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Absolute Body Control “Numbers” in “Tapes 1981-89” box set
ベルギーのシンセ・ウェーブの至宝Absolute Body Control (以下、ABCと表記)のカセット作品の再発ボックス・セットより、第二弾は2本目のカセット作品”Numbers”の再発LPで、オリジナルは1982年リリースです。この作品では、明瞭な曲名が付いておらず、全て通し番号になっています。また、本作品は、2013年に独レーベルSleepless Records Berlinで、デジタル配信での再発をされていますが、それ以外には今まで再発されておらず、今回の再発は大変貴重なものとなっています。しかも、今回は全てインスト曲と言う徹底振りです。ここら辺で、Veerle De SchepperやMark De Jongheが脱退したようで、メンバーはDirk IvensとEric Van Wonterghemとクレジットされています。内容は、先述のように、全てインスト曲です。それで、リズムマシンも確かにTR-606も使っていますが、曲によってはDR-55やCansioToneのプリセットの安っぽいリズムマシンを使ったり、逆に高級リズムマシンTR-808を使っていたり、或いはシーケンサーだけでリズムマシンを使わない曲があったりとヴァラエティに富んでいます。と同時にヴォーカルがない為か、曲も短くなっているように思います。実際はC面10曲B面6曲となっていますが、オリジナルのカセット作品が60分テープだったので、「曲が多い=曲が短い」と感じてしまうのでしょう。本作品はABCの中でも、最も抽象的な作品でると同時に最も実験的作品でもあると言えるでしょう。そんな挑戦的なABCの作品は、懐かしさと共にアイデアの豊富さに思わず感嘆してしまいます❗️なので、これもABCの語る上で重要作品ですね。必聴❗️ C1 “Numbers 01”〜C10 “Number 10” D1 “Numbers 11”〜D6 “Number 16” D4 “Number 14” https://youtu.be/3wgnzT7O_mE [BandcampのURLを貼っておきます] https://absolutebodycontrol.bandcamp.com/album/numbers-16 #AbsoluteBodyControl #Numbers #BodyRecords #VinylOnDemand #Reissue #Belgium #SynthWave #ElectronicPop #SecondAlbum #Synthesizers #Vocal #RhythmMachine #DirkIvens #EricVanWonterghem
Synth Wave Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Absolute Body Control “Untitled” in “Tapes 1981-89” box set
いよいよ、このブツを紹介する時が来ました❗️そうです、ベルギーのEBMの始祖にしてシンセ・ウェーブの先鋒Absolute Body Control (以下ABCと表記)の膨大なな作品をLP其々にコンパイルしたLP5枚組と7㌅シングル1枚から成るボックス・セットです。ただ、私がこれをどうやって入手したのかは良く覚えていないんです(老人性健忘症?)。それで、先ずは、ABCのバイオグラフィーを紹介します。ABCは1979年に、ベルギーにて、Dirk Ivens (Synth, Vo)にMark De Jonghe (Synth)とVeerle De Schepper (Back-Vo)が加わって結成されたエレクトロ・バンドで、シングル"Is There An Exit?"がちょっとしたカルト・ヒットになって、その界隈で有名になりました。その後、1981年に、De Jongheは脱退し、代わってEric Van Wonterghem (Synth)が加入しています。ABCはその後もライブ活動や1993年〜2005年の間に国際コンピ等へ参加したりして、じわじわと知名度を高めていきます。1984年から、Ivens自身のレーベルBody Recordsから着実にカセット作品をリリースしており、世界的なカセット・カルチャー・シーンでも活躍しています。今回のボックスセットもここら辺のカセット作品の再発ですね。恐らく、ここら辺の時期にDe Schepperは脱退しているようです。その一方で、IvensとVan WonterghemはThe KlinikとSonarと言う別ユニットでも並行して活動していきます。ABCは、2007年にアルバム“Wind[Re]Wind”をCDと(ピクチャー)LPでリリースし、2016年にも2枚組LP(これについてはDiscogsに記載はない)をリリースしています。更に、2010年には、アルバム”Shattered Illusion”を独Daft Recordsからリリースしています。2020年には、3枚組のABCへのトリビュート・アルバム”Absolute Body Control - 1980/2020”をスペインのOraculo Recordsがリリースしています。2021年には新録の10㌅Mini-LP”A New Dawn”をポーランドのMecanicaからリリースする一方で、未発表曲をコンパイルした4枚組LP又は2枚組CDでボックス・セット”Lost/Found”も同レーベルよりリリースしています。 ザッとABCの活動はこのような流れになります。それでは、LP1 “Untitled”を紹介します。これは、元々Body Recordsの第一作目としてセルフ・タイトルで、1981年にカセットでリリースされていました。なお、B5-B7の3曲は、1983年1月22日にMelseleのDjemでのライブ音源で、後に再発された時に追加された曲です。今回は、各曲の解説はしませんが、アナログ・シンセによるメロディ、シーケンサーでのベースライン、そして、恐らくRoland TR-606と思われるリズムマシン(曲によってはBOSS DR-55も使用)に、男(女)のヴォーカルと言う、正にシンセ・ウェーブの王道な音楽がたっぷりと収められています。またB3 “Games For Laugh”などのように、過剰なディレイを掛けたちょっと実験的な曲も含まれています。なので、1980年代初頭のシンセ・ウェーブに興味のある方は是非とも、この作品は体験して欲しいです❗️また、今では入手困難なアルバムをLPで再発してくれたVinyl On Demandに感謝です!因みに、A3 “Baby’s On Fire”は1979年のBrian Enoのソロ・シングルのカバーです。 A1 “Waving Hands” A2 “Touch Your Skin” A3 “Baby's On Fire” A4 “So Obvious” A5 “Total Control” B1 “A Broken Dream” B2 “Do You Feel It Inside?” B3 “Game For A Laugh” B4 “Shake” B5 “Intro” B6 “A Better Way” B7 “Turning Around” https://youtu.be/QtxSQCm8j84 [BandcampのURLも貼っておきます] https://absolutebodycontrol.bandcamp.com/album/untitled-1981 #AbsoluteBodyControl #Untitled #SelfTitle #BodyRecords #VinylOnDemand #Reissue #Belgium #SynthWave #ElectronicPop #FirstAlbum #Baby’sOnFire #Synthesizers #Vocal #RhythmMachine #DirkIvens #MarkDeJonghe #VeerleDeSchepper
Synth Wave Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Claudio Rocchetti “Goldberg Variations”
なんで、これ、買ったんだろう?謎物件です。どうも、伊出身の現代音楽家Claudio Rocchettiの作品らしいです。しかも、ヨハン・セバスチャン・バッハの「ゴールドベルク変奏曲」で、曲数が両面共16曲ずつと言う狂ったような短い曲がたんまり詰め込まれています。先ず、その前に、作者のClaudio Rocchettiについて調べました。Rocchettiは、欧州の前衛音楽界で最も活動的な音楽家の一人で、近年はソロ・プロジェクトから離れて、TricoliとPiliaと共に3/4HadBeenEliminatedやヴィジュアル・アーティストRiccardo BenassiとのデュオOlyvettyをやっており、 また、同時に、彼等2人とノイズ・ファンク・デュオであるG.I.JoeとStefano Piliaと共にZaineカルテットもやっています。それだけではなく、Jooklo Duo共にHypnoflash名義で演奏したり、コントラ・バス奏者Klaus Janekとのとデュオの他にも、 Mattin, Bowindo, Fabio Orsi, MB(❗️)ともコラボを行なっています。しかも、Rocchettiの作品は、PCによるライブでの変調操作音やターンテーブルのフィードバック或いは予め録音された音源や物音を、彼の手元で即座に繋ぎ合わせてのライブ・コンクレートから成ります。Rocchettiは多くのレーベルから作品をリリースしていますが、同時に、彼は、Kam Hassahと共に、Musica Modernaなるレーベルも運営し、 フィールド録音や音響詩或いはサウンドアートの作品を主にリリースしています。また、彼の作品は、より深い部分での作業をする為、分厚いサウンドへの飛び込んでいくようなもので、通常、彼はタンテやカセット、サンプラー、ラジオ、マイクロフォン、更には非楽器や伝統的な楽器等を使って、複雑な手技、物体、衝撃として「音」を操作して、全く新しい構造を構築しているとのこと。現在、Rocchettiは独Berlinに居を構えていますが、伊Bolognaとの間を頻繁に行き来しているそうです。 それで、本作品についてですが、先述のように、これは、ヨハン・セバスチャン・バッハの「ゴールドベルク変奏曲」に準えており、A1 “Aria”で始まり、A2 “Variation 1 (第1変奏)”からB31 “Variation 30 (第30変奏)”への続き、最後はB32 “Aria Da Capo”で終わります。原曲は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」と題された作品で、バッハらしいカノンとギミックが散りばめられています。それに負けず劣らず、Rocchettiは、それぞれの変奏をグラインド・コアのようにぶつ切りにして、1分も無い曲にし、そこに、速度の変化やテープの捻れ、逆回転の挿入などのテープ操作、ラジオの音、会話やフィールドバック音、ディレイやイコライジング或いははリング・モデュレーションなどの過剰エフェクトなどを加え、まるで全体が一つの曲であるかのように変調・配置しています。確かに各曲にはピアノらしい音が聞こえてきますが、全くピアノなどの楽器音ではない音から成る曲も含まれています。多分、これを、『普通の』バッハの「ゴールドベルク変奏曲」として購入したクラシック・リスナーさんは怒り心頭になってしまうのでは?と心配してしまう程、いじくり回しています。兎に角、個々の「変奏」曲をじっくり聴くのも良いですが、流れるままにボーっと全体を聴いてみるのもお勧めします❗️最終的には、中々、面白い作品でしたね。こう言う狂ったことをする現代音楽家は今後も要注目ですね! A3 “Variation 2” https://youtu.be/nhEc88CuHBc?si=xg9qBq0Y81X6eRHi [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nRR47sxoE3D_neBTQksUFzGpuMsXrUZO8&si=z_8gaSX03zHT9zRg #ClaudioRocchetti #GoldbergVariations #Kohlhaas #ModernClassic #JohannSebastianBach #Avant-Garde #SoundCraft #TapeManipulation #SoloAlbum #Berlin
Modern classic / Avant-Garde / Tape Music Kohlhaas 不明Dr K2
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Bellows “Strand”
今回、紹介するのは、伊の電子音響作家 Giuseppe IelasiとNicola RattiのデュオBellowsの2017年リリースの作品”Strand”です。といきなり言われても困ると思いますので、先ずはBellowsについて紹介します。その正体はGiuseppe IelasiとNicola Rattiのデュオで、Ielasiは、ミラノ在住のギタリスト/作曲家で、1998年にFringes Recordingsと言うレーベルを立ち上げ、後には、BowindoやSenufo Editionsレーベル以外にもFrancesco Tenagliaと共にSchoolmapレーベルを運営しています。Rattiもミラノ在住の伊人ギタリスト/エレクトロニクス奏者です。両者は2007年にコラボ作”Bellows”を出しており、恐らくそこから、グループを取ったものと思われます。Rattiは1992年からギタリストとなり、マス・ジャズ・コア・トリオPin Pin Sugarに参加して、2003年にアルバム”Latex Duellos”を出しています。余りまとまった情報が無いのですが、このような伊実験音楽界の2人のギタリストが結成したのが、Bellowsと言うことになります。 それで、本作品”Strand”ですが、最初のコラボ作品を含めて、5枚目のアルバムになります。そしてその内容なのですが、曲名は全て無く、またクレジットで誰が何を担当しているのか?と言う情報もありません。唯一の情報は、このアルバムは、2016年2月にミラノのStandardsスタジオで、先述の2人によって録音されたと言うことだけです。それで内容なのですが、両面とも4曲ずつで、その殆どが、音の点描のように静かでスカスカな音から成っています。しかも、微妙にミニマル。モデュラー・シンセやテープ、エフェクター、サンプラーで作った音だとは思いますし、どうも4日間で即興的に録音したようですので、2人のスキルとセンスの高さが良く分かります。そんなスカスカの音の中にも、「ビート感」があって、聴けば聴く程、新たな発見があります‼️多分、最低2〜3回聴かないと、その良さがよく分からないタイプの音楽ですね。解説には「アコースマティックなサウンドとフラクタルなビートの間に生まれた複雑な音のパレット」と書いてありますので、強ち間違いではないと思います。それから、Amsterdam在住のアーティストLouis Reithが、ジャケ写などを行なっているのですが、収録されたBellowsの音楽を聴いていると、Reithのモノクロの写真との相性も良いと確信します。また、ある種のアンビエンスも含まれていますので、その手のリスナーさんにもお勧めします。そんな多角的に楽しめるアルバムですので、是非とも購入して楽しんで下さい❗️ A4 “Untitled part 4” https://youtu.be/3OwlJznEimI?si=Cs0v4ulf2b6trvUb [BandcampのURLを貼っておきます] https://shelterpress.bandcamp.com/album/strand #Bellows #Strand #ShelterPress #Italy #Experimental #Conceptual #点描 #Guitar #ModularSynthesizers #Tapes #Effectors #物音 #Glitch #GiuseppeIelasi #NicolaRatti #LouisReith
Modern classic / Experimental Shelter Press 不明Dr K2
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The Fall “Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”
またまた出ました、The Fallの5枚目のアルバム”Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”を紹介します。落書きのようなジャケですが、如何にもThe Fallらしいと言えばらしいですよね。The Fallのバイオグラフィーについては、ここら辺までは書いてあると思いますので、以前の紹介をご参照下さい。この作品も何度も再発されているようですが、私の購入したSuperior Viaductの版が、一番新しい再発盤ということになります。初期のThe Fallはライブ録音をそのままレコードにすると言う荒技に繰り出していましたので、ご多分に漏れず、本作品もライブ録音或いはスタジオでのカセット録音で、音質もブートレッグ並にペナペナですが、そんなことすらも、The Fallらしいです。しっかりと初期の名曲A2 ”Rowche Rumble”も収められています。なお、この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo), Craig Scanlon (G), Marc Riley (G), Mike Leigh (Drs), Steve Hanley (B)と言う初期最強の布陣です。The Fallの一つの特徴として、A2 “Rowche Rumble”やA3 “Muzorewi's Daughter”のように、テンポ・チェンジが目立つ曲が多いとも言えるでしょう。なので、それで良くメンバーが合わせて演奏しているなぁと感心してしまいます。また、B1 “Spectre Vs. RectorでのマシンガンのようなSmithのヴォーカルも堪能できますし、B4 “New Puritan”の下手くそなギターとSmithの音程の無いヴォーカルの掛け合い(?)も聴けますよ(DD. Recordsの月本正くんようです)❗️まだ、この頃はガチャガチャした曲が多くて、B5 “No Xmas For J. Quay”やA5 “Choc-Stock”にその萌芽を嗅ぎ取ることが出来ますが、中期のようなタイトな「反復」は余り聴くことができません。それでも、The Fallにしか出来ない超B級のポスト・パンクを聴くことが出来ます。折角、再発されたのですから、この機会にThe Fallのイカした「駄目さ加減」を堪能してみては如何しようか‼️ハマるかもよー! A1 “Intro / Fiery Jack” A2 “Rowche Rumble” A3 “Muzorewi's Daughter” A4 “In My Area” A5 “Choc-Stock” B1 “Spectre Vs. Rector” B2 “Cary Grant's Wedding” B3 “That Man” B4 “New Puritan” B5 “No Xmas For J. Quay” B5 “No Xmas For John Quay” https://youtu.be/cRpbj-MPjSU?si=HGYHGPy7IG14WdmR [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kdXvuOkI-Unc9mEG53p98p-yxhjmLSj0w&si=9RVBusNyVI1nmkx9 #TheFall #Totale’sTurns(It’sNowOrNever) #SuperiorViaduct #RoughTrade #Reissue #PostPunk #LiveRecordings #Lo-Fi #CraigScanlon #MarcRiley #MarkE.Smith #MikeLeigh #SteveHanley #TempoChange
Post Punk Superior Viaduct (Rough Trade) 2800円Dr K2
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Portray Heads “s/t”
Portray Headsと聞いて、ピーンと来るリスナーさんはよっぽどのマニアか?四国出身者/在住の方かもしれませんね。今回は、そんなマニアックな日本のニュー・ウェーブ/シンセ・ウェーブ黎明期に四国に咲いた徒花Portray Headsのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。先ず、バイオグラフィーを簡単にご紹介しておきます。このバンドは、1984年に四国愛媛県松山市で、冨田徹(Toru Tomita)の呼びかけで、土井幹治(Mikiharu Doi)と徳永あゆみ (Ayumi Tokunaga)によって結成されています。彼等は直ぐに十数曲を作り、その中から2曲を選んで、7㌅ソノシート・シングル”Elaborate Dummy”をカゲロウ・レコードより1985年5月にリリースしています。しかしながら、リリース直後に、徳永が脱退し、バンドは新ヴォーカルを探します。このアルバムには入っていませんが、朝倉満代(Mitsuyo Asakura)もヴォーカルで在籍していたようです。その結果、越智由美(Yumi Ochi)が新ヴォーカリストとして加わります。彼女のヴォーカルは力強く深かったので、バンドにはよくマッチしていました。それで、トリオは、19864月に”Oratorio”を録音、今度は自身のレーベルLabel Land 4thから、1986年12月に、カセット・フォーマットと7㌅シングル・フォーマットと言う2種類でリリースしています。しかしながら、彼等が活動していた松山市は保守的であったので、このような新しいタイプの音楽に理解がなく、殆どライブをやるチャンスはなく、その為、バンド内でもトラブルの原因になっていました。そんなこともあって、バンドは直ぐに解散してしまいます。その後のメンバーの活動は不明ですが、こうして長い年月を経て、セルフ・コンピ・アルバムが米国のレーベルからリリースされたのは、何かの縁と言うか報われたのではないでしょうか?一応、紹介の前に、メンバーと担当楽器を列挙したおきます。冨田徹 (Electronics, Synth, B, Perc), 土井幹治 (Electronics, Synth, Kbd, Tapes), 徳永あゆみ(Vo [A1, A2, B1, B2, B3, C1, C2, C3], Perc, Sax), 越智由美 (Vo [A3, A4, A5, D1, D2, D3])に加えて、オキウラ・タツユキ (Drs, Drumurator)です。録音は1984年〜1986年の間に、松山市のStudio LEADで、TEAC 8-Track Open Reel Recorderを使って行われています。楽器は、Roland, Korg, Casioのシンセを使っており、Roland MSQ-100でシーケンスを組んでいました。A4ではRoland S-50 Samplerも用いられています。それでは内容を紹介していきます。 生ドラムも使っていると思うのですが、全部打ち込みなんだろうか?結構、急襲系の切羽詰まったような曲が多いですが、まあ王道のシンセウェーブだと思います。また徳永さんの越智さんのヴォーカル・スタイルは似てはいるのですが、越智さんの方がより伸び伸びと力強く歌っている印象ですね。A3やA4なんかは多分ドラムマシンとシーケンスするベースラインがはっきり分かります。しかしながら、全体を覆っていらのは、陽キャではなく、ダークな雰囲気ですね。そう言う意味では、シンセ・ウェーブと言うより、今で言うダーク・ウェーブに近いですね。それと、シーケンス以外の上物のシンセは恐らく手弾きでしょう。この頃になると、デジタル・シンセが出回ってきた時代でしょうか?そんな音が聴こえますね。そこら辺の使い方がやや中途半端なようにも感じますが。そうは言っても、曲の完成度は高く、1980年代中期に咲いた徒花の如く、素晴らしいダーク・ウェーブなので、ゴスやダーク・ウェーブに興味のある方は是非とも聴いてみて下さい‼️あと、B1のような少しアラビックなメロディの曲も捨てがたいですね。それと、LP2でのデモ・ヴァージョンとの比較も興味深いです。 LP1 A1 “Elaborate Dummy” A2 “Watch Your Scope!” A3 “夢を夢に” A4 “浮かぶ · 迷う · 漂う” A5 “Industrial Eye” B1 “舞い上がれ” B2 “操り人形” B3 “Generation Storm” LP2 C1 “Industrial Eye (Demo)” C2 “Burning Light” C3 “浮遊体” D1 “夢を夢に (Demo)” D2 “舞い上がれ ’86” D3 “浮かぶ · 迷う · 漂う (Demo)” “Industrial Eye” (single version) https://youtu.be/QKBY9aRnPpY?si=H1JfgRvxAO89uHWx [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kd0NgX5elsAkSCcKlS6B5XcyvaGQJhCvc&si=bbkqNPnUz_2CqalO #PortrayHeads #SelfTitle #MinimalWave #BitterLakeRecordings #Mid-1980 #MatuyamaCity #SynthWave #Minimal #Synthesizers #FemaleVocal #ToruTomita #MikiharuDoi #AyumiTokunaga #YumiOchi #ElaborateDummy
Synth Wave / New Wave Minimal Wave / Bitter Lake Recordings 不明Dr K2
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V. A. “Prophecy+Progress: UK Electronics 1978-1990”
これは完全に謎物件でした。買ってから聴いたのかどうかも良く覚えていませんでしたが、発掘しました。副題にもあるように、1978年〜1990年の期間の英国を代表する(広い意味での)電子音楽作品を集めたコンピ・アルバムです。多分、Clock DVAやAttrition, Colin Potter, Konstruktivists等のその手の筋では有名どころが入っていたので購入したと思うのですが、やはり個人的目玉はVice Versaじゃないかな? レーベルのPeripheral Minimalについては、私はよく知らなかったのですが、2013年に英国BristolでJason B.Bernardによって運営されている電子音楽(インダストリアル〜シンセ・ポップやポスト・パンクまで)を扱うレーベルです。今回のキュレーションもBernardがやっているようです。と言う訳で、各参加者/グループと曲を紹介していきます。 A1 Clock DVA “Lomticks Of Time”(1978年)は、Vinyl On Demand (以下VODと表記)から出た"Horology 1: 1978-1980”ボックスセットの中のLP”Lomticks Of Time”から取られています。この時のメンバーは、Adi NewtonとStephen James Turnerです。余りはっきりしたリズムは無く、シンセの通奏低音に、ディレイの掛かったギター(?)の爪弾く音や男性のナレーションが組み合わさった、かなり実験的な曲です。 A2 Vice Versa “Idol”(1970年)もVODから出たLP “Vice Versa”から取られており、メンバーはMark WhiteとStephen Singletonのデュオで、1977年結成のSheffieldのバンドです。結成時には、他にIan GarthとDavid Sydenhamもいましたが、前者2人はABCに加入し、商業的成功も得ています。曲は、The Futureや初期のHuman Leagueを想起するエレ・ポップです。ホワイト・ノイズによるスネアがカッコ良い。 A3 Colin Potter “Number Five”(1979年)は、1970年代後半から活動している実験音楽家/サウンドエンジニアで、ICRレーベルと共に活動し、Nurse With WoundやCurrent 93等とのコラボでも有名です。意外にも、リズミックなシーケンスとメロディアスなシンセからなるエレ・ポップな曲で、Muteから出してそうな音楽です。 A4 Konstruktivists “Vision Speed”(1981年)はは録音時、T.G./CoilのPeter “Sleezy” Christophersonのハーモナイザーを使用。これは、1982年からGlenn Michael Wallis始めたインダストリアル・ユニットで、相方にMark Crumbyもおり、Whitehouseの初期メンバーでもあったとのこと。一転、機械の中にいるかのようなシンセによるインダストリアルな曲で、後半はリズムマシンDR-55も使っています。 A5 Naked Lunch “Rabies”(1981年)は、1979年に、Gary NumanやKraftwerkの影響下で、Paul N. Davies (G, Korg Synth), Mick Clarke (Moog Synth), Tony Mayo (Vo), Clifford Chapman (Roland Synth), Mark Irving (Drs)によって結成されており、Stevoがプロモートしていました。これまた、初期Human Leagueっぽいシーケンサーを上手く使ったエレ・ポップですね。 A6 Five Times Of Dust “Automation”(1981年)はCardiffとBristolで録音されています。メンバーは、Mark Phillips (Organ, Synth, Speak & Spell, Compute-a-tune, Drs Machine, Bells, Metals, G, Bassline, Clock, Toy Piano)とRobert Lawrence (Bassline, G, Fx, Metals, PC, Drs Machine, Toy Piano, Melodica, Synth, Vo, Xylophone)のデュオです。捻くれまくった実験的エレ・ポップ曲で、似ているものはありません。 B1 Schleimer K “Women”(1981年)のメンバーは、Billy Duncan (Sax), Dominique Brethes (Kbd, Drs Machine), Michael Wolfen (Vo), Mark Benjamin (B, G)の4人組です。太いシーケンスと初期Kraftwerkっぽいリズムにシンプルなメロディが重なる曲です。SaxやG/Bは使われていないインスト曲です。 B2 V-Sor, X “Conversation With”(1982年)はCheshireのAlsager大学で録音されており、その時のメンバーは、Alastair Boyle (Drs), Jacqueline Hemmings (Kbd), Alex Newton (Trumpet, Vo), Morgan Bryan (Vo, G)で、1979年末〜1989年まで活動していました。ミニマルなシーケンスとドラムマシンにキャンディーのようなシンセのメロディと男性Voから成るキャッチーなエレ・ポップです。 B3 Attrition “Beast Of Burden”(1984年)は、元々はThird Mind Recordsから出た”The Attrition Of Reason"から抜粋されています。この時のメンバーはMartin Bowes (Vo, Electronics)とAshley Niblock (Vo)とで、Gordon Maxwell (Sax)が客演しています。なお、Attritionは1980年にBowesとJulia NiblockによってCoventryで結成され、現在は、Bowes, Ashley Niblock, Alan Rider, Julia Niblock Wallerがメンバーです。これは!メチャクチャカッコ良いシーケンスに度肝を抜かれるAttrition節のエレ・ポップで、男女混成Voの切羽詰まった感じもグーです。 B4 Peter Hope & David Harrow “Too Hot”(1986年)は、Hackneyからシングル"Sufferhead EP”が出た後に録音されています。メンバーは、Hope (Vo)とHarrow (Synth, Kbd)のデュオです。この曲はLinnドラムマシンを使っているのか?そんな強烈にファンキーなリズムと絡むVoもマッチョです。 B5 John Costello “Total Shutdown”(1986年)は、自主制作カセット"Cantos"から取られています。彼は1980年代中期にカセット2本を出した後、15年後の1996年に、Martin Bowesとのコラボ・ユニットENGRAM名義で”What Am I?”をリリースしており、その後は作品を出しています。割とダークな雰囲気の曲で、エレ・ポップ界のBauhausみたいです、Voはサンプリングなのかな? B6 T.A.G.C. “Further And Evident Meanings” (1986年)はSweatboxからリリースされたEP"ShT"から取られており、その時のメンバーは、Clock DVAのAdi Newton, Robert Baker, Darrell D. D'Silva, Mark Holmes, Barry R.D.L. Harden, David A. Heppenstallです。このグループの正体は、1978年にAdi NewtonとSteven James Turnerによって結成されたThe Anti Group Communications (T.A.G.C.) に始まっており、多次元的な表現方法の開発と発信を目指しており、しばしば音/映像/ビデオ/パフォーマンスを含んだ劇場的演出を試みています。強烈にファンキーで複雑なマシンリズムと途中でのクールオフが面白い実験色濃い曲で、テープ音がコラージュされています。 B7 John Avery “12AM And Looking Down”(1990年のライブトラック)は、元々は1992年にForced Entertainment Theaterの"12am: Awake and Looking Down"の7分ヴァージョンでした。Averyは元々、劇場のパフォーマー/作曲家/サウンド・デザイナーであり、1980年代〜1990年代にSheffieldのバンドHulaのメンバーであり、劇団Forced Entertainmentとのコラボを熱心にやってきました。マリンバのようなリズミックなシーケンスが絡み合うミニマルな曲で、音自体シンプルながらも、アレンジは秀逸です。 とまあ、グループ/アーティストそれぞれな訳ですが、英国縛りと言うのが面白く、また全然知らないアーティストなんかも参加していて、凄く楽しめました。皆さんも、電子音楽に興味が有れば、是非とも聴いてみて下さい‼️ A2 Vice Versa “Idol (demo version)” https://youtu.be/GpxBsjwbsnQ [BandcampのURLを貼っておきます] https://peripheralminimal.bandcamp.com/album/prophecy-progress-uk-electronics-1978-1990 #VariousArtist #Prophecy+Progress #UKElectronics1978-1990 #PeripheralMinimal #Compilation #ClockDVA #ViceVersa #ColinPotter #Konstruktivists #NakedLunch #FiveTimesOfDust #SchleimerK #V-Sor,X #Attrition #PeterHope+DavidHarrow #JohnCostello #T.A.G.C. #JohnAver
Industrial / Electronic / Cold Wave Peripheral Minimal 不明Dr K2
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Eiko Ishibashi & Jim O’Rourke “Lifetime Of A Flower”
今回は、泣く子も笑うEiko Ishibashiこと石橋英子さんと世界を股にかけて日本在住のJim O’Rourkeさんのコラボ・アルバム”Lifetime Of A Flower”を紹介します。もう皆さんはこの2人のバイオグラフィーはある程度知っていると思いますが、恒例に従い、簡単に紹介しておきます。石橋さんは、千葉県茂原市出身の音楽家/作曲家で、2000年〜2010年の間、吉田肇率いるバンド、PanicsmileにDrsで参加していますが、Drs以外にも、Piano, Flute, Vibraphone等の楽器も演奏するマルチ奏者でもあります。一方で、灰野敬二、突然段ボール、山本精一、吉田達也、坂本慎太郎、七尾旅人、町田康、秋田昌美 (Merzbow)、Jim O’Rourke、山本達久、前野健太、豊田道倫、星野源等といったミュージシャンと共演し、セッションもこなしています。映画のサントラ・ドラマの音楽も担当し、2021年には映画”Drive My Car”の音楽も担当。この作品は、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品され、脚本賞、国際映画批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞、AFCAE賞を受賞しており、2022年に石橋さんもサントラ賞を受賞しています。話しが少し前後しますが、石橋さんは、2006年にアルバム”Works For Everything”でソロ・デビューを果たしており、米国レーベルDrag Cityから2013年に、ソロアルバム”Imitation of life”リリースしています。石橋さんは、ちゃんとした曲も出来るのですが、日本のノイズ・ミュージシャンMerzbowこと秋田昌美さんや変拍子ドラマー吉田達也さん或いはK2ことわたくしともコラボをやっており、その音楽的許容量は途轍もなく大きいです。また、Jim O’Rourkeと山本達久とのトリオカフカ鼾やコサカイ・フミオと私とは、スーパー・ノーウェーブ・バンドRNAもやっています。一方、Jimさんは、米国Chicago出身で、現在、日本に住んでいるマルチ奏者/作曲家/プロデューサーで、ジャンルレスに活動したおり、ポスト・ロック、アンビエント、ノイズ、テープ音楽などもこなし、更にはシカゴ音響派と関わり、即興シーンにいた後に、2000年にNYCに移り、そこで数多くの即興音楽グループなどとコラボを行っている一方で、1999年〜2005年には、ノイズ・ロック・グループSonic Youthのメンバーとしても活躍しています。またソロとしては、1997年作”Bad Timing”〜2015年作”Simple Songs”をDrag Cityレーベルから、より伝統的な曲から成る一連の作品のリリースで有名です。2人とも活動の幅が半端ないので、ここら辺で止めておきます。 それで、本作品“Lifetime Of A Flower”ですが、このアルバムは、石橋さんとJimさんがキュレートした20世紀・21世紀芸術祭での独Dortmund展覧会の作品”Flowers”の為に作製された音楽です。この作品では、パラメーターはセットしてありますが、その先のプロセスは制御されていないので、その後どんどん変わってしまう訳です。日本家屋の庭に種を蒔いて、展覧会期間中にその植物が育っていく様子を撮影したのだそうです(間違っていたらごめんなさい!)。本作品は両面とも1曲ずつ(と言うか、多分便宜上2つに分けた?)です。なお、本作品は、2022年4月30日〜9月25日の間に録音されています。それで内容なのですが、先ず感じたのは、全ての音(楽器か非楽器かに関わらず)がフラットに配置され、鳴っていると言うことです。フィールド録音の音も物音もフルートもシンセも全く区別無く、同一空間に配置され、等価の音として用いられているように聴こえます。また、それは決して無機質な感じは無く、有るべくして有る所に配置され、曲自体が一つの生命体のようにも聴取できます。そこら辺がセンスと言うかある種の能力なのだと確信しました。元々がそう言う植物の成長に合わせた音を使ったサウンド・インスタレーションだったのですから。決して、万人受けする音楽ではないですが、この2人にはこう言う面もあるのだと知っておいて良いでしょう‼️なのでマストです❗️ [Live at CAP10100 (Torino) in 21/04/2023] https://youtu.be/SWDL5rs7XLw?si=q4dQao_7EVs8Jv4w [BandcampのURLを貼っておきます] https://eikoishibashijimorourke.bandcamp.com/album/lifetime-of-a-flower #EikoIshibashi #JimO’Rourke #LifetimeInAFlower #Week-EndRecords #Soundtrack #Ambient #Abstract #SoundInstallation #石橋英子
Abstract / Experimental / Soundtrack Week-End Records 2850円Dr K2
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Hastings Of Malawi “Visceral Underskinnings”
この前、ご紹介したHastings Of Malawi (以下HOMと表記)ですが、HOMのアルバムを持っていたことを持っていたことを思い出して、発掘しました。本作品”Visceral Underskinnings”は、彼等のセカンド・アルバムに当たります。Nurse With Wound (以下NWWと表記)のオリジナル・メンバーで1990年代初頭まで在籍していたHeman Pathakと、NWWの1stアルバムにも参加しているDavid HodesとJohn Grieve(によって結成された英国ダダイスト・グループが、このHOMです。彼等のファースト・アルバムでは、1981年のある夜、スタジオで、ドラム、クラリネット、シンセ、ピアノだけでは無く、スタジオに置いてあった古いレコード、料理本、電話帳や電話と言った非楽器も用いて録音をしたとか。彼等のバイオグラフィーは前回、ご紹介しましたので、そちらをご参照下さい。 それで、HOMのセカンド・アルバム”Visceral Underskinnings”ですが、両面とも1曲ずつで、また曲名も記載がありません(ただし、Metalator 1 / Slowly Eric (ゆっくりとエリック) / Idealised Freedom Lament // Metalator 2 / Concrete Voluteとの記載が裏ジャケにある)。と言う徹底振りで、ファースト・アルバムを1981年にリリースしてから、何と35年振りに、本作品でもあるセカンド・アルバムが出されたと言いますから、そのマイペース振り(?)は凄いですね。彼等にとって、本作品は、40分に渡る光源の無い映画(つまり映像の無い映画)であり、電話や電子機器の発達した現代社会における人間の状態を反映させたものであるとのことです。何とそこには、米国初代大統領のGeorge Washington Johnsonの声やMalawiの初代大統領Dr Hastings Bandaの声も使われているらしいです。それらは、コンピュータ音楽とか声の合成とか冷戦時代の各局の放送とか米軍の武器の音とかを録音して、彫刻のようにHOMが30年以上かけて作り上げた作品な訳です。HOMは、サウンド・アートと音楽の交わるグレーな立ち位置に留まっていますが、HOMはその一方に属することを嫌い、またどちらにも良い顔をする訳でもないです。この立ち位置にある作品は、決して聴き易い作品ではなく、聴く者がその意味を解読しようが、解読しまいが関係がないとのことです。と言う訳で、内容の詳細も先述した通り、A面は、物音系の音とか金属製の音の連なりから始まり、古いレコード音へと急変し、電話のコネクターのクリック音や再びの古レコード音、更に、ドローン様の持続音へ。そして、電話交換手の声やプッシュ式電話の音が続き、やがて逆回転や正体不明な物音へと変容し、またまた古いレコード音へ。更に、重い重力音が唸り出し、どんどんと電磁気音へ、更に音響詩の男性の声とテープ操作とオルガン。更に土着民族の踊りや女性ナレーションになり、A面は終わります。B面も、金属製の音や唄いで始まるも、モーター音のような持続音へ。そして、キーボードの即興のような音に急変し、また日本語のナレーションと動物の鳴き声へ、更に、金属製の音へと移ろい、低速回転の男性の声に変容していきます。何かを燃やす音から散歩する音、更に人の声等がブレンドされ、再び、金属箱の音や水音に代わり、段々とテープ操作された人の声とストリングスへと移行、グチャグチャになった所で、罵倒する声や囁き、それに正体不明の物音に変わり、やがて囁くような微音へと落ち着いて終わります。今回、敢えて、内容を具体化して書いていますが、こんなことは無視して、音の万華鏡/紙芝居のようなHOMの音楽を堪能して下さい‼️NWWとの比較も面白いかも? 感じるのはあくまで貴方自身です❗️ Side A https://youtu.be/yz2aSXo1fzI?si=_B6x9muUK3MXvtsE Side B https://youtu.be/36R3X72i26k?si=P9sfCX6l-hiOytE6 #HastingsOfMalawi #VisceralUnderskinnings #SubRosa #PapalProducts #Experimental #MusiqueConcrete #Collage #BritishDadaistGroup #Dada #HemanPathak #DavidHodes #JohnGrieve #NurseWithWound #Telephone #OldRecords
Experimental / Musique Concrete Sub Rosa / Papal Products 不明Dr K2
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Wire “Nocturnal Koreans”
またまた、登場はWireです!今回は、前回紹介しましたセルフ・タイトルのアルバムの翌年(2016年)にリリースされましたミニ・アルバム”Nocturnal Koreans”で、両面とも4曲ずつ収録されています。一応、メンバーだけは書いておきます。Colin Newman (G, Kbd, Vo [A1-B3], Mix), Graham Lewis (B [A1-A3, B1-B4]), Robert Grey (Drs [A1-A3, B1-B4]), Matthew Simms (G)の4人です。バイオグラフィーについては以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “Nocturnal Koreans”は、いきなりのアップテンポの曲で、LewisのBとGreyのDrsが効いています。NewmanのVoはソフィストケートされており、聴き易いです。 A2 “Internal Exile”はミドルテンポの曲で、跳ねるようなリズムが特徴的で、間奏のシンセやアコギっぽい音も効果的です。 A3 “Dead Weight”では、NewmanのVoは囁くような繊細な印象です。曲のコード進行は特異なのですが、アレンジはシンプルそのものなので、Voがよく映えますね。 A4 “Forward Position”は、ドラムレスな曲で、バックに曖昧糢糊とした抽象的な音と僅かにアコギの弾き語りが聴こえますが、その分、Voはしっとりと歌っています。間奏では弦楽四重奏らしき音も聴こえます。 ではB面にいきます。 B1 “Numbered”は、やや激しい曲で、NewmanのVoも荒ぶっているようですし、GreyのDrsも前面に出ていますが、後半からは重目の突進力も聴けます。 B2 “Still”でもリズム隊がヘビーですね。曲もシンプルで、途中のプレイクとその後のSimmsのGはカッコ良いです。 B3 “Pilgrim Trade”はややスローな曲ですが、重くはないです。その分、リズム隊とリズムGの演奏が冴えていますし、Voの「通り」も良いです。 B4 “Fishes Bones”は、SimmsのGから始まりますが、語りのようなVo(Lewis?)とシンプルなDrsがイカしてます。 総じて、この時期のWireはシンプルな音楽を常に追求しており、それが得も言われぬ心地良さを醸し出しているようです。個人的には、Wireの音楽って、最初から一種の「ミニマル・ミュージック」ではなかったのかと言う風に考えると、彼等が、ここに来てシンプルな構成の曲を演奏しているのが、何となく腑に落ちます。尖ったエッジは無いのですが、その分、沁みてきますね❗️そんなWireの「真夜中の韓国人」、聴いてみてはどうでしょうか?ハマるかもよー❗️ A1 “Nocturnal Koreans” (live version) https://youtu.be/ZH59SWxlUD0?si=ZusFuKKSU9JtDm2z [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ko-6kFJIep-aZNUUl9kC4F2GzD-lukkTw&si=n_5oYnmjJ37Kvfzt #Wire #NocturnalKoreans #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2016作 #Mini-Album #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms
Post Punk Pinkflag 3500円Dr K2
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Wire “s/t”
またまた、来ました!今回は、Wireのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。普通、セルフ・タイトルって、ファースト・アルバムなんかに付けることが多いのですが、そうしないで、何十枚も出してから、セルフ・タイトルを付けるのって、如何にもWireらしいと思いませんか? ここら辺までのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらの方をご参照下さい。まあ、メンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd; A-G [A1, A2, B2], Baritone-G [A1, B1, B2, B5], Mandola [A6]), Graham Lewis (B, Back-Vo [A1, A4, B3, B4], high-B [A3], B-Fx [A6], Kbd [B2]), Robert Grey (Drs, Water Tank [A6]), Matthew Simms (G, 12弦E-G [A2, A3, B3], Kbd [A1, A2, A4, A6], Modular Synth [A4, A5, A6, B2, B3, B4], Lap Steel G [A3, A6], Loops [B2], Fx [B5])とまあ、鉄壁の4人なのですが、メンバーそれぞれ(特に新入りSimmsは、G以外にも、色んな楽器担当)が様々な楽器を担当して、アルバム作製に関わっています。それでは、各曲についてご紹介していきます。 A1 “Blogging”は、アコギやバリトンギターの小君良いカッティングとNewmanの優しいVoがマッチした名曲で、Simmsのシンセも効果的です。 A2 “Shifting”もLewisのBとGreyのシンプルなDrsに支えられて、NewmanのソフトなVoがよく映えています。間奏のGがWireらしい。 A3 “Burning Bridges”も確固たるリズム隊とVoの対比が物凄く良い感じにミックスされ、Gもシンプルで邪魔になっておらず、SimmsのスチールGも良い隠し味。 A4 “In Manchester”は非の打ち所がないシンプルな音楽で、間奏のKbdがより引き立てています。 A5 “High”も同様にソフトなVoと完璧なアンサンブルで、聴いていると、雲の上で横になっているようです。 A6 “Sleep-Walking”は、3rdアルバム”145”を想起させる重いキック(実は貯水タンク?)と切羽詰まったようなアレンジが秀逸です。 それではB面にいきます。 B1 “Joust & Jostle”はアップテンポの曲で、これまたカッコ良いです。多分、曲がシンプルだからでしょう。 B2 “Swallow”は、アコギの刻みで始まり、最初はBでリズムを取っていますが、Drsが入ってきて、より活き活きした曲になります。勿論、Voはソフトタッチです。最後にシーケンス(ループ?)だけが残ります。 B3 “Split Your Ends”は、またアップテンポの曲で、コード進行も含めて、本当にこの手の曲はカッコ良いし、多分、シンプルなリズム隊によると思います。 B4 “Octopus”もアップテンポで、これもカッコ良いです。サビのコード進行とアレンジが独特で、Wireらしい。 B5 “Harpooned”は一転して、スローテンポな曲ですが、雰囲気としての「重さ」は無く、寧ろ奥行きを感じさせる曲で、Voにも悲壮感等は漂ってはいないです。この曲も名盤”154”を彷彿とさせます。本作品には珍しく歪んだGの音が新鮮です。最後、ループて終わるのも渋いですね。 総じて、思ったのは、全体的にシンプルな構造やコード進行で進む曲が多く、またNewmanのVoも極めて冷静かつソフィストケートされた声で歌っている為か、「普通」過ぎて、「普通」じゃない音楽になっていると感じました。それとGreyのシンプル極まりない禁欲的なドラミングも特筆すべきでしょう。なので、この時期のWireの音楽は形容し難いです。と言うことは、彼等は既にジャンルとかの枠を易々と飛び越えてしまったようです。私は、そんな奇跡的音楽を奏でているWireに一生付いていきます‼️ 本当に「ロックじゃなければ何でも良い」音楽となっていますので、マスト・アイテムです❗️ https://youtu.be/aIuh5ySdyKM?si=t9Lildqp_zNnR_eS #Wire #SelfTitle #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2015作 #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #Multi-Instrumentalists
Post Punk Pinkflag 2773円Dr K2
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The Fall “This Nation's Saving Grace”
やっとさ、買えました。そう!The Fallの8枚目のスタジオ・アルバム”This Nation's Saving Grace”です!The Fallのアルバム、今、結構高いんですよ。なので、購入出来たのは、リマスタリングされた再発盤です。The Fallのバイオグラフィーは初期については既に書いてありますが、前回の続きを補足したおきます。1982年3月8日に、名盤”Hex Enduction Hour”をKamera Recordsより出し、その後、同年4月19日には7枚目のシングル”Look, Know”も出しています。そして、同年9月27日には、アルバム”Room To Live”もKamera Recordsよりリリースしていますが、その年末に、Ozツアーでの殴り合いを起こしてしまったことで、Marc Rileyが解雇されています。1983年に、Rough Tradeは、The Fallの9枚目のシングル"The Man Whose Head Expanded"を、同年9月には10枚目のシングル"Kicker Conspiracy"をリリースしています。一方、Kamera Recordsは、1982年にリリース予定だったシングル"Marquis Cha Cha"をレーベル側の資金問題で、1982年末にリリースは差し戻しにしてしまいます。1982年にSmithの米国人ガールフレンド(後に結婚する)Brix SmithことLaura Elise Salengerをギタリストとして加入させます。これによって、バンド・サウンドはよりポップで、オーソドックスな方向へと向き、Brixの影響で見かけも洗練されていきます。そして、同年12月5日に、Rough Trade最後のアルバム”Perverted by Language”をリリースしますが、この作品はBrixが加入した最初のアルバムになります。また、同時に、ライブアルバム”In A Hole”をFlying Nun Recordsからもリリースしています。この頃はBrixの加入によって、The Fallの人気は高まり、R. Dean Taylorの"There's a Ghost in My House" (1987年)やThe Kinksの"Victoria" (1988年) のカバーや自分達の曲"Hey! Luciani" (1986年)や"Hit the North" (1987年)などのシングル、そして、1984年のアルバム”The Wonderful and Frightening World of The Fall”や1985年のアルバム”This Nation's Saving Grace”(本作品です)、1988年のアルバム”Bend Sinister”或いは1988年のアルバム”The Frenz Experiment”を順調にリリースしており、ファンにも評論家にも高評価を受けています。またアルバム”I Am Kurious Oranj”はSmithとダンサーのMichael Clarkによるバレエ曲でもあり、これも好評でした。この頃(1985年頃?)に、Simon RogersがKbdで加入していますが、後に、Marcia Schofieldに代わっています。Paul Hanley (Drs)はThe Fallのワールドツアーでは脱退していましたが、アルバム”This Nation’s Saving Grace”リリース後に、Karl Burnsの代わりにSimon Wolstencroft (Drs)が加入しており、バンドはダブル・ドラムではなくなり、ソロドラム体制になっています。Wolstencroftのドラムは、Burnsに比べて、呑み込みが早くかつファンキーでした。そして、2014年になって、やっとドラムがWolstencroftのアルバム”You Can Drum But You Can't Hide”がリリースされています。今回はここら辺までにしたおきます。 それで、本作品についてご紹介していきますが、先ずはこのアルバムの時のメンバーを紹介しております。この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo, Vln, G), Stephen Hanley (B), Karl Burns (Drs), Simon Rogers (Kbd, A-G, B), Brix Smith (Lead-G, Vo), Craig Scanlon (Rhythm-G)の6人組です。多分、ここら辺りのThe Fallが好きな方は多いと思いますが、本作品での目玉は、B4 “I Am Damo Suzuki”ではないでしょうか?彼等のルーツがいわゆるクラウトロック、特にCanにあることを示す証左なのかな?それでは、各曲をそれぞれ紹介していきます、 A1 “Mansion”は、怪しさ満点のRogerのKbdが冴えてるダークなインストの小曲です。 A2 “Bombast”はノリの良い曲で、HanleyのBがドライブしており、SmithのVoも冴えています。隠し味はやはりRogerのKbdですね。 A3 “Cruisers Creek”は、BrixのGのリフとSmithのVoからいきなり始まる「The Fall」的な曲ですが、無理クリなサビが挿入されています。それでもギターのリフは繰り返されていますが。 A4 “What You Need”もモロThe Fallな曲で、ユーモラスで跳ねるようなベースとScanlonのギター及びRogerのKbdのリフが延々とリフを繰り返す曲で、SmithのVoとコーラスの対比も面白いです。 A5 “Spoilt Victorian Child”は、アップテンポな曲で、少しR&B調ですが、SmithのVoで一気に「The Fall」的なサウンドになってしまいます。途中と最後のブレイクと言うか緩急の付け方も効果的です。 A6 “L.A.”はめちゃくちゃカッコいい曲で、HanleyのベースとRogerのシーケンスにBrixのGのメロディがバッチリです。Smithの呪文のようなVoと女性コーラスが映えています。 ではB面にいきます。 B1 “Gut Of The Quantifier”はBurnsのドラムとSmithのVoで始まり、タイトなリズム隊とScanlonとBrixのギターが上手く絡んでいます。途中からギター・ノイズが入ってきて終わります。 B2 “My New House”はRogerのアコギで始まりますが、他の楽器が入ってくると、一転して「The Fall」節になってしまうマジックな曲です。あのSmithの裏返ってしまうVoも堪能できますよ。 B3 “Paintwork”でもRogerのアコギがたっぷりと聴けますが、途中で、ちょっとした仕掛けがしてあります(これは聴いてのお楽しみ)。ベースやギターが入ってくると途端にいつもの「The Fall」節になってしまい、反復する曲で盛り上がりますが、Kbdが良い味出していますね。 B4 “I Am Damo Suzuki”は問題作ですね。しっとり始まったかと思ったら、激しいドラムが挿入、再び、落ち着いたと思ったら、またドラムが挿入され、SmithのVoは曲のタイトルを連呼しています。SmithにとってDamo鈴木は憧れだったのかな? B5 “To Nkroachment: Yarbles”は、独独のベースラインとSmithのヴァイオリンもVoも聴ける小曲です。 総じて、The Fallの一番脂に乗っていた時期のアルバムなので、ハズレはないです。まあ、結局は、Damo鈴木との関係はよく分かりませんでしたが、The Fallの「反復」と言うのは、乱暴な言い方をすれば、Canのハンマービートを楽曲に取り入れて、ほんの2パターンで曲の演奏を押し切ると言うことでは?と思いました。また、その為には、Hanleyのベース・ラインが、メリハリを付ける時に非常に重要なんだと確信しました。そこら辺が好きな方は是非聴いてみて下さい‼️損はしませんよ❗️ https://youtu.be/K-lCxdxRsF0?si=u-iUlLYOmpEi6lla #TheFall #ThisNationsSavingGrace #BeggarsBanquet #PostPunk #13ThAlbum #Repetition #MarkE.Smith #StephenHanley #KarlBurns #SimonRogers #BrixSmith #CraigScanlon #IAmDamoSuzuki #Can
Post Punk Beggars Banquet 3400円Dr K2
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Robert Turman “Distant Dosage”
私は完全に勘違いしていました。米国ノイズ・ミュージシャンBoyd RiceとNONは同じだと思っていたのですが、実は、NONは、Boyd Riceらが結成したグループ名だったのです。いゃ〜参った、参った。それに気付いたキッカケが、Robert TurmanがNONの創立者の1人であったという情報を得てからです。それで、今回、ご紹介するのは、Robert Turmanの初期のソロ作をセルフ・コンパイルした本作品“Distant Dosage”です、その前にNONも少し触れながら、Turmanのバイオグラフィーを書いていきます。彼は、元々San Diego出身で、現在はオハイオ州Oberlinに住んでいます。そんな彼がインダストリアル・シーンに登場するのは、1970年代末で、有名なノイズ・リジェンドNONの相方としてです。1977年作のシングル”Mode of Infection/ Knife Ladder”を録音したことがキッカケですが、その直後、Turmanは彼自身の音楽を追求する為、ソロで活動を始めます。それまで捨ててきたあらゆる影響を融合させる方向に舵を切り、Flux (1981年), Spirals of Everlasting Change (1987年), Way Down (1987年), Chapter Eleven カセット・ボックス・セット(1988年)などの多量のカセット作品をリリースしてきました。そうして、活動休止期後の2005年に、Aaron Dillowayと一緒に活動するようになり、再び多数の素晴らしい作品をリリースしています。この位しか情報が無いのですが、今回の作品は、蘭Dead Mind Recordsからのラブコールで、彼の初期(1980年~1984年)の作品から、ピックアップからした7曲をセルフ・コンパイルしたアルバムとなっています。そしてその内容は、初期インダストリアルと、彼のソロ第1作目の”Flux”の延々と続くミニマル・ミュージックと、彼の第3作目の”Way Down”のリズミックなインダストリアルの間に位置するような音楽で、知らない内に、催眠的なループ音のレイヤーへとゆっくりとシフトしていくような曲になっています。この作品を聴けば、Turmanの初期の作風は殆ど網羅出来ると思います。 それでは、各曲について、ご紹介していきましょう。 A1 “A Kind Of Dance”は、1981年の曲で、機械の駆動音らしき音のショート・ループから成ります。ちょーっとずつループがズレていくようですが、ぼーっと聴いていると分からない程度の変化です。確かに機械仕掛けの人形の為の、無機質な舞踏曲ですね。 A2 “Listen With Your Heart”は、1982年12月の小曲で、比較的高音のシンセと思われる音のループから成ります。これもちょーっとだけ微妙に変化があるようです。この変化が意図的なものなのか?それとも機材の不安定性によるものなのか?はいつか明らかにしたいですね。 A3 “Not Moving”は、1980年の曲で、民族楽器と思われる打楽器と短いメロディらしき音がグルグルの反復する曲で、3日3晩踊り続けるトランス音楽として聴くことも出来ます。ただ、よく聴いていると、少しずつ音に変化があります(テンポほジャストで不変)。 では、B面にいきます。 B1 “Possibilities”も、何らかの具体音のショート・ループから成る曲で、どうもキッチンとかの具体音以外にもヴァイオリンの弓が擦れる音や3時のおやつの時間の時計の音などを音源にしているようです。 B2 “Hello Distant Dosage”は、1982年12月の作品で 多分既存の曲のの断片をループにしているようです。どうもちょっとずつちょっとずつ音がズレてきているように感じられめすので、そこら辺の音のモアレ効果も狙っているのかと思います。 B3 “Espilego”はエスパニア語のループかと思ったら、金属製の打楽器(或いはジャンク・パーカッション)の打撃音のループから成る曲でした。リズムは有るような、無いような。どうも、タイトルはエスパニア語の俳句のことみたいです。 B7 “Mind Meeting”は、1982年12月の曲で、これも何処かの曲の断片をショート・ループした曲で、延々と続いていく様は、正にヒプノティック(催眠的)です。ただ よく聴いていると、僅かに変化していくんですよ。本のちょっとだけですが。 まとめますと、どれもショート・ループから成るヒプノティックですが、恐らく、ディレイなんかのホールド機能を使っているのだと思います(何せ、まだサンプラーは登場していませんでしたから)。なので、ループの速度はほぼほぼ同じですのが、ちょっと飽きてしまうかもしれません。あと、私も、1990年代に、U.G.A.S.名義で、ループだけで1本カセット作品を作っていますが、似たようなことをやっていましたね。また、NONでのレコード盤とかを使う「反復」手法を忠実に受け継いでいるのは流石です❗️万人に受けるとは思いませんが、AMKとか、RRR500 Locked Grooveが好きな方にはお勧めします❗️ A3 “Not Moving” https://youtu.be/aK1DCgYz45w?si=QYnnyH_e9eDjpg8F [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mYYDY0-zsP6Nrg_6-7V0JrcHeZBw90qcs&si=zT7RRQ-9l-nn6vlZ [BandcampのURLも貼っておきます] https://dead-mind.bandcamp.com/album/distant-dosage #RobertTurman #DistantDosage #DeadMindRecords #NON #Solo #EarlyWorks #1980-1984 #Industrial #Minimal #Experimental #Noise #USComposer #SelfCompilationAlbum #Loop #ShortLoop #具体音 #既成曲 #U.G.A.S
Experimental / Musique Concrete Dead Mind Records 3597円Dr K2
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John Duncan + Stefano Pilia “Try Again”
このブツも当時、John Duncanの名前を見かけて購入したアイテムだと思いますが、すっかりどんな音楽だったのか?を忘れてしまったので、今回、再度、聴き直しました。John Duncanについては、既に何回かご紹介したいますので、彼の最近の活動と、今回の相方である伊ミュージシャンStefano Piliaについて、ご紹介したいと思います。Duncanは元々は米国カンサス州Wichita生まれの米国人ですが、1970年代から、LAでLAFMSと関わったり、西海岸で、パフォーマンスやコンセプチュアル・アート・シーンで活動を開始しています。しばしば、彼のパフォーマンスは、権力や権威或いは支配に対するものが多く、例えば、有名なのは「死姦パフォーマンス」で物議を醸し出しています。その後、日本に活動の拠点を移し、海賊ラジオやAQMレーベルを運営、その頃は、短波ラジオの音とビデオとを組み合わせたパフォーマンスをやっています。次に、彼は蘭Amsterdamへ、更に伊Udine、現在は伊Bolognaに居を構えて活動しています。近年では、歌詞を作り、歌を歌うと言った、これまでのコンセプチュアルな活動/作品の真反対の作風になっています。一方、今回のコラボ相手Stefano Piliaですが、彼は、1978年生まれの生粋の伊人で、1995年からBolognaに住んでおり、最初は、パンクやロック・シーンで、ギターやウッドベースを担当していました。即興と電子音響作曲との融合したような音楽をやっていた3/4HadBeenEliminatedを結成し、ソロでも活動していましたが、2008年からはMassimo Volumeと、2010年からはZaireと、その他にもDavid GrubbsとAndrea Belfiから成るBGPトリオやMike WattとA. Belfiとから成るil Sogno del Marinaioともコラボで実験ロック的な活動をやってきており、2012年からは、Rokia Traorèでもギターを弾いています。近年では、ギターやループ、フィールド録音或いは他のアコースティックな音源を使った緻密なドローン作品を作るようになっており、サントラの作製や、演劇や映画、朗読、ダンス或いはヴィデオ・アートのアーティスト達ともコラボをやっており、CDなども沢山出しています。また、David TibetやZ’ev, Rhys Chatamなどなど多くのミュージシャンともコラボをしています。直近ではサウンド・インスタレーションを演っているようですが、Wire誌などでは好評を得ています。 今回は、そんな2人のコラボ・アルバム”Try Again”をご紹介したいと思います。先ず、クレジットを見ると、John Duncan (Lyric, Vo, Mix)とStefano Pilia (Synth, Processed Recording, Mix)となっていることから、やはり、「歌物」と言うことが容易に想像できますね。それでは、各曲を紹介していきます。 A1 “Try Again”から始まる本作品は、多分、バックの茫漠たる霞みのような音像はPiliaによるモノと思いますが、そこに乗っかるハスキーな声で呟くように歌うのはDuncanでしょう。またヴォーカルを重ねて録音したり、念仏のように”Try Again”をひたすら繰り返すのも、何らかの効果を狙っているのでしょう。しかしながら、バックの音には、明確なメロディな無いのですが、何とも言えない哀愁(?)を感じますね。そして、唐突に簡素な打撃音のみで終わります。 A2 “The Reprisal”では、不明瞭なPC音やキックやパルス音と逆回転ヴォイス、更にはオルガンなどが絡み合って、活き活きした曲となっています。また、Duncanのヴォーカルも重ねて多重録音されており、これが摩訶不思議な効果を醸し出しています。 B1 “The Sellout”は、テープの低速回転と逆回転とから始まり、どんどん空間が捻れていきます。そして、ハスキーなヴォーカルが今度はメロディアスに歌い上げています。 B2 “Obsolete + Comeback”は、シンセ音の多重録音で始まり、その途中途中にエフェクト処理されたヴォーカルが挿入されてきますが、段々とスペーシーになったと思ったら、またもや朗読のようなヴォーカルとバックの煙のような音塊がくんず外れず絡み合っていきます。 B3 “Fare Forward”も、A1のようにまたまた茫漠たるバックの音とそれに寄り添うようなコーラス、そうして、語りのように一つ一つの単語をハッキリと発音するヴォーカルが入ってきます。もうここまで来ると泣けてきますね。本当に悲しい曲です。最後はコーラスでしんみりと終わります。 ここに来て、何故、John Duncanが歌物を始めたのかは、寡聞にして知りませんが、何か考えがあるのでしょう。元々、コンセプトをしっかりと立てて、パフォーマンスをするタイプのアーティストなので。しかも、歌詞はゆっくりで、発音もハッキリしています。これにも何か意図があるように思います。そんな謎解きを含めた面白い作品だと思いますので、近年のJohn Duncanのことを知りたいのであれば、是非聴いて、謎を解いて下さい‼️ *アルバム各曲のYouTubeのURLを貼っておきます。 A1 “Try Again” https://youtu.be/q7KIgkPGy9A?si=kaV0q_UkJG3DvwTW A2 “The Reprisal” https://youtu.be/0v2fCSb8Vlg?si=FSXgD6ujgt4d23CU B1 “The Sellout” https://youtu.be/l3IV-mcIIL8?si=PBvFBHBcMM8Z27MJ B2 “Obsolete+Comeback” https://youtu.be/5miJNdl4g5w?si=5yOBXQ_CWTPBkO3p B3 “Fare Forward” https://youtu.be/MSAS48YufOE?si=-SeZyCzt29TM-piE [BandcampのURLを貼っておきます] https://mapledeathrecords.bandcamp.com/album/try-again #JohnDuncan #StefanoPilia #TryAgain #MapleDeathRecords #US&Italy #Bologna #CollaborationAlbum #Noise #歌物 #Experimental #ConceptualArtist #Vocal #Lyrics #RockScene #SoundInstallation #Synthesizers #SoundProcessing #DarkAtmosphere
Experimental / Vocal / Noise Maple Death Records 不明。Dr K2
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Process Blue “Control Panel”
これも、殆ど「謎物件」です。Dark Entriesが出していると言うことだけで、購入しました。この作品は、Process Blueが、1982年に自主制作で出したカセット作品を、Dark Entriesがリマスターしてレコードで再発したものです。それで、このProcess Blueについて、ちょっと調べてみました。結成は1981年秋で、米国Dayton近くのOhio州のYellow SpringにあるAntioch大学で、Chel White (Tapes, Kbd, Perc)とDan Gediman (Kbd, Vo, B)とデュオとして結成されましたが、ライブや録音ではサポートメンバーにヘルプしてもらって活動していたらしいです。彼等は、元々、電子音楽、或いはアコースティックな楽器や非楽器及びテープ操作等による電子変調サウンドに興味を持っていましたが、それらをあくまでもポップ・ミュージックのフォーマットの中で色々試しながら演ると言うことに重きを置いていました。因みに、メンバーのChel Whiteは、後に、映像作家/ディレクター/作曲家/視覚効果アーティストとして有名にもなっており、ロックフェラーのフェローとして、Peabody賞受賞した作家として3本の映画を作製し、ラジオDJのJoe Frankとも活動しています。彼等は、当時は、自主制作でカセットを2本出しているだけでした。と、この程度の情報しかありませんでした(すまん!)。それで、本作品の内容について紹介していきます。先ず、本作品はほぼ、オリジナルのカセット作品と同内容ですが、1〜2曲だけ、当時、他のレーベルのコンピに入っていた曲もコンパイルしてあるようです。そして、メンバーは、Chel White (Kbd, Perc, Artwork, Drum Machine, Tapes, Speak & Spell)とDan Gediman (Kbd, Vo)に加えて、ゲストとして、Gil Belton (Rototoms, シンセでの鳥の声 [A2]), Eric Zimmerman (Korg Synth [A4,A5]), Patricia Yarborough (Vo [B2,B4])も参加しています。なお、They Might Be GiantsのJohn Flansburghが、A3 “Up To $100”でエンジニアをやっています。また、コアメンバーの2人が使っていたシンセは、Moog Sonic-Six, Casiotone MT-30, Korg MS10, Roland SH-101, Casio VL Toneで、アナログ楽器としては、ギター、ベース、ドラムも使っています。それで、今回のマスタリングにあたっては、Fantasy Studiosで、George Hornによって行われています。それで、本作品では両面とも6曲ずつ収録されています。A1 “Control Panel”はいきなり、Casiotoneのリズムボックスにスピーク&スペルで始まります。その後も、インスト曲で、割合実験色の強い曲が切れ目無しに続いていきます。なので、やや暗い/無機質な印象を受けますね。まっ余り、歌詞やメロディには重きを置いていないようで、A5 “Subterrania”ではギターらしき音も。B面に行きます。B1 “Roseland”では、またシンセ・ウェーブのようにポップで、歌物になっています。ここからの数曲は割とポップな路線になっています。特に、B1 “Rodelandes”では、Gedimanが、また、B4 “Air”では、歌詞をYarborough嬢が書いている事もあって、何とかミニマル・ポップになっています。B6 “Deadly Night Whispers“は殆どが安物のリズムボックスの音の反復から成り、ミニマルな展開を見せて、我々を放ったらかしたまま、本作品を締めていきます。思っていたよりも、実験色の強い電子ポップ作品或いはインダストリアルなポップ・アルバムに仕上がっています。1980年代初頭の地下音楽に興味のある方は是非一度、聴かれることをお勧めします❗️地味ながら、面白いですよー❗️ A1 “Control Panel” A2 “Industrial Park” A3 “Blind Curve” A4 “Up To $100” A5 “Subterrania” A6 “White Wind” B1 “Roseland” B2 “Pink Razor” B3 “Metal Dogs Of India” B4 “Air” B5 “Traveling Through Fog” B6 “Deadly Night Whispers” A5 “Substerrania” https://youtu.be/GEnVE2DcUqQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n_V1FB8USNwvGlXzvRcAaBvwCvTRe8vMk [BandcampのURLも貼っておきます] https://processblue.bandcamp.com/album/control-panel #ProcessBlue #ControlPanel #DarkEntries #Reissue #Remastering #USUnderground #Electronic #MinimalWave #ExperimentalPop #Industrial #Synthesizers #Vocal #ChelWhite #DanGediman #Guest #GilBelton #EricZimmerman #PatriciaYarborough
Minimal Wave / Experimental Dark Entries 1900円Dr K2
