【ヒュペルボレオス極北神怪譚】

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怠惰なるツァトッグアや蜘蛛の神アトラク=ナカら古代の神々が地底に潜み、魔物や妖術師が跋扈する一方、潤沢な財に恵まれて反映する都市も複数存在した超古代大陸ヒュペルボレオス。栄華を誇る首都コムモリオムが放棄されるまでの奇怪な顛末が語られる「アタムマウスの遺書」、大氷河時代を予言する美しい女に魅入られた若者の運命を綴る「晧白の巫女」、地球の過去の情景を映し出す水晶によって時空を往還する男の末路を描く「ウッボ=サトゥラ」他、アトランティス大陸最後の島ポセイドニスの怪奇幻想短編を併載する。『ゾティーク幻妖怪異譚』に続き、ラヴクラフトも一目置いた美と頽廃の詩人スミスによる23の精華を集成。

邪神ツァトッグアが地底に潜み、魔物が跋扈する超古代大陸ヒュペルボレオス。栄華を誇る首都コムモリオムが放棄されるまでの奇怪な顛末を描く「アタムマウスの遺書」、異端の魔術師エイボンと宿敵の対決が思わぬ結末を迎える「土星への扉」他、アトランティス最後の島ポセイドニスの逸話も併載する。『ゾティーク幻妖怪異譚』に続き、美と頽廃の詩人による23の綺想を収める傑作集。

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【収録作品】
 ヒュペルボレオス
 ・ヒュペルボレオスのムーサ
 ・七つの呪い
 ・アウースル・ウトックアンの不運
 ・アタムマウスの遺書
 ・白蛆の襲来
 ・土星への扉
 ・晧白の巫女
 ・氷の魔物
 ・サタムプラ・ゼイロスの話
 ・三十九の飾帯盗み
 ・ウッボ=サトゥラ

 アトランティス
 ・最後の呪文
 ・マリュグリスの死
 ・二重の影
 ・スファノモエーへの旅
 ・アトランティスの美酒

 幻夢境綺譚
 ・始原の都市
 ・月への供物
 ・地図にない島
 ・歌う炎の都市
 ・マルネアンでの一夜
 ・サダストル
 ・柳のある山水画

 ・斬新多彩な神話群――Clark Ashton's Myth(大瀧啓裕)

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クトゥルフ神話の一世界として、その神話体系に組み込まれた超古代の大陸『ヒュペルボレオス(ヒューペルボリア、ハイパーボリアとも)』を舞台とした作品の傑作集です。その他、アトランティス最後の島ポセイドニスを舞台とした短篇や、ラヴクラフトのドリームランドにも通じるものがある幻想譚が収録されています。
ヒュペルボレオスを舞台にした作品のいくつかは、これまでにも青心社の『クトゥルー・シリーズ』や国書刊行会の『真・ク・リトル・リトル神話体系シリーズ』などにも収録されていますが、本書のように一つにまとまった作品集としては初だと思われます。
(国書刊行会の『アーカムハウス叢書シリーズ』に、C.A.スミスの作品集として『呪われた地』、東京創元社からは『イルーニュの巨人』が刊行されていますが、どちらもヒュペルボレオス、ゾティーク、アヴェロワーニュなど幅広く編纂されています)

クトゥルフ神話内でも重要な魔道書【エイボンの書】に名を遺す魔道士エイボン、地下世界に潜む旧支配者の一柱ツァトッグア、その巣が完成すると世界は滅ぶとも言われる蜘蛛の神アトラク=ナカなど、神話体系の成立に与えた大きな影響が読み取れる作品集となっています。
ラヴクラフト自身も、『闇に囁くもの』他の作品でツァトッグアを描写している他、C.A.スミス自身をも「ヒュペルボレオス人の高位神官クラーカシュ=トン」として作品に取り込んでいます。
このあたりの同人誌的なお遊びが、クトゥルフ神話の始まり、と言えるかもしれません。

訳者の大瀧啓裕氏の拘りで、より原音に近い発音でのカナ表記がなされているため、一般に流布している名称に比して違和感があるかもしれません。
「ツァトゥグァ⇒ツァトッグア」「アトラック=ナチャ⇒アトラク=ナカ」「ウボ=サスラ⇒ウッボ=サトゥラ」など。気になる方は脳内変換が必要かもしれません。

この他、クトゥルフ神話に組み入れられた神性も登場する【ゾティーク】を舞台とした『ゾティーク幻妖怪異譚』、架空の中世フランスの一地方を舞台とした『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』と、スミスのほぼ全作品を網羅する3冊が刊行されました。
いずれも早々と絶版となり、入手困難なものとなっています。
古本屋で見つけたら即買い、の一冊です。

https://muuseo.com/sarura_004/items/245
https://muuseo.com/sarura_004/items/247

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【ゾティーク幻妖怪異譚】
詩人として磨き抜いた独自の文体を駆使する幻想怪奇小説により、1830年代の『ウィアード・テイルズ』誌上で人気を博したクラーク・アシュトン・スミスは、古代から未来まで多様な幻想世界を創りあげたが、なかでも最も力を注いだのが地球最後の大陸ゾティークである。死体を喰らう神が君臨する街、人体が接ぎ木された奇怪な庭園、死者の帝国を築く降霊術師、魔術で誘惑する妖姫――太陽が最盛期の力を失い、魔術や降霊術が横行する終末の大陸を細密かつ色鮮やかに描いた、官能の美と絢爛たる夢想が彩る超未来の頽廃世界の物語群を、本邦初訳となる全篇収録の決定版にて贈る。「エウウォラン王の航海」「クセートゥラ」「プトゥームの黒人の大修道院長」他全17編。 朧な太陽のもと、魔術や降霊術が横行する地球最後の大陸ゾティーク。ブラッドベリ、ムアコックに影響を与えたことでも知られる異才が、細密かつ色鮮やかな描写で創りあげた美と頽廃の終末世界の物語を、本邦初となる全篇収録の決定版で贈る。地獄の王にそむいた妖術師の復讐譚「暗黒の魔像」、失った鳥を求める波瀾の航海を描く滑稽譚「エウウォラン王の航海」他全17編を収める。 【収録作品】  ・ゾティーク  ・降霊術師の帝国  ・拷問者の島  ・死体安置所の神  ・暗黒の魔像  ・エウウォラン王の航海  ・地下納骨所に巣を張るもの  ・墓の落とし子  ・ウルアの妖術  ・クセートゥラ  ・最後の象形文字  ・ナートの降霊術  ・プトゥームの黒人の大修道院長  ・イラロタの死  ・アドムファの庭園  ・蟹の支配者  ・モルテュッラ  ・言葉の魔力を駆使する吟遊詩人(大瀧啓裕)    *     * 詩人、小説家、画家、彫刻家など多彩な顔を見せるクラーク・アシュトン・スミスは、ラヴクラフトと互いに影響を与え合ったラヴクラフト・サークルの一員です。 1922年、スミスの詩を読んで深い感銘を受けたラヴクラフトが手紙を送ったことから文通が始まり、スミスは彼の勧めで幻想的な怪異譚を書くようになりました。 1923年にはHPLの作品『潜み棲む恐怖』に挿絵を提供するなど、HPLの晩年に至るまでその交友は続きますが、ラヴクラフト・サークルに挙げられる多くの作家同様、ラヴクラフトと直接顔を合わせたことは無かったようです。 『ウィアード・テイルズ誌』の黄金時代を築いた御三家――H.P.ラヴクラフト、R.E.ハワード、C.A.スミス――と称されましたが、ラヴクラフトの死後、作家活動はやめてしまったようです。 『ゾティーク幻妖怪異譚』は、直接クトゥルフ神話に数えられる作品集ではありませんが、地球最後の大陸で繰り広げられる頽廃美の世界は、クトゥルフ神話というよりは、よりラヴクラフトらしさを感じられる世界といえるでしょう。 ゾティーク世界における神々の中には、後付けでクトゥルフ神話の体系に組み込まれた神性もあります。 創元社版ラヴクラフト全集を手がけた大瀧啓裕氏による本邦初訳の作品集。 この他、クトゥルフ神話世界に数えられる【ヒュペルボレオス(ヒューペルボリア、ハイパーボリアなどとも)】を舞台とした作品集『ヒュペルボレオス極北神怪譚』、架空の中世フランスの一地方を舞台とした『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』と、スミスのほぼ全作品を網羅する3冊が刊行されました。 いずれも早々と絶版となり、入手困難なものとなっています。 古本屋で見つけたら即買い、の一冊です。 https://muuseo.com/sarura_004/items/246 https://muuseo.com/sarura_004/items/247 #ラヴクラフト #クラーク・アシュトン・スミス #クトゥルフ神話 #クトゥルー神話 #傑作集 #全集 #作品集
https://muuseo.com/sarura_004/items/245
【アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚】
若き法学生が禁断の文書を読んで美しきラミアのもとに赴く「物語の結末」、森で楽しもうとした詩人と娘が吸血鬼の魔法に囚われる「アヴェロワーニュの媾曳」ほか、幻想の地アヴェロワーニュの年代記に加え、異様な死をとげた作家の日記が明かす、恐るべき時間の神に背いて禁忌の術を用いた神官の物語「アフォーゴモンの鎖」など、前世や死者の復活にまつわる6篇を〈降霊術綺譚〉として付した。ゾティーク、ヒュペルボレオスに続いて、フランスのアヴェロワーニュ地方を舞台に綴られた物語を一冊に集成し、詩人スミスの流麗かつ端正なペンが描きあげた短編小説18篇を収録する。 彫刻家の暗い情念のこもった怪物像が生気を帯びて恐怖をもたらす「怪物像をつくる者」、修道士たちがなまめかしいウェヌス像の魔力に翻弄される「ウェヌスの発掘」など、緑なす森が広がる神秘の地アヴェロワーニュの年代記に加え、異様な死をとげた作家の日記が明かす、神に背いて禁忌の術を用いた神官の物語「アフォーゴモンの鎖」他、降霊術にまつわる綺譚を併せた18篇を収める。    *     * 【収録作品】  アヴェロワーニュ年代記  ・アヴェロワーニュ  ・怪物像をつくる者  ・アゼダラクの聖性  ・イルゥルニュ城の巨像  ・アヴェロワーニュの媾曳  ・アヴェロワーニュの獣  ・マンドラゴラ  ・ウェヌスの発掘  ・サテュロス  ・シレールの魔女  ・物語の結末  ・蟾蜍のおばさん  降霊術綺譚  ・アフォーゴモンの鎖  ・魔力のある物語  ・妖術師の帰還  ・分裂症の造物主  ・彼方から狩り立てるもの  ・塵埃を踏み歩くもの  ・時の彼方の神話から泡沫のロマンスへ(大瀧啓裕)    *     * ゾティーク同様、直接クトゥルフ神話世界ではありませんが、神秘の中世フランス、アヴェロワーニュを舞台とした作品がまとめられています。 怪奇的もそうなのですが、より耽美的な作品も多く、スミスの詩人らしさが味わえる作品集となっています。 収録作「アヴェロワーニュの獣」には、ヒュペルボレオスの魔道士エイボンも関連していたり、ラヴクラフト同様に自身の作品群を関連させる試みもみられます。 また、後年に後付けで神話作品に組み込まれた神性【クァチル・ウタウス】が登場する「塵埃を踏み歩くもの」も収録されていますが、執筆者の思惑はどうあれ、何でもかんでも神話体系に組み込みたがる(主にTRPGにおける)設定者の存在はどうにもこうにも……と感じてしまいます。 『宇宙的恐怖』を置き忘れて、わけのわからない方向へと増殖・肥大していく日本の『クトゥルフ神話』(?)にも、館主は溜息しか出ません…… この他、地球最後の大陸【ゾティーク】を舞台とした『ゾティーク幻妖怪異譚』、クトゥルフ神話世界のひとつとして組み込まれた【ヒュペルボレオス】を舞台とした『ヒュペルボレオス極北神怪譚』と、スミスのほぼ全作品を網羅する3冊が刊行されました。 いずれも早々と絶版となり、入手困難なものとなっています。 古本屋で見つけたら即買い、の一冊です。 https://muuseo.com/sarura_004/items/245 https://muuseo.com/sarura_004/items/246 #ラヴクラフト #クラーク・アシュトン・スミス #クトゥルフ神話 #クトゥルー神話 #傑作集 #全集 #作品集
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