【邪神たちの2・26】

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妖神九頭龍vs帝国陸軍

警戒せよ、邪神クトゥルー東進せり!
炎熱の魚怪都市に、深雪の帝都東京に
恐ろしくも妖しいサイキック・バトルは続く
昭和史の暗部に魔界を幻視する伝奇ホラー巨篇

死んだはずの父が生きかえった? 無惨な屍のままで……。
九頭龍川上流の故郷に帰省した青年将校海江田清一を襲う怪異の数々。
邪神復活の危機を告げる、謎の米国人〈ハワード〉からの手紙。
九頭龍川の水底から解き放たれた魔物は、帝都・東京へ襲来する。
幻視者・北一輝の霊告に導かれた青年将校たちは
太古の邪神族の陰謀を打ち破ることができるのか?

   *     *

【目次】
 プロローグ
 第一章 黒龍神社
 第二章 インスマスの花嫁
 第三章 邪神撃退法案大綱
 第四章 魔神憑依
 第五章 ダゴンの海
 第六章 宴のあと
 第七章 ハワード・P・ラヴクラフトへの手紙
 エピローグ

 あとがき

  *     *

1994年に刊行された、田中文雄による和製クトゥルフ神話譚【邪神たちの2・26】です。
当時は大ブームとは言わないまでも、TV番組でオリジナルドラマ【インスマスを覆う影】が放映されるなど、HPL作品というよりは、クトゥルフ神話が徐々に一般的なものとして受け入れられてきた時期。
それ以前にも神話作品に数えられるものはありますが、この頃から、和製オリジナルのクトゥルフ神話作品も増えてきたような気がします。

本書は、そんな先駆けともいえる作品。
史実としての『2・26事件』の裏に邪神たちの蠢動を配置し、なおかつHPL本人をも登場させ、虚実ないまぜのストーリーが展開、そして史実通りのエピローグを迎えるというまさに伝奇小説の王道といえる構成です。
前半導入部の主人公の父にまつわる物語に比して、『2・26事件』そのものは淡々と描写されています。それを淡泊と捉えるか、ドキュメンタリータッチと捉えるかによって、評価が分かれるかもしれません。

2013年には創土社の『クトゥルー・ミュトス・ファイルズ』の一冊として再刊されました。

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