センチュリオン戦車 “第4王立戦車連隊” チャイニーズ・アイ(タミヤ、1/35、RC化改造)

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WW2末期に開発され、朝鮮戦争から活躍したイギリス陸軍の主力戦車、センチュリオン戦車です。

イギリス陸軍には主力戦車に「C」で始まる名前をつける習慣になっておりまして、CENTURION というわけです。センチュリオンとは古代ローマ時代の「百人隊長」のことを意味します。

さて、このモデルの戦車は、1961年、西ベルリンに駐留していた「王立第4戦車連隊」(4th Royal Tank Regiment = 4RTR)、C中隊 第10小隊(C中隊なので砲塔マークは「〇」ですネ)、車長は"Jake"ジェイコブズ軍曹のセンチュリオンMk.5 戦車、愛称「DIE HARD」号です。(ダイ・ハード=しぶといヤツ)

イギリス軍の戦車部隊ではそれぞれの車体に乗員が固有のニックネームを必ず付けるのですが、4RTRの戦車には「D」で始まる名前が付けられています。
第4、ということで、アルファベットの4番目の文字である「D」というわけです。

ですので、この車両の名前もDで始まるDIE HARDというわけです。

王立第4戦車連隊はスコットランドで編成された戦車連隊で、元はWW1時に編成された「王立戦車連隊第4大隊」、当時は「菱型戦車」の部隊で、その時にこの部隊の特有のマークとして採用されたのがこの「目玉」(チャイニーズ・アイ)のマークでした。

当時、海峡植民地の華僑の実業家が戦費を大英帝国に寄付、その予算で菱型戦車が1両作られたのですが、その実業家が「この怪物には目玉が無い」と、キレイな目玉を描いて帰ったそうですが、それ以来、王立第4戦車連隊(4RTR)の戦車には全て「目玉」(チャイニーズ・アイ)が描かれるようになったのです。

ジェイコブス軍曹のダイハード号の砲塔の両側にも、愛嬌のあるチャイニーズ・アイが…。

4RTRは既に廃止されて王立第1戦車連隊に統合されていますが、いまでも同連隊に「目玉」の伝統は受け継がれており、現代でもチャレンジャー2戦車や装甲車にこの「目玉」が描かれているのです。

目玉マークの由来についてはこちらもご参照ください。
https://muuseo.com/miniature-models-bottles/items/120

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このモデルはタミヤの1/35 センチュリオン戦車をラジコン化しています。
元のキットはMk.3なのですが、DIE HARD号はMK.5なので、一部改造して「MK.5ふう」にしています。(正確に改造しておりません)

製作記はこちらをご参照ください。

第1話: https://muuseo.com/miniature-models-bottles/diaries/32
第2話: https://muuseo.com/miniature-models-bottles/diaries/71
第3話: https://muuseo.com/miniature-models-bottles/diaries/72

チーフテン戦車 “第4王立戦車連隊” チャイニーズ・アイ(タミヤ、1/35)
チーフテンとはスコットランドの氏族(クラン)を束ねる一族の長のこと。 英陸軍では、主力戦車の名前に「C」を頭文字とする名前をつける伝統があり(クルセイダー、クロムウェル、センチュリオンなど。最新型もチャレンジャーです)、1960年台に開発した戦後第2世代にあたるこの新型戦車に付けられた名前も”C”の「チーフテン」でした。 チーフテンは、大口径の120mm戦車砲に重装甲を備えた当時の世界最強クラスの主力戦車で、東西冷戦のさなか西ドイツに駐留していた英陸軍ライン軍団に配備されたチーフテンは、対峙するソ連軍にとって大きな脅威としてマークされ、冷戦の抑止力としての存在価値を大いに発揮したといわれています。 1980年台以降は後継車両のチャレンジャー戦車にその座を譲り渡して全車両が引退しましたが、戦後の英戦車の開発史上における金字塔として今なお高い評価を受けています。 さて模型の方はというと、タミヤの縮尺1/35ミリタリー・ミニチュア・シリーズ、1970年台に発売された古いキットです。私を含めた”中年”世代の皆さんの中には、子供の頃に作ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?  現在の目でみれば細部の表現などに物足りない部分はありますが、逆にシンプルで作りやすいキットであると言えます。 昨今のプラモデルの精密化、高級化志向の中では、このような昔のシンプルなキットは私のような“出戻りモデラー”には最適です(笑) 30年以上前に発売された古いキットですが、チーフテンの重厚な特徴ある形状がよく再現されており、世界のプラモデル業界をリードしてきたタミヤの技術力が存分に活かされた名作キットと言えるでしょう。 10数年前に、久々~に戦車模型を作ったのですが、このチーフテンが復帰第1号の完成品です。 ですので、出来栄えはプロ級の皆様の作品にはホド遠いですが、素人ながらそれなりに一生懸命作りました…。 作例では、各部の取っ手の真鍮線化や溶接跡などの細部表現を付け加えたくらいで、ほぼキットのストレート組立ですが、それでは能がないので、キット付属のデカール(水転写式シール)は使用せずに、マーキングにこだわる“マニア向け”に別売りされているBISON社製デカールセットを利用して、スコットランド部隊である「第4王立戦車連隊」(4th Royal Tank Regiment)のマーキングで仕上げました。 砲塔両側に描かれた“チャイニーズ•アイ”と呼ばれる『目玉』のマーク、これが第1次世界大戦当時から採用されている第4王立戦車連隊の伝統あるシンボルマークなのです。 1918年、英領海峡植民地(シンガポール)から、マレー半島でのスズ鉱山事業とゴム採取事業で一財産を築いた余東セン(ユー•トンセン/センの字は王へんに旋)という華僑の実業家が渡英してきました。 彼は大戦に疲弊する大英帝国に戦費の献金を申し出、最新鋭兵器である『菱形戦車』(タンク)を1台購入して第4王立戦車連隊(当時は王立戦車軍団のÐ中隊)に寄付したのでした。 部隊に寄付した戦車を前にして「この怪物は目がなくてどうやって前を見るのだ?」という彼は、京劇のメイクのような美しい中国風の目玉をデザイン、菱形戦車のボディの両サイドにそれを描いて去って行ったのでした。 第4連隊のスコットランド人の戦車兵たちはこの目玉を大変気に入り、それ以来、第4連隊の戦車には“チャイニーズ・アイ”(Chinese Eye)と称して必ず目玉が描かれるようになったのです。 現在も、英国ボービントンにある王立戦車博物館に、ボディに目玉を描いた100年前の菱形戦車が展示されています。 第2次世界大戦においては、第4王立戦車連隊は緒戦でのドイツ軍による電撃作戦によりフランスで壊滅。(当時の記録写真で、緒戦のフランス戦線で撃破された第4連隊の目玉付きのマチルダ歩兵戦車を見ることができます。) その後再建された部隊は、北アフリカやイタリアなど終戦まで各地を転戦して戦功を上げ、戦後もスエズ動乱に出動した後に西ドイツに駐留するなど、英陸軍の主力部隊のひとつとして活躍しました。 なお、スコットランドに所縁のある第4連隊に対して、第2次世界大戦後にスコットランド・ネアン地方のキルロック城主であるローズ•クラン(一族)より同家のシンボルである『ハンティング•ローズ』のタータンが贈られ、同部隊専属のバグパイパーはその柄のタータンで作られたキルトを纏っていたそうです。 このように伝統ある第4王立戦車連隊でしたが、英国の財政難のあおりを受けて実施された1990年台の英陸軍大改編のなか、解隊を余儀なくされます。 解隊された同部隊は第1王立戦車連隊に統合され、その4番目の中隊=第1王立戦車連隊D中隊として姿を変えましたが、この由緒ある“目玉”は、採用から100年経った現在でも、D中隊の最新鋭チャレンジャー2戦車の砲塔に誇らしげに描かれ、同様に引き継がれた伝統のバグパイパーとともにその伝統を今に伝えております。 ところで、英陸軍では戦車ごとに固有の愛称をつける習慣があり、第4王立戦車連隊の戦車には、第4=4番目=アルファベットの「D」ということで、全ての戦車に、Deanston、Devil、Defiant、Dorolessなど「D」で始まる名前が付けられています。(※同じ法則で、第7戦車連隊では全てGで始まる名前になっていたりします。モルトウイスキーと同じ「GLENLIVET」号なんてのもあります。) そこで、今回の作例では、プリンターを使った自作デカールにて「DRONACH」(ドロナック)号(ゲール語で“いちご号”の意)という可愛い名前をつけてみました。  お遊びで作った架空の車両です。 中国の目玉とスコットランドの戦車部隊との関係、伝統を重んじる英国ならではの由来がなかなか興味深いと思いませんか?  今宵は、目玉付きのチーフテン「DRONACH」号の模型を肴に、グレン•ドロナックでも一杯やりましょうかね…。
https://muuseo.com/miniature-models-bottles/items/120

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    toysoldier

    2020/07/11

    完成、無事に走行おめでとうございます。

    これもまたスコットランド愛が伝わる作品ですね!

    既存キットをラジコン化…そのような職人さんがいらっしゃるのも初めて知りました。
    世界(日本?)はまだまだ広いなぁ、と(笑)

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      T. S

      2020/07/11

      ありがとうございますm(_ _)m
      無事に走りましたw
      イギリス軍で目玉付きの戦車を見たら、スコットランドに由来のあるやつだな、と思ってください。

      我が家の戦車模型は作りかけばかりでしたので、先日のスチュワートを足掛かりに再び取り掛かり始めまして、、、まずコレが出来ました。
      職人さんというか、趣味が高じて個人的にやっておられるようですが、動かない模型が動くようになるので、本当に素晴らしいですよ。
      今度はコレか、チャーチルをオーダーしようかと思っているところです。

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      toysoldier

      2020/07/11

      目玉→スコットランド由来ですね。
      また一つ知識が増えました。
      ありがとうございます。

      凄い方もいるもんですね。。
      たしかに、ラジコン前提では無いキットが動くなんて夢みたいですね。

      チャーチル良いですね。
      イギリス軍独特のデザインというかなんというか…

      楽しみにしてます!!

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      T. S

      2020/07/12

      そうなんですよ。ぜひ動くチャーチルが見たいですね。

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