Cyphaspides sp.

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派手な種の多いモロッコのデヴォン紀の中でも、比較的近年みつかったジョルフ (Jolf) で産出する種は、見た目が派手でヴァリエーションに富み、色合いも母岩の質を反映して、透明がかった白〜赤を帯びており美しく、コレクターに大人気の産地です。

本種はそのジョルフ産の種のうちの一つ。透明感のある赤みを帯びており美しい標本です。通称キファスピデス (Cyphaspides) と呼ばれている種の仲間ですが、他のジョルフ産の種同様、未だ正式な記載はなされておりません。キファスピデスの仲間には、頬棘〜胸節から伸びる棘が棘が短いタイプと、本種のように長いタイプがいて、両者は明らかに見た目が異なっています。

膨隆した頭鞍を覆う顆粒、頭部辺縁や尾部辺縁に沿い並ぶ細かな棘、軸葉に並ぶ二列の棘などが観察でき、見所のある標本です。

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  • 1. hdo 2019年03月01日 22:00
    これは大阪で出ていた標本ですね。いつでも拝見できるのは大変有難いです。jorf産でよく見かける棘の長いタイプを上手く仕上げるとこうなるのかと現物を見た際に感心しましたが、こうしてみると別種のようですね。フリルが密ですし、頭鞍のふくらみ、顆粒の付き方、節の数が1つ少ない?、尾版から垂直に伸びた棘。希少種でしょうか。何れにしろ、仕上げ、色合い、構図、どれを取っても素晴らしい標本ですね。

    2. orm 2019年03月01日 23:48
    >hdoさん
    そうです。Paleo-pixで一目惚れをして購入しました。あのショーでは多くのjolf産を店主のH氏が持ち込んでいて、どれもこれも欲しかったですね。Paleo-pixは私も必ずショーの度に訪問する店なので、あの辺りの界隈でhdoさんとも、一度ならず、実はお会いしているかもしれませんね。
    このCyphaspidesは、棘が湾曲しており長く、マニア界で言う所のCyphaspides typeBだと思うのですが、確かに特に頭鞍の膨らみが大きくSphaerocorypheのようで、少々変わっているように思いますね。個体差なのか、どうなのか…。節の数は11節で軸葉の垂直な2列の棘は、プレパレーション良好な標本なら認めるようですね。

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