メタルフィギュア “第42ブラック・ウォッチ連隊”(42nd The Black Watch)立像

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英国King & Country社の秀逸なメタルフィギュアです。
スコットランドの『第42(王立ハイランド)ブラックウォッチ歩兵連隊』(42nd (Royal Highland) Regiment of Foot (The Black Watch))のナポレオン戦争当時の歩兵のフィギュアです。

このシリーズで歩兵は3体持っていまして、そのうちの立像の1体です。ワーテルローでの方陣形の後列の歩兵を再現したものだと思います。

背嚢やザック類なども細かく仕上げられており、腰の青い水筒(canteen)に「B Coy」とあるので、42連隊のB中隊の兵のようです。
このキャンティーン、本物はなんと木製なのです。ウイスキー樽と同じように側板と鏡板を組んで鉄輪で締めて出来ており、当時、樽職人(cooper)が作っていたのでしょう。
通称”Italian Canteen”と呼ばれていたそうですが、なんでイタリアンなんでしょうかね?

背中のリュックには第42連隊の「42」の白い数字が書き込まれています。このリュックは”Mr. Trotter's Knapsack”と呼ばれ、つまり「旅行者さんのナップサック」ということでしょう。身の回りの物などを入れていたのかもしれません。

さて、これらのメタルフィギュアは確か2015年頃にロンドンのTradition of Londonという専門店から海外通販で購入しました。職人の手塗りによる素晴らしい逸品で、価格は20.5ポンド(送料別)でした。

ブラックウォッチ連隊について詳しくは、ウイスキー“ホワイト・ヘザー”の陶器ボトルのページ(https://muuseo.com/miniature-models-bottles/items/116)をご参照ください。

スコッチ・ウイスキー『ホワイト・ヘザー』(White Heather)ブラックウォッチ連隊陶器ボトル
この陶器の“ブラックウォッチ”のハイランド兵は、実はスコッチ・ウイスキーの変わり種ボトルです。中にはちゃんとウイスキーが入っています。 ホワイト・ヘザーというのは“白いヒースの花”、ヒースはスコットランドの象徴的な花として知られています。 だいぶ前に中身のテイスティングをしたので、正直言ってどんな味だったか忘れてしまいました…。土屋守先生の『ブレンデッド・ウイスキー大全』によると、キーモルトはアベラワーやグレンアラヒ等だそうで…。 ボトルは、スコットランドのブラックウォッチ連隊のバグパイパー(バグパイプ奏者)を再現したものです。 伝統的な赤い制服にブラックウォッチ・タータン柄のキルトのスカートをはいた正装と、熊毛の帽子の左側の赤い羽根飾り(Red Huckle)が歴史ある“ブラックウォッチ”のシンボルです。 スコットランドの部隊には、一般部隊のラッパ手の代わりにバグパイパーが配属されており、前進する際などにバグパイプの音色を響かせるのです。 その様子は映画「史上最大の作戦」の劇中でも、ロバット卿の部隊がバグパイパーを先頭に最前線に増援として到着するシーンで再現されていました。 飾っておくのになかなか見栄えのいいウイスキー・ボトルだと思います。 1999年の「世界の銘酒辞典」を見ると、当時の定価がナ、ナント¥96,450!…、私は10年ほど前にヤフオクにて¥1万くらいで買いました。 “ブラックウォッチ”の由来は、紺色系のキルトが遠くから見ると黒っぽく見えたこと、ウォッチというのは“見張り(監視兵)”です。 英陸軍でも長い歴史を持つ部隊のひとつで、起源は1710年台にジャコバイトの乱に備えるためにイングランドがスコットランドで監視兵(watch)を募兵したのが最初で、その後にハイランド連隊として部隊は拡大された後、1748年に第43連隊として編成、その後、第42連隊に改称され、アメリカ独立戦争からナポレオン戦争、クリミア戦争など、著名な戦役に参戦しています。 なかでも、ナポレオン戦争時、ウォータールーの戦いの前哨戦である“キャトル・ブラの戦い”における活躍が有名です。 1881年、第42(ロイヤル・ハイランド)ブラックウォッチ歩兵連隊(42nd (Royal Highland) Regiment of Foot (The Black Watch))は、第73パースシャー歩兵連隊(73rd (Perthshire) Regiment of Foot)と統合され、『ブラックウォッチ(ロイヤル・ハイランダーズ)連隊』となり(元第42連隊が第1大隊に、元第73連隊が第2大隊に)、エジプト戦役やボーア戦争、そして第1次世界大戦に従軍、1931年に『ブラックウォッチ(ロイヤル・ハイランド連隊)』(The Black Watch (Royal Highland Regiment))に名称が変わり、第2次大戦を戦い抜きます。ダンケルク撤退、北アフリカ、シシリー島、ノルマンディ、バルジの戦い、イタリア戦線等…ほぼ全ての主要な戦いに関わっています。 戦後も、朝鮮戦争に従軍、20世紀末には香港返還に際し、最後に香港から撤退したイギリス軍部隊がこのブラックウォッチ連隊でした。 イラク戦争に従軍した後、イギリス陸軍の再々編のなかで、2006年、スコットランドの他の5つの連隊(ロイヤル・スコッツ連隊、キングス・オウン・スコティッシュ・ボーダラーズ連隊、ロイヤル・ハイランド・フュージリアーズ連隊、ハイランダーズ連隊、アーガイル・アンド・サザーランド・ハイランダーズ連隊)と大統合し、現在の『王立スコットランド連隊』(Royal Regiment of Scotland)を構成、ブラックウォッチはその第3大隊(軽歩兵大隊編成)としてその名を残して現在に至ります。(近年では、アフガニスタンのタリバン討伐に参戦) スコットランドの歩兵部隊は、よく“ハイランド連隊”と単純に呼ばれることも多いのですが、実は以上のように度重なる統合を経ており、なかなか複雑で難しいのです…。
https://muuseo.com/miniature-models-bottles/items/116

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