三葉虫の謎(8)

初版 2023/10/26 18:41

改訂 2024/02/18 15:12

最近プテリゴメトプスとその仲間たちについて少し興味をもっていて、いろいろ見たりしているが、なんといっても目につくのはその値段の高さだ。
このサイズでこの値段ですか、と驚くようなのが次から次へと出てくる。
しかし、その驚きはけっして不快ではない。
むしろあまりの高さに爽快感すらおぼえる。

まあ、自分で買うのはちょっと無理だが、そうやってこれら元祖ファコプスともいうべき三葉虫を眺めていてふと気になったことがある。
それは、ファコプス(狭義の)の顔線はどう走っているのか、という疑問だ。

三葉虫の頭部には顔線というものがあって、この線に沿って自在頬(librigena, free cheeks)が分離するようにできている。
プテリゴメトプスの仲間たちの顔線はわかりやすい。
他に目を転じて、同じファコプス目のうち、アカステ科のもの、これもよくわかる。
ダルマニテス科もよくわかるし、ケイルルスやカリメネの仲間もやはり明瞭だ。
ただ、ファコプスだけが不明瞭というか、じっさい顔線がよく見えないのだ。

自在頬の外れたファコプスの標本があれば一目瞭然だが、自在頬には目のレンズ部分が含まれるので、複眼のないファコプスなど商品価値なしとみなされて、一般に出回ることはないだろう。

バランド先生の図録をみると、目の後側から垂直に顔線が走っていて、縁と交わるところにωの印がついている。
このωに対応するαはないようなので、頭鞍の下あたりをぐるりと囲むような形で顔線が走っているような気がするのだが、どうか?

もしご存じの方があればご教示ください。

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ktr

鉱物と化石の標本を集めています

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    Trilobites

    2023/10/26 - 編集済み

    普通にTrilobites.infoの「Facial suture」のページが参考になると思っていますが、位置的には合っている思います。ファコプスの自在頬が外れないのは、眼の大きさに関連していると思われ、同じように比較的大きな眼を持つアスフスも外れないのと同じなのかなとは思います。

    https://www.trilobites.info/sutures.htm

    プテリゴメトプスに関心が向いているとは、ロシア産収集家でも珍しいですね。来月分は間に合わないですが、12月更新分でお蔵入りしている、この仲間を準備してみます。

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      ktr

      2023/10/26

      さっそくのご回答をありがとうございます。
      私もうちにある本をひっくり返してみましたが、これぞファコプスの顔線といえるような画像を見つけることができませんでした。
      アカステ科、たとえば Erbenochile なんかですと、目は大きくても顔線がよく観察できますよね。
      ファコプスの場合、もしかしたら癒合が進んで顔線がなくなってしまってるんじゃないか、という気がしてきました。
      プテリゴメトプスの仲間は、なんか根付みたいな感じで、私には非常におもしろく思われるんですが、少数派でしょうか。
      12月の更新、楽しみにしております。

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    trilobite.person (orm)

    2023/10/31 - 編集済み

    ファコプスのfacial sutureは、そういえば何故かあまり意識したことがなかったです。Trilobitesさんの挙げてくれたリンクにありますが、ファコプスのsutureは実は少数派のproparian typeであるという事自体、これまでスルーしていました。
    うちにある標本をいくつか眺めてみましたが、ファコプス科でもEophacopsあたりですと線が見えるのですが(ただし防御姿勢の標本なので、sutureが見えやすくなっているのかも)、Reedopsは微妙で、Phacops(属)、Adrisiops、Boeckops、Morocops、Eldredgeopsなどは全部よくわかりませんね。詳細に検討すれば、ファコプス科のどのあたりの進化段階で、sutureが見えづらくなったのかなど、分かるかもしれません。

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      ktr

      2023/10/31

      やはり見えたり見えなかったりですか。
      まああまり気にしなくてもいいのかもしれませんが、あるべきものがないのはちょっと気を揉ませますね。
      ファコプスの場合、ハイポストマを剖出した標本もなかなか見当らず、頭部の構造が謎に包まれているような気がします。

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    ktr

    2024/02/12

    「ニューヨークの三葉虫」の9ページにカリプトアウラクスの頭部の写真が出ていて、その説明に「顔線は癒合していて脱皮の際にも分離しない。このことはファコプスの仲間では一般的」と書いてありましたので、報告しておきます。

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    Trilobites

    7 days ago - 編集済み

    そもそも多産するようなグループではないので、見た目と価格のギャップは生じてしまいますね。円安やロシア情勢もあり、アサフス多産種でも安く無ないですが。

    顔線のαは、複眼の内側と頭鞍の境なんだとは思いますが、実物は小さい事もありクッキリと分かる個体が殆どないですからね。

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      ktr

      7 days ago

      最近はあちこち目移りしてしまって、ロシア産に照準を合わせ切れていません。
      まあ、すぐに売れるものでもないので、気長に行こうと思います。
      顔線については、たぶんチェコ産のファコプスが小さいのと状態がよくないのとで、あまりよく分っていなかったんでしょう。
      そういう意味では、このωもちょっと怪しいですよね。

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