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文久三年(1863)年製作 菓子器「菊霜」
文久三年製作の菓子器です。四寸ほどの小型のもので、重台が付属しております。変り塗は松葉でできた菊模様を卵殻で囲む「菊霜」と言われるものです。木地は大変に薄いのですが、やはり狂いはありません。擦り傷がかなりありますが、出来の良い若狭塗だと思います。
グリーン参る
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江戸後期製作 若狭塗組重
江戸後期(天保~嘉永頃?)の製作と思われる組重です。黒塗の枠の中に、七寸の五段重(画像3)の他、酒入(画像5)、小箱(画像6)が入っております。変り塗は松葉、稗を散らした青漆を用いたもので、渋く美しい色合いです。画像8でも分かる通り、松葉の輪郭がはっきりしていないのも古い若狭塗の特徴かと思います。 相変わらず木地は薄く狂いなく素晴らしい仕上がりですね。江戸、京、加賀含め、江戸期のどの産地もこの木地のレベルには達していないように思われます。「十分に時間を掛けて木地を乾燥させる」~「時は金なり」ですから、それはまさに製作にとてもお金を使っているということです。
グリーン参る
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大正~昭和初期製作? 四寸弁当
三寸×四寸ほどの小型の弁当です。卵殻を「ぼんぼり」のように散りばめた簡素な変り塗です。大正から昭和初期の製作と思われます。実用品としては必要十分なレベルだと思われます。角を丸めた柔らかな造りで、持つ際も手にもしっくりとして扱いやすい漆器です。共箱は桐製の慳貪式の持ち手付きで、とても機能的。自分の弁当にはこれくらいがちょうどいいですね。
グリーン参る
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明治後期製作 四寸菓子器
明治後期の製作と思われる四寸半の菓子器です。ちょっとリンゴを思わせるような上から見た姿。蓋のつまみが可愛らしいです。変り塗は松葉を全体に配し、赤上げとした渋い色合い。蓋もピタリと嵌り、狂いもありません。ただ残念ながら上塗りが剥げて中の金箔が姿を見せています。江戸期、明治初期の若狭塗でこうした金箔の露出というのはほとんと見たことがありませんから、時代が下がって下塗りのレベルが多少落ちてきたのかもしれません。
グリーン参る
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明治初期製作 手提重「菊のつめ」
明治前半の製作と思われる六寸の手提重です。変り塗は松葉の菊模様と檜葉、微塵貝を配した「菊のつめ」と言われるものです。変り塗はもちろん美しいのですが、この手提重の素晴らしさは、なんと言っても四面が柔らかなアールを描く器胎です。木地は薄くどのように成形したのか、大変な技術だと思います。お重の内側は油の少ないマットな朱漆で、これも古い若狭塗に特徴的な漆塗りです。共箱はありませんが、大切に使われていたようで非常に傷みの少ない状態でした。手提枠もとても丁寧に作られています。
グリーン参る
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明治後期製作 花文様四段重 六寸
明治後期から大正初期の製作と思われる花文様?の六寸重です。梅のような気もしますが、何となく花と分かる程度の文様なのでよくは分かりません。文様回りを黒っぽい漆が囲み、背景は赤上げのように見えます。木地も薄く丁寧な作りであることが分かります。中は朱塗り、底は黒塗りです。焼けもなくとても状態はいいです。
グリーン参る
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1991年頃製作 ポールセンスコーン別注キルトダービー チューダーTUDOR
1991年頃製作の製作と思われるスエード製の2アイレットダービーTUDORです。画像6のように毛足は長いのですが、手触りがやや硬めなのでスタッグスエードではないようです。ラストは細身のラウンドトゥの32です。ソールの刻印は筆記体です。 スーツには似合わない靴ですが、チノパンとの相性はとても良い感じです。
グリーン参る
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1990-1991年頃製作 ポールセンスコーン別注チェスナッツドーバー
1990-1991年頃製作のポールセンスコーン別注のドーバーです。ラストはセミスクエアトゥの33。後年、202や606などのドーバーが作られますが、80-90年頃のドーバーのラストはすべて32か33でした。一方ドーバーのご先祖の靴たちは33が多かったようです。アッパーは飴色の美しいチェスナッツカラーで、使われている革はフレンチカーフのようです。アウトソールの刻印は筆記体。 多少表面にはくすみが出てきましたが、まだまだ履けそうです。 グリーンにあれだけ別注を掛けていたワイルドスミスが、全くドーバーを頼まなかったのは未だに大きな謎です。
グリーン参る
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1970年代 ワイルドスミス ビスポークエラスティックスリッポン
1970年代の製作と思われるワイルドスミスのビスポーク・エラスティックスリッポンです。型番としては「219」と腰裏に書かれています。ラウンドトゥの美しいラストで、アッパーの素材はさすがにビスポーク、軽く乾拭きしただけで光を放ちます。ステッチの感じやライニングの革質、腰裏の筆跡からは、製作はグリーンの工房のように思われます。踵が小さく私の足にとても合っています。 この靴は画像8にある輸入証明書の通り、£14.5で入手出来ました。当時でもワイルドスミスのビスポークは£1,000はしましたから大変なお買い得。あまりに安価なので関税も掛かりません。送料が価格の2.5倍になりました(笑)。
グリーン参る
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明治初期製作 三段辦當「月代」
明治初期の製作と思われる三段の辦當です。8×14×12.5(高さ)cmと小型ですが、やはり小ぶりの若狭塗の作品は出来がいいですね。木地は極限まで薄くなっているのですが、狂いは全くありません。底の二方桟も繊細です。 変り塗は稗を使った「月代(つきしろ)」です。実際に自分の昼の弁当箱として使っていますが、使い易く洗い易い優れものです。
グリーン参る
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1940-50年代製作 TOM HILL ビスポーク・プレーントゥ
1940-50年代の製作と思われるTOM HILLのビスポーク・プレーントゥです。アッパーは毛足の短いスエードです。爪先は細めのラウンドトゥ、アイレットは5つですが、前後の間隔はかなり狭くなっています。TOM HILLのインソックのスタンプ(画像6)は本当にカッコいいです。このインソックに敷かれた革は土踏まずまでを覆う厚くて頑丈なもので(画像4)、ペダラやビルケンシュトックのように、踏まず部分をしっかりサポートする優れた機能を持っています。とても履きやすく疲れにくい靴です。 画像7に見られる通り、ライニングはダークブラウンの薄いカーフが張られています。アウトソールの革はオークバークと思われます。ヒールラバーはフィリップストップラインの古いものです。製作から80年前後経っていますが、「昨日靴屋で買ってきた」みたいに真新しい状態です。
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1988-1989年頃製作 ホールカットタッセル
1988-1989年頃製作のホールカットのタッセルです。大変上品なスリッポンです。紐はベルグラビアのような捻られたものです。アッパーは肌目の細かいダークオークのフレンチカーフです。この時代のカーフは本当に質が良く惚れ惚れします。ヒールカウンターに革が当てられていますが、他は完全な一枚革です。 ラストはスリッポン専用の184。インソックはMADE BY~のロゴ、アウトソールは大きなブロック体の刻印です。
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享和元年(1801年)作 若狭酒入
久しぶりに若狭塗を入手しました。漆塗りの寸法ぴったりの箱なので、製作時のオリジナル共箱だと思います。箱書きには「享和元年」と書かれていますので、今から223年前の作品です。 高さ九寸ほどです。黄漆、青漆、黒漆ほぼ三色で、稗を使った地模様に菊が配されています。派手さはありませんが、とても渋い魅力的な変り塗です。木地も薄く極めて正確で、狂いはほとんど見られません。素晴らしい…。
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1990-1991年頃製作 ニューポート(パンチドキャップトゥ) チェスナッツ
1990-1991年頃製作のチェスナッツのパンチドキャップトゥ、ニューポートです。ラストはスクエアトゥの88で、黒のニューポートと同じです。バークレーのアイレットの両サイドに、L字のパンチングが打たれたデザインになっています。ニューポートの特徴としては、画像7のように履き口の周りをギザギザのカッティングで、他の内羽根靴にはまず見られない仕様です。アッパーはフレンチカーフ、インソックのロゴは筆記体で、アウトソールの刻印も筆記体のMADE IN ENGLANDになっています。 黒、ダークオークのニューポートは持っていたのですが、チェスナッツのこの靴は長らく入手出来ずにいました。最近ようやく履くことができるようになって喜んでいるところです(笑)。
グリーン参る
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1986-1987年頃製作 フルブローグモンクストラップ ハンプトン
1986-1987年頃製作のフルブローグのモンクストラップ、ハンプトンです。ダークオークとチェスナッツのコンビになっています。ラストは細身のラウンドトゥの32ですが、この靴はウィズがDなのでさらに細い木型になっています。つま先のメダリオンはチャーチのもの(画像7)に似ていますが(画像6)、ハンプトンの羽根のパーツは大変小さくなっています。インソックはMADE BY~のロゴ、アウトソールの刻印は大きなブロック体です(刻印が深く1986年前後の製作と判断しました)。 ハンプトンには黒、チェスナッツ、ダークオークの単色がありますが、コンビには他にもツイルを用いたものもあります。
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