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『ポケット一杯の幸福』DVD
1961年アメリカ作品。 フランク・キャプラ監督。 リンゴ売りの婆さんアニーが娘に吐いた嘘を突き通すため、ギャングのボスを始め多彩なキャラクターが織りなすすったもんだの大騒動。 古き良きアメリカを体現したような、ヒューマンコメディの傑作です。 DVDでは本編137分の内、日曜洋画劇場版の吹き替え約93分を収録。 さすがは70年代の日曜洋画劇場だけあってキャストは名人揃い。 結構いいシーンが欠落しているので、できれば全編この吹き替えで聴きたかった! 大塚周夫さんはというと、なんとピーター・フォークをあてていますが、彼はこの作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされています。 どうしてもコロンボ=小池朝雄さんのイメージが強いですが、この作品ではギャングの子分という役柄で大真面目にコメディをやっているので、大塚周夫さんは適役だったと思います。 ギャングのボス二枚目デイブが「ちくしょう、喉が枯れてきたぜ」と言って酒を口に含んだ後、手下に向かって大声を出すシーンがあるのですが、デイブ役の柳澤真一さんがわざとらしくない程度に擦れた声で演じており、感心してしまいました。 声が原語と切り替わるので、柳澤さんとグレン・フォードの芝居がぴったり一致しているのがよくわかります。 本物の吹替え版としてお勧めできる作品です。
映画ソフト 20世紀フォックス ピーター・フォークqqtys
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『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』DVD
2003年アメリカ作品。 ケビン・コスナー監督。 原題は『OPEN RANGE』=放牧地では締まりがないと判断したのか、邦題がワイルドに(文字通り)。 ケビン・コスナー監督・制作・主演の正統派西部劇で、比較的新しい作品。 タイトルについている最後の銃撃は、『ペイルライダー』のイーストウッドみたいな神がかりなことはなく、結構リアルに戦っています。 ラストも「結局一人荒野をさすらう」というイメージがありがちな西部劇としては異色とも言えます。 実質ロバート・デュヴァルとのダブル主役で、特にこのデュヴァルが演じるボス・スピアマンのキャラクターが秀逸です。 飄々としているようで信念があり、情け深いと思ったら冷酷な仕打ちも平気で行い、どこか達観しているように見えるのに諦観はせず、他者や自分の生き方に対して常に目を前へ向けている。 この複雑な人物を見事に演じている名優ロバート・デュヴァルのすばらしさ! 日本語吹き替えは、ケビン・コスナーにもちろん津嘉山正種、そしてロバート・デュヴァルが大塚周夫。 この作品でデュヴァルに大塚さんを持ってきたのは『ロンサム・ダブ』があったからでしょう。 デュヴァルの芝居も凄いので、それに声をあてる大塚さんの芝居も非常に聴き応えがあります。 個人的に気に入っているのは、悪党を(かなりひどい手を使い)懲らしめるシーンで、決して凄まず、“まるで日常の会話のように”脅しをかけるところです。 つまり、それまで頑固だけど優しい爺さんという印象だったボスが、仇討も殺しも決して非日常な出来事ではない生粋のアウトローであるという背景を、喋り方だけでこちらに思い知らせてくれるのです。 必聴。 ロバート・デュヴァルは大塚さんが「声をもっとあてたい俳優」として名を挙げていましたが、『ロンサム・ダブ』と地上波『ウォルター少年と、夏の休日』くらいでしょうか。 トム・クルーズの『アウトロー』では出演していたのに、デュヴァルではなかったのでとても残念でした。 (川久保さんのデュヴァルが悪いわけではありません、決して)
映画ソフト 20世紀フォックス ロバート・デュヴァルqqtys
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『荒野の七人』特別版DVD
1960年アメリカ作品。 ジョン・スタージェス監督。 この映画で一番好きなのが、「父さんたちは勇気がない!」っていう声が野沢雅子な男の子を、ブロンソンが説教するシーン。 「ずっと畑仕事をしているお父さんたちの方が勇気がある!」っていうセリフはものすごく感動した覚えがあります。 まぁ、結局大塚周夫さんの台詞なんですが・・・。
映画ソフト 20世紀フォックス 1000円ほどqqtys
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『大脱走』製作50周年記念版 BD-BOX
1963年アメリカ作品。 ジョン・スタージェス監督。 あまりにも有名な戦争映画の金字塔。 ソフトパッケージが、どれもバイクにまたがったマックイーンというのが面白い。 そして吹き替えファンから見ると、ソフト発売の際に少しずつ収録されている吹き替えの尺が伸びるという、何度も弄ばれたタイトルとしても記憶されるでしょう。 制作50周年記念のBDでほぼ完全な形になったようですが、それでも二言ほど“わざと”削られているそうです。 差別用語として封印するのか、時代を尊重して残すのか・・・政治的なものが絡むのは実に厄介な話です。
映画ソフト 20世紀フォックス 5000円ほどqqtys
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『ロサンゼルス』DVD
1982年アメリカ作品。 マイケル・ウィナー監督。 『デスウィッシュ』シリーズ第二弾。 ブロンソン映画ではおなじみジル・アイアランドが出演しています。 1作目と同じく、こちらもテレビ版吹き替え欠損部分を補完した吹き替えが収録。 しかし発売元はソニー・ピクチャーズではなく20世紀フォックスとなっています。 収録されているのはテレビ朝日版ですが、もう一つバージョンがあり、そちらは先日亡くなった藤田淑子さんがジル・アイアランドを吹き替えている。
映画ソフト 20世紀フォックス 1000円ほどqqtys
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『ワーロック』テレビ吹替音声収録版DVD
1959年アメリカ制作。 エドワード・ドミトリク監督作品。 大塚周夫さんが亡くなられた年に発売されたのはなんとも・・・。 (あの時は直後に『博士の異常な愛情』『ファイナル・オプション』とリリースが続き、少しだけ悲しみを癒すことができた) ウィドマークが善玉、フォンダが悪玉というのが面白い。 収録されているよりも古い吹き替えではフォンダが小山田宗徳さんなのだが、一般募集をかけても見つからなかったらしい。 おそらくもうこの世には存在していないのだろう。 非常に残念。
映画ソフト 20世紀フォックス 3500円前後qqtys
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『襲われた幌馬車』DVD
数多くの西部劇に出演していたウィドマーク、その中の一本。 『復讐鬼』で激しい人種差別主義者を演じていたウィドマークが、インディアンのコマンチ族に育てられた白人役というのは、彼の立ち位置の変遷を物語っている気もします。 この作品が大塚周夫さんによる初のリチャード・ウィドマークの吹き替えだったということですが、収録されているのは後年の1973年フジテレビ版。 なにしろ初放映が日本テレビ1963年というのだから、まず現存はしていないでしょう・・・。 それでも後年は役柄が被ることも多かった青野武、富山敬が脇役での出演ですから、時代を窺わせる吹き替え版です。
映画ソフト 20世紀フォックス 量販店qqtys
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『大いなる西部』<テレビ吹替音声収録>HDリマスター版
『大いなる西部』のDVDにNET(現テレビ朝日)の吹替え版を収録したHDリマスターDVD。 このDVDが発売される前の2013年4月4日に、テレビ東京『午後のロードショー』のスペシャル拡大枠で『大いなる西部』が放映。 「まさか延長枠の吹き替えが流れるのでは?」 という予想通り、過去の放送よりも長いバージョンでの放送だったのでソフト収録に期待がかかりましたが、それが見事に実現しました。 ちょうど東京スカイツリーの試験放送時間と重なったため、冒頭に「試験放送中です~」というテロップと伴に、「不具合があった場合には~」という一文があり、録画をチェックしていて血の気が引いたのも良い思い出です。 (結果的には何事もなく録画できていました。枠が出てしまい少々ガッカリしましたが) 大塚周夫さんはこれ以外にも何本か担当しているチャック・コナーズ。 収録されているのは76年版ですが、73年版でも担当していたようです。 が、この76年NET版で特筆すべきはヘネシー一家の主、コナーズが演じる役の父親を早野寿郎さんが演じていることです。 早野寿郎さんは大塚さんがインタビューで何度も口にするほど心酔していた方、その二人の共演ゆえにファンとしては感涙物の吹き替え版です。 もちろん、グレゴリー・ペックは城達也、チャールトン・ヘストンは納谷悟朗。 ジーン・シモンズに武藤玲子、キャロル・ベイカーは鈴木弘子・・・。 日本語吹き替え黄金世代を十二分に堪能できる一本です。
映画ソフト 20世紀フォックス チャック・コナーズqqtys
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『ミサイル珍道中』DVD
ボブ・ホープとビング・クロスビーの珍道中シリーズ第7段! …内容的にはどうしようもないコメディ映画であるが、(一部の人にとって)重要なのはそこではない。 大塚周夫さんによるピーター・セラーズが見られる貴重な作品の一つということ。 これ以外に手軽に見られる大塚セラーズは『暗闇はどっきり』と、周夫さんの死後すぐにリリースされた『博士の異常な愛情』BD盤デラックスエディションしかない。 ピーター・セラーズはインドの胡散臭い医者というクレジットすら無いちょい役での出演だが、吹き替えの大塚さんがまたとても胡散臭くて、圧倒的存在感を放つ。
映画ソフト 20世紀フォックス ピーター・セラーズqqtys
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『Q&A~殺人調書~』DVD
1990年アメリカ映画。 シドニー・ルメット監督作品。 親子二代に渡って吹き替えた俳優というのも珍しいですが、その珍しいケースがニック・ノルティです。 大塚周夫さんがこの作品で、そして息子の明夫さんが『48時間』で吹き替えているという、なんとも幸せ(?)な役者です。 この作品の吹き替えで特徴的なのは、 ①吹き替えでは珍しく塩沢兼人さんがメインで出演している ②ノルティ演じるマイク・ブレナンが下衆でとにかく口が悪い そのため、吹き替えている大塚周夫さんも下品で口汚いセリフを吐きまくります。 大塚さんの「ファックしようぜ」なんて他では聞けないのでは?
映画ソフト 20世紀フォックス ニック・ノルティqqtys
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夕陽コレクターズBOX&続・夕陽のガンマン<アルティメット・エディション>
限定3000セット発売された『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』『夕陽のギャングたち』をまとめた夕陽コレクターズBOX(DVD版)と、『続・夕陽のガンマン』の日本語吹き替え入り単品DVD。 大塚周夫さんは『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』の2作品に出演しているが、『続』のイーライ・ウォーラックは代表作。 収録されている日本語吹き替え版に差異があり、単品の方の吹き替えは再放送のもので、本編に対してかなり収録時間が短い。BOXの方は初回テレビ放映の際にカットされたシーンに追加録音をして、全編通して吹き替えでの視聴が可能となった完声版が収録されている。 BD版には完声版が収められたが、追加だけでなくいくつかのシーンで音声が差し替えられており、特に大塚さんのトゥーコは最後の罵倒がまるまる新録に。両方揃えて比べてみるのも面白い。
映画ソフト 20世紀フォックス イーライ・ウォーラックqqtys
