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Tricrepicephalus texanus
希少種の多いWeeksにおいて、コレクターに一目置かれる存在なのが本種だと思います。T.coriaと呼ばれている事もありますが、現在はT. texanusが優勢です。尾部の長い鉤状の一対の棘と体のバランスが美しく、赤い母岩との相性も合う為、まるで美術品の様な美しい標本です。私感ではありますが、全ての三葉虫の中でもデザイン的に最も優れた種類の一つに思います。近年、従来のPtychoparioidea(目)ではなく、新設されたAulacopleurida(目)へ移籍する考えがあります。
Middle Cambrian Ptychoparioidea,Ptychoparioidea TRI-636 WeeksTrilobites
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Labiostria westroppi
Ptychopariida(目)の仲間に見えますが、Asaphida(目)の最も初期のグループであるAnomocaroidea(超科)に属する仲間で、後の時代のAsaphida(目)の仲間とは似付かない姿をしています。しなやかそうな肋棘が肋毎に長く伸びており、見た目はModocia typicalisの様です。Mckay Groupの三葉虫はカンブリア紀らしい平坦な種類ばかりで、どの種類も似通って見えます。
Upper Cambrian Anomocaridae,Anomocaroidea,Asaphida TRI-86 Mckay GroupTrilobites
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Gerastos sp.
眼の無いBlind Gerastosの仲間です。ゲラストスは、体の割に大きめの複眼を有しているほど眼が発達している種類ですが、この個体は体はゲラストスそのものなのに、眼を放棄しています。生きていくのに重要な視覚を放棄するのは、光が届かない環境下で暮らしていた環境依存によるものと思われます。Jorfには、他の産地と異なる小さめの眼を持つ種類が幾つかありますが、洞窟棲などの特殊環境下にあった可能性はあります。 【標本リンク】TRILOBITE DESIGN ITALIA https://www.trilobiti.com/product-page/undescribed-devonian-trilobite-proetid-jorf
Middle Devonian Proetidae,Proetoidea,Proetida TRI-682 -Trilobites
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Paladin mucronatus
折り重なるように2体が絡まった漆黒の艶のある標本で、個人的に好みの標本です。この産地では金色に輝く標本もありますが、真鍮ブラシで擦ると黄鉄鉱化した表面が輝きます。英国産のアンモナイでも同様の手法で黄金色に輝く標本が見られます。この種類は、この地から産出するWeberides eichwaldi shunnerensis(KING1914)と同一種と思われますが、購入時のデータのままの表記としています。この時代にしては非常に長い頬棘のある種類ですが、その面影が残っています。
Lower Carboniferous Phillipsiidae,Proetoidea,Proetida TRI-412 Four Fathom LimestoneTrilobites
