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SEIKO PRESAGE SARW035
服部時計店を前身とする日本時計の雄、SEIKOが作り出した伝統的な琺瑯(ホーロー)を素材としたモデル。 琺瑯は戦前の時計の文字盤に使われ、艶やかな白は100年を経た今日も色褪せないという抜群の耐久性を誇る。これは素材となる金属の地に釉薬を吹き付けて焼成することで出来るが、時計の文字盤には凹凸があり、液状の釉薬が溜まってしまい均一な吹き付けが困難という問題があった。それを実現したのは富士琺瑯工業つくば工場の琺瑯職人 横澤満氏の技術によるところが大きい。 本品はそうした琺瑯の地に、精工舎が1896年に発売した初の国産懐中時計「20型タイムキーパー」の文字盤をあしらってしまった。これにブルースティールの針というのだから実に美しく完成されていると思う。 過去と今、そして未来へと続くSEIKOの歴史が詰まった逸品であろう。
腕時計(自動巻) SEIKO 2019年蒼樹たけ
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大倉陶園 瑠璃片葉金蝕カップ&ソーサー
1919年創業の大倉陶園は、ヨーロッパに負けない素晴らしい技術で日本の洋食器界を牽引してきた。 大倉を代表するシリーズは「ブルーローズ」と、もう一つは「片葉金蝕」であろう。葉っぱを重ねるシンプルな文様は1925年頃に誕生し、以来こんにちまで様々な人々を魅了し続けてきた。 本品はその片葉金蝕に瑠璃を合わせた「瑠璃片葉金蝕」と呼ばれるシリーズである。白生地の上にコバルト質顔料を付けて焼成する「瑠璃釉」と呼ばれる技法により、白地に美しい紺青色、金のラインという優美な色づかいの逸品に仕上がっている。 使ってみれば飲み口は薄く、持ち手も非常にバランス良く整っており、紅茶がするりと口の中に流れ込んでくる。 静かに一杯の紅茶と向き合う時、傍らにあるのはこのカップが最も良いように思う。
カップ&ソーサー 大倉陶園 2019年蒼樹たけ
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深川製磁「菊花紋酒器」
深川製磁は1894年に深川忠次によって設立され、以来皇室や軍などの食器や記念品を作り続けてきた。 本品は1994年1月、明治神宮が神楽殿竣工の記念として、明治天皇所用の「酒器」を深川製磁で復刻したものである。720mlほど入りそうな容量であり、複数人で飲むのが適当な使い方か。 底には「深川製」の文字とは別に3つの点が打たれているが、これは宮中に納める物に特に打たれるという。
酒器 深川製磁 5000円蒼樹たけ
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JAMES LOCK & Co. Hatters コークハット(ボーラーハット)
1676年創業、数多の人々の頭を飾ってきたロックアンドコーの最も有名な逸品。 世界中の「ボウラーハット(=山高帽)」は、同社がウィリアム・コークの注文を受けて作った「コークハット」から始まっている。 ソフトハットにはない独特の硬さを持ちながら、丸みを帯びた優美な曲線は非常にエレガントである。 内側は当然ながらしっかりと作り込まれ、ホワイトのシルク地に金色のロゴマークが輝く。 色はグレー(ダークブラウン系)で汎用性も高いのが嬉しい。
帽子 JAMES LOCK & Co. Hatters 2019年蒼樹たけ
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C.W. Dixey & Son CHARTWELL 01 Black
ウィンストン・チャーチルが身に付けていた丸眼鏡の復刻版。C.W. Dixey & Sonは1777年創業の老舗光学メーカーで、ナポレオンや乾隆帝に双眼鏡を納めた他、英国王室からロイヤルワラントを度々授かっている。 本品は同社にとって重要な顧客の1人であるチャーチルがオーダーしたもので、両端のドットは特にチャーチルが注文したものとして現行品にも燦然と輝いている。
眼鏡 C.W. Dixey & Son 約100000円(レンズ込)蒼樹たけ
