ボンボニエールの部屋
ボンボニエールとは、ボンボンのような砂糖菓子を入れる容器のことをいい、フランス語が語源となっています。日本の皇室や宮家では、明治二十年代以降、結婚式等の様々な御慶事や外国賓客の接遇に際して催される饗宴で、引き出物として出席者に配られることが慣わしとなっており、それは令和の時代にも引き継がれています。
ボンボニエールは、銀製のものが殆どですが、他にその作成された時代背景を色濃く反映した木製、竹製、陶製のものなども存在します。また、形状においても、ご慶事の内容、発給者等に関連した歴史にまつわる文物、動物、植物など、様々なものがその形状、文様のモチーフになっており、その工芸技術の高さとも相まって見る人の目を楽しませてくれます。
特に、大正期から昭和にかけ、ボンボニエールを引き出物とする習慣は大きな広がりを見せ、皇室や宮家以外の華族、官公庁、企業等にも広がり、意匠的にも手の込んだものが多く作られました。