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"砂時計"のセレナイト/透石膏
美術室の石膏像や建材の石膏ボードなど、私たちの身近なところでも活躍する鉱物「石膏」。
そんな石膏の中でも、抜群の透明度を誇る美しい変種を『セレナイト』と呼びます。
ギリシャ神話における月の女神セレネを由来としており、その響きに違わぬ清らかな透明感が特徴です。
石膏の一種ゆえモース硬度が低く、爪で引っ掻き傷がつくほど軟らかいためどんなに美しくとも宝飾用に研磨されることはありませんが、この結晶の見事さには並みの宝石に勝る感動を覚えるものです。
完全な劈開性により結晶面に沿って綺麗に割れるため、大きな原石から板状に切り出されたものはかつて板ガラスの代用品として利用されていました。
そのためヨーロッパではなんと建物の窓ガラスにも用いられていた過去があり、別名を"聖母マリアのガラス"とも呼ばれていたのだそうです。
ブラックライトによる青色蛍光も美しく、内部に浮かび上がる砂時計の模様がとても神秘的であります。
