『仕立て屋の息子』(女房ではありません) ~ アンドレア・デル・サルト

初版 2023/11/01 22:20

改訂 2025/03/13 15:56

ウフィツィ美術館には画家の自画像を集めた大変魅力的な展示室があります。有名無名含めその数は100人以上にのぼります。レンブラント、レノルズ、ドラクロアなどのなかに混じって、私のよく知る画家の自画像がありました。

アンドレア・デル・サルト(仕立て屋のアンドレア)。

「四聖人の祭壇画 ヴァッロンプローザの祭壇画」1528年

「ハルピュイアの聖母」1517年 右が聖ヨハネ,左が聖フランチェスコ。

「ペトラルキーノを持つ貴婦人の肖像」1528年 

しかし、私にはたった一枚の肖像画が忘れられない画家です。

それがこのロンドン・ナショナルギャラリーの「若い男性の肖像」(1517-1518頃)。もう20年以上前に見た作品ですが、ナショナルギャラリーの中でも最も惹き付けられた作品の一つで、今も強烈に脳裏に刻まれております。読書中こちらを振り返る瞬間を描いたものですが、知的で意思の強そうな魅力的な男性です。袖の美しい青色、タフタのドレープの自然な感じ(さすが仕立て屋の息子)、黒い帽子もよく似合っています。使われている色はとて少ないですが、地味な感じは全くしない強烈な個性を感じます。モデルの人となりを一瞬で感じさせる点では、アンドレアはハルスと並ぶ肖像画の達人だと思います。

もう一度ウフツィ美術館のアンドレアの自画像を見ますが、こちらは「若い男」に比べるとおとなしめですね。またナショナルギャラリー行きたくなっちゃったなあ。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

Default
  • File

    グリーン参る

    9 days ago

    絵の題名、製作年が分かりましたの記載しました。

    返信する