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80年代前半製作 ブルックス別注セミブローグ
80年代前半製作と思われるブルックス別注のセミブローグです。カドガンに似ていますが、爪先のメダリオンのデザインが違います。このブルックス仕様のメダリオンは「羊の頭」を模した形状のようです。光沢はあまりありませんが、深みのある良い色合いの柔らかなカーフです。薄めのシングルソールにはPEAL MADE IN ENGLANDの刻印のみです。ブルックス別注の旧グリーンは特に品質が高かったようです。
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70年代後半~80年代前半製作 5アイレットダービー
ブックバインダーカーフの5アイレットのダービーです。アイレットの外側から後方に掛けて、ぐるりとパンチングがなされています。ラストはセミスクエァトゥの73です。ちょっと洒落たポストマンシューズといった雰囲気です。 インソックはロンドン、ニューヨーク、パリの三都市ですが、ヒールトップの前方が月形に削られ赤く着色されているところを見ると、70年代後半から80年代初期の製作と思われます。
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幕末? 若狭塗小皿 変り塗四種
幕末頃の製作と思われる四種の変り塗を用いた小皿。それぞれ二枚ずつあり、全部で八枚となっています。変り塗は「高雄」「菊の雪」「月代」「はだれ雪」の四種類。直径8センチほどのものです。 焼けや傷みがそれなりにありますが、変り塗の水準は高く、江戸期の職人さんの面目躍如です。
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大正~昭和初期 吉岡昌太郎作 巻煙草箱(煙草盆)「鳳凰」
大正から昭和初期の製作と思われる煙草盆です。「鳳凰」という大型の檜葉と微塵貝を使った変り塗です。明治期と比べると明らかに貝片が大きくなっています。「隠し味」程度に使われていた微塵貝が、大正頃からはメインの技法になってきています。変り塗だけで勝負できなくなってきたということかもしれません。吉岡昌太郎さんはこの頃活躍された若狭の塗師屋さんです。 幕末、明治の作品と比較すると変り塗は大雑把ですが、この煙草盆の魅力は何と言っても青漆の美しさだと思います。
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明治六年(1873年)製作 八寸五段重 「朝日かげ」
明治6年製作の八寸の五段重です。この時代のお重は一段が非常に高く、五段で40センチほどの高さになる超大型のお重です。画像はお譲り下さった方が撮影したものです。変り塗は松葉、檜葉、菜種と四角い箆を使った「朝日かげ(あさひかげ)」という珍しいものです。蓋が二枚というのは五段重では一般的な仕様のようで、明治期の五段重で一枚だけの蓋というのはほとんどありません。 共箱蓋裏にはとても貴重な情報である書付があります。白嵜傳助氏が明治6年10月に注文した後、伊藤治良右エ門氏が譲り受け、その後早藤慶治郎氏が買入したと書かれています。所有者が三代にわたることからとても評価の高いものだったことが分かりますが、ほとんど使われていない素晴らしいコンディションです。
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明治初期? 六角柄違い五段重
明治初期の製作と思われる六角の五段重です。六面全て異なった変り塗で、加えて蓋も違う模様です。一枚目から順に「菊霜」「月代」「高雄」「おく霜」「網代木」六番目の変り塗の名称は不明です。蓋は菊霜の赤バージョン。高さは22.8㎝と割と小型のお重です。 六面すべて違う模様というのは大変な作業量だと思います。加えて画像8でもお分かりの通り、重箱の木口にすべて各面と同じ変り塗を施しています。職人さんの凄い執念ですね。
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明治34年(1901年)製作 八寸五段重 「網代木」
明治34年製作の八寸の五段重、「網代木(あじろぎ)」です。松葉と菜種、少量の微塵貝で構成された変り塗です。売って下さった方の画像のみで、自分で撮影をしておりません。「久﨑治左衛門」さんという方が注文されたようです。シンプルですが、美しい五段重です。傷みは比較的少ないまずまずの状態です。
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江戸期 小型膳「菊合(きくごう)」
江戸後期の製作と思われる横八寸の小型の膳です。通常のお膳としては小さすぎるので、実際どのような場面に使われたのか分かりません。松葉と檜、菜種、わずかに微塵貝を用いた「菊合」という変り塗です。赤い色がきれいに残っています。
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江戸期 三ツ組杯 八つ橋&はだれ雪
幕末頃の製作と思われる盃台と三つ盃の「三ツ組 盃」です。いわゆる正式な盃セットです。盃台の変り塗は、青漆を拝啓に松葉と菜種、少量の微塵貝を使った「八つ橋」と言われるものです。画像8の松葉一本が12㎜ですから、模様も細かいですね。きっちり角が立った美しい盃台です。 三つ盃の変り塗は卵殻、檜葉を使った「はだれ雪」です。こちらの出来も素晴らしいです。この時代のものは卵殻も非常に細かく砕かれており、ふわっとした雪のような仕上がりになっています。 これで日本酒を飲めば美味しい事請け合いです。
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明治中期製作? 七寸四段手提重 「汐干(しおかん)」
明治中期頃の製作と思われる七寸の手提四段重です。卵殻をほぼ等間隔に散らした「汐干(しおかん)」という変り塗です。微塵貝がほんの少しだけ撒かれています。四段すべて同じ高さになっています。飴色に漆が透けて大変美しい仕上がりになっています。薄い二方桟の作りも繊細です。 大変粗末な木箱に入れられていますが、お重そのものの出来はとても良好で傷みも極めて少ないです。
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明治12年(1879年)製作 六寸五段重 「網代木(あじろぎ)」
明治12年製作の六寸の五段重です。「網代木」という松葉を用いた変り塗。僅かですが微塵貝の輝きも見られます。極薄というほどの木地ではありませんが、狂いなくしっかり作られています。内側の洗朱も大変美しいです。黒塗り漆の共箱に入っています。蓋の裏に箱書がありますが、「玉置村」は現在の福井県若狭町にあたります。 製作から144年が経過していますが状態はとても良く、大切に使われていたことが伝わってきます。
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スエード カーフコンビフルブローグ~made for Edward Green イタリア製
1990年頃イタリアの工房で製作されたと思われるグリーンネームのフルブローグです。ダークオークのカーフとスエードのコンビになっています。イタリア靴独特の甲の立ち上がりが急峻なラスト(画像3)になっており、薄く滑りの良いライニングが用いられています。 グリーンは他のブランドから別注を沢山受けていたので、通常別注靴のインソックプリントはmade byになっていることが多いのですが、これはmade forになっており、グリーンの製作でないことが明らかです。アウトソールの革はオークバークのように見えます。ヒール底部になるほど細くなっていくピッチドヒール(画像5)であり、全体に装飾性の高い意匠になっています。ソールの画像からも踏まず部分が大変細い靴であることが分かります。
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1925年以前の製作 HELLRTERN & SONS ビスポークローファー
日記にも書きましたが、100年ほど前の製作と思われるパンチドキャップトゥのローファーです。タンが大変長く、デザインも独特でデコラティブな印象があります。エドワーディアン時代の靴といった感じです。側面から見るとコバがほどんど見えません。パンチングの穴は大変小さく作られており、華奢な印象です。僅かにスクエァに作られたトゥ。カーフは薄いのですが、特に乾燥した感じもなく良好なコンディションを維持しています。ライニングも柔らかで滑りづらい良い革が用いられています。 アウトソールの革もしっとりしていて、オークバークを使ったものと思われます。 Hellstern & Sonsは1870年にパリ・ヴァンドームに創業したビスポークシューズ・メゾンです。1925年にロンドンに支店を出しました。1925年以降、靴のインソックには『ロンドン』の文字がスタンプされますので、この靴の製作は1925年以前ということになります。 https://muuseo.com/shinshin3/diaries/144
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1988-1989年頃製作 ロイド別注 スタッグ製 バークレー
1988-1989年頃製作のロイド別注のスタッグスエード製のバークレーです。ラストは202。スタッグは個体によりかなり色の差が大きいのですが、この靴はグレーがかったベージュといった感じです。表面が汚れたので一度水洗いしていますが、スタッグは通常のスエードと比べて脂を含むので、画像6のようにフワフワした質感は保たれています。水に強いのがスタッグの大きな特長です。アウトソールの刻印は大きなブロック体です。 アッパーもソールも柔らかく、靴も軽いのでとても履きやすいです。
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1986-1987年頃製作 ダブルモンク ウェストミンスターⅠ チェスナッツ
1986-1987年頃製作のダブルモンク、ウェストミンスターⅠです。アッパーはチェスナッツのグレインレザーになっています。この頃のグリーンのグレインレザーは柔らかいですね。キャップトゥ部分は革がピンと張られており、クリームだけできらきらと輝きます。ラストは202です。インソックはMADE BYの四角いロゴ、アウトソールは深い刻印の大きなブロック体です。ウェストミンスターにはこの202の他、88、33、201など様々なラストが用いられていました。 追記……ただし33と言っても、私の履いている一足以外はネットでも一度も見たことがありません。
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