魅惑の八角堂「トリブーナ」~ウフィッツィ美術館はここから始まった

初版 2025/02/10 10:29

改訂 2025/02/11 05:49

ウフツィ美術館の三階に「トリブーナ」と呼ばれる壮麗な八角形の緋色の小部屋があります。1581年に二代目のトスカーナ大公、フランチェスコ一世がブオンタレンティに設計させたものです。

ご覧のとおりのさほど広くない部屋ですがとっても豪華です。

円蓋天井にはこんな感じに全面に真珠貝が貼られています。

貝殻の天井といえば、村野藤吾設計の日生劇場(こちらはアコヤ貝)を思い出しますが、日生劇場も素晴らしいです。

トリブーナ内には観覧者は入ることが出来ないため、このように部屋に何か所か開いている入口(右側)から中を見学します。

前室は天井画を含め、比較的スッキリしたものになっています。

もともとはフランチェスコ一世の別荘などにあったお気に入りの絵画、彫刻を集めたプライベートな空間でした。

まるで「ねぶた」を思わせる鮮やかな部屋飾り。

よく見える角度の絵は入口から一番遠くにあり、近くの絵はほぼ真横にあるため、絵そのものはあまりよく見えません。

ここは美術作品のそれぞれを見るというより、「部屋全体の雰囲気を感じる」といった空間なのだと思います。

この一角から始まって、その後フランチェスコ一世は三階全体を整えてウフツィ美術館の元を作り上げて行きました。この美しい美術館の最初を飾るに相応しい部屋ですね。

ちなみにこれは250年程前に描かれたトリブーナの様子です。見たことのある絵がたくさん並んでいますが、ずいぶんごちゃごちゃしていますね。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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    レLEGOの日記

    2025/02/10 - 編集済み

    部屋飾り、インパクト大ですね😳

    いったい何をモチーフにしたんでしょう??

    現代アートみたい…

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      グリーン参る

      2025/02/10

      レLEGOの日記さん
      調べたところ、この飾りはポルトガルのアーチスト、ジョアナ・ヴァスコンセロスのインスタレーションだそうてす。これは編み物であり、「ヴァルキュリー」という北欧神話に登場する、戦死者を天上の宮殿「ヴァルハラ」へ導くという
      馬に乗った複数の女性半神の像だそうです。昔、流行った「リリアン(古い!)」が巨大になったような感じです(笑)。

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      レLEGOの日記

      2025/02/11

      調べていただき、ありがとうございます😆

      ヴァルキュリーと言うと、鎧を身にまとった美しい女性を思い浮かべてしまいますが、なぜこのような形に…

      おっしゃるとおり、これは巨大リリアンですね😂

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