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TUDOR Heritage Black Bay 41 79540
ブラックベイシリーズで最もシンプルな時計。1950年代のチューダー(チュードル)の古典的なダイバーズに影響を受けたブラックラッカーの艷やかなダイアルが美しい。スノーフレークハンド(通称イカ針)が特徴的なチューダーの時計だが、デイト機能すら搭載しないこともあって、これ以上ないくらいの高い視認性を誇る。 チューダーはロレックスの所謂、廉価版ブランドとして存在してきた。近年はロレックスでは挑戦できない奇抜なデザインの時計を多数発表し、独立したブランドとしての価値を高めようとしいる。そして日本にもようやく上陸してきたこともあって、静かな盛り上がりを見せつつあるようだ。 このブラックベイ41だが、シンプルな分、仕上げや基本性能に対しての厳しい評価が下されるのはしょうがない。特殊な機能を何も持たず、敢えてつまらない3針時計として存在しているのも見る目をシビアにさせる。しかし細部に現れる血統の良さは隠せないもの。ケースもブレスもダイアル周りも、30万円ちょいという定価のレベルを完全に越えている。何の変哲もない外観なのにこの高級感は何だろう。 私は幅41ミリのサイズを選択したが、36ミリでも良かったかなぁ~と、そこだけほんの少し後悔している。買い換えるほどではないのでそのまま使っているが、それこそお爺ちゃんになったときのことを考えると、小さい方が正解だったろう。 中身はぶっちゃけエボーシュなのだが、だからこそのこの価格。これがオリジナルムーブメントだったら幾らの値が付いたことか…そう思わせるほどに基礎品質の高い「さすがはロレックスの弟分」なのである。
サファイアクリスタル TUDOR ステンレス・スティール 2824(パワーリザーブ38時間)砂布巾
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SWISS MILITARY HANOWA FLAGSHIP ML-340
AMAZON限定カラーということもあって購入。鮮やかなブルーのベゼルにブルーのレザーストラップ、真っ白なダイアルが若々しい。いや、私には若々し過ぎた。結局、2回ほど身に着けた後しばらくして知人にプレゼント。人様が着けているのを見たらもの凄く良い時計に思えた。やっぱり時計は似合う人に着けてもらうのが一番であるし、それが時計の本懐だろう。 品質的には価格を裏切らない正直なレベルだったと思う。回転ベゼルのように見えるベゼルははめ殺しだし、ハンドやアワーマーカーは安っぽい。けれどこの安っぽさが若々しさにも繋がって、なんとなく良い雰囲気だったりするのである。 幸か不幸か安い時計を蒐集していると、チープさが可愛らしさにも通じて、高級品とは異なる次元の価値を生み出すことがあるのだと解る。それを教えてくれただけでも買って良かったかもしれない。
サファイアガラス 42ミリ SWISS MILITARY レザー砂布巾
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TISSOT Pocket Watch 525 210
オヤジの遺品の懐中時計。度々入院するようになって、検査の際にいちいち外さなくてはならない腕時計の代わりになるものとして、急遽求めたものだろうと思う。 TISSOTなので価値はしれたものだが、手巻きの感触と大きな動作音はなかなか味わい深い。今はまだ懐中時計を趣味にする気はないが、10年もしたらハマっているかもしれない。 いわゆるハンターケースなので、蓋を開けなくても時刻が判別できる。ケースには結構凝ったエングレービング。YGの全体像と相まってやたらとゴージャスに見える。派手好きだったオヤジが好きそうな意匠だ。
幅47.2ミリ TISSOT 手巻き砂布巾
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IWC Pilot Watch Automatic36 IW324002
お爺ちゃんになっても使える現役の時計が欲しくて入手。現行の「マーク XVIII」のファミリーという位置づけだが、その特徴は何といっても幅36ミリという小ささ。 これは1948年に作られた「マーク11」サイズへの回帰でもあり、近年のIWCではダントツに小さい時計ということになる。 十分な耐磁性を軟鉄のインナーケースにより担保するなど、現代の様々な磁気に晒された環境においても信頼性の高さは折り紙付き。 美観面ではダイアルのスレート仕上げが特に美しい。完全なブラックだと「パイロット・ウォッチ」然としてハードになりすぎるところを、サンレイの美しいスレートグレーのダイアルにすることでラグジュアリー・ウォッチとしても存分に使える雰囲気に和らげている。因みにブルーのダイアルと最後の最後まで悩みに悩んだ。決めては「お爺ちゃんになったらどっちが似合う?」の一点。 35111ムーブメントはセリタの改良品だが、IWCのエボーシュへのモデファイ要求は尋常じゃないとの噂なので「セリタポン」と呼ぶには語弊があるだろう。実際惚れ惚れするようなリューズの感触、姿勢差もほとんど計測できなかったので、かなり追い込んである良いムーブメントだと思う。 ブレスモデルとストラップモデルでは9万円ちょいの価格差が生じるが、それだけ良いブレスということだろう。確かに着け心地は非常に滑らかだ。 腰が曲がって歩行に杖が必要になっても、腕には「IWCのパイロット」。なかなか渋いと思うのだが…どうだろう。
サファイアクリスタル 幅36ミリ IWC SCHAFFHAUSEN ステンレス・スティール砂布巾
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ROREX DATEJUST 16233
親父の形見のド派手なDJ。オメガコレクターだったオヤジだが、当のオメガは生前に形見分けで友人に贈ったらしい。という訳で親父の手元に最後まで残っていた貴重な時計である。 私が預かった時点では相当ガタが来ていたので、とりあえずオーバーホールへ。ダイアルのクスミや僅かな腐食はそのままにしてもらった。それでも汚れが落ちた外観は輝きを取り戻して、本来のド派手さを遺憾なく発揮している。 タイピンもカフスも、そして全ての時計が「ゴールド」で統一されていたオヤジの持ち物の中では、SSとYGのコンビモデルであるこのDJは、まだしも控えめな見た目だったかもしれない。 正直、地味な私には似合わない時計だが、着けてみると(手首のサイズはオヤジと同じだった)余り派手さを感じない落ち着きがある。ジュビリーブレスも流石というか…定番の時計と言われるはずである。
サファイアガラス 幅36ミリ ROLEX ステンレス・スティール砂布巾
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GRAHAM CHRONOFIGHTER 1695 Ref. 2CXAS
時計史で最初にクロノグラフを完成させた天才時計師「ジョージ・グラハム」の業績を称え、その名を冠したブランド「グラハム」。歴史にオマージュした名前とは裏腹に、作る時計はどれも時代を先走ったかのような奇抜な見た目を特徴にしている。特に「クロノファイターシリーズ」に共通のトリガー式クロノ用プッシャーは強烈な印象を見るものに与える。これは手指の中で最も反応速度に優れる親指でのクロノグラフ操作を可能にする、画期的な機構である。 この「クロノファイター1695」はグラハムの奇抜なラインアップの中で最もクラシカルで大人しいデザインの時計である。スーツに合わせることが許される唯一のクロノファイターだろう。 6時位置にあるインダイアルはスモールセコンドではなく、30分積算計である。クロノグラフ機構を持ちつつも余計な要素を省いたダイアル周りは非常にシンプル。作りの良いコブラ針の分針に似たハンドもどこかしらゴシックな様式美に縁取られ美しい。 ケースバックには全面的にグリニッジ天文台がエングレービングされているが、これがまた惚れ惚れする出来栄え。この細工だけで値段が跳ね上がってるんじゃないだろうか… 実は未だに同モデルの黒ダイアルも欲しいと思っている。白黒並べてみたい…
サファイアクリスタル 42ミリ GRAHAM レザー砂布巾
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Favre-Leuba Raider Sea Bird 00.10110.08.61.20
世界中に現存する時計ブランドの中で2番目に古い歴史を誇るファーブル・ルーバ。その事実の割に「ヴァシュロン」や「ブランパン」のように世界中で崇め奉られるブランドにはなれていない。とりあえず一度も経営を途切れさせることもなく頑張ってきた本物の老舗ブランドなのだが…しかしそのお蔭で私の手元にも縁あって一本やってきてくれた。有り難いことである。 「レイダー」は独特のクッションケースが目を引くシリーズ。その中で最もコンパクトなラインがこの「シーバード」である。ダイアルは古のダイバーズのスタイルを継承しておりひと目で水に強い印象を与える。それでいてどちらかというと華奢な作りのブレスやエンジンターンドとコインエッジを足してフルーテッド化したようなベゼルがそこはかとなくラグジュアリー感を醸し出している。そして何よりシェメリーコッパー色のダイアル。染み出す色気がたまらない。 最初見たときから「これはデイトジャスト(ROLEX)だ!」と感じた。デザイン的に似たところはないはずなのに何故かそう思わせる「定番感」が確かにあった。実際、面構えの品の良さや絶妙なケースサイズはデイトジャストとよく似ている。自ずと使用するシーンも似たものになるだろう。 シーバードの37ミリは現行ファーブル・ルーバのラインアップだとボーイズ(男女兼用)に属するだろう。もう少し大きめを好む男性のために41ミリの「シーキング」が存在する。価格も変わらない。 海千山千の古参ブランドでありながら、あまり世渡り上手とは言えないファーブル・ルーバというブランド。今後、正当な評価が与えられた時にどのようなブランドに成長していくのか楽しみではある。 私の「シーバード」の価値も上がるかな?(゚д゚)
サファイアクリスタル 幅37ミリ Favre-Leuba ステンレス・スティール砂布巾
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BELL&ROSS BR03-92 Diver BR0392-D-BL-ST/SRB
2017年のバーゼル発表のレポートを読んで文字通りノドから手が出てしまった魔性の一本。「四角いダイバーズって何やねん!」とツッコみながらも一目惚れ。 磨き分けの美しいカレのケースは、その奇抜なデザインとは裏腹に上質な質感を誇り満足度が高い。ビスの一本、裏蓋のエングレービングにも抜かりはない。そしてその真四角な土台に乗る一般的なダイバーズスタイルのベゼルとダイアル。一見すると凱旋門にエッフェル塔を乗っけた初代通天閣のようにお笑い的違和感を醸しても良さそうなものだと思うが、どっこいこの完成度とセンスの良さ。こんなにも「勇気を出して手に入れてよかった!」と思える時計も珍しい。 何気に良くできたラバーのストラップはデザイン面においても見事な一体感を発揮している。デザイン的には本当に隙きがないのだ、この時計。手首にかまぼこ板を乗せたみたいな時計なのに装着性は意外なほど良いし…全くもって不思議な時計だ。 ムーブメントのBR-CAL.302のベースはセリタの「SW300-1」だが、何ら不都合も問題も感じないレベルだ。少しはモデファイしてるのだろうか。ベル&ロスの時計は「エタポン」や「セリタポン」などと揶揄されることが多いが、フランク・ミューラー同様、そういう部分で勝負するブランドではないと私自身は思っている。 私はこの時計から実に多くのことを学ばせてもらった気がする。時計のどこを評価すべきか否かというそれまで曖昧に過ぎなかった基準に、一本の太い柱を立ててもらった気がするのだ。お蔭で買い物に後悔することは少なくなった。と同時に新しい世界が拓けてしまった分、いらぬ苦悩も増えたのだが…
サファイアクリスタル 幅42ミリ BELL&ROSS ラバー砂布巾
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HAMILTON Lloyd H19412733
偉大な建築家フランク・ロイド・ライトへのオマージュとして作られた「ロイド」は、現行のハミルトンのラインアップの中ではかなり異質な部類に入るだろう。 丸みを帯びたカレのケースに八角形のダイアル。同じく八角形のインダイアルが整然と並ぶさまはどこかしらユーモラスで生物的でもある。そしてこの印象こそ、ロイド・ライトの建築に感じるインプレッションそのものなのだ。 私はもともと建築出身なので「ロイド」の名前だけで「買わなくては!」と思ってしまった。まだそれほど自分に時計コレクターの自覚が備わっていなかった頃のことだ。 因みにこの時計には夜光が全く塗布されていない。なので夜の視認性はゼロに近い。ただ、なぜ夜光を塗っていないかについては完全に理解できる。つまり夜光を塗るとデザインが著しく壊れてしまうのだ。とはいえケースはもちろん、ハンドやインダイアルの縁取り、アワーマーカーに至るまでもがメタルポリッシュでピカピカなので昼間の視認性は十分に担保されている。 ダイアルのギョーシェは細かく上品な光沢変化が楽しめる。リューズも雰囲気を壊さないシックなデザインだ。 レザーストラップは立体的で厚みがあり高級感を感じるが何せ…硬い!未だに手首のアールに沿ってくれないほどに。ここまで硬い理由はなんだろう? 手持ちのマックス・ビルと並べて見ると、デザイナーとして背筋が伸びる心境になる。見ず知らずの私にまで伝わる偉大なクリエイターの知の遺産。やっぱりデザインって素晴らしい! 残念ながらすでにディスコンになってしまったらしい。10年後くらいに復刻しないかなぁ。
ミネラル・ガラス 37ミリ HAMILTON レザー(Dバックル)砂布巾
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EPOS EMOTION NIGHTSKY 3391BL
複雑時計も良心的な価格で提供してくれるエポス。「ナイトスカイ」もポインターデイトのフルカレンダーとムーンフェイズを搭載して20数万円というビックリ価格を実現している。標準装備のレザーストラップが安っぽいのはご愛嬌として、この複雑時計をこの仕上げ具合で作れるというのは大したもの。 ムーンフェイズ搭載の時計は総じてクラシカルな方向へ行くものだが、このナイトスカイは現代的な解釈をデザインに加えて、最新のプラネタリウムを見るような未来感溢れる一本となっている。 ダイアルは複雑な色変化を見せるブルーが鮮烈。現実の宇宙と言うよりは松本零士の描く宇宙のようなファンタジーを感じる。ポインターデイトの先端には三日月。大三角形を描くカレンダーの配置とともにオトナの遊び心を感じる。 エポスのラインアップはどれも他のブランドにはない遊び心が秘められていて、好きになるときは一瞬というような印象的な時計が多い。フルカレンダーとムーンフェイズをセットする手間は相当なものなのでかなりの時計好きにしかお薦めできないが、その神秘的な美しさは折り紙付き。所有する満足度の高い時計であることは間違いない。
サファイアクリスタル 幅41ミリ EPOS ブラックレザー砂布巾
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HAMILTON Khaki Tachymiler H71726233
7750を搭載しつつリーズナブルな価格を実現したタキマイラー。個性的なダイアルはレーシングカーのコックピットのようでもあり、雰囲気からするとタグホイヤーのフォーミュラと被る。 左配置のリューズのため時刻合わせにはちょっとしたコツがいる。特にデイデイトの設定は使う都度間違える。間違えると「はいもう一周」 マッシブの極みのようなデザインではあるが、キメきれなかったゆるい部分があるのでそれが全体の印象が重くなり過ぎるのを防いでいるようにも感じる。怪我の功名ってやつか。 気に入っているのはベゼルの質感とクロノのプッシャーの赤い差し色。注文を付けたいのはペラいハンドの作り。 コンビ色のブレスは厚みがある割に着けやすくバックルの出来も良い。総じてさすがはハミルトン!やることにソツがないぜ!と言いたいところだが…一点。 重い。230gは重すぎるのだ。 3針好きの私のコレクションの中では貴重なクロノグラフなのでガシガシ使っていきたいのだが、この重さのせいで最近は出番が減ってきている。ブレスをNATOに換装すれば活路は見いだせそうだが… 100万円近い時計にも普通に載っている7750を搭載してこの安さ。過剰に凝ったデザインは好き嫌いが分かれそうだが、現在のお洒落路線に突入する以前の尖ったハミルトンの代表作として大事に取っておくべきか…
サファイアクリスタル 幅47ミリ HAMILTON ステンレス・スティール砂布巾
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BVLGARI ERGON EG35BSSD EG35
1800年代後半から脈々と続く老舗ジュエラーの「ブルガリ」 腕時計にも結構気合が入っていて、レディースは当たり前としてもメンズも侮れないラインアップを揃えてきた。 近年は自社製のムーブメントを開発しマニファクチュールへの道をひた走っているブルガリだが、その魅力はやはりルックス。この「エルゴン」もジュエラーらしい細部へのこだわりが随所に感じられて、気軽にラグジュアリー感を出したいシーンでは何気に重宝する。 まず目を引くのがジュエラーの素性をアピールするダイアル周り。アワーマーカーの輝きはまさしく「貴金属」といった面持ち。漆黒のブラックダイアルは高貴な深みを湛え、人間工学に基づいて計算されデザインされたケース、それと一体をなすブレスの出来も素晴らしい。装着感の良さは言わずもがなだ。 女性受けのいい時計が一本くらいあっても良かろうと思って買った時計だが、確かに女性受けはすこぶる良い。銀座や北新地に着けていったらモテるかなぁ…(下戸だけど) 因みにラインとしては残念ながらすでにディスコン。ディアゴノは若すぎて照れくさいけどオクトは高すぎるといった層にピッタリはまる可愛い時計だったのだが…残念。
サファイアクリスタル 幅35ミリ BVLGARI ステンレス・スティール砂布巾
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Edox King star 200246
丸っこいケースデザインが気に入って4万円台後半で購入。近い時期にオーバーホールされていたので安心していたが、日付・各ハンド共に「23時40分」でフリーズする現象が発生。保証期間を利用して修理を依頼したらすっかり治ってしまった。それからはすこぶる元気に動いている。 ダイアルがダークウォームグレーのサンレイという、アンティークではあまりお目にかかれない代物だったのでそこも気に入っている。跳び箱状の巨大なアワーマーカーで押し出しの効いた面構えも特徴的だ。 カットガラスのカケなどもなく、傷といえば裏蓋のスレくらいでアンティークとしては状態が良い。とはいえ、アンティーク市場のEDOXにはあまり価値がない。探せばそこそこの状態のモノなら数千円で見つかるかも知れない。なので私が出した購入金額のほとんどはOH代金だと理解している。時計は動いてナンボですからね(;´Д`)
2015年11月 ミネラル・カットガラス 37.5ミリ EDOX砂布巾
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Ball Engineer Hydrocarbon Ceramic XV DM2136A-PCJ-BK
手持ちの時計の中で、デザイン的に最も「セクシー」な一本。5,000Gsの耐衝撃性に4,800A/mの耐磁性、クロノメーター取得のムーブメントを搭載し防水性も300mを誇る「要塞」の如き時計だが、この時計の真の価値はその「美しさ」にある。 ケースを構成する曲線は女性のボディーラインのように艶かしく、腕に着けた際のアピールは凄まじい。隆起したリューズガード「セーフティロック・クラウンシステム」はハイドロカーボンの最大の特徴だが、その構造云々よりも見た目のセクシーさの方に目を奪われてしまう。 長めのラグから余裕を持って伸びたラバーのストラップはバニラが香る所謂「本物のラバーストラップ」肌当たりが良好で、安物とは一線を画す素晴らしい出来だ。 自己発光するハンドやアワーマーカーの「マイクロ・ガスライト」も特徴的で実用的なセールスポイント。その機能を最大限に活かすようデザインされたダイアルもよく練られたいい仕事をしていると思う。 因みにBALLはエボーシュのムーブメントを使いながらも独自の追い込みに定評がある。このDM2136A-PCJ-BKもリューズ操作の際の挙動を感じれば明らかに滑らかで機械的なストレスを低減させていることが解る。定価40万円以下の時計でこれをやれるのは素晴らしい。良心的なメーカーと言えよう。 アメリカの鉄道時計に起源を持つBALL。雑誌のピンナップガールのようにセクシーで若々しい存在感はアメリカン・スピリットの賜物かもしれない。
サファイアクリスタル 幅42ミリ BALL(ボールウォッチ) ラバー砂布巾
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Victorinox Swiss Army Infantry Vintage 241375
レトロな味わいのミリタリーウォッチ。インファントリー(歩兵)の名に恥じぬ無骨さが魅力だ。 ビクトリノックスは時計よりもスイスアーミーナイフの老舗として世界中で有名だが、愛好家を魅了するナイフの雰囲気が時計にも随所に感じられ面白い。価格からすればだいぶ頑張ったケースやブレスの作りを見ると、金属加工に対する高いプライドがあるのは間違いないだろう。 ダイアルにさしたる高級感は感じられないが、暖色系の夜光を使いヴィンテージ感を全面に押し出している。段差を着けた二段のサンレイ処理は中々に美しい。迫力のある太いハンド(秒針も極太)が付いているが、そのお蔭でごちゃつき気味のダイアルでも視認性は担保されている。 44ミリという大型のケースの時計にフルスペルのデイデイトというのは珍しいのではないか。これも視認性が抜群に良い。搭載ムーブメントのETA2834-2は精度も十分に安定しており、曜日送りの早さも必見。もう「デイデイト・ジャスト」と呼んでも良いんじゃないかなぁ。 弱点が少なく、リーズナブルで使いやすい時計だが、最近はその重さが気になってきた。それは時計のせいじゃなく、私の加齢の問題なのだけど。
サファイアクリスタル 44ミリ Victorinox Swiss Army ステンレス・スティール砂布巾
