Scabriscutellum hammadi

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モロッコのスクテルムのうちでも最多産の Scabriscutellum furciferum と同一の種類だと思われる。
頭のてっぺんに小さい突起があるくらいで、ほとんど特殊化しておらず、じつにすっきりした姿形をしている。
私はスクテルムに関しては、縦長よりも幅広のものを好むので、今回のものはその点でもOKだ。

本標本の特異な点として、左目のあたりに付着した卵(?)のようなものと、黒い条のついた輪郭線とが挙げられる。
輪郭線は、自在頬の縁などに顕著だが、それが肋棘も含めた全体にわたって描かれている。
そして黒い条線は中軸を取り囲むような形でも認められる。
いったいこれは何なのか?

卵については、あまり確信はない。
たとえ卵に殻があったとしても、そんなに硬いわけではないだろうし、それが形を保ったまま鉱物に置換されるとも考えにくい。
私としては、卵にみえるものがそれらしい場所に散乱しているという、そのこと自体を楽しみたいと思う(肉眼では確認できないのがまたよい)。

サイズ:45mm

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    trilobite.person (orm)

    2025/02/06 - 編集済み

    結局想像に任せるしかないですが、目の周りにパラパラと付いているものは、卵以外であれば、死骸に群がってきた貝形虫などの小甲殻類ないしは、小さな腹足類などかもですね。
    標本周りの黒い線は、これも妄想の範囲内ですが、標本周りに沈着した鉱物やデンドライトなどでしょうか。
    それらが何であれ、ハミー氏が関わる標本は、こういった妄想の余地がある、細かな附属物が楽しめるのも良いです。

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      ktr

      2025/02/06

      確かに、細部のおもしろさは特筆ものですね。これほど観察しがいのある標本も珍しいかもしれません。頭部の先端には、おっしゃるようにデンドライト様のものが見つかりました。写真はピンボケに終ってしまいましたが、いつかちゃんとした機材を手に入れたら、もう一度撮ってみたいです。
      小さい腹足類といえば、これを思い出しました。
      https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1209177389276873&id=145659365628686&set=a.145661062295183

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    Trilobites

    2025/02/08 - 編集済み

    私の所有しているHammi氏からのクロタロも、卵かなとと思われる丸い痕跡があるのですが、まだ不確定要素が強く何とも決定打がないまま時間は経っていますね。いまは色々想像してみるしかないのですが、もしかしたら他の生物や単に砂粒なのかもしれませんが、化石の母岩にこの様な痕跡を残してくれるだけでも当時の海底が見えてくるようで興味深いです。

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      ktr

      2025/02/08

      トリアルツルスの卵だって本物かどうかだれも分らないので、われわれがそれらしい痕跡を見つけて楽しむ分にはなにも問題ありませんね。昔は標本の上にそんなものがくっついているのは邪魔でしかなかったのですが、最近ではそういうものも楽しめるようになりました。

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