして知りませんが、何か考えがあるのでしょう。元々、コンセプトをしっかりと立てて、パフォーマンスをするタイプのアーティストなので。しかも、歌詞はゆっくりで、発音もハッキリしています。これにも何か意図があるように思います。そんな謎解きを含めた面白い作品だと思いますので、近年のJohn Duncanのことを知りたいのであれば、是非聴いて、謎を解いて下さい‼️ *アルバム各曲のYouTubeのURLを貼っておきます。 A1 “Try Again” https://youtu.be/q7KIgkPGy9A?si=kaV0q_UkJG3DvwTW A2 “The Reprisal” https://youtu.be/0v2fCSb8Vlg?si=FSXgD6ujgt4d23CU B1 “The Sellout” https://youtu.be/l3IV-mcIIL8?si=PBvFBHBcMM8Z27MJ B2 “Obsolete+Comeback” https://youtu.be/5miJNdl4g5w?si=5yOBXQ_CWTPBkO3p B3 “Fare Forward” https://youtu.be/MSAS48YufOE?si=-SeZyCzt29TM-piE [BandcampのURLを貼っておきます] https://mapledeathrecords.bandcamp.com/album/try-again #JohnDuncan #StefanoPilia #TryAgain #MapleDeathRecords #US&Italy #Bologna #CollaborationAlbum #Noise #歌物 #Experimental #ConceptualArtist #Vocal #Lyrics #RockScene #SoundInstallation #Synthesizers #SoundProcessing #DarkAtmosphere
Experimental / Vocal / Noise Maple Death Records 不明。Dr K2
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Deutsch Amerikanische Freundschaft “D.A.F.”
独逸のDeutsch Amerikanische Freundschaft (以下、DAFと表記)が自らのバンド名の略称を冠したセルフ・コンピがこのアルバム“D.A.F.”です。まあ所謂、ベスト盤的なものと考えて貰えれば良いでしょう。DAFの作品については、これまで何度も書いていますので、バイオグラフィーはそちらを参考にして下さい。まあこれを購入したのは、名曲”Der Mussolini”と ”Kebabträume”が共に収められていたからだと思います。特にGabriel "Gabi" Delgado-López (Vo)とRobert Görl (Drs, Perc, Electronics)になったばかりの彼等の人力テクノ(?)な演奏は勢いがあって、凄いですね。マシン・ビートに生ドラムと、セクシーと言うよりエロいVo、この組み合わせはコペルニクス的転換です。或いはピンチがチャンス的変化は凄いです。このシーケンスの組み方に彼等独特のフレージングがあり、多分それが2人にとって最もやり易かったのでは?と想像します。どの曲もDAFが好きな方なら一度は聴いたことがある名曲ばかりですので、ベスト盤と考えて良いでしょう。なので、初心者のリスナーさんにもお勧めです。 “Kebabträume“ https://youtu.be/KV6NnB7CuX0 “Mein Herz Macht Bum” = “My Heart Goes Boom” https://youtu.be/pOJKf66QYQI #DeutschAmerikanischeFreundschaft #D.A.F. #VirginRecords #ベスト盤 #GabrielGabiDelgado-López #RoberGörl #Sequencer #Drums #Vocal
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Virgin Records 不明。Dr K2
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V.A. “Conspiracion”
久し振りにスペイン物を。と言う訳で、スペインのJuan Teruel Garcíaが運営していたDiscos Proceso Uvegrafから、第一弾としてリリースされたスパニッシュ・アンダーグラウンドのコンピです。知っているのはEspentor Geometrico (EG)位ですね。因みにこのレーベルとその前にGarciaがやっていたCassettes Proceso Uvegrafと合わせても1985年ー1986年の間の活動で、その他に2017年に1枚、2019年に1年に1枚LPを出しているだけの短命レーベルです。それでは収録グループと曲を紹介していこうと思います。 A1 Uvegraf “Refractiva Ocular. Expo N.° 1” レーベルオーナーのソロユニット。バックの音は初期EG直系のインダストリアルにTGのPeter Christopherson紛いのテープの挿入あり。 A2 EG “Comisario De La Luz V.”知らずと知れたスペインの機械偏執狂Esplendor Geometrico。はっきりしない不明瞭なリズムを刻むリズムボックスから成る簡素でミニマルなインダストリアル。流石、元祖EG節❗️ A3 Recursos Ajenos “Como Quieras” Merzのアーティストのソロ名義。リズムボックスと緩やかなシンセの音色が堪らん❗️ A4 Interaccion “Claroscuro” Jose Luis Iruretagoyena (Synth, Drum-machine)とCarmen L. Fernandez de Velasco (Vo, Synth, G)のデュオで、1980年代中盤までMadridでアクティブであったとのこと。BossのDr-55にメロディアスなシンセが絡む。 A5 Juan Teruel García “Claustral (C.S.A.T.)” レーベルオーナーの本名名義。こちらはシンセによるアンビエントで、ビートレス。こう言うこともできるのね。 B面に行きます。 B1 Ejumboeke “Heliophore” Hector Hernandezのゾロユニット。今ならEmeraldsにも匹敵するようなデジタル・シンセによる即興アンビエント。時にテープ音や展開が入るアブストラクトな音楽。 B2 Luis Mesa “Hot Wheels” Merzのアーティスト(?)。これまたシンセによる、余り展開の無いアブストラクトな音響音楽。クラウトロックっぽいが、それ程冷徹では無い。 B3 La Otra Cara De Un Jardín “El Canto De Las Silfides” Francisco Felipeのソロユニット。シンセを使った即興演奏のようなウニョウニョした曲を披露。 B4 Depósito Dental “Noche Cansada” Pedro Garhel (Vo,Kbd)とRosa Galindo (Vo)のデュオ。スペインのSuicide!? ミニマルな電子音に呻くようなヴォーカルが乗っている。 B5 II Epoca Del Hombre “Estado Natural De Comportamiento” Christina Barrera, Jesús Chacón, Miguel Box, Roberto Loyaの4人組。Christinaの冷たく狂ったようなスポークン・ワードと男性の怒号に導かれて、生ドラムと思われるリズムが入ってくる。バックには他に爪弾かれるギターや極少数な電子音も! まあ、このように一時的にユニット名や本名名義も多くで、まあ、サンプル盤としては興味深いのですが、何かEGの真似っこみたいな曲が多いなあと言う印象です。ドメスティックにやるのであれば、もっと地方からも音を集めて、色々なスタイルのバンドもコンピに入れて欲しかったので、少々残念なところですね。でもこの時期のスペイン(或いはマドリッド)の地下音楽を知るには良いと思われますので、そこら辺を知りたい方は是非入手してみて下さい。 Interaccion “Claroscuro” https://youtu.be/0v2EUa3kDxw #VariousArtists #Conspiracion #DiscosProcesoUvegraf #SpanishUndergrounds #Compilation #Uvegraf #EsplendorGeometorico #RecursosAjenos #Interaccion #JuanTeruelGarcía #Ejumboeke #LuisMesa #LaOtraCaraDeUnJardín #DepósitoDental #IIEpocaelHombre
Industrial/ dark wave / Experimental Discos Proceso Uvegraf 不明。Dr K2
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Ryoko Ono, Hiroki Ono & Yuko Oshima (学生実験室) “碧山 (Hekizan)”
これは、先日、ライブで知り合った小野浩輝さんとの交換で入手したレコードでありますが、この「学生実験室」と言う名称はちょっと前からSNS上で聞いていたので興味を持っていたのです。この「学生実験室」と言う名称で、Discogsでは違うものが出てきますので、類似品に注意です。それでメンバーは小埜涼子 (Sax), 小野浩輝 (Electronics), 大島祐子 (Drs)から成ります。詳細な情報は殆どありませんが、1998年結成の名古屋のパンドと言うこと、他にこのバンド名でのリリースは無いと言うことです。大島さんのサイトに少しだけでありました。結成当初は、3人でスタジオに入ったりして、ライブもやっていたとのことですが、2000年以降、大島さんが渡仏してからはライブは他のアーティストを誘って時々やっていたようです。そして、2006年に活動ストップ宣言をしています。しかしながら、2014年に、当初のメンバーで学生実験室として録音物を作製しようと言うことになって、2016年にアルバムを1枚出しています。それがこの「碧山」です。バンドは日本ツアーや欧州ツアーを2017-2018年に計画していたみたいですが、本当にやっているのかどうかは確認できませんでした。なお、メンバーの小埜さんは、ドラマーの吉田達也さんのデュオSaxRuinsやインキヤパ/非常階段のT.美川さんのとのデュオなどでも有名な日本屈指のサクソニストでもあります。 それで内容ですが、SaxとDrsだけなら、まあ、よくある即興演奏になるところを、小野さんのelectronicsが加わることで、単なる即興演奏以上のメタ・インプロの如く、異化作用を及ぼしています。また恐らくはミックスやマスタリングを担当したいる小埜さんのポスト・プロダクトしたと思われる部分もあることから、単に即興演奏の実録ではないなぁとも思います。今や、録音の編集も可能になってはいるので、今までの「即興」以上の領域にじわじわと広がって行っている証だと思います。ドレミの音階のあるのにフリーキーに吹かれるSaxとビートを刻まない自由なDrs、それに加えて、色々な音を生成していく電子音、どれもが違う方向を向いている方向は違うのに、出来た音楽に一体感のあるようになっているところは流石だと思います。ここら辺のアイデアは東西の間に位置する名古屋独特の文化と言うか折衷性と言うか、自由度の高い発想だと感じます。いま、名古屋が熱い❗️そう確信させる1枚だと思います。大変面白い音楽なので、是非是非、聴いてみて下さい。新しい「即興演奏」を発見できるでしよう!因みにジャケのアートワークは小埜さんによるものです。またCDもあるので、レコードプレーヤーがなくても、CD、プレーヤーでも聴くことができますよ。 “AAN” https://youtu.be/VAWnFUS-xkg #RyokoOno #HirokiOno #YukoOshima #GakuseiJikkenShitsu #学生実験室 #碧山 #Hekizan #BamBalamRecords #Sax #Drums #Electronics #Improvisation #PostProduction #Nagoya
Experimental music / Improvisation Bam Balam Records 不明。Dr K2
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V.A. “Tribute To MSBR”
2005年7月31日に彼は亡くなった。その年の4月に彼の運営するノイズ/実験音楽専門店「テンザツ・コム」に妻と一緒に会いに行ったのですが、後で、妻が「なんかひどく疲れてるみたい」と言ってきた。もうその時には大腸癌は進行していたのだなと後からそう思いました。その人物は、元々、四国の松山でエンジニア/会社員として勤めていた田野幸治さんでした。1997年に東京に居を移し、1990年初頭より続けてきた、自身のノイズユニットMSBR (Molten Salt Breeder Reactor)で活動するだけではなく、海外からのノイズ系ミュージシャンやグループの招聘や国内でのサポートやツアーを始め、ノイズ専門誌「電子雑音」を発刊し、国内のノイズシーンの拡大だけでなく、自身もMSBRとして海外ツアーもやっており、その為に、脱サラして先述の専門店まで開店した人物です。個人的にも歳が近かったこともあって、生前は仲良くしてもらいましたし、蒲田のスタジオ80(オッタンタ)でよく企画をして一緒にやったりもしていました。ただ私は2002年に仕事の関係で、市川から大阪→静岡と移っていた為、告別式に出席できなかったのは大変悔やまれるところです。また、彼は漫画(特に金融ものや893もの)も好きで、自身でも描いていました。それとプロレスも好きでしたね。そんな田野さんのやっていたMSBRへの追悼盤を作ると伊のUrashima(浦島)から連絡をもらい、確か、既にリリースされているMSBRの音源を使って、それぞれが新しく曲を作ると言う企画だったと思います。それで、参加者とその曲を紹介していきます。A1 Macronympha (米)はテープのループ音と共に分厚い歪んだ電子ノイズを放射。A2 The Haters (米)はチリチリしたノイズの上にテープ音源と思われる伸縮自在なノイズが被る、いつもとは違う純度の高い曲。A3 SRS (伊)は、純粋な電子音が明瞭な構造を持って提示したおり、歪みは殆ど無い電子音楽です。B1 Government Alpha (日)は、非常にダイナミック・レンジの広いシンセ音を上手く組合わせた上質のノイズ作品で、まるで電子音が生きているかのよう。B2 K2 (日)は、変調したMSBR音源やシンセやフィードバック音を無秩序にカット・アップ・ミックスしたストップ&ゴーな曲。B3 Richard Ramirez (米)も重々しく分厚い音像で、HNW的なアプローチ。上記のアーティスト/グルーブ以外にも田野さんにお世話になったり、関係が深い人達も沢山いた訳ですが、まあ浦島のレーベル・カラー上、この様な絞ったメンツにはなってしまったんだろうと思います。もし、上記のアーティストやグルーブに興味があったり、MSBRってどんなユニットだったのだろうと思ったりした方は、是非とも入手して下さい! 本作品は音源がなかったので、MSBRと参加者の中でコラボ作品があるものを2作品チョイスしました。 MSBR & Richard Ramirez “Sonic Aggression” https://youtu.be/RzI2EyRX8o0 MSBR/Spykes/Government Alpha “Tano Forever” https://youtu.be/EXnDE-J9MUU #VariousArtists #TributeToMSBR #Urashima #Compilation #HarshNoise #KojiTano #MSBR #Macronympha #TheHaters #SsheRetinaStimulants #GovernmentAlpha #K2 #RichardRamirez #追悼盤
Noise Urashima 不明。Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
これは!ATA TAK、最強の2人、Andreas DorauとHolger Hillerのコラボ作!見つけた❗️地味なジャケだったので、気付かなかったよぉ。今、小柳カヲルさんの「クラウトロック大全」で調べたら、DorauはHillerにギターを習っていたとのこと。ビックリです。じゃあ、これは師弟対決(?: まあ、対決ではないですが)❗️読みにくい独逸語のライナーが裏ジャケにあるのですが、細か過ぎて読めません。どうも、両面とも一種のオペラとか歌劇のようです(ホントは良く分からないですが)。配役はJohnnyがAndreas Dorau, HosenchorがJochen Liedisch (& Moritz Reichelt, Hagar Groeterr), LucyがClaudia Kaloff or Erica Kochs, Die HoseがHolger Hiller, Der TeppichがSol Rubioとなっています。あ面とB面でやや配役が代わっています。取り敢えず、少々調子っ外れなメインVoはオペラチックに歌うと言うか抑揚を付けて喋ると言うかなんですが、バックの演奏がもう、Hiller丸出しの複雑怪奇或いは荒唐無稽なアレンジで、そこにスパイス的にDorauが味付けしていると言った感じでしょうか? で、出来上がったのが、この”German New Opera”とも言うべき破茶滅茶な歌劇ですね。 確かにストリング・シンセなんかの使い方はまだクラシックのような面もありますが、個々の音は、Hiller的に分断された音をサンプリングして切り貼りしているようです。企画ものかもしれませんが、ほんと面白い内容になっています。7㌅シングルもあるみたいですし、ジャケ違いもあるようですが、この一枚、持っていても損はないです。そんな一枚ですね。 https://youtu.be/iHXL-s6TnZA #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermsnNewWave #ModernOpera #Avant-Opera
Neue Deutche Welle (German New Wave) ATA TAK 不明。Dr K2
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Mars “Mars Archives volume three: N.N. End”
いよいよMars祭りも終盤になってきました。アーカイブの最終章第3弾は”N.N. End”です。この作品は少し遅れてリリースされましたが、Marsのメンバーで、このシリーズのキュレーションをやっているMark Cunningham の言葉を借りると、1978年6月にBrian Enoがプロデュースした”No New York”がリリースされていますが、その時には既に方向性を変えていて、同年12月リリースのMars EPに向けて、よりディープで、より実験的で、より抽象的な方にシフトしていたそうです。本作品のA面は、Max’s Kansas Cityでの7月12日でのライブ録音です。No New Yorkの曲も演っていますが、よりダークな方にアレンジし直していますし、また新曲も演奏されていまます。同年8月中旬でのIrving Plaza (既に紹介済み)でのライブではまだ新曲は披露されてはいませんでした。そして、同年12月のEPリリースの直前に行ったMax’s Kansas Cityでのラスト・ライブでは披露していましたが、録音されたテープは歪みまくって酷いものであったので、それをこのアーカイブには加えることが出来ず、その7月12日のライブ録音を使ったと言うことみたいです。その際.に”Fractions”や”Outside Africa”と言った新曲もまたその頃になると、NYCの地下音楽シーンにはダンス・ミュージックやクラブ・ミュージックが浸透してきたのも要因だったとのこと。A面もB面もラジカセで録音されてますし、それ程、違和感はないので、両方ともこのアーカイブに入れたとのことです。それでも、特にB面は聴きどころですね。 A1 “Puerto Rican Ghost”はやや粘着質な各楽器の絡みでショート・ヴァージョンになっています。A2 “RTMT”は呪術のようなVoが、縦方向に律動する楽曲の中を通り抜けるようなアレンジになっています。A3 “Cairo”は割とタイトな演奏ですが、やはり短目のアレンジ。A4 “Fractions”は新曲で、録音の為かもしれませんが、機関車の様なミニマルな曲です。やはり短目。A5 “Tunnel”はこれまでの録音の中で最も殺気立っているように聴こえます。特にSummerのVo❗️A6 “Hairwaves”はいつもよりも重た目の演奏で、不穏な曲調になっていますが、曲は短くなっています。“Outside Africa”も新曲で、意外とバックの演奏はミニマルですが、雰囲気としては、もう混沌の海の中、或いは幻覚を催すような熱帯夜で、Chinaが叫んでいるかのよう。 では、B面にいきましょう。B1 “N.N.End”は壊れた掃除機のようなギターのノイズの中で、Sumnerの引き攣るようなヴォーカリゼーションが悲鳴をあげている様です。とするとMarkがトランペットかな? B2 “Scorn”は、Nancyのドコドコしたトライバルなドラムに象などの野生動物の鳴き声のようなトランペットらしき音が主役になつています。B3 “Monopoly”淡々としたドラムにツインVoが呪文の様にも聴こえてきます。それにしてもNancyのドラムは味があるなぁ。B4 ”Immediate Stages of the Erotic”では、アンプに繋いであるシールドを指で触った時のノイズ音でリフを作り出している実験的(?)な曲。もうGもBもVoも成立させない「アンサンブル」の如しで、Drsだけで辛うじて「楽曲」になっているようです。 A面の今までもレパートリーはどれも短めにアレンジしてしてありますが、B面のリハーサル・テープではもはやバンドと言う概念を覆すかどうかの瀬戸際でせめぎ合っているかのような危ういバランスで演奏されています。バンドが解散することになるのも然もありなんと言うところでしようか? いやーこんなにMarsばっかり聴いてると、頭、おかしくなりそうです。でも、この作品は後期Marsの貴重な記録なので、Marsファン(っているのかな?)は必聴ですよ❗️ https://marsnowave.bandcamp.com/album/mars-archives-volume-three-n-n-end #Mars #ArchivesVolumeThree #FeedingTubeRecords #N.N.End #NoWave #NoNewYork #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #Fractions #OutsideAfrica #Scorn #Monopoly #ImmediateStagesOfTheErotic
No wave Feeding Tube Records (Negative Glam) 不明。Dr K2
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Mars “Mars Archives volume two : 11000 Volts To Tunnel””
またまた、大好き!Marsのアーカイブシリーズ第2弾 “11000 Volts To Tunnel”です❗️この中期辺りが最も油がのっていた頃ではないでしょうか?既に何度も紹介してきていますので、もう野暮なバイオグラフィーは省略しますよ。一応、メンバーだけ書いておきます。Sumner Crane (G, .Vo), China Burg (G, Vo), Mark Cunningham (B, Vo), Nancy Arlen (Drs)の鉄壁の4人です。それで本作品は、1978年の2月5日(A1-A3)及び3月29日(B1-B5)のCBGBと1978年の4月25日のMax’s Kansas City (A4-A7)でのライブをカセット録音されたものをコンパイルしたライブ・アルバムです。キュレーションは、生き残りの1人Mark Cunninghamが行っており、マスタリングもされて、カセット録音ながら、音質も随分とマシになっています。この中で、”Cairo”とら”RTMT”の2曲はスタジオ録音された方がなかったらしいですが、このアーカイブアルバムには、先述の2曲の他に、彼等のファースト・シングル(“3E”と”11000 Volts”)とコンピ・アルバム”No New York”に収録された曲で構成されています。A1 “3E” Velvet Underground (VU)の影響が感じられるノリの良い曲。ここではややダウンテンポしているかな?A2 “Helen Fordsdale”はスライド奏法の痙攣ギターとギチギチと刻む金属質なギターのコンピネーション及びSumnerのVoが凄い。A3 “Cairo”は、珍しくベースとドラムがしっかりとした曲ですが、呪文のようなSumnerのVoとの対比が興味深いです。A4 “11000 Volts”も混乱したようなVUの影が聴取できる曲。A5 “Hairwave”はカオスな演奏なのに、アルバム・ヴァージョンと大差がないのが、逆に凄いです。Chinaの虚なVoもグー。そのままA6 “RTMT”に突入します。この曲では弾けるようなリズムにも関わらず、SumnerとChinaのツインヴォーカルがズレまくってて、逆にカッコいいです。A7 Puerto Rican Ghost”はコンピ・アルバムの中でも全パートがズレまくっていた曲を再現しています。最後に観客の拍手がありますが、恐らく10-15人程度ではないか?と思われます。B面5曲は先述のようにCBGBでのライブ録音です。B1は“11000 Volts”ですが、こちらのテイクの方がベースが聴いていて、カッコいいかな? B2 “3E”ですが、混沌としてはいますが、やっぱりカッコいいです。B3 “Cairo”はこちらの方が、曲の輪郭がハッキリしてますね。客のノリが凄い❗️B4 “Tunnel”はアルバムよりも(Summary のVoを除くと)整然としている感じですが、これぞNo Waveな一曲ですね。B5 “Hairwaves”は虚なChinaのVoに切り裂くようなギターやドラムなどが絡んできます。しかしながら、これでちゃんと終われるのも凄いです。また観客の盛り上がりも凄いです❗️初期から中期のMarsを知るには本作品は最適ですので、是非とも聴いてみて下さい! https://marsnowave.bandcamp.com/album/mars-archives-volume-two-11000-volts-to-tunnel #Mars #MarsArchives:VolumeTwo #11000VoltsToTunnel #FeedingTubeRecords #LiveAlbum #NoWave #3E #HelenFordsdale #Cairo #11000Volts #Hairwaves #RTMT #PuertoRicanGhost #Tunnel
No wave Feeding Tube Records (Negative Glam) 不明。Dr K2
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Mars “Live At Artists Space”
私の大好きなNo Wave Band、それがMarsです。これは、No Waveの教科書的コンピ”No New York”を聴いた時に、訳が分からず、本当に頭で理解することが最も困難であったバンドだからです。確かにJames Chance & The Contortionsはカッコいいんですが、Marsは最後まで理解出来なかったけれども、どこか頭の中にこびりついていたサウンドを奏でるバンドだからです。メンバーはSummer Crane (Vo, G), China Burg (G, Vo), Mark Cunningham (B, Vo), Nancy Arlen (Dr)と言う当たり前のような4ピースのバンドにも関わらず、出してる音楽は殆ど「音楽」とは言えないものであった訳で、後々になって、彼等はVelvet Undergroundに近い立ち位置にいたのだなと思えるようになりましたが、Marsはそれを無意識的に演っていたんだと思います。まあ、ここら辺のことは、語り出すと止まらなくなるので、ここら辺にしておきますが、本作品は1978年5月6日に、NYCのArtist’s Spaceで行われたライブを、2種類のカセットレコーダーで録音したものをそれぞれSet OneとSet Twoとして収められているアルバムです。Set OneはNakamichi 550で、Set Twoはバイノーラル録音機の模造品で録音されています(それ程変わらないようにも思えますが、Set Twoの方が生々しいかな?)。曲は名曲”3E”のような初期の曲から”Tunnel”や”Puerto Rican Ghost”のNo New York期までの持ち歌が収められています。珍しくノリの良い”3E”で始まり、激しいぶつかり合いの”Cats”〜ややダウナーな11000 Volts”へ。更には緊張感マックスの有名曲”Helen Fordsdale”へ。未発表曲(?)で彼等の独特のアンサンブルが聴ける”Cairo”から、これまたギターとは思えない”Tunnel”。そして鬱々たる雰囲気の強い”Hairwaves”からのツインヴォーカルが特徴的で皆んなバラバラなアンサンブル”Puerto Rican Ghostで締めています。やっぱり、最高のAnti-ensembleですね。よだれが出てきます。曲目は良いのですが、Set oneとSet twoが録音違いだけなので、少し、マニア向けかもしれませんね!それでも聴きたい方は是非! https://youtu.be/AupQ2LHbmWs #Mars #LiveAtArtistsSpace #FeedingTubeRecords #Recording #LiveAlbum #SumnerCrane #ChinaBark #MarkCunningham #NacyArlen
No wave Feeding Tube Records (Negative Glam) 不明。Dr K2
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Asmus Tietchens “Geboren, Um Zu Dienen”
独逸の電子音楽/実験音楽の生き証人にして多作家Asmus Tietchensが、何と!あのスペインのDiscos Esplendor Geometricoがからリリースした作品”Geboren, Um Zu Dienen”が登場です。Asmusの場合、どこから出しても驚かないですが、これは盲点でた。彼のバイオグラフィーは前回、書いてありますので、そちらを参考にして下さい。今回は、スペインのインダストリアル・マスターEsplendor Geometricoのレーベルからと言うことなのか、全体的に無機質で所謂「インダストリアル」な音作りをしています。ホワイトノイズを用いたリズムや機械音を思わせるシンセ、ループし、律動するシーケンスなど、徹底していますね。またB4には童謡「蝶々」のカバー”Deutsches Kinderlied”が入っています。Asmusは活動歴が長過ぎて、かつ電子音楽なら何でも出来るスキルがあるので、時代時代や作品によって内容が異なることから、どうも正体が掴み辛いです。そう言う理由からか、日本では今ひとつ人気が無いようにも思えるのですが、どうなんでしょう?(因みに私が初めて聴いたのは、全編、カセットテープのスクラッチ音だけからなる作品でした) 今回のタイトルは「生まれよ!奉仕する為に!」と言う意味深なものですが、どうなんでしょう?ジャケ写の胎児のミイラに関係あるのでしょうか? そんなことを夢想しながら聴くのも面白いかも。独逸電子音楽界において、作品量やそのクオリティではAsmusとConrad Schitzlerはやはり別格ですね。あっそれから、Asmusの絶対信頼を受けているプロデューサーOkko Bekkerは本作でも関わっています。もし、インダストリアルと電子音楽とのミッシングリンクに興味がある方は、是非とも聴いて欲しい一枚です。どうですか? “Mein Erstes Erlebnis” ~”Zu Viele Dicke Kindern” https://youtu.be/gY0Uzlh-iUI “Zweites Maschinentraining” https://youtu.be/7e1Q6G72wPQ #AsmusTietchens #Geboren,UmZuDienen #DiscosEspledorGeometrico #Industrial #ElectronicMusic #Rhythm #MissingLink #OttoBekker
Electronic, Experimental / Industrial Discos Esplendor Geometrico 不明。Dr K2
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K2 / Hakobune “Disambient”
ええっ〜‼️K2とHakobuneが一緒にぃー❗️と言う訳で、今回もまた、自分関係のレコードを紹介します。因みに、この作品はコラボではなく、スプリットです。K2についてはちょっと前にも書きましたが、この頃のは第3期K2の時期で、なおかつミキサーのフィードバックを使っていた頃の録音です。強いて言うならば、第3期初期〜中期と言うところでしようか? 一方、Hakobuneは、今や世界中のカセットをいち早く入荷して、日本のカセット・カルチャーを牽引しているTobira Recordsを店主依藤貴大 くんのソロユニットのことです。彼は、アンビエント作家として、2007年頃より、今までに膨大な種類の作品(主にカセット)を世界中のレーベルからリリースしています。そんな依藤くんと何でスプリットを作ろうと思ったのかはよく覚えていないのです。その結果は、まあ当然と言えば当然ですが、K2サイドはもろノイズ・ミュージックを、Hakobuneサイドはゆったりとしたアンビエントを収録しています。また両A面仕様で、ジャケもそれぞれ別のレーベルがジャケのデザインを担当しています。それで、内容をもう少し掘っていきますが、先ず、K2サイドはミキサーのフィードバック・ノイズ(junk electronics)を中心に、生ピアノや電子ヴァイオリンを用いたラウド・ノイズから成る曲”Medal Merq Mehre”(このタイトルは当時、夢に出てきた文字を羅列したものです)を収録しています。この時期はピアノを取り込むことが多かったですね。一方、Hakobuneサイドは、ベースとエフェクターを用いたゆったりと沈み込むようなアンビエント曲”Hange-Ame (半下雨)”を収録しており、さながら、深海に潜っていくような感覚になってきます。お互い、スタイルの違いはあったと思いますが、音楽に真剣に向き合うと言う点で一致していたものと考えます。そんな再生時に音量設定に困るような作品ですが、もし見かけたら、聴いてみて下さい。現物は300部限定です❗️そしてTobira Recordsにも行ってみよう(と言いながら私もまだ行っていないw)❗️ Hakobune / K2 https://k2music3.bandcamp.com/album/disambient #K2 #Hakobune #Disambient #UndergroundPollutionRecords #AutisticCampaign #IkebukuroDada #RohsProd #Anarchofreaksproduction #Pianoise #Cut-UpLoudNoise #Bass #DeepAmbientMusic #SplitAlbum
Noise / Ambient Underground Pollution Records / Autistic Campaign / Ikebukuro Dada / Rohs Prod / Anarcho Freaks Production 不明。Dr K2
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Frieder Butzmann Und Laurence Nagana ”Bunte Flügel”
独逸ニューウェーブ界(NDW)或いは独逸実験音楽界の名匠ことFrieder Butzmannが、Laurence Naganaと一緒にリリースしたカセット・ファースト・アルバムのLP再発盤です。実に19年も経っての再発です。Frieder Butzmannについては前回も紹介していますので、そちらを参考にして下さい。録音されてのは、1969年から1979年にかけて、Laurence Naganaの力を借りて作り上げています。内容ほ凄まじいの一言。奇想天外な音楽て、音の偏執狂的コラージュ、へなちょこなサックスやピアノ、それに自身のすっとん狂なヴォーカル、兎に角、アイデアをそのまま勢いで録音したであろう産物です。もう表現せずにはいられなかった衝動がビンビン伝わってきます。リマスタリングされているのか、音はかなりクリアです。まあLaurenceの役割はよく分かりませんでしたが。私なんかは、こう言う道を外した音楽を作れませんので、もうただただ驚愕するばかりです。なので、皆さんも、実験的なポップミュージック(?と言って良いか?よく分かりませんが)に触れてみたいのであれば、このアルバムはマストですよ❗️ ちょっと探しましたがYouTubeには本作品はなかったので、同時期の他の動画を貼っておきます. https://youtu.be/Qq95wV6oOEs #FriederButzmann #LaurenceNagana #BunteFlügel #Reissue #Eisengrau #FirstAlbum #WeirdPopMusic #ExperimentalPop #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #BrokenMusic
Neue Deutche Welle (German New Wave) Eisengrau 不明。Dr K2
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Meilsnaar “s/t”
これまた謎物件❗️Meilsnaarの登場です。とは言っても良くは分からなかったので、少し調べてみました。Meilsnaarは、SanairとUnderground Pollution Recordsを運営しているVivian Grezzini(男性です)ことEcoute La Merdから成るデュオがMeilnaarとのことです。この作品は、彼等にとっての初のLPになりますが、同時に最後のLPでもあります。ただ、これ以上の情報は見つけられませんでしたので、もし何か知っている方がいれば、教えて下さい。 と言う訳で、本作品の内容についてですがDiscogsの表記では2曲入りなんですが、レコードの裏ジャケに書いてあるのはどうも3曲っぽいんですよ。ただ曲名もないので、詳細は分かりませんが、、、。その3曲とらいうのは、(1) ギター, ホームメード楽器, シタール、(2) Loops, Vintage Synth, Effects, (3) ギター, Vintage Synth, Effectsと言うことみたいです。しなしながら、レコードを聴いても2曲のように思えるんですけど。そして曲の方は、ダラダラと続く不穏なシンセの音やギターやメタパーっぽい音が付かず離れずまとわりつく感じと言えば良いのでしようか。アンビエントとしては何かしらの悪意を感じますし、かと言ってハーシュ・ノイズでもないです。アブストラクト・ノイズと言えば良いのかな?ここら辺はまだ整理されていないところもありますので、ジャンル分けは難しい、或いは大した意味がないですが、録音物を探す際に一つのメルクマールになると思われますね。そんな抽象的な中庸の音楽が好きな方は、聴いてみてもよいかも?パンチは無いけど、貴方をトリコにする魅力はあるかも! 本作品はYouTubeになかつたので、彼等のライブ動画を貼っておきます。 https://youtu.be/5RdJCqUCZcU #Meilsnaar #Fragment #UndergroundPollutionRecords #Sanair #VivianGrezzini #Guitar #AnalogSynth #HandMadeInstrument #Effects #FrenchDuo
Electronic music Fragments & Underground Pollution Records 不明。Dr K2
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Felix Kubin “Jane B. ertrinkt mit den Pferden”
脅威の天才実験ポップアーティストFelix Kubinの10㌅EPです。Felix Kubinはここでは初出ですかね? と言う訳で、先ずは彼のバイオグラフィーを簡単に。彼の音楽歴は8歳の時唐始まっており、その時にはピアノとオルガンを使っていました。その後、1992年〜1996年はハンブルク応用科学大学(Hochschule für Angewandte Wissenschaften),で、ドローイング、サウンド・インスタレーション、ビデオ或いはアニメについて学んでいたそうです。それで、DAADの科研費を取り、1年間オランダのAetEZのメディア・アート学部に留学しています。それで話しを戻すと、12歳の時に、彼は、シンセ、オルガン、ヴォイス、ドラムマシンを使って最初の録音を始めます。その2年後、彼は4トラックMTRを試すようになり、1983年には、Stefan Mohrと共にDie Egozentrischen 2と言うバンドを結成します。彼は、Zick Zack RecordsのAlfred Hilsbergに見出され、Alfredの関係するライブ・イベントに参加するようになります。この時に宅録した曲などを集めたセルフ・コンピレーション・アルバム”The Tetchy Teenage Tapes of Felix Kubin 1981–1985”が、その後になって独レーベルA-Musikよりリリースされています。1990年代となると、Felixはノイズとかで曲を作り始め、彼のバンドKlangKriegと共に多数のアルバムをリリースしていきます。また、1992年から1994年の間、彼はLiedertafel Margot Honeckerと言うダダ系の合唱団(?)に参加しています。そして、1998年に彼は彼自身のレーベルGagarin Recordsを始め、その頃から、彼の音楽はアヴァン・ポップ路線に変わります。その数年間は活動の幅を広げ、新しいラジオの形式や室内楽オーケストラと電子音楽の為の作曲などに集中していきます。加えて、音楽関係の本、アルバム、ワークショップ、公演などと多忙を極めます。なんでも100本以上のの国際音楽/マルチメディア・アートに参加しています。2005年にもなると、ますます現代実験音楽に傾倒し、アンサンブルとの共演、様々な音楽堂の為の曲作りを行うようになり、2010年にはensemble Intégralesとのコラボで、彼は、6つの部屋で、ヘッドフォンによるライブイベント”Echohaus”の指示者もやっていいます。また2013-2015年には、"Chromdioxidgedächtnis" と"Takt der Arbeit" と言う大作2本を作曲。その後も、彼の活動は多岐に渡り、また量的にも多かったのですが、仏映画監督Marie Losierが、”Felix In Wonderland”と言うFelixの数々の受賞に関する作品を撮影した映画を作製。この映画は2019年にLocarno映画祭で初演されています。 ザッと書くとFelix Kubinの活動は他にもあるのですが、彼が多作でしかもそれぞれが優秀と言う天才肌の人物であることがわかりますね。それで、本作品について、紹介していきます。 本作品は、時期的にはアヴァン・ポップに傾倒していた時期の作品で、A面に3曲、B面1曲から成ります。A1 “Wagner 99”はワグナーの交響楽のように重厚な低音が続くドローン様のテイクで、これだけ聴くも「えっこれ、Felix Kubinなの?」と驚くことでしょう。A2 “Vater Muss Die Stube Peitschen”は骨折したようなシーケンサーとかシンセを切り刻んで、カットアップ・コラージュしたかのような曲で.最後にはEGもビックリなテクノイズ的な部分も聴取できます。A3 “Termiten”は、非常に抽象的のベースとなる基調音に色んな電子音が出入りする曲です。途中、接触不良系の電子音も。一方、B1 “Jane B. Ertrinkt Mit Den Pferden”はタイトル曲で、いきなり、女性Voとギターサウンドからなる軽妙なポップスから始まりますが、AMKを彷彿とさせる針飛び音をとループが、リスナーを困惑させるようと言うか、それを狙った曲となっています。更に元曲を更にいじって、EQかけたり、フィルター通したりもしています。ここら辺のセンスが、如何にもFelixらしいです。しかもそのいじった音楽に、自分のシンセ音を足していますし。 そんな訳で、Felix Kubinの実験精神豊富なこの作品は隠れた名作でしょう。もし、彼の音楽を聴いてみたいのでしたら、この作品もお勧めしますが、もっとポップな作品もありますので、それはまだ今度、ご紹介しますね。 B1: “Jane B. ertrinkt mit den Pferden” https://youtu.be/x3EXAm1mCgo #FelixKubin #JaneB.ErtrinktMitDenPferde #Diskon #ExperimentalPop #天才少年 #MaxiSingle #Pop Music #Synthesizers #Organ #DrumMachine #Instrumental
Experimental Pop Diskon 不明。Dr K2
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David Prescott “From Chance To Probability”
実は、これも謎物件なんですよー。いつの間にか購入していました。なので、ちょっと調べてみました。Prescott氏、ボストンに居を構える宅録アーティスト(Home Taperとも言う) なんですが、何と❗️あのルーマニアの現代音楽の巨匠Iancu Dumitrescu氏とのスプリット作品も残しているではないですか❗️それで、彼が言うには、1981年になって、Moogなどのアナログ・シンセが比較的安価になって、誰もがKlaus SchulzeやClasterのような音楽ができるようになったということ、そしてそのような音楽を大学のラジオ局で発信出来るようになったこと、更には、1983-1984年にはTascamなどの会社が、4トラックのカセットMTRを販売し、自宅で録音が可能になったことで、宅録文化が形成されつつあったと言う訳です。彼の認識では、そんな宅録文化は1986年にピークを迎え、同時にメール・アートのように、昔なら発表することも叶わなかった音楽を流通させることが可能になり、家から離れたところに住んでいる仲間(例えばZan HoffmanやMinobu など)とも郵便を通じてコラボできるようになったとのことみたいですが、私の認識ではそのような宅録文化とメールミュージックは1981ー1983年頃では?と言う感覚です。とまあ、アマチュア電子音楽家が活動し易くなったのは事実で、今ではBandcampなどで、一億総「音楽家」時代に突入した訳です。PCとちょっとした機材があれば、誰でも自分の音楽ャ音楽擬を配信できるようになった訳です。と言う訳で、彼は1980年代〜1990年頃まで宅録音楽家として活動していたみたいです。Generations Unlimitedは彼のレーベルでしたが、Conrad Schnitzlerのカセット作品を沢山扱っています。一時期、休止期がありましたが、2014年からレーベル活動を再開しているようです とまあ、そんな活動をしてきたDavid Prescottですが、本作品は、彼のソロとしてはファーストアルバムになります。A面/B面に一曲づつ長尺の曲が収められています。多分、シーケンサーやリズムマシンは使っておらず、ウニョウニョした抽象的なアナログシンセの多重録音と思われる曲からなります。彼がConrad Schnitzlerにシンパシーを抱いていたのが、分かるような内容です。多分、Conrad Schnitzlerが好きだったのでしようね。ここら辺の宅録文化は一度、検証してみたいですね。と言うことから分かるように、もし、Conrad Schnitzlerが好みであれば、今回紹介したDavid Prescottの作品も気に入ると思いますよ。一度、聴いてみて下さい、 本作品はYouTubeに無かったので、Ianc Dumitrescuとのスプリット作品より。 https://youtu.be/XmhaaU9pSWw #DavidPrescott #FromChanceToProbability #GenerationsUnlimited #Home-Taper #宅録 #ElectronicMusic #MaliArt #MailMusic #Synthesizers #Abstract
Electronic music Generations Unlimited 不明。Dr K2
