Remopleurides elongatus

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ロシアのレモプレウリデスのうち、従来一般的だった R. nanus に代って、近年市場でよく見かけるようになったもの。以前は Remopleurides nanus elongatus といって、亜種扱いだったが、産地も地層も違うので、別種として立てられたらしい。

私とレモプレウリデスの仲間とのつきあいは、チェコのアンフィトリオンから始まって、オクラホマのロベルギア、そしてロシアの本種と続いてきたが、けっきょくのところこれだけが手許に残ることになった。あとはイギリスほか、いくつか産地はあるけれども、ちゃんとしたものを手に入れるのは至難なので、とりあえずは本標本で満足しようと思う。

さて本標本だが、じゃっかん左右に捩れはあるものの、ほぼ完全に延びきっていて、背中のトゲもわりに危なげなく保存されている。これが防御姿勢をとっていたりすると、トゲが飛び出した格好になって、非常に危なっかしい。好みにもよるけれども、見ていてはらはらするような標本はなるべく避けるようにしている。そういうものからは「癒し」は得られないと思うので。

保護剤(?)のせいでややアーティフィシャルな趣はあるけれども、前にアルティオクルスでやったような、アセトンで剥がすといったことはまったく考えていない。この繊細な三葉虫に対して、それは暴挙というものだろう。

さて写真をとって拡大して眺めてみると、どことなく「タイノエ」とか「ウオノエ」とか呼ばれる寄生虫に似ているような気がしてきた。とにかく、一般的な三葉虫とはかけ離れたフォルムであることだけは確かのようだ。

サイズ:トゲを含んで16㎜

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    trilobite.person (orm)

    2024/12/21 - 編集済み

    私も今は、こういうガシッと岩に張り付いているような標本が好みです。理由はktrさんと全く同じで、棘が四方八方に飛び出していると折れそうで、安心できないからであります。背中の棘も、垂直ではない方向に伸びているので、そこもいい感じですね。艶やかで美しい標本だと思います。
    この独特の白い色合いも影響しているのだと思いますが、タイノエ・ウオノエのような寄生虫や、深海性の甲殻類を彷彿とさせる姿の三葉虫ですね。

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      ktr

      2024/12/21

      地震とかはもう仕方ないと思いますが、日常のちょっとしたことでトゲを折るのは、心まで折れそうになるので、なんとしても避けたいところです。展示派から収納派に転向してよかったと思うのは、そういうときですね。
      この三葉虫、写真では白く見えますが、実物はクリーム色です。ショップの画像などでも白くなっているのは、見栄えをよくするためにそうしているんじゃなくて、そう写ってしまうんですね。

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    Trilobites

    2024/12/27 - 編集済み

    私も欲しい種類ですが、登場初期より値上がりが大きくなっていて諦め気味です。白殻に見えていたのは、写真写りだったんですね。あの白殻が何とも良い風合いで惹かれていたので、意外ではありました。保護剤は塗ってありそうですが、この標本は剥がさないのが無難だと分かります。

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      ktr

      2024/12/28

      Kukruze level で産出するものの大半はこんな感じで、ものによってはほんとに白いのもあるかもしれませんが、だいたいはベージュじゃないかと思っています。
      私の前に手に入れたのも、やっぱりくすんだような色合いでした。
      本種はまあそこそこの値段のものも売ってますが、たしか R. nanus はお持ちだったと思うので、それでじゅうぶんのような気もしますね。

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