あなたに会いたい ~「自画像の間」 ウフツィ美術館
初版 2024/03/16 22:01
改訂 2024/03/17 22:02
ウフツィ美術館はルネッサンスの名画で有名ですが、実はどの美術館よりも沢山の画家の自画像を置いています。
こんな感じで優に100名を超える画家の自画像が溢れています。こうした展示室が何室も続きますが、このあたりは鑑賞ルートの後半で既に皆さん長い行程で疲れ果てており、はっきりいって「流して」見ている方が多いようです。しかし、自画像の傑作もたくさんあって疲れてはいられません(笑)。いくつかご紹介します。
サー・ジョシュア・レノルズ「自画像」1775年。英国アカデミー会長でした。
レノルズの傑作といえば何と言ってもこれだと思います。ロンドン・ナショナルギャラリーで見た「ロバート・オーム大尉」。逆光の中、戦地に送られた手紙を持つ一瞬を描いていますが、オーム大尉の謹厳実直さが伝わってくるようです。馬の皮膚を流れる汗まで描く丹念さ。
ティントレット「自画像」。「早描きティントレット」とは思えない穏やかな表情ですね。
同館にあるティントレットの作品。題名失念しました。
肖像画の名手 アンソニー・ヴァン・ダイクの「自画像」。
若い頃はこんな紅顔の美少年。
若かりし頃のレンブラント「自画像」1634年。
レンブラント「自画像」1655年。上の絵からわずか20年でこんなに老け込んでしまい、破産というのがいかにつらい出来事だったかが伺われます。
ルカ・ジョルダーノ「自画像」1665年。かなりのイケメンで、まるで映画俳優のようですね。
アードリアーン・ファン・デル・ウェルフ「自画像」1630年代。「こんな絵も描けまっせ」という広告絵画かな?
ドラクロア「自画像」。彼の実際の写真と比べると、ちょっと「盛って」描いているのが分かります(笑)。
ルーベンス「自画像」。忙しすぎてお疲れのように見えます。
ぐっと時代が下がって アンソール「自画像」1879年
「自画像の間」を見終えると、最後に「バロックのデーモン閣下」カラヴァッジオのメドゥーサがお出迎えしてくれます。2019年にこの絵は札幌に来ていましたので4年振りの再会になりました。
実感としてウフツィ美術館を見るには3日は必要と思いました。次回行くことがあればフィレンツェに1週間ほど滞在してゆっくりと鑑賞したいと思います。
1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。
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