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Neogriffithides imbricatus
完全体を見る事はほぼ不可能で、画像の様に部分毎に採取した標本を酸で培出してプレパレーションが行われたものです。この三葉虫が採れる滋賀県霊仙山や多賀町権現谷は、近郊の伊吹山同様石灰岩で構成されています。ただ、三葉虫が採れる場所を目指そうとするとヒルの生息地に踏み込むため怖いです。10年ほど前に訪れた事がありますが、道路そばの転石からフズリナを見つけるのが精一杯でした。
Middle Permian ? 滋賀県犬神郡多賀町、権現谷 Neogriffithides imbricatus(KOBAYASHI&HAMADA,1980)tatsutoy
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Cummingella belisama
フランスに接するベルギー西部は石炭紀の地層が多く、詳細な研究が行われています。エノー州アントアン近郊の採石所Lemayも古くから石灰岩が採掘され、それに伴い三葉虫化石が見つかっています。当標本は新潟県でも見つかるカミンゲラの仲間になります。 参考:ベルギー鉱物学・古生物学センターのサイト http://www.cmpb.net/en/index.php
Lower Carboniferous ? Lemay, Antoing, Belgium Cummingella belisama (Hahn & Brauckmann 1985)tatsutoy
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Remopleurides colbi
遊泳型の三葉虫の仲間で、有名な種はロシア産のRemopleurides nanusがいます。ロシア産の標本を見る限り、尾部にはアンテナの様に張り出した一本の長い棘があったのではないかと推測します。この標本はRemopleuridesとしては大型です。また同種は北欧やアイルランドでも見つかっており、生息域が広かった三葉虫なのだと想像します。 参考:British Geological Surveyのバーチャル標本(レクトタイプ) http://www.3d-fossils.ac.uk/fossilType.cfm?typSampleId=29843
Upper Ordovician ? Corwen, North Wales, UK Remopleurides colbi (Portlock 1843)tatsutoy
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Toxochasmops extensus
ロシアや北欧で見つかるChasmopine三葉虫の仲間です。イギリスではあまり産出される事がなく、完全体は見た事がありません。本標本は比較的大型で、その特徴である、盛り上がった複眼や、頬棘を観察する事ができます。 産出地であるアクトンスコットはバーミンガム近郊のシュロップシャーヒルズ自然保護区近くの村になります。牧場、農場体験が出来る場所の様ですが、私が訪れれば化石掘り体験に転向してしまいそうです。
Upper Ordovician ? Acton Scott, Shropshire, UK Toxochasmops extensustatsutoy
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Platylichas laxatus
West Shropshire産の「リカス」にしては比較的ポピュラーな種になります。とはいえ、完全体の標本はなかなかお目にかかれないです。ごつい頭部と棘が目立つ尾部の部分化石になります。
Upper Ordovician ? Shropshire,England,UK Platylichas laxatustatsutoy
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Tretaspis seticornis
スウェーデン、ヴェストラ・イェータランド県ファルシェーピング市近郊のRed Tretaspis Shaleが産地で、母岩の赤色が特徴です。同地はストックホルムとノルウェーオスロの間に位置し、同種はオスロでも見つかっています。トリヌクレウスと呼ばれる、頭の周りに「外べり」のある三葉虫は種類も多く、鑑別の際は、外べりの弧の列数と窪みであるピット数で判別せよ、とありますが、専門家でないと無理ですね。私見ですが、Tretaspisは頭の膨らみや、ピットが「はっきり」しているのが特徴に思えます。スコットランドGirvanのTretaspis sortitaが顕著です。
Upper Ordovician ? Falkoping, Vastergotland, Sweden Tretaspis seticornis (Hisinger)tatsutoy
