キントーン?いいえ「すやり霞」です~金雲蒔絵煮物椀
初版 2023/05/18 15:11
改訂 2023/08/22 20:56
「洛中洛外図屏風」を思わせる金雲の蒔絵が施された煮物椀です。共箱はありませんが、輪島塗だと思われます。

十客揃いです。黒地に金雲が漂う蒔絵になっています。

木地はかなり薄く作られており、湯焼けもない大変良い状態です。

平たい形ですが、江戸期の煮物椀のようなどっしりとした印象はありません。

金の雲は箔を押したような柄になっています。

何となくユーモラスで「ゆる~い」印象の絵柄ですね。糸輪はわりとしっかり目に作られています。

いい加減な箔の張り方も私は好きです(笑)。


蓋裏には尾長鳥(銀を捲いています)と蝶の沈刻。これらの彫りからも輪島塗と思われます。でも中の彫りはいらなかったかも…。


この十客揃いもおめでたい席に相応しいものだと思います。昭和前半頃(戦前)の製作ではないでしょうか。
